パンツァークライン
以下はWikipediaより引用
要約
『パンツァークライン』 (Panzer klein) は、神田晶が「月刊少年ガンガン」にて2001年3月号から2002年11月号まで連載した漫画作品である。
単行本は全5巻。コミック最終巻の第5巻には、当作品の外伝「新名物・天ヶ瀬温泉にようこそ!」と「戦慄!!旧校舎の怪!!」、神田のデビュー作品『ぼくらのポストマン』も併せて収録されている。当項目では各外伝及び『ぼくらのポストマン』についても記述する。
神田晶の初連載作品となる当作品は、人間に宿る精霊をテーマにした作品で平凡な高校生がある事件をきっかけに力を巡る命がけな闘いに遭遇する運命にある。
あらすじ
登場人物
各名称の由来
当作品の登場人物、更に雨ヶ瀬学園、雄鬼高校などの名称は、大分県の市町村の名前に由来するものがほとんどである(例として、主人公の本上貴典は、「本匠村」〈ほんじょうむら〉という大分県内の村に由来し、海部美波は大分県の沿岸部地域一帯の名称である、「海部」〈あまべ〉に由来する)。
ただし、大分県は2005年から2006年にかけて、「平成の大合併」として多くの市町村が合併されたため、2017年現在、本上、清河、米水逗など多くの登場人物の名前となった名称は、市町村としては消滅している。
雨ヶ瀬学園
本上 貴典(ほんじょう たかのり)
主人公。高校二年生。最強のクライン「魔剣レヴァンテイン」を宿す。戦いとは無縁の日々を送っていたが、クライン使いであることが判明したため、雨ヶ瀬・雄鬼の両校から勧誘を受ける。当初は関わり合いになるのを避けていたが、雄鬼に誘拐された妹の弥生を救出するために雨ヶ瀬へ転入する。
時として強い正義感を見せる事もあるが、基本的にはヘタレで気が弱く、戦士としては不向きな性格である。その性格が災いしてか、下級生の美波にすら格下扱いされており、八つ当たりの対象にされることもある。また茜には「なんにもわかってない」と罵倒され、クラインを制御できないとして独房に入れられるなど、雨ヶ瀬での待遇は散々だった。また、不可抗力で女子の体に接触してしまうことが多く、そのことで美波達に制裁を受けるのがコメディ描写における定番になっている。
海部 美波(かいふ みなみ)
雨ヶ瀬学園一年生。ナックルタイプのクライン「ローゼンドルフ」を宿す。茶髪のツインテールが特徴。クライン使いである事が判明した貴典を保護するべく、雨ヶ瀬からやって来た少女。明るく活発な性格から友人も多いが、お調子者で場の空気が読めないところがあり、しばしば騒動を起こす。その際よく貴典が巻き込まれ、二人揃って佐伯に制裁を受ける。
雨ヶ瀬に来る前は「海部物産」という企業の令嬢として不自由なく生活をしていたが、仕事一辺倒の父親に反発し、ひねくれた性格をしていた。その父親が自分を庇って誘拐犯に撃たれたことが、クラインを覚醒させるきっかけとなった。その後、桜華によって誘拐同然の方法で雨ヶ瀬に保護されるが、似た境遇を持つ姫嶋との交流を経て雨ヶ瀬の生徒となる。かつての令嬢暮らしのためか依存心が抜けず、それが原因で長らくDランクに甘んじていたが、桜華の叱咤を受けてクラインをパワーアップさせ、麻地を撃破する。
清河 桜華(きよかわ おうか)
雨ヶ瀬学園三年生。生徒会長。M(マスター)ランクのクライン使い。拳銃タイプのクライン「アルトヴァイス」を宿す。属性は不明。彼女の使用する弾丸は雨ヶ瀬の研究チームが開発した特別製で、クラインの細胞を腐敗させる効果がある。黒髪長髪で眼鏡をかけている。雨ヶ瀬では生徒会が学園の実権を握っており、生徒会長である彼女は教師よりも上の立場である。貴典に「冷たそうな人」と印象付けるほど冷静沈着かつシビアな性格だが、美波の依存心を断ち切るために敢えて突き放すなど、ただ冷たいだけの人間ではない。だが、雄鬼高に対しては冷酷そのもので、普段の礼儀正しい口調から一転、挑発的な態度を取る。優秀なクライン使いで生徒からの信頼も厚いが、(時間的な余裕がなかったとはいえ)部外者の素性調査を怠ったまま部隊に編入するなど、指揮官としては少々お粗末である。他にも、美波を誘拐同然に連れ帰ったり、気に入らない事があると発砲するなど、短絡的な行動が目立つ。胸が小さい事を気にしており、この事を茶化した佐伯は殺されかけた。
