パンプキン・シザーズ
以下はWikipediaより引用
要約
『パンプキン・シザーズ』(Pumpkin Scissors)は、岩永亮太郎の日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。停戦から3年が経ち、なおも戦争の爪あとが深く残る帝国を舞台に戦災復興部隊の活躍を描く作品。
『月刊少年マガジン』(講談社)にて連載中だが、2020年4月号に掲載されて以降は休載が続いている。単行本は2020年1月時点で23巻まで刊行されている。
概要
2002年より『マガジンGREAT』(講談社)で連載を開始。その後2006年11月号から『月刊少年マガジン』に連載を移籍、後にアニメ化がなされ同年10月より2007年3月までUHFアニメとして放送された(全24話)。
共和国との大国間の大規模戦争が停戦を迎えて3年が経つ帝国において、戦争の影響による社会混乱を収めるため組織された部隊、陸軍情報部第3課・通称「パンプキンシザーズ」の活躍を描く作品である。舞台となる世界は架空の物であり20世紀初頭第一次世界大戦前後の技術力を持つが、現実世界では数世代をかけて社会に浸透した各分野の技術革新が一人の天才技術者によってごく短期間に普及した設定になっており、近代的な技術を持ちながらそれを使う人間の意識(特に、外部社会とは隔絶した上級貴族)は中世期の封建社会のままという歪んだ構造となっている(詳細は#帝国概要を参照)。
単行本化の際には、数ページ程度の話「Interval(インターバル)」がいくつか加筆されている。特に最初の1篇は必ずカラーで挿入される。ギャグ調の物もあるが、伏線やストーリーの補完など重要な物も多い。
岩永の談話によれば、根底のモチーフにあるのは『赤い光弾ジリオン』と『あぶない刑事』シリーズではないかと自己分析している。
あらすじ
帝国は、隣国フロスト共和国と長きにわたる大規模な戦争を行っていたが、「薄氷の条約」とも呼ばれる停戦条約が結ばれ、戦争は終結した。
停戦条約から3年を経て帝国は復興しつつあったが、なおも社会混乱は完全には収まっておらず、難民や兵隊の野盗化などの「戦災」が続いていた。そこで帝国および帝国陸軍は、これら問題を解決する戦災復興の専門部隊として陸軍情報部第3課(後に通称「パンプキン・シザーズ」)の設置を決める。
第3課の実情は形式的な物であったが、彼らは戦災復興に真面目に取り組み、時に戦後の混乱を利用して私腹を肥やしたり、民衆を虐げる権力者たちと対峙する。
物語は、とある村にパンプキン・シザーズとして赴いたアリス・L・マルヴィン少尉と、退役後は悲惨な戦場に倦み疲れて行く宛ても無く各地を放浪していたランデル・オーランド伍長との出会いから始まる。
登場人物
用語
帝国を主に記載する。
帝国概要
本作の主な舞台。国家元首として皇帝がいることはわかっているが、作中にて正式な国家名称および政治形態などの説明が無いため詳細は不明。国旗には羽を広げたロック鳥が描かれている。元老院が置かれているが皇帝の独断で停戦条約を結んだような描写から、皇帝の権限はかなり大きいと推測される。また、陸軍のシステム、税務署や郵便制度などの行政システムを見る限り近代的ではあるが、封建制度が残っているのも特徴で領地持ちの貴族も存在する(詳しくは「貴族」の項を参照)。国政を司る貴族は、軍が国政に口を挟もうとしていることを良く思っておらず、純粋な貴族からなる政府と平民もいる軍部の仲は良くない。
国内の状態はフロスト共和国との戦争によって疲弊しており、停戦から3年経った現在、主要都市では復興の兆しが見えているが、依然、地方の経済や治安などは厳しいままとなっており、未帰還兵などの問題も残る。また、一部の権力者や有力者などによる職務や地位を悪用した政治腐敗や不法行為が社会混乱に拍車を掛け(人災)、政治に対する国民の不満や不安定な社会を背景とした過激派による治安問題も大きい。
