アニメ

ヒューマンバグ大学 闇の漫画


アニメ:ヒューマンバグ大学 -不死学部不幸学科-

原作:ケイコンテンツ,

監督:西山司,

シリーズ構成:中島直俊,

キャラクターデザイン:西山司,

音楽:山下康介,

アニメーション制作:DLE,

製作:「ヒューマンバグ大学」製作委員会,

放送局:TOKYO MX,

話数:全12話,



以下はWikipediaより引用

要約

ヒューマンバグ大学 闇の漫画(ヒューマンバグだいがく やみのまんが)は、人間の闇をテーマとして漫画動画を公開しているYouTubeチャンネル。通称:バグ大(ばぐだい)・ヒューバグ。題材には実話が選ばれ、世界中で起きた事件をテーマに「危機管理」を基本理念として動画を公開している。裏社会や犯罪といった陰鬱なテーマであっても、それを通して教訓を学ぶことを目的としているため、回避不能で絶望的なテーマや視聴者を単に不快にさせるテーマは回避されている。

プロデューサーは平山勝雄。

沿革

『ダウンタウンDX』『秘密のケンミンSHOW』などで演出・プロデューサーを担当した平山勝雄が、YouTubeで流行し始めた漫画動画に着目し、映像制作に携わっていた自身の技術を用いればさらに再生数を稼げるのではないかと考えてチャンネル開設に至った。開設は2019年で、当時はフェルミ研究所 FermiLabが漫画動画の様式を確立し、後追いのチャンネルが複数開設されていた時期であった。2019年以内にチャンネル登録者数は64万3000人に達し、同年に開設されたチャンネルの中では第3位となった。

2020年8月からは投稿動画の中でも人気の作品がダ・ヴィンチニュースに出張連載された。また、7月時点で英語版チャンネルの製作が予定されている。2020年の1年間で総再生回数は3億929万回を記録し、登録者数1000人以上のYouTubeチャンネルの中では第19位にランクインした。

運営

ストーリーやカット割りなどは平山自身が考案しており、人物の表情や背景などは漫画家の表現に一任している。また、台本の製作は当初5,6人で行われていたが、小説投稿サイトでネット小説を執筆していた平山の弟に白羽の矢が立ち、以降は主に平山の弟が担当している。弟の体験談に基づくエピソードも多い。1チャンネルに漫画家が10人以上おり、サブチャンネルを加えた3チャンネル全てで合計30人以上の漫画家がいる。当初漫画家はインターネットを通じて募集していたが、チャンネルの知名度が向上してからは漫画家からコンタクトを取るようになり、募集の必要がなくなったという。動画1本あたりの製作費は7 - 8万円で、運営には1か月あたり200万円以上を要する。

YouTubeチャンネルでの動画更新日は、チャンネル開設当初より年中無休の毎日投稿だったが、ストーリーやクオリティーなどが現在のようになってくると年中無休 → 週5日更新 → 週4日更新と移行していき、2023年4月現在では月・水・金・土の週4日の動画更新で落ち着いている。かつては単発のエピソードも多かったが、2021年後半以降はシリーズ化された物語の投稿が強化され、特に2023年以降は堅気(一般人)が主人公を務める一部のシリーズを姉妹チャンネルに移動させ、裏社会のバトル漫画を中心とした大幅な路線変更が行われている。

シリーズ・主な登場人物

配信にはそれぞれのシリーズの状況や設定解説動画もあり、それによると以下のシリーズ群は同世界軸で展開されており、活動域が近隣のため別シリーズのレギュラーや準レギュラーが登場したり、コラボになっていたり、特定の事件を別人物視点や立場から描写しているエピソードもある。解説動画では暴対法下であっても警察の力が弱い地域のため、反社組織が自警団的に暴力と仁義によって治安維持している繁華街や夜の町という世界設定になっている。

声の表記は「テレビアニメ / YouTube漫画」。

更新中のシリーズ
拷問ソムリエ 伊集院茂夫

主人公は伊集院茂夫。我欲のために理不尽に殺害された被害者の家族・遺族・関係者からの依頼により、凶行に及びながら法の網から逃れのうのうと過ごす外道を拉致して自宅の拷問室に連れ込み、様々な拷問で責め殺す。

伊集院茂夫(いじゅういん しげお)