佐伯 貴浩(さえき たかひろ)
緋出 茜(ひじ あかね)
雨ヶ瀬学園一年生。火のグランドマスター。トンファータイプのクライン「スザク」を宿す。燃えるような真っ赤な髪色をしている。見た目どおり強気で活動的な性格をしており、口調も男性的である。母親はクライン研究者の緋出博士。かつては雨ヶ瀬の研究所で(本人の了承のもと)実験体となっていたが、自身の力への恐怖と母親への思いの間で葛藤していた。この時、喧嘩を吹っ掛けてきた琴音を返り討ちにし、それ以降は親友同士となる。病気というハンデを抱えながらも、グランドマスターの地位に上り詰めた琴音の努力を誰よりも知る人物であり、そのためか、労せずして生徒会入りした貴典に手厳しい態度を取る。雄鬼での戦いにおいて、琴音を倒された怒りから弥生を殺そうとするも、見かねたスザクによって制止される。なお、貴典が初めてセクハラをした相手であり、彼女の胸を「堅い壁」と評している。
米水逗 琴音(よのうづ ことね)
國東 基信(くにさき もとのぶ)
姫嶋 カトリーヌ(ひめじま カトリーヌ)
雄鬼高校
清河 柊華(きよかわ しゅうか)
雄鬼高校生徒会会長。サブマシンガンタイプのクライン「エアストロート」を宿す。雨ヶ瀬のクライン破壊の銃弾をコピーした弾を使用する。属性は不明だが、M(マスター)ランク。妹である桜華と同じ黒髪長髪。ある事件で片目を失い、眼帯をしている。佐伯の回想でしか語られていないが、昔はクラインで人を傷つけることをよしとはせず、妹を気にかけるなど優しい性格であった。彼も雨ヶ瀬の研究所出身で、アルトヴァイスに操られた桜華が、柊華と他のクラインを標的に引き起こした研究所の爆発事故に遭うも、何とか生き延びた(雨ヶ瀬では、事故は柊華が起こしたという噂がある)。雄鬼に入学してからは、雨ヶ瀬に命を狙われながらも、魔剣の行方を探していた。
本上 弥生(ほんじょう やよい)
麻地 丈夫(あさじ たけお)
雄鬼高校在学。カタールタイプのクライン「ジェメリ」を宿す。学年は不明だが、戌飼に下手な態度をとっている。視力が悪く、後に眼鏡からコンタクトレンズに変える。貴典が雄鬼校への入学を拒否したため殺そうとするが、眼鏡を破壊され敗走。その後パワーアップを果たし、仲間を引き連れて雨ヶ瀬を襲うも、今度はパワーアップした美波に倒され捕虜となる。初登場時は属性攻撃もできない雑魚だったが、雄鬼の開発した技術により土属性の力を得る。だがこの技術は未完成だったらしく、彼は実験台にされたに過ぎなかった。捕虜となった後は桜華に身包み剥がされ、ラストや外伝ではパンツ一丁で登場している。彼の制服は雄鬼への潜入作戦の際、貴典に渡される。
戌飼 琢朗(いぬかい たくろう)
雄鬼高校在学。学年は不明。槍タイプのクライン「グルヴェイク」を宿す。炎属性のM(マスター)ランク。長髪で縞模様の帽子を被っている。弥生誘拐の実行犯と思われる男で、貴典と美波が二人がかりでも歯が立たないほどの実力者。物語中盤で再登場し、佐伯の雄鬼校時代の友人であったことが判明する。ガソリンを用いた戦法で一時は優位に立つが、その戦い方を良しとしない自身のクラインと佐伯の底力に敗北し、和解する。その後、雨ヶ瀬生徒会内部に裏切り者がいる事を伝えるが、部下を置き去りにしたまま忽然と姿を消してしまい(しかも一本道の洞窟で)、最終話でまたも突然に姿を現す。自身のクラインに対する愛着は深く、桜華にクラインを破壊された時は謝辞を述べている。また、当初は一人称が曖昧であった。
その他
大野 ほのか(おおの ほのか)