外交的には西方諸国同盟(ネビュロ)の一角として、その技術力・軍事力を背景に君臨する。隣国フロスト共和国との関係は歴史的にも非常に悪く、先述のように現在は停戦中と言えど、共和国との戦争とその影響が本作のテーマのきっかけとなっている。また、変動する時代において技術力の優位性などが徐々に失われており、「停戦に持ち込めたこと自体が奇跡だ」と言われるくらいに、その国際的地位は揺らいでいる。
貴族
平民とは一線を画す存在で、国家行政を一手に担っている。ただし貴族と一口に言っても、領地を持っている者から安アパート暮らしまで様々。貴族としての義務を果たそうとする者もいれば、地位・特権を利用して悪事を行う者もいる。勢力としては後者が圧倒的多数で、特に悪人とは言えない(「個人」としては善良な)者でも平民は人間ではない(人間は貴族だけの意)という思想に貴族階級全体が染まりきっていてその事に自覚が無い。そのため、ノブレス・オブリージュを果たそうとする者の方が逆に奇異な目で見られる始末。
拝命十三貴族
マルヴィン家
ブラムレット家
帝国陸軍
あくまで本分は帝国における陸軍であるが、情報部は国家公安も兼ねる立場となっているなど権限はかなり大きい。政治面でも国政が武力と直結しており、警察権力は軍部によって抑圧されている。組織体系として完全な縦割りであり、たとえ同一の目的があっても他部署に対して非協力的であったり、時には弱味を握ろうと動いたりしている。
帝国陸軍では戦車を単なる兵器ではなく騎士の代用品と考えており、戦車の乗員(特に車長)は「貴族・貴族の血縁者・貴族から許可された者」しかなれない。また、「平民が団結して貴族を倒す様を連想させる」「戦車が地雷等の安価な兵器で破壊されると貴族の権威が落ちる」との理由で多人数で運用する対戦車砲等の対戦車兵器の開発は公には行われていない。
少尉以上の将校(士官)は基本的に貴族のみで構成されている。戦時中、将校の不足を補うため平民でも士官学校に入学できる「平民採用制度」が施行されていた(ハンクスなどはこの時期に卒業・任官している)が、停戦後に廃止され、その時点で士官学校に在学中だった平民出身者(オレルドやマーチス、ラーン)は将校でも下士官でもない「准尉」という階級に留め置かれている。
情報部
部長:ケルビム中佐 / シューリット補佐官
第1課 - 課長:コネリー少佐 / 副官:マルコー中尉
国家公安を理由に情報統制や他機関への干渉が行えるなどの権限も持つ。また、軍部の予算を獲得するために動くなどといったことも行なっており、麻薬市場を経営しようと画策したこともあった。ただし、軍内の他部署に干渉する際は手続きを必要とするなど、憲兵的な役割は持っていない。
実動第1小隊「第1の大剣(クレイモア・ワン)」 - 隊長:スナブノーズ大尉
実動第2小隊「第2の曲剣(ダブル・ショーテル)」 - 隊長:ラインベルカ大尉
実動第3小隊「第3の隠剣(トライ・ダガー)」 - 隊長:デリル中尉
実動第4小隊「第4の巨斧(アックス・フォース)」 - 隊長:ゴールドマン大尉
兵器局
「帝国工房(おそらく旧名)」とも呼ばれる。軍で使われる兵器或いは設備全般の開発・整備を行う部署。
共和国に対する敵意が強い陸軍の中でも特にそれが酷い傾向があり、例えば「左回しのネジが最初に共和国で発明されていたら、帝国は右回しのネジを開発しただろう」などといわれる。重要部品に関してはほとんどカウプラン博士の特許技術が幅を利かせているため、カウプラン機関からの資料提供を受けてから開発している。マルケイユ伯爵が開発室の副室長を務めている。
技術開発部技術開発班 - 主任:ウェブナー技術中尉待遇・三等文官