声 - 子安武人、伊藤 タカユキ
法で裁けない悪人を拷問で処刑する「拷問ソムリエ」。身長は流川曰く180cmくらい。常にソムリエスタイルをしており、下には防具も仕込んでいる。様々な経緯で依頼者を迎えるための事務所をかまえ、秘密の拷問専用部屋を所持している。「人類の闇の遺産」として拷問の探求研究には余年なく、行う拷問は実際にあった、あるいは伝承されている拷問具や拷問方法を対象者の犯した罪に合わせアレンジしておこなっている。
かつては動画の冒頭部では伊集院が拷問室の椅子に座っている場面から始まることが多かったが、最近では伊集院が外出している場面から始まることも多い。またエピソードによっては拷問室ではなく別の場所で拷問を行う場合もある、特に自然や地形を利用した拷問がこのパターンになりやすい。
シリーズ全体を通しても瓜生龍臣と並び最強の筆頭に上がるほどの戦闘力と殺気は相当なもので、あらゆる武芸・戦闘技術に精通しており、武闘派極道である天羽組の面々が恐れ、かつ一目置くほどで、後述の村田の件で戦闘になった日本刀と居合の達人である和中とも互角に渡り合っている。伊集院は和中に対し「なぜ死に急ぐ」という言葉をかけており、殺すことを不本意に思っていた模様。また、対象者に気取られることなく寸前まで近づけるほど気配を消すことに長けており、こちらは天羽組の須永陽咲也がよくやられているため、須永は伊集院を誰よりも恐れている。こういったことから裏社会では「厄災」と評され、恐れられている。実際に口にしたのは久我、東雲、我妻の3人。ちなみに伊集院が放つ殺気に怯えなかったのは、依頼人を除けば皆トップクラスの実力者のみ、天羽組の和中・野田・小林・怒りモードの青山・女装ミッション中の香月、京極組の一条・六車・守若、元CODE-ELの瓜生・金鳳・鵺・鶴城、、エルペタスのイヌワシ・オリオン、獅子王組の犬亥・井上・伊武、天王寺組の渋谷・戸狩・陣内、羅威刃の東雲・秋元、戒炎の我妻、ナツメ金融の三門、元雲嵐、死神羅漢の呉英宇・呉英浩。
あらゆる登場人物の中でも特に洞察力・回避能力に優れており、小湊圭一や山田康生の卑怯な手を見抜いたことも。
エピソードによっては上半身裸になるシーンもあり、武道で鍛え上げられた肉体は引き締まっている。また、左肩のあたりにおそらく若い頃に負ったと思われる大きな古傷がある。
自分や知人にとって怨恨のある相手であっても、依頼がなければ対象にならないため、外道と認識している須永をターゲットとしないのもこれが理由。自身の復讐のために動くことはない。しかし後述の浜屋の店主が殺害された際にはいつも以上の怒りを見せている。
原則として「既に警察に逮捕されており正式に司法による罰を受けた者」は拷問の対象外だが、例外として「出所後も全く反省せずに悪事を続けていた者」に関しては拷問の対象となる。また少年法については否定こそしていないものの「更生の余地がある者」だけに適用すべきと考えており、ターゲットが未成年者だった場合も一切容赦しない。
亡くなった被害者やその遺族が幸せになれるようにと願っている一方で、相手が極悪人であるとはいえ非人道的な方法で外道を殺害している自分は地獄に堕ちると考えている。依頼料は一切請求せず、伊集院財閥の財産で自身の生活を立て流川を養っている。食料や日用品などの買い出しや息抜きの旅行などで外出することもある。依頼者には単に優しく接するだけで無く、ときには「私に依頼するのは司法に反することになるが、覚悟はできているか?」「貴方も殺人の共犯者だ」などと強烈な殺気を見せて厳しく接することもある。それで依頼を取り下げた人間は確認されていない。
普段は相手が誰であっても丁寧語で話すが、悪人を拷問にかける際は一気に口調が荒くなり、命乞いをされても無茶苦茶な理屈を立てられてもすぐにブーメラン効果のようにして返す冷徹極まりない二面性を持つ。ときには拷問に耐えきれず罪人が既に死亡した後に「まだ死ぬな!」「もっと苦しめ!」「頑張れ!」などの応援をすることも。基本的に被害者を殺害した(または自殺に追い込んだ)犯人のみを殺害するが、犯人の協力者も殺害することがある。伊集院による拷問はプロの殺し屋でさえ命乞いするほど苦しいらしく、歴代外道の中でも命乞いをしなかったのは小湊などごく一部にとどまる。
罪人を護衛している人物のことは稀に殺害することもあるが、基本的には痛めつけるだけで命までは取らないことが多い。
一人称は「私」であることが多いが、拷問時や激昂した際には「俺」に変わる。弟子の流川や紅林二郎のことは基本的に君付けで呼ぶが、あえて厳しく接する必要がある場合は呼び捨てになる。
ときには天羽組や京極組などの極道と協力することもあり、小峠華太に裏社会に関する情報の提供を依頼したり、半グレ集団との戦闘に協力してもらうこともある。だが互いに完全に心を許しているわけではなく、伊集院の方は小峠などに対して調子に乗らないように高圧的な態度をとることが多く、逆に小峠も「あの人とはできれば関わりたくない」と思ってる。天羽組組長ですら伊集院とはなるべく揉めないようにしているほど。ただし作中で確認されている限りでは天羽組の工藤と野田の二人とは良好な関係を築いている。特に工藤とはお互いに殺気を剥き出しにせずに対等に話せる関係である。京極組の一条とは敬語で話していないが、人となりを高く評価している。極道や半グレ集団などの反社会勢力同士の抗争などに関しては不干渉の立場をとっており、天羽組と京極組が衝突した際にも「堅気を巻き込むな」と小峠に警告した程度である。ただし依頼対象者が反社会組織のメンバーである場合はその組織が抗争中であってもその対象者を殺害する。例:CODE-ELの山田康生。
実は日本でも有数の元華族として知られていた「伊集院」家の子息であり、豊富に持っている武芸や知識、教養や礼節などは当時された教育で得た賜物である。しかし、成人する前後に、政界に長年君臨していた正体不明の重鎮『御前』の暗躍により使用人を含む家族全員を惨殺された挙句に、自分の安全確保のためドヤ街でホームレスに身を落とした過去がある。この時ドヤ街の人達に色々と救われたため、現在でも彼らとの親交がある。
モデルとなったキャラクターは『北斗の拳』のケンシロウ(普段は優しいが悪人に対しては容赦ない性格などが共通しており、また、伊集院の台詞の多くはケンシロウのものであることが多い。)。

流川隆雄(るかわ たかお)

声 - 鈴木崚汰
伊集院茂夫のアシスタント。身長182cm。花宝町出身。
主な仕事は拷問の準備とターゲットとなった外道の調査。また、特に悪質な外道の場合は依頼が無くても調査することもある。
元々は伊集院の依頼者の一人であり、大学生だった頃に両親と妹を殺害され、その犯人の抹殺を依頼したことがある。その際、伊集院の拷問執行に協力したいという強い意志を見せたことからアシスタントになった。
普段は外道が相手であっても常に敬語で話すが、ごく稀に激怒して敬語が崩れることもある。
戦闘能力では天羽組の狂人兄貴やそれに匹敵する人物には及ばないものの、それでも並の半グレであれば余裕で倒せる程度には強い。また防御力が非常に高く、紅林二郎と共に上堂リサを拉致したデビル・ハンドを襲撃しに行った際には鉄球が頭部に当たっても殆どダメージを受けなかった。だがその反面、伊集院と異なり「気配を消すのは苦手」という弱点もあり、外道の宮沢永徳の屋敷に潜入した際や、ある外道の調査中に瓜生龍臣とターゲットが被った際にはこの弱点が露呈している。特に後者は瓜生に一瞬で丸め込まれ何もできずに終わった。
とある以来の最中で知り合った紅林に、「先生の指導を受けてみては」と持ち掛け、紅林が伊集院の指導を受けるきっかけを作っている。
伊集院シリーズの設定解説動画では主に彼が解説役を務めている。伍代やエマが解説役を担当したこともある。
名前の由来は『SLAM DUNK』の流川楓。

伍代千隼(ごだい ちはや)

声 - 緑川光
伊集院に協力する凄腕の情報屋。情報収集能力は警察を遥かに上回るとされる。元はドヤ街出身の孤児であり、金を稼ぐために幼少期から情報屋をしていた過去がある。伊集院とはドヤ街時代に知り合っている。身長179cm。喫煙者でありタバコを吸う場面がよくある。情報収集能力は警察を遥かに上回るとされる。小峠シリーズにもしばしば登場しており、天羽組の構成員からも信頼されている模様。
幼い頃に両親が蒸発したため、金を稼ぐために子供の頃から情報屋をやっていたという悲しい過去がある。18歳のときにホームレス時代の伊集院と知り合っている。
基本的に懇意にしている客のことは「〇〇の旦那」と呼ぶ。他人に素顔を見られることが嫌いらしく、基本的に顧客とは顔を合わせない。これは懇意にしている伊集院や小峠に対しても例外ではない。しかしエピソードによっては紅林や天羽組の飯豊と普通に顔を合わせて会話をしていたこともある。
クールな男であり怒りを露わにすることは稀だが強い正義感の持ち主であり、身内を殺害された依頼者に対して復讐を代行してくれる伊集院のを紹介することも多い。しかし小峠シリーズでは同業者の情報をあっさり天羽組に売り渡すなどドライな一面も目立つ。
裏社会で悪党から狙われている関係からか身体能力も高く、伍代を悪人と勘違いした紅林の攻撃を全て躱している紅林曰く「京極組の一条さんに匹敵する」とのこと。
ある悪徳警察官僚の息子(新村利光)が起こした女性連続殺人事件で誤認逮捕された佐竹博文のことを知っており、彼を「アンデッドマン」と呼んでいた。