香々智学園から、雨ヶ瀬学園に救援を求めて接触してきた少女。召喚クライン「レーヴェンハウプト(通称タロ)」を宿す。家庭的で穏やかな性格をしており、その性格に、貴典は好感を持っていた。しかし、本当の彼女の目的は、魔剣レヴァンテインを消滅させるためであり、香々智学園の生徒というのは嘘であったことが発覚する。そのことから、雄鬼からのスパイではないかと疑われたが、単に魔剣封印のために雨ヶ瀬に接触しただけであった。クラインの宿主となったことによる作用か、貴典の体に接触した際に魔剣レヴァンテインの波動を感じ取っている。自ら、精霊界から精霊を呼び出して使役することが出来るが、いつもは失敗をすることが多いようである。
タロ(レーヴェンハウプト)
本上(母)
海部物産社長
武田(たけだ)
クライン一覧
魔剣レヴァンテイン/聖剣ブリュンヒルド
魔剣は敵から気を奪うだけでなく、他のクラインを吸収して自らの力に変えることができ、実際に大蜘蛛に寄生したクラインを喰らう場面もあった。
後に、貴典の妹弥生を宿主としたもう一つの魔剣が登場するが、貴典の魔剣を複製したものであるのかは不明。
ローゼンドルフ
超接近戦を得意とするクラインで、パンチ力や投げ技に優れている。その反面、遠距離での戦いは不得手だが、訓練を積めば気弾を発射することもでき、遠距離攻撃への対応も可能となる。
宿主である美波の依存心が影響し、長らくDランクに甘んじていたが、美波が麻地との戦いで精神的成長を遂げ、Aランクにパワーアップする。パワーアップ後は、スケート靴に似た形状の具足を具現化できるようになり、クライン本体の翼がDランクの頃より大きくなっている。
アルトヴァイス
クサナギ
スザク
PT025
フェルゼン
エアストロート
ジェメリ
グルヴェイク
地下鍾乳洞での戦いにおいて、ガソリンで火力を上げるという宿主の戦いをよしとせず、それが戌飼の敗北に繋がった。
外伝
「新名物・雨ヶ瀬温泉にようこそ!」は少年ガンガン増刊号『ガンガンパワード』2002年春季号に掲載された作品。雨ヶ瀬学園敷地内に温泉が湧いたという設定で、本編のようなシリアスな内容ではなくギャグ内容が盛り込まれている。
「戦慄!!旧校舎の怪!!」は少年ガンガン増刊号『ガンガンパワード』2002年秋季号に掲載された作品で、本編で話題にならなかった雨ヶ瀬学園旧校舎のエピソードについてを作品とした。
ぼくらのポストマン
『月刊少年ガンガン』1999年8月号に掲載。神田晶のデビュー作。進路希望に悩む高校三年生の男子生徒がひょんなきっかけで、正義感の強い学生プロレス出身の郵便局員に出会い、自己啓発していく作品である。郵便局員が自らの職業に異様に誇りを持っており郵便局の商品を何かにつけてアピールしてくるなど、ギャグ漫画としての要素が強い。ラストは男子生徒が郵便局員となることを決意して大学進学を選ぶが、郵政省は高卒入省も可能であった。
サブタイトル
単行本 | 話数 | 収録話 | 書籍情報 |
---|---|---|---|
第1巻 | 1 | 遭遇 | 2001年7月発売 ISBN 4757504942 |
2 | 決断 | ||
3 | 覚醒 | ||
第2巻 | 4 | 理由(ワケ) | 2001年12月発売 ISBN 475750599X |
5 | 誇り | ||
6 | 決着 | ||
7 | 召喚精霊 | ||
8 | 決戦前夜 | ||
第3巻 | 9 | 潜入 | 2002年5月発売 ISBN 4757506961 |
10 | 勇気 | ||
11 | 信頼 | ||
12 | 友情 | ||
13 | 過去 | ||
第4巻 | 14 | 出会い | 2002年10月発売 ISBN 4757508131 |
15 | 勝利 | ||
16 | 敵 | ||
17 | 火と水 | ||
18 | 再会 | ||
第5巻 | 19 | 正体 | 2002年11月発売 ISBN 4757508255 |
20 | 使命 | ||
21 | 聖剣 | ||
外伝 | 新名物・雨ヶ瀬温泉にようこそ! | ||
外伝 | 戦慄!!旧校舎の怪!! | ||
読切 | ぼくらのポストマン |
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