不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)
戦時中に設立された900番台の部隊群の通称名。表向きは存在しないが、戦時中に前線ではこれらの部隊の情報が飛び交い、その結果「不可視の9番」と名付けられた。ゆえに正式名称ではない。また、この名称すら知る者はごく僅かである。
その実態は、およそ公には出来ない非人道的な兵器・装備をもって戦術を行う部隊であり、残酷な人体実験や兵器実験も行なわれていた。帝国に打診された帝立科学研究所が主導したが、そこには自身の永続化を望むカウプランの思惑もあった。停戦後も非公式部隊ゆえにこの部隊群の所属者は「存在しない」ため軍への復帰が認められず、社会外に放逐され、それがランデルのように各地を放浪したり、903CTTのように野盗団へ身を落とさざるを得ない者たちを生んだ。
なお、帝国では9と言う数字は初代皇帝が戦死した日として忌数とされており、その数字が部隊番号の頭に使われていること自体がこの部隊群の性質を表している。
901ATT (Anti Tank Trooper)
鬼火のような青い火を灯すランタンと、「ドア・ノッカー」「三式装甲剥離鋏」の特殊装備や、手榴弾などで武装した軽歩兵部隊で構成される。敵味方問わず戦車乗りの間では「例えその瞳を灼かれても、例えその腕をもがれても、奴等は決して歩みを止めない。死沼へ誘う鬼火(ウィル・オー・ウィスプ)に導かれるまま、保身無き零距離射撃を敢行する」「焼硬鋼(ブルースチール)のランタンを持った歩兵と会ったら、味方と思うな。だが決して敵に回すな。そのランタンは持ち主の魂をくべる炉。奴らは蒼い鬼火と共にやって来る」という噂として有名で、その噂通りに敵戦車に接近し「ドア・ノッカー」で乗員を銃撃するか、三式装甲剥離鋏でハッチをこじ開け、直接殺害するという接近戦法をとる。
隊員は全員、殺人を行うためだけの思考回路を持つように脳改造を施されており、腰に下げたランタンに火を灯すとそのスイッチが入る。一度スイッチが入るとランデルの様な温厚な人間でも即座に殺戮兵器と化し、無言のままに任務を行う。また射線から外れるなど最低限の回避行動は取るが、基本的には目標へ直進するため、戦闘後は満身創痍となっているが、敵から受けた物ばかりではなく、運用法も満足に決められず試作・配備された装備による「自傷」も多かった。
装備
13ミリ対戦車拳銃「ドア・ノッカー (Door Knocker)」
作中では人間の扱える限界とされる口径で、さらに実包をボトルネックにしているが、それでも装甲を貫くには絶対零距離射撃が必要となるため、装甲をノックする=「ドア・ノッカー(扉叩き)」という名が付けられた。劇中では零距離なら確実に装甲を貫いているが、ライフリングが刻まれていない 滑腔銃であるため、有効射程は通常の拳銃よりも短く照星も付いていないなど、最初から901ATTの運用にあわせた特攻兵器として設計されている。装甲を貫いた弾丸はひしゃげており、内部の人間の肉体に当たると良くて大穴、部位(頭部など)によっては原形を留めないほどに粉砕される。
公式には戦車に近接するなど「常識的」には不可能であるうえ、帝国陸軍の理念にそぐわない対戦車兵器であることから、正式採用は見送られ「製造されなかった」ことになっている。劇中ではランデルの所持する物と、コルトゥ博士が壁に飾っていたレプリカの二丁のみが確認されている。3課に所属後も弾が不足する描写はないため、製造は続いているようだが詳細は不明。
現実に13mm弾を使用する対戦車ライフルのマウザー M1918があり、対戦車砲の3.7 cm PaK 36の蔑称が「ドア・ノッカー」である。また拳銃としては、ワルサーカンプピストルが太い銃身、シングルアクション、単発、中折れ式など、外見上及び機能上の共通点を多く持っている。
三式装甲剥離鋏