エマ

伊集院の協力者。身長167cm。峰不二子のような容姿端麗なホステスの女性。流川からは「瓢箪または砂時計のような体つき」と言われているが、それをあまり快く思ってはいない。主に性犯罪者がターゲットになっている事件で活躍する。
伊集院が狙っている外道の捕獲に協力する他、依頼人に伊集院を斡旋したり事務所を訪れることも多い。普段から政財界の重鎮を相手にしていることから男の扱いに長けており、「高い教養を持ちながら馬鹿のふりもできる」と伊集院から太鼓判を押されているほど。また、伍代や小峠などと同様に情報収集能力も高い。
亡くなった光子ママを尊敬しており、外道を手玉に取る手法は光子ママから教わった。
伊集院や流川と異なり基本的に戦闘に加わることはないが、稀に毒入りのアクセサリーでターゲットを無力化することもあり、最低限の護身術は身につけている。
元々は依頼者の一人であり、高校生の頃に母親を外道に殺害され、その犯人の抹殺を依頼したことがある。この際、伊集院から「女の子が何でもするなんて言うもんじゃない」と諭されている。
伍代や流川のことは君付けで呼んでおり、逆に彼らからはさん付けで呼ばれている。しかし伍代が伊集院と知り合った時はまだ伊集院は拷問ソムリエでは無かったのに対しエマが高校生の時には伊集院は既に一人前の拷問ソムリエだったため、実際には伍代より年下である。
趣味は温泉旅行。伊集院や流川と共に東北地方に温泉旅行に出かけた際には戒炎の我妻京也に絡まれるが、彼の危険性を既に見抜いており、伊集院がたまたま来てくれたおかげで大事に至らずに済んだ。

紅鬼伝説 元ヤン紅林二郎

主人公は紅林二郎。舞台となるのは、地図上中央東に位置する「志正町」。元ヤンの紅林が様々な悪事を成敗する物語。初期は一般人が悪事を行った際に動く、成敗する相手も不良やチンピラなどが多かったが、他シリーズと連動するにつれ、強大な戦闘力を持つ極道、半グレ、マフィア、殺し屋と対決する機会が多くなり、怪我の度合いが酷くなっている。2023年6月28日配信より新章【教師編】がスタート。教員免許を取得し、生徒の問題行動が課題となっている私立「壱世学園高校」に教師として赴任し、学校が抱える深い闇に挑む。佐竹や鬼頭が姉妹チャンネルに移籍した2023年以降は、カタギ(一般人)が主人公を務める唯一のシリーズとなっている。

紅林二郎 (くればやし じろう)

声 - 伊藤 タカユキ、ヤシロこーいち
元ヤンのフリーター。教師を目指すまでは常に正職を求めていた。高校時代はヤンキーで喧嘩に明け暮れ、「紅鬼」の異名を持った。曲がった事や悪人を決して許さない根っからの正義漢であり、悪人には顔面が陥没するほどのパンチと異常なまでのタフネスを以て成敗している。怒りの強さによって戦闘力が変動し、また髪色も変化する性質を持つ。京極組の久我とはライバル関係にある。

西条秀郎(さいじょう ひでろう)

紅林の高校時代のライバル。青髪のリーゼントを特徴とする。高校時代に紅林に喧嘩を売って手加減の上で前歯を折られるなど、喧嘩自体はそれほど強くはないものの、精神力に優れる。

羽柴和成(はしば かずなり)

正義の殴り屋「愛天雄(めてお)」をまとめ上げるトップ。正義感が強く、また心が純粋であり、悪を許せない性質の持ち主である。向上心も強く、かつて伊集院や瓜生と対峙した際も勝てないことを確信していながらも「腕試し」と称して挑んだ事がある。
姉が一人おり、探偵事務所の所長をしている。

如月(きさらぎ)

羽柴と共に愛天雄のトップを務める青年。義侠心・向上心は羽柴に匹敵する。サバットによる足技を主としたアクロバティックな戦法を好む。

深道真津梨(ふかみち まつり)

兵庫県出身の若い女性。髪型は金髪ショート。活発な雰囲気と男勝りな行動力を持ち、空手の実力者でもある。紅林を気に入り、アパートに隣人として入居する。

桜庭恵吾(さくらば けいご)

東海地方最強の喧嘩チーム「桜花会」(おうかかい)を率いる男。正面戦闘でも高い実力を持つが、正々堂々とした戦闘を好む紅林とは対照的に卑怯な手を使ってでも勝利を目指す性格。喧嘩屋としての全国制覇を目標にしている。

華の天羽組

旧「天羽組の武闘派 小峠華太」。主人公は小峠華太。舞台となるのは地図上北に位置する「空龍街」。日本有数の繁華街であり、天羽組のシマである。「殺しの天羽組」と呼ばれ、少人数ながらも狂気の精鋭武闘派集団として渡世で名をはせている。作中進行で轟組をたたむ若頭から正式に「朱雀町」の利権も譲り受けている。舎弟の北岡(きたおか)を殺されたことで始まった京極組との「天京戦争」終結後、長年敵対している老舗の武闘派組織の「河内組」との戦争が始まろうとしていたが、天羽組の幹部である野田一が関東進出を目指していた関西の武闘派組織である「天王寺組」の関連組織に襲撃され意識不明の重体となってしまい、天羽組は天王寺組との戦争「羽王戦争」が繰り広げられる。

小峠華太 (ことうげ かぶと)