ランデルが常にコートの中に携帯している物は「Marman-ccheda(マルマン・チェダ)」と彫り込まれている。
センティピード
901は歩兵であり車両の速度に追従するのは不可能なうえ、取り付いても急激な動作で振り払われるなどドア・ノッカーの射程を維持するのが難しかったことから、一度車体に取り付いたら離されないようにする装備として開発された。
針一本を打ち出すのにドア・ノッカー用の実包(弾頭は抜いて空砲にしたもの)を2発使うため、肉薄状態ならば装甲に針を食い込ませる事が可能だが、発射時にワイヤーが切れたり針が刺さらないことも多く、一度に弾を14発も消費するなど効率は悪い。またワイヤーを巻き取る機構が無いため、引き離されることはないが取り付くには自力で行く必要があるなど、作中でも多数の欠陥が指摘されている。弾の装填はマガジン方式となっている。
導入当初から効果が疑問視されており使用期間の短い装備であったが、ワイヤーで繋がった901を痛めつけるために戦車を旋回させた事でワイヤーが履帯に絡み巻き上げられ、結果として素早く車体に取り付くことが出来たなど、一定の戦果を上げていた。
センティピードは正式な名称ではなく、履帯にワイヤーが絡み巻き上げられた際、使用者の装備や千切れた肉片、肉体そのものが大量に巻き付いた戦車の姿が「大百足(センティピード)」に似ていることからついた。
打ち出す衝撃で左手首が大きく損傷し、高速で走る戦車に地面を引き摺り廻されるなど、肉体へのダメージは非常に大きい。このためランデルは停戦時点で所持していたものの袋に入れたまま封印していた。
対戦車ライフル
銃身が薬室から銃口にかけて口径を絞っていく構造になっているので火薬の威力が超高効率で発揮でき、発射された弾丸は絶大な初速と貫徹力を得る。その威力の代償として、射手の肩を破壊するほどの強烈な反動がある。
銃を使用した試験射手が二度と銃試験に関わらなくなったこと、絞られて尚銃口が50口径を超えていることから前述の渾名が付いていた。しかし、901に配備された物はカウプラン機関排斥による技術力低下で発射時の負荷に比しあまりにも銃身の強度が不足しており、常に暴発の危険性を孕んでいる。結果渾名は「運良く一発撃てても二発目には必ず暴発する」「暴発確率50%オーバー」と別の意味で取られるようになった。
「ツヴァイシュス・ゲヴェーア(二発しか撃てない銃)」と呼ばれるマウザー M1918と、口径漸減方式を使ったゲルリッヒ砲がモデル。
戦闘服
焼硬鋼(ブルースチール)のランタン
内部には自動巻充電装置と無線式信号発信機が仕込まれており、隊員の脳内に仕込んだ受信機に信号を送る事で施術した脳神経経路を励起する。上部に【901ATT】と刻印されたプレートがあるが、これは部隊内で提起されて付けられた物で、使用目的以上に仲間同士の繋がりを示す品である。
903CTT (Chemical Tactics Trooper)
空中散布式戦術毒「K-3(キルヒ3号)」など、化学兵器を封入した弾頭を使用する。扱う薬品の影響で倒れる兵士も少なくなかった模様。所属していた「灰色の狼」は他にも硫酸弾などを用いた。登場していた戦車が制式なのかは不明。
装備
キルヒ3号(K-3)
数年前、カウプラン機関によって試作品の耐性検査薬「キルヒ1号」の散布実験が帝都内の0番地区において実行された。
906FTT
908HTT
耐熱防護服を身に纏い、火炎放射器を使用する部隊。
防護服の断熱は完全でないため自身の肉体をも損傷してしまうが、服の中に満たされた「保護液」に含まれる麻酔薬により熱を感じることなく戦うことができる。このことは隊員たちに知らされてはおらず、完璧な断熱効果があると騙されていた。そのため、蓄積されていたダメージが限界に達した状態で防護服を脱ぐと皮膚がただれ落ち、死に至る。ハンス以外の部隊員は停戦時に何も知らぬまま装備を解いたため、「保護液」と防護服の助けを失い死亡している。それを目撃したハンスは停戦後から一度も防護服を脱がず、食事や排泄を行う際も器具の助けを得て生活を続けていた。
装備
火焔放射兵装(フレイム・スロウワー)
防護服は拳銃弾程度なら耐えられるが、至近距離からのライフル弾には耐えられなかった。
保護液(ほごえき)
帝国の機関・地域
帝立科学研究所(カウプラン機関)
経済管理庁
舞踏会事件でパウロ侯爵が汚職で辞職し、現長官はホースト侯爵となっている。
執政部儀典局
0番地区(オーランド)
停戦直後の混乱期に犯罪組織を封じ込めるため、「柵の無い檻」として国があえて統治を放棄した地区。そのため区画整理なども行われず広大なスラム街と化している。国の統治放棄により公権力の一切が入らないため、ここで何をしようと公の罪には問われない弱肉強食の無法地帯である。しかし、公権力が及ばないとはいえ、大抵の場合いくつかの組織によって分割統治されているため(例えば帝都は4強と呼ばれる組織群が統治)、時に抗争があるものの秩序は保っている。それゆえ、通称の「オーランド」には"国"の意味がある。
帝都にある地区はランデルの出身地で、彼の苗字の「オーランド」はこれが由来。
回転草の兄弟団(タンブル・ウィード)
メンバーは互いを兄弟・身内と認識して助け合い、より幼い者たちを助けると言う形態。巨大化して0番地区を仕切る組織に目を付けられないよう「ガキとは呼べない歳になったら卒業する」ルールがある。
カルッセル
戦争中は一時期共和国に支配されたが奪還され、特殊軌道装甲列車の試験運転が行われるようになる。戦争終結後は、条約で軍の立ち入りができなくなったため、帝国陸軍から分離した独立国境警備隊の管轄となり、装甲列車を用いて事実上、帝国から隔離して町を支配している。
戦時下に統治権が国家(軍部)に移り、アーヴィー家領ではなくなる。停戦後、軍撤退で統治権がアーヴィー家に戻りそうだったがアーヴィーは爵位を継がず、結果、トップは区長となる。しかし、先に述べた通り現状は警備隊長となったアーヴィーによって支配されている。
諸外国関連
西方諸国同盟(ネビュロ)
体面にこだわりすぎて時代に取り残されつつある帝国はその軍事的優位性が失われつつあり、また技術力も「カウプランの宿題」と呼ばれるサブマリン特許以外にはほとんどないため、帝国以外の各国は(一部の国を除いて)特許の解放を帝国に迫っている。
西方諸国合同会議
ローデリア王国
父王のバザルトを第一子・プルミエが籠絡し、現在の国政は事実上プルミエが掌握している。
フロスト共和国
帝国が自らの技術力を誇り、相手のそれを軽んじて排斥しようとする(面子に拘る)のに対して、元々資源には恵まれていた事もあり、発展のためには帝国の技術や人員でも貪欲に取り込もうとする傾向を持つ。また、帝国と同様に新しい技術と以前から存在する旧来からの技術との軋轢も生じている。
軍の一部が人身売買に関与している可能性が作中で描かれ、共和国軍情報部が対策班を組んで内部調査している。
主な特徴として銃は拳銃から小銃まで輪胴弾装(リボルバー)やペッパーボックス・ピストル等、回転式の連発機構を採用している。帝国製連発拳銃は多くても中折れ式4連発の為、リロードの時間こそ勝るが持続射撃力に劣るという点があり、帝国側の実戦部隊でも新型の連射機構装備銃が実用化されるまでの繋ぎとしてでも輪胴弾装の採用を求める意見が出ている。
嘴(クリウーフ)
ヴィッターは装備から共和国軍と関係のある組織か、共和国軍その物であると推測している(ブランドンは単なる犯罪組織だと考えていた)。本来「商品」としては大した値がつかない成人男性まで買い取っていた理由は「『不可視の9番を模倣した実験部隊』を作る為の被験者集め」が目的であった。カルッセルのルートを潰されたことから国内で差別を受けている帝国系混血児(成人も含む)を、組織参入を望む他の裏組織に集めさせている。