声 - ヤシロこーいち
「華の天羽組(旧タイトル「天羽組の武闘派・小峠華太」)|華の天羽組」の主人公。身長178cm。5月19日生まれ。天羽組(あもうぐみ)に所属する武闘派極道。
多忙な親から放任気味に育てられ、幼稚園にも通っていなかった。幼い頃に親のように接してくれた極道のおっちゃんに憧れるようになる。高校生の時に両親が離婚し華太は母親の側についたがやはり愛情をマトモに受けなかったため捻くれて不良になり、高校卒業後は実家と縁を切り裏社会に入る。その後しばらくはチンピラとして喧嘩に明け暮れていたが、後述する藪下という男にスカウトされて極道になった。田頭組の幹部と思われる天羽 桂司(あもう けいじ)が組長に就任し、名称も天羽組となった。
組長の妻である元経理士の「姐さん」天羽 京子(あもう きょうこ)や、インテリヤクザであった兄貴の故米倉 敏文(よねくら としふみ)から仕込まれており、「調べ(調査)」や知能犯罪によるシノギを担当している。新人時代にアメリカンマフィアと取引の交渉のため野田の命令により数ヶ月間で英語をマスターさせられ、日常会話程度の英語が話せるようになり、海外勢力との交渉にも帯同している。
拳銃や刃物の扱いに長けてはいるものの、身体能力や格闘センスは兄貴たちや久我、紅林などに比べれば何枚か劣り、突出した戦闘能力を持たないことを自覚している。一方でどんな苦境や自身が死にそうになっても一歩も退かない屈強な精神力と優れた判断力の持ち主であり、久我との戦いでは引き分けに持ち込んだり、格上の相手も単騎で仕留めたこともある。しかし精神力があまりにも高すぎるが故に「覚悟を決めた際に暴走する危険性がある」という弱点も存在する。特に久我との戦いは舎弟の飯豊が制止していなかったら小峠は死亡していた可能性すらあったと言われている。
普段の感性は堅気に近く、狂人兄貴達の残虐性に恐怖を覚えたり、組長などによる残忍な命令に対して難色を示すなど穏健派と捉えられることも多い。だが仁義を破った者や極道を舐めた者は例え女性であっても容赦なく殺害するという冷徹さも併せ持つ。
狂人兄貴達からは基本的にはかわいがられており、最近では下の名前である「華太」と呼ばれている、組長や香月など一部の人物を除く。しかし野田を筆頭に兄貴からパワハラを受けることも多い。和中に対しても悪気は無いとはいえプライドを傷付ける発言をして怒らせたことがある。なお、小峠自身も飯豊や宇佐美などの自身の舎弟に対してパワハラを行うことが稀にある。
組長からも基本的には気に入られており、慶事を勉強するため組長の知人が所属している飛龍連合会の会長の襲名式に、若頭の阿久津の代わりとして出席したこともある。多数の功績や財務能力を高く評価されており、将来的には小峠が組を持つ可能性もあるようだ。
ときには伊集院と協力することもあり、彼に裏社会に関する有力な情報を提供することも。しかし伊集院に対しては未だに頭が上がらないようだ。なお、小峠は伊集院のことを「旦那」と呼び敬語を使うのに対し、伊集院は小峠のことを「華太」(ナレーションでは「小峠」)と呼び捨てしている。
極めて外道な敵対行動をとったターゲットを拉致の上での拷問処刑にする際には、組長にならって鉋を使うことが多い。また、任侠外れな極道に対し、処刑前に相手の刺青を入れた生皮を剥ぐ技術を熟練させている。
羽王戦争で天王寺組城戸派浅倉潤(あさくら じゅん)との戦闘で瀕死の重傷を負い、同じく瀕死の工藤の犠牲によって闇医者に運ばれはしたが、長期の戦線離脱を余儀なくされた。後に意識が回復し工藤が亡くなったことを知るが、その際に「代わりに俺が死ねば良かった」と言ったため、野田に「二度とそんなこと言うな」と厳しく注意されている。
CODE-ELの戦争で毛利と瓜生が小林と面会するため天羽組事務所を訪れた際には、瓜生をひと目見ただけで「こいつはヤバい…相当にヤバい」と感じ、恐怖の念を抱いていた。
2024年1月時点では佐竹以外の各シリーズの主人公の中で唯一、佐竹と共演した経験が無い。

天羽桂司(あもう けいじ)

天羽組組長。仁義を重んじる人物。
人望が厚く組内をはじめ、他の組からも慕われており組織間の仲介役などを依頼されることも多い。

天羽京子(あもう きょうこ)

天羽の妻にして、組の「姐さん」。元銀座の一流ホステス。会計士の資格を活かしながら財政面で組を支える縁の下の力持ちで、食材の買い出しも一手に行っている。組の運営について天羽に口出しができる唯一の人物。

阿久津敏朗(あくつ としろう)

天羽組初代若頭。天羽が組長が就任したと同時に若頭になっている。小峠と共に組の事務仕事を担う。特に秀でた戦闘力はないが人の特性を見抜く洞察力に長け、各人の性質に合わせた手配や交流を行っている上に人情深いため組員から信頼は篤く、「狂人兄貴」と評される構成員たちも懐いている。
「羽王戦争」の最中、戸狩玄弥らの襲撃に遭い、舎弟たちを逃がす時間をかせぐために応戦の末、死亡する。

野田一(のだ はじめ)

アイスピックをメインウェポンとする天羽組二代目若頭。身長179cm。2月4日生まれ。組内構成員の序列では最上位にあたる。阿久津と工藤が存命だった頃は阿久津と工藤に次いで序列が高かった。運営から「御三家兄貴」と称されているひとり。服装はバーデンダースタイルで髪型は鶏冠を寝かせたような金髪のモヒカン。頭が切れる上に非常に狡猾な性格であり、勝利のためには卑怯を徹底的に追求する。スパルタだが教育熱心で仲間思いの側面も持つ。
「羽王戦争」における阿久津の死亡をうけて、抗争終了後に若頭を襲名する。
見た目や言動からは予想がつかないほど管理能力に優れ、教育方針は「ミス即ち死」というほどのスパルタ式。しかし、香月の才能を見出した張本人でもあり、人を見る目は確か。
意外にも舎弟に対する面倒見は良く、自分が関わった作戦の失敗を舎弟に押し付けないなど責任感が強い一面もある。小峠と一緒にカチコミに行くことも多く、小峠のことを「華太ちゃん」または「華太くん」と呼ぶことも。一方で、小峠が重大な失態を犯したときに激しく殴打したり顔面を踏みまくったりするなど容赦なく制裁を働くこともある。ただし指詰めなどの実生活に悪影響が及ぶようなものはほとんど行わない。小峠の顔面を踏みまくった際にもアイスピックを使わず事前に眼鏡を外させるなど野田なりの配慮がみられる。
戦闘ではアイスピックを使用し、1秒あたり20回前後の目にもとまらぬ速さで相手の体を滅多刺しにする。またアイスピックには針が飛び出したり柄の部分に目潰しの砂が入っていたりなど様々な改造が施されており、卑怯な手で右に出るものはいない。これが理由でCODE-ELのジェイクなど戦闘能力では野田より格上の相手に勝利したこともある。趣味で買ったテーザーガンを戦闘に応用したこともある。
義理堅い人物でもあり、自分が認めた人物が亡くなった際には、たとえ堅気や別の極道組織に所属している者であっても弔事に参加する一面もある。劇中でも闇金社長の中田や京極組の国生の葬儀に参列している。また、亡くなった人物の悪口は基本的には言わない。堅気の人間に対しては基本的に優しいが、相手が犯罪の片棒を担いでいる場合は、たとえ女性であっても容赦しない。過去には電車内で野田を痴漢冤罪に陥れようとした女の顔面を「女でも下衆は容赦なし」として思い切りぶん殴っている。
工藤の死後に判明するが、工藤の最初の舎弟であり、互いに背中を預けるほどに信頼し合っていた。また、伊集院からは工藤と同様にさん付けで呼ばれ、互いに敬語交じりで会話し合い、伊集院の立場を優先する行動を提案するなど、関係はかなり友好的。ただ伊集院のナレーションでは呼び捨てにしていたことから、工藤ほどの敬意は抱かれていない模様。なお野田自身は伊集院を「旦那」もしくは「伊集院の旦那」と呼んでいる。しかも、彼からの狂気と殺気を平然と受け止めており、その豪胆さは京極組の一条に匹敵する。
若い頃は天才であるがゆえに他人に興味を持てず、下に付いた者に何一つ教えずに仕事を押し付けていた。ミスをしたなら容赦なく切り捨てるなど舎弟に対する面倒見も非常に悪く、舎弟たちから「若衆潰し」の異名で呼ばれ、舎弟たちからは下に付くことを嫌がられていた時期もあった。それを見かねた工藤から「厳しくても良いから舎弟にちゃんと教えてやれ」「お前が俺から教わってきた事を今度は弟分に返してやれ」など厳しい説教を受けていた。工藤の葬儀後に和中と飯豊を連れて居酒屋で飲んだ際、二人にその話をした後、「工藤の兄貴…早すぎますよ。もう一遍、あの話してくださいよぉ…」と号泣していた。
羽王戦争開幕の原因にもなった野田単体への襲撃による負傷の復活後は真っ先に天王寺組によって依頼され自身を襲撃した関西系の殺し屋ダンとジョンを持ち前の卑怯な戦略で殺害した。
好きな食べ物はたこ焼きで、江藤が殺害されて復讐心を燃やしていた小峠に対して分け与えたこともある。また、アイスピックでたこ焼きを作ることも得意。
ちなみに野田によると天羽組では「死亡」と書いて「ミス」と読むらしい。