その他
「銀の車輪」結社
表舞台にはほとんど出てこないようだが、その力は凄まじく、かつて戦争を焚きつけたこともある。(ただしその戦争は結社の予想外の方向へと向かい、結社自体も終息のために無駄な体力を使う結果となった)
陸情1課や経済管理庁にも協力者がおり、拝命十三貴族にもシンパを送り込もうと画策している。また、ウォルキンス子爵の戦車やミヨンの小銃など、武器や兵器の技術力は帝国を一歩上回っている(部品の加工精度は正規の兵器よりも質は劣っている)。陸情1課からは暫定的に「組織X」と呼ばれている。
抗・帝国軍(アンチ・アレス)
西方諸国同盟合同会議開催中の帝都の水面下で動く武装組織。「銀の車輪」の計画の一要素でもあり、ビロゥズが直接的に関わっている。
サソリのマークが目印でメンバーはその体に刺青を彫っている。また、裏で活動する際には包帯で顔を覆い隠している一方で部隊名・コード名にも似た名前が各々に与えられ識別されている。近接・白兵部隊は「蠍の剣(レサト)」、通信工作部隊は「蠍の毒(シャウラ)」、中距離・銃砲部隊は「蠍の尾(サルガス)」と接頭が継ぎ、9001で始まる番号が続く。
「儀式」と呼ぶリンチによって殺された死体が、ランデルとロジャーに偶然見つかったことが1つのきっかけとなり陸軍情報部と接点を持つこととなる。その後西方諸国同盟合同会議が行われている会場を占拠し、高々機動戦術装甲車「蠍の類型(グラフィアス)」や、陸上戦艦「蠍の王冠(イクリル・アル・アクラブ)」を使って帝都を破壊、帝国陸軍が使用している通信網を乗っ取る。
メンバーは一部を除き、かつて帝国の侵略を受けた小国の末裔。その多くが有形・無形の差別を受けており、それらをビロゥズに掘り起こされて参加した。事の成否にかかわらず、日没と共に全員が自決する決まりになっている。
蠍の類型(グラフィアス)
結社より提供された装輪戦車。結社での試作呼称は「高々機動戦術装甲車」。
六輪駆動の中型装甲車だが、独立懸架サスペンションや六輪式の四輪操舵機能により高い機動性を有する。武装として主砲に加え多数の近接散弾発射口を備え、索敵手用に収納式のペリスコープも有する。
最大の特徴として、音響式の操縦手視覚補助システムを有している。これは操縦手以外の車体乗員(操縦補助手、左右索敵手)へ配されたペダルに連動するブザー音が操縦手のヘッドセットへ送られるというもので、音の種類と踏み加減の強弱により視界外の地形を疑似的に把握する事が可能となる。これにより入り組んだ市街地でも俊敏に移動できる反面乗員への負担は非常に大きく、戦闘用の高機動時には薬物投与が前提となる。
蠍の王冠(イクイル・アル・アクラブ)
コルトゥ博士が設計し結社より提供された巨大戦車。モデルは陸上巡洋艦P1000。
城塞じみた巨体に戦艦並みの連装砲塔を始め複数の武装と測距儀を備える装甲指揮所、気球による着弾観測装備まで配置した陸上戦艦とでも言うべき巨大戦車。動力はガスタービンエンジン4機、補助ディーゼルエンジンで発電しモーターで駆動する。
抗・帝国軍(アンチ・アレス)
サソリのマークが目印でメンバーはその体に刺青を彫っている。また、裏で活動する際には包帯で顔を覆い隠している一方で部隊名・コード名にも似た名前が各々に与えられ識別されている。近接・白兵部隊は「蠍の剣(レサト)」、通信工作部隊は「蠍の毒(シャウラ)」、中距離・銃砲部隊は「蠍の尾(サルガス)」と接頭が継ぎ、9001で始まる番号が続く。
「儀式」と呼ぶリンチによって殺された死体が、ランデルとロジャーに偶然見つかったことが1つのきっかけとなり陸軍情報部と接点を持つこととなる。その後西方諸国同盟合同会議が行われている会場を占拠し、高々機動戦術装甲車「蠍の類型(グラフィアス)」や、陸上戦艦「蠍の王冠(イクリル・アル・アクラブ)」を使って帝都を破壊、帝国陸軍が使用している通信網を乗っ取る。
メンバーは一部を除き、かつて帝国の侵略を受けた小国の末裔。その多くが有形・無形の差別を受けており、それらをビロゥズに掘り起こされて参加した。事の成否にかかわらず、日没と共に全員が自決する決まりになっている。
蠍の類型(グラフィアス)
六輪駆動の中型装甲車だが、独立懸架サスペンションや六輪式の四輪操舵機能により高い機動性を有する。武装として主砲に加え多数の近接散弾発射口を備え、索敵手用に収納式のペリスコープも有する。
最大の特徴として、音響式の操縦手視覚補助システムを有している。これは操縦手以外の車体乗員(操縦補助手、左右索敵手)へ配されたペダルに連動するブザー音が操縦手のヘッドセットへ送られるというもので、音の種類と踏み加減の強弱により視界外の地形を疑似的に把握する事が可能となる。これにより入り組んだ市街地でも俊敏に移動できる反面乗員への負担は非常に大きく、戦闘用の高機動時には薬物投与が前提となる。
蠍の王冠(イクイル・アル・アクラブ)
城塞じみた巨体に戦艦並みの連装砲塔を始め複数の武装と測距儀を備える装甲指揮所、気球による着弾観測装備まで配置した陸上戦艦とでも言うべき巨大戦車。動力はガスタービンエンジン4機、補助ディーゼルエンジンで発電しモーターで駆動する。
統合見解者(スクリプター)
現在作中に登場している統合見解者は、リリ・ステッキン、ケルビムの副官、ミュゼ・カウプランの助手の3名。
書誌情報
本編
パンプキン・シザーズ:パワー・スニップス(Pumpkin Scissors:Power Snips)
月刊少年マガジン+(増刊号)にて、皇月ノブの作画で連載中の外伝。本編の裏話や登場したサブキャラの日常・その他を描く。
テレビアニメ
UHFアニメとして、2006年10月より放送された。全24話。本編終了後のエンディングテーマと次回予告は雰囲気が大きく変わる演出がされており、次回予告は声優全員が明るく楽しげな演技に切り替えている。
スタッフ
- 企画 - GONZO
- 監督 - 秋山勝仁
- シリーズ構成 - 冨岡淳広
- キャラクターデザイン - 日下部智津子
- メカニックデザイン - 原修一
- 戦車デザイン - 村田峻治
- 美術監督 - 高橋麻穂
- 色彩設計 - 大内綾
- コンポジットディレクター(撮影監督) - 中島秀剛
- 3DCGIディレクター - 吉岡智和
- 編集 - 大竹弥生
- 音響監督 - 渡辺淳
- 音楽 - 大谷幸
- 取材提供 - 独立行政法人 水資源機構 下久保ダム管理所
- プロデューサー - 川原陽子
- アニメーションプロデューサー - 福家日左夫
- アニメーション制作 - GONZO×AIC
- 製作 - イズミプロジェクト
主題歌
オープニングテーマ「蒼き炎」
エンディングテーマ
「マーキュリー★GO」(第18話以外)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
Episode:1 | 不可視の9番 | 冨岡淳広 | 秋山勝仁 | 仁昌寺義人 | 日下部智津子 |
Episode:2 | 戦災復興部隊 | ほそのゆうじ | 稲垣隆行 | 遠藤広隆 | 菅沼栄治 |
Episode:3 | 其は貴きものなりて | 神山修一 | 岩田義彦 | 中島渚 | |
Episode:4 | ヒビ割れた肖像 | ほそのゆうじ | 越智博之 | 小高義規 | 村田峻治 |
Episode:5 | あさはかな者達(おとこたち) | 福嶋幸典 | 仁昌寺義人 | 山本佐和子 | |
Episode:6 | 豊饒(ほうじょう)な時間 | 神山修一 | 岩田義彦 | 米田和博 | 小暮昌広 |