小林幸真(こばやし ゆきさだ)

通称「アーミーナイフの小林」。身長186cm。6月25日生まれ。血液型B型。組内での序列は永瀬の下、香月の上にあたる。
紫の髪が特徴の大男で、敵対者はアーミーナイフ(コンバットナイフ)で刺した後に『グリーングリーン』などの童謡の替え歌を歌いながらグリンと回すなど組内でも屈指の狂人(ちなみに歌唱力はあまり高くはない)。
子供のような言動とは裏腹に舎弟たちからは最も恐れられている。特に速水と飯豊は小林からしばしばパワハラを受けている。ただ舎弟に対する面倒見は基本的に良く、天京戦争では「お前ら(舎弟達)が死ぬとキモいから」という理由で単身で日下討伐に出かけていた。また一度は破門しかけた速水(後述)が反省した際には「空龍街で起きる暴力を暴力で抑えるのが俺らの仕事だ。勝てる勝てねえじゃねえんだ。」「最初は誰だって弱えんだ。逃げずに戦い続けた結果、強え人間になってんだ。せめて戦えボケ。」と喧嘩での心構えを厳しくも温かい言葉で教えた。小峠からは恐れられてはいるものの基本的には仲が良く、最初から「カブト」と呼んでいた人物である。これは他にも南雲が該当する。ちなみに小林が登場する回では序盤に「カブト、俺って怖いか?」と小峠に質問することがある。
戦闘ではナイフを使用するほか、伝説のヤクザ・人喰い伊能から譲り受けたドス「龍王刀 紫蘭」も使用する。刃物で刺したあとそのままグリンと回し、相手の内臓に大ダメージを与えるほか、相手の胴体を袈裟斬りにすることもある。また早撃ちの技術に優れるなど拳銃の扱いも上手く、素人の撃った銃弾であればなんなく躱す。
幼い頃に両親が蒸発し児童養護施設に引き取られたがそこの職員から虐待を受けていたため一人で施設から脱走。ホームレスとして生きている中で当時CODE-ELの教官だった毛利に拾われ殺しの教育を受ける。その後は中東の傭兵に志願。戦場で5年間活躍し、戦闘のみならず隠密作戦もこなすなど当時から屈指の実力者であった。ただ、「飽きた」との理由で毛利にだけ一報を入れ、傭兵部隊とCODE-ELを離脱し日本に帰国したため、CODE-ELからは秘かに狙われている。帰国後は職にありつけずホームレスとして暮らしていたが、そこを統括していた半グレ集団をわずか5分で壊滅させたところをたまたまやってきた阿久津にスカウトされ、田頭組(現:天羽組)に入った経緯を持つ。
天羽組では和中と並ぶ組内最強戦士の一人と言われており、かつて同じCODE-ELで切磋琢磨してきた瓜生からも実力を認められている模様。なお小林の方も瓜生のことを一目置いている。
幼少期の辛い過去からか子供に対しては優しく、逆に子供や弱者を食い物にする外道に対しては一切容赦しない。また、海外マフィアに対してはかなりの敵対心を持っており、相手が海外マフィアの構成員だと分かれば、事件への関与への有無に関係なく普通に殺そうとする。もっとも子供や若い女性を人身売買のターゲットとする海外マフィアを今まで散々見てきたため、子供を食い物にする外道を許せないという性格である小林が海外マフィアを嫌悪するのはごく自然な反応である、とも言える。女の子を捕えて剥製にする狂人双子の鶴野英太・雄太粛清(彼は時折小学生のセリナ・スズカと公園で一緒に遊んでいたが、スズカが剥製にされ、それを知ったセリナも鶴野兄弟が雇った殺し屋に両親を殺された)を巡って伊集院茂雄と一触即発になりかけるも、「伊集院が鶴野兄弟を拷問し、小林がセリナの両親を殺した殺し屋を粛清する」という形に落ち着いたが、最終的に「伊集院と闇医者・氷室によって内臓を抜かれてアスベストを詰められ、生きたまま剥製にされた鶴野兄弟に対する最後の絶望」として拷問室に招聘され、ハードグリングリンで最後のトドメを刺した。和中と同様に伊集院の拷問室に関係者以外で入った数少ない人物の一人である。
若手だった頃は分別の無い人物だったらしく、自分の気に入らない相手は(善悪の区別なく)容赦なく殺害していた。しかし工藤に「暴力をふるっても良いのは仁義外れの者に対してだけだ」と厳しく注意され、それ以降はある程度分別のつく人物になった。
かつて所属していたCODE-ELでは「UMA」のコードネームを持ち、また、とあるオンラインゲームでは「コバ」というハンドルネームを名乗っており、佐竹博文(ハンドルネームは「ヒロ」)とは友達である。
CODE-EL時代は瓜生とはライバル関係でもあったが同時に親友でもあった。また天涯孤独だった自分を育ててくれた恩師の毛利に対しては今でも敬意を払っている。ただ毛利と瓜生が天羽組の事務所に「組織が方針転換し、抜けた人間を粛清対象とした」と忠告しに来た際には「ピンク(後述)は俺が殺る」としながらも「俺は今、天羽組の小林なんですよ。」として、ピンクとの決闘を除きCODE-ELの戦争とは関わらないことを伝えた。毛利達と別れる直前には「EL戦争が終わったら一緒に食事でも行こう」と約束した。
好きな食べ物は焼き芋と明宝ハム。また先述のオンラインゲームの他、一人焼肉も趣味としている。
初登場回では単発キャラクターとしての登場の予定であり、小峠と2人で半グレのアジトを襲撃した際、一瞬の油断により最後に残っていた1人の半グレ(通称「伝説の半グレ」)に刺され、その半グレを逆に刺殺したものの直後にそのまま絶命したが、視聴者からの人気が予想以上に高かったため「重傷を負ったが奇跡的に一命を取り留めた」という設定に変更され現在に至る。ちなみに肝臓の損傷はかなり酷かったらしく、中国系マフィアのコネで入手した肝臓を移植している。

和中蒼一郎(わなか そういちろう)

通称「日本刀の和中」。身長181cm。10月4日生まれ。血液型A型。組内での序列は須永より下、永瀬より上にあたる。
掻き上げた金髪と赤いトップスが特徴で、敵対者をイカ飯やシュラスコといった料理に例えて輪切りにする。剣術の腕は免許皆伝で、特に袈裟斬りを特技としている。実戦で人を斬れるという理由で極道となったらしい。天羽組に入る前に何処かの流派で剣術を学んだらしいが、和中が自ら流派を名乗ったことは無いため謎に包まれている。名家の出身らしく教養が高く、外国語(特に英語)に優れるほか、しばしば諺や四字熟語を口に出す。その教養を活かして日本刀の販売や金の密輸など海外向けのビジネスも行っている。人身売買などの海外の社会問題にも詳しく小峠にも時々教えているが、和中自身の強い正義感から納得はしていない。厳格な性格に反し、子供には笑みを見せるなど優しい一面もある。
戦闘では免許皆伝の剣術を専ら用いており、銃火器などはほぼ使用しない。そのスピードは「閃光」と称され、どんな傷を負っても決して弱音を吐かない不屈の精神の持ち主。小林と並ぶ天羽組最強クラスの実力者でもある。
伊集院とは村田聡一の一件で壮絶な剣戟を繰り広げたことがある。この時は天羽組長の伝言を携えた小峠の割り込みで引き分けに終わり、村田の身柄を譲ったが、伊集院の計らいで拷問の締めくくりとして拷問室に招聘され、村田の粛清を終えた。小林と同様に伊集院の拷問室に関係者以外で入った数少ない人物の一人である。
自身の出自が影響しているのか、自分より目上の者(野田など)に対してタメ口で話すこともしばしばある。また、新人の頃は組に入った頃から既に圧倒的な強さを誇っていたことから今よりもっと傲慢な性格であり、先輩達のことを「自分より弱いから」という理由で見下していた。しかし、ある日工藤と木刀で勝負した際最初こそ優勢だったものの、戦いの終盤では激怒した工藤から「優劣で人を見下すんじゃねえ!」「その強い力を弱き者のために使え」と言われ強力な一撃を喰らい、狭隘だった根性を叩き直されている。
初期では野田とはあまり仲が良くなく、和中より先輩であるにも関わらず呼び捨てしたり、戦闘時こそ共闘するものの互いに睨み合うような描写も多かった。しかし野田がジョンとダンによって重傷を負った際には激怒しており、入院中の野田のことを初めて「野田の兄貴」と呼んだことから、心の奥では野田を信頼していたことが窺える。工藤の葬儀の後に野田・和中・飯豊の3名で居酒屋に行った際には野田から「三つ子の魂百まで。たまに先輩にタメ口で喋っとるけどな、コイツ。」と言われた際に「それはすみませ…いや、すまん。」と返した。野田からは「それ、わざとだな。」と突っ込まれた。
狂人兄貴の中では比較的穏健であるとされ、尾崎や小林などとは異なり無闇矢鱈と相手を殺害することは好まない。後述の松崎のように温情で生かされた者も多い。また普段は寡黙で物腰が柔らかく、やや古風な口調で話す(ただし外来語も普通に使う)ため野田からは「育ちが良い」と言われている。しかし著しく仁義外れな外道(後述の村田など)に対しては容赦が一切無く、大声で叫びながら四肢を切り落としていく。斬る前に「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏」と念仏を唱えたり、「5秒くれてやる。この世に別れを告げろ」などと言うなど敵対者に対する配慮もみられる。また負けず嫌いな性格でプライドは高く、伊集院との戦闘後に「あのまま続けていたら勝てましたか?」と聞いてきた小峠に対して激怒したこともある。伊集院など自分とほぼ互角の実力を持つ相手との戦いでは一対一を好み、味方が加勢することを禁じているほど。後述するが京極組の六車との戦いでは許可なく加勢した小峠にヤキを入れている。
初期は小峠に対して厳しい一面も多かったが、最近では「困ったらいつでも俺に頼って来い」と言うなど小峠を含む舎弟に対して優しくなった。
組内でも小林と一二を争うほどの実力者だが、その実力は才能だけではなく凄まじい努力によって得たものであり、和中本人は六車謙信との戦いで「自分には才能が無かった」と語った。工藤亘清に剣術の稽古をつけていた際には、亘清は木刀を和中はスポーツチャンバラ用の小太刀を使うというハンデ戦でありながらも、亘清を一瞬で倒し、「強くなるには努力あるのみ」と厳しく諭した。
舎弟の速水泰輝が調査したところ、好きな食べ物は桃、麻婆豆腐、阿闍梨餅であることが判明している。趣味は特に無く、「そんな時間があれば剣を振る」と自己紹介欄に書くほど(厳密には速水に書かせたのだが)の努力家である。あえて言うなら、人を斬った際に相手の断面を見ることが趣味と思われる。伊集院と相対した時、「まさか旦那の断面が見れるなんてなああああ!」と狂喜しながら挑みかかった。
双子の弟がいる。
初登場回では今のような寡黙な性格ではなくむしろおしゃべりであり、小林に匹敵する狂人だった。

須永陽咲也(すなが ひさや)

通称「バイティング須永」。身長183cm。10月20日生まれ。血液型O型。組内での序列としては野田の下、和中の上にあたる。
外見はジョーカーに似ており、緑の長髪と紫の服装が特徴。口にはチタン製の歯を埋めており、敵対者の頸動脈を容赦なく噛みちぎり、これがバイディングの由来となっている。星占いを嗜んでおり、その結果は戦闘にも作用するが、順位が何故か23位まで存在するなどその基準は独特。伊集院のことを非常に恐れているが、何故か高頻度で遭遇してしまう。ちなみに小峠や野田と同様、「旦那」もしくは「伊集院の旦那」と呼ぶ。
戦闘では噛みつきのほか、ノールックで相手を正確に撃ち抜けるなど拳銃の扱いも優れている。また、致命傷を避ける野性の勘が極限まで高く、どんなに深傷を負っても短期間で回復する。また、その野生の勘は危険を察知する力としても活かされる。
羽王戦争ではその野生の勘を発揮し、浅倉と対峙して絶体絶命となった香月の元に駆けつけ、脱出を援護して救出。工藤の死後、彼の仇討ちに燃える主要な組員や狂人兄貴たちが出払っていた天羽組本部に単身で乗り込んできた城戸を同じく単身で迎え撃つ。しかし、一歩及ばず重傷を負った上に膝の付近を撃たれて歩けなくなり、城戸の本部侵入を許してしまった。城戸の死後、執念で這って天羽組本部に入ったところを南雲が発見し、病院に搬送されて長期の戦線離脱となる。
かつては愚連隊として、ただ衝動に身を任せた喧嘩三昧の日常を繰り返していた。しかし、自分を諌め、打ちのめした工藤清志との出会いを経て、「そのあり余ったエネルギーを使うなら任侠のために使え。拒否権なんてねえ」と言われながら組事務所に連行され、強引に門を叩かされて極道となる。当時田頭組の若頭だった天羽への挨拶の際に「須永です。どこかに拒否権落ちてませんか?」と言い、「何言ってんだコイツは」と天羽を呆れさせている。工藤から礼儀や常識など様々なことを教わっているが、狂人兄貴たちの中では一番工藤に怒られたという。ただ、自分の人生を変えてくれた工藤に対する感謝と恩義は、野田を遥かに上回る。
初期では女性を含む堅気に対して平気で危害を加えることも多く伊集院から「外道」呼ばわりされていた他、舎弟の小峠からも存在を疑問視されていた。しかしシリーズが進むにつれてこういった性格は軟化しており、自分に殴りかかった堅気の紅林に対して危害を加えることなく見逃したり、HIVに感染しても必死に生きようとする風俗嬢に対して敬意を払うなど任侠を重んじる性格へと変化していった。
彼が苦手としている伊集院に協力したこともあり、来栖道臣を殴り倒し来栖の身柄を伊集院に引き渡した。