Episode:7 | 踊る者踊らされる者 | 冨岡淳広 | 阿部雅司 | 菅沼栄治 | |
Episode:8 | 雪原に燃えて | ほそのゆうじ | 越智博之 | 岩田義彦 | 村田峻治 |
Episode:9 | 朝霧の女 | 福嶋幸典 | 秋山勝仁 | 仁昌寺義人 | 日下部智津子 |
Episode:10 | カボチャとハサミ | 神山修一 | 田中雄一 | 唐戸光博 | 中島渚 |
Episode:11 | 静かなる胎動 | 冨岡淳広 | 狩生豊 | 遠藤広隆 | 小暮昌広 |
Episode:12 | 見えざる痛み | 阿部雅司 | 原修一 | ||
Episode:13 | 粗野にして美味 | 神山修一 | 米田和博 | 菅沼栄治 | |
Episode:14 | 焔、いまだ消えず | ほそのゆうじ | 越智博之 | 武山篤 | 村田峻治 |
Episode:15 | 迷走する選択 | 福嶋幸典 | 岩田義彦 | 清水裕輔 | |
Episode:16 | 斬り裂きし者 | 冨岡淳広 | 田中雄一 | 小高義規 | 日下部智津子(レイアウト) 寺野勇樹(原画) |
Episode:17 | なお救われぬ闇たち | ほそのゆうじ | 越智博之 | 浅井義之 | 合田浩章 |
Episode:18 | 小さな戦力 | 神山修一 | あおきえい | 仁昌寺義人 | 小暮昌広 |
Episode:19 | 甘い罠 | 冨岡淳広 | 阿部雅司 | 原修一 | |
Episode:20 | 演者入場 | 神山修一 | 狩生豊 木村隆一 |
唐戸光博 | 清水裕輔 |
Episode:21 | 木偶と偶像 | ほそのゆうじ | 田中雄一 | 武山篤 | 田中雄一 |
Episode:22 | 孤独な天秤 | 越智博之 | 浅井義之 | 村田峻治 | |
Episode:23 | そして甘い罠 | 福嶋幸典 | 千明孝一 | 米田和博 | 菅沼栄治 |
Episode:24 | 軍人・平民・貴族 | 冨岡淳広 | 稲垣隆行 | 仁昌寺義人 | 日下部智津子 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
埼玉県 | テレ玉 | 2006年10月2日 - 2007年3月19日 | 月曜 26:00 - 26:30 | 独立UHF局 | |
神奈川県 | tvk | 月曜 26:15 - 26:45 | |||
三重県 | 三重テレビ | 月曜 27:00 - 27:30 | |||
京都府 | KBS京都 | 2006年10月3日 - 2007年3月20日 | 火曜 26:00 - 26:30 | ||
兵庫県 | サンテレビ | 火曜 26:10 - 26:40 火曜 26:05 - 26:35 | |||
東京都 | TOKYO MX | 2006年10月6日 - 2007年3月23日 | 金曜 25:30 - 26:00 | ||
千葉県 | チバテレビ | 2006年10月7日 - 2007年3月17日 | 土曜 25:35 - 26:05 | ||
日本全域 | ミランカ | 2006年11月3日 - 2007年4月13日 | 金曜 3:00 - 3:30 金曜 11:00 - 11:30 金曜 19:00 - 19:30 |
ネット配信 | |
AT-X | 2006年12月13日 - 2007年5月23日 | 水曜 11:30 - 12:00 | CS放送 | リピート放送あり | |
フレッツ・スクウェア | 2007年2月15日 - 3月22日 | 木曜 15:00 更新 | ネット配信 | 4話連続放送 |
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