香月紫苑(かづき しおん)

通称「女装ヒットマン香月」。身長は速水曰く「いい女って感じの身長」、「非公開」。9月30日生まれ。血液型A型。狂人兄貴の中では最も年齢が小峠に近いとされる。そのためか、小峠ほどではないが香月も他の兄貴達からパワハラを受けることが少なくない。
小峠曰く「神のいたずら」と称されるほどの美貌の持ち主で、女装すれば本物の女性以上の姿になる。駆け出し時代にホステスたちに揶揄われて女装させられているところを野田に見つかり、そのまま女装ヒットマンとしての腕前を叩き込まれたことで今に至る。なお、本人は生まれた瞬間から女性にモテ続けたため、女嫌いになってしまった模様。しかし拒絶反応を示す程ではなく、京子など恩義のある女性、または馴染みの女性に対しては普通に接する。
戦闘では女装によるハニートラップで対象の懐へ入り、油断させて暗殺する戦法を得意とする。そのため、ナイフや拳銃など小型の武器の扱いに優れ、演技力も高いが、目的に没頭するあまり周りが見えなくなってしまう面もある。
また、自身は優秀なヒットマンではあるが、それ故に組内では役割が限定される傾向がある。このため、自由奔放な須永に密かに憧れているところもある。主に仲間を傷付けられた際に暴走すると独断専行に走り、ほぼ誰の意見も聞かなくなってしまうという弱点があるが、女装の才能を見出した野田や自身が尊敬している須永の言うことは素直に聞く。
舎弟に対してパワハラを行うことは稀だが、女装がバレるのを防ぐために女装中に彼に話しかけることは厳禁とされている。劇中でもある舎弟が事務所に帰ろうとしていた香月に誤って話しかけるというミスを犯したために、ストーキングしていた河内組の布袋に香月が「天羽組の刺客」であることがバレて河内組と戦闘になってしまったことがある。
狂人兄貴の中では比較的温和な性格とされているが、坂槙圭吾、八隅など自分が親しくしていた人物が傷付けられたり殺害されたりすると激しい怒りを露わにすることもある。小峠のことを「小峠」と呼ぶことが多い。
羽王戦争では、天王寺組の拠点を探るべく連日女装して行方を探っていたが、恩人である野田を傷付けられた怒りから半ば視野狭窄気味に陥ってしまっており、組への連絡もおざなりに調査を続けていた。そんな中、漸く潜入した拠点で城戸派のNo.2である浅倉を発見。路地裏に連れ出すが、直後に自分を敵と看破した浅倉に蹂躙されてしまう。だが、危険を察知して救援に駆けつけた須永の援護で窮地を脱した。城戸派壊滅後、城戸との死闘で重傷を負って入院・戦線離脱となった須永を見舞っている。
後に、同期である青山が四国から戻ってきた時は彼を「同期の誇り」と高く賞賛している。
和中や小林などと同様に子供に対しては優しく、普段は空龍街の外れにある孤児院の警護を担当しておりそこで暮らしていた岸田純菜と親しい。そのため孤児を悪事に利用したキャバクラと半グレ集団に対し、激しい怒りを露わにしていた。また、趣味であるキャンプを通して知り合った衣笠一家がヌールディヌ率いるカルト教団に急襲された(父・芳男は辛うじて生還したが自ら右脚切断、母は死亡、息子・春斗は教団に拐された)際も組織を追い、アジトを突き止めて全滅させ(教祖であるヌールディヌは伊集院に引き渡した)、春斗を救出して芳男の元へ帰した。
潜入捜査が主な業務となるため、基本的には身バレを防ぐため、それ以外の目的で女装することは滅多に無い。しかし天王寺組の城戸が亡くなり羽王戦争が落ち着いた頃に行われた天羽組の花見では潜入捜査時とは違う姿の女装を野田の厳命で披露した。また、ある理由から幼女(吉田美代子)を天羽組で保護した際には事務所内でも女装をし、自らメイクについて教えるなど優しく接していた。
女装のバリエーションは豊富で、どれもその正体が男性であるとは思えないほど完成度が高く、伊集院ですら完全には見抜けない程である。ときには肩や太もも、へそなどを露出した過激な女装をすることもある。しかしどのファッションでも胸元は厚着で誤魔化している。
須永と同様に極道になる前は愚連隊であり、路上で喫煙していたところを野田に注意されて殴り合いの喧嘩になり惨敗したことから天羽組に入った。また本人曰く「愚連隊の頃からモテた」らしい。
好きな食べ物は宮崎辛麺。
狂人兄貴の中で唯一、担当している声優が女性である。

永瀬光一(ながせ こういち)

通称「ガスバーナーの永瀬」。身長181cm。7月26日生まれ。血液型A型。組内の序列としては和中の下、小林の上にあたる。
パーマがかった髪型が特徴の男。超強力に改造したガスバーナーの炎を敵に浴びせ焼き殺すのを得意とする狂人。ミスをした舎弟に容赦ない振る舞いをするため、小林の次に恐れられている。
両親は永瀬が物心つく前に離婚。実父はそのまま行方不明、実母も永瀬がわずか4歳の時に生活苦から男を作って失踪という憂き目に遭い、天涯孤独となる。そのまま児童養護施設に入れられて以来、喧嘩に明け暮れる日々を送っていたが、14歳の時、道端でタバコを吸っていたところを若き日の姐さんこと天羽京子と出会い、彼女からの提案を受けて養子となる。その際の深い愛情を受けたことから姐さんに心酔しており、育ての母も同然である彼女に危害を加える者には特に容赦しない。なお、普段は姐さんの護衛を務めている。ちなみに好きな食べ物は辛口カレー。
戦闘ではガスバーナーのほかに拳銃も得意とする。また、貫手など体術にも優れる描写がある。ちなみに拳銃の腕は八隅の兄貴からの教え。
羽王戦争では、城戸派の構成員沼田と闘うもドスとチャカで優勢し最終的にはガスバーナーで燃やした。工藤の死後は浅倉の仇討ちと野望の実現に向けて本格的に動き出した城戸丈一郎と死闘を繰り広げるも圧倒されてしまう。飯豊の機転で九死に一生を得て闇医者に運ばれたが、瀕死の重傷を負っていたこともあって、小峠に次いで長期の戦線離脱を余儀なくされた。
天羽桂司は育ての父のような存在であり、他の組員(小峠華太を含む)のことを苗字で呼ぶ桂司が唯一、下の名前で呼ぶ人物でもある。なお、工藤も永瀬のことを「光一」と呼んでいる。ただし京極組の日下晋平(こちらは組長の実子)と異なり、養父の威光を振りかざすことは無く自身をあくまで「天羽組の組員の一人」と認識しているため、基本的には他の組員との関係は良好である。
伊集院シリーズにも工藤亘清と共に登場し、極右団体「護国蒼天会」のリーダー・佐郷に息子を殺害された女性に伍代と伊集院を紹介。佐郷が伊集院らに殺されたのとタイミングを合わせるかのように、須永と共に護国蒼天会の構成員を末端に至るまで容赦なく殺し尽くし、護国蒼天会を壊滅に追いやった。

青山琉己(あおやま るき)

通称「修羅の青山」もしくは「狩猟刀の青山」。身長183cm。8月7日生まれ。組内の序列としては、香月と同列と思われる。
抗争のため長い間四国に出向していたが、抗争終了後に組に復帰した容姿端麗な男。
狂人ではあるものの南雲や冨樫などと同様に同様にフレンドリーな一面もあり、舎弟に対する面倒見も良い。初対面の速水や飯豊ともすぐに打ち解けている。天羽からも気に入られており、小峠曰く「親っさんとコミカルな会話ができる数少ない人物」らしい。
香月とは同期であり親友でもある関係で狂人兄貴の中では新参の部類に入るものの、戦闘能力は非常に高い。特に腕力・握力が凄まじく、様々な柔道やプロレスの技を駆使して戦う。また拳銃の扱いも上手いが、刀身が分厚く重い狩猟刀を一番の得物とし、これを片手で振るい、大きな薪を叩き割るほどの剛力を見せる。
肩揉みも得意としているようで、実際に肩を揉まれた野田はあまりの気持ち良さから「俺をコンニャクにする気か…。」と言っていた。
初登場時には既に工藤、冨樫、北岡は亡くなっており、訃報を聞いた際に葬式に行けなかったことを後悔していた。
伊集院のことは四国出向もあって噂に聞いた程度しか知らず、最近、組長と懇意にしていたホステスの女性(光子ママ)を殺されたことに対する報復に小峠と共に赴いた際に初邂逅する。光子ママを殺した外道・小倉のアジトに乗り込むと、持ち前の剛力で手下をものともせず、用心棒のムエタイ使い・チャイを防御に使われた手甲ごと、狩猟刀と剛力で縦一文字に両断した。その圧倒的な剛力がもたらす戦闘力は伊集院をうならせている。
なお、伊集院のことは「伊集院様」や「伊集院大先生」などと持ち上げ、彼から「天性の太鼓持ち」と評された。

矢部光晴(やべ みつはる)

通称「殺人空手の矢部」。
常に自分の中の理想の自身を追い求めるハードボイルドな人物で、舎弟達にも様々な金言を与えている。
戦闘では鉈を武器として愛用。また、空手をはじめとした肉弾戦でずば抜けたポテンシャルを発揮する。
かつてはブラジルへ武器の取引に赴いた際、現地の警察と揉めた事で3年間刑務所に服役。羽王戦争後に帰国して天羽組に復帰した(舎弟達は初対面の者が多かったが、持ち前の金言で瞬く間に彼らの心を掴んでいる)。

小峠華太の舎弟

飯豊朔太郎(いいとよ さくたろう)

身長177cm。9月8日生まれ。
元々は暴走族の総長で負け知らずであったが、それ故に傲慢な面があった。極道組織は上下関係が厳しいにも関わらず、雑用を嫌がっていた等。しかし、組長の命令で初めて鉄火場に同行したとき、敵に足を刺されたうえ、実際に殺し合っているのを見て萎縮してしまい、さらにその際の傷が完治したあと小林と対面するも小林によって完膚なきまでに叩き潰されてしまったことで性根を入れ替えた。
天京戦争では冨樫を倒した相良を執念で報復して以降一皮剥け、彼は武闘派へと進化した。
羽王戦争では小峠と共に静岡に赴き、真正面から陽動作戦を敢行してこの時最も強力だった護衛の一人である戸狩派の幹部・室屋をおびき出すことに成功し、小峠の高見沢暗殺も成功させるが二人揃って重傷を負い、一時は闇医者に運ばれて療養していた。
羽王戦争終結後は、暴走族時代から維持していたリーゼントをやめてさっぱりした髪型になり、服装も大人びたスーツに変えてより一層極道らしいスタイルにチェンジした。
小峠が重傷を負い意識不明の重体となったときに主人公とナレーションの代役を担当していた。
組に入った今でも自宅から通勤していることから、両親との関係は悪くない模様。

速水泰輝(はやみ たいき)

身長172cm(以前は身長169cmであった)。3月26日生まれ。序列としては宇佐美の上にあたる。
天然気味で並の半グレにも勝てないほど喧嘩も弱いが、それでも根を上げない根性の持ち主。また工藤から死体処理を任されてもほとんど動じないなど胆力もある。しばしば小林からパワハラを受けているが基本的には仲が良く、兄貴達の中でも特に小林を尊敬している。
初期は毎回喧嘩に負けては兄貴達に泣きつくというギャグキャラのポジションだったが、助けてもらった兄貴達への感謝や自身の失敗の反省がほとんど無かったため、とうとう堪忍袋の緒が切れた小林に「お前、今日で天羽組を辞めろ」「お前みたいなのがいるから組が舐められる」と凄絶なヤキを入れられてしまう。さらに比較的優しかった小峠からも組を辞めることを進言される羽目に。しかし、それ以降は自らの甘さを反省し逞しくなり、彼らから認められるようになった。
小峠と浅倉の戦闘中、工藤と共に助けに入り、工藤が時間稼ぎをしている間、重傷の小峠を闇医者まで運んだ。また、城戸が天羽組事務所に侵入する前に、和中と小林に電話し彼らを村雨町から事務所に戻すなど、サポート役としてはまあまあ有能である。また、工藤清志の息子である工藤亘清が半グレに襲われているところを身を挺して庇うなど最近では良き先輩としての一面もみられる。
飯豊とは同期らしく、彼のことを「飯豊くん」と呼んでいる。なお、飯豊からは呼び捨てされている。
組に入る前はただのフリーターであり、極道に入った理由は「何となくカッコ良さそうだから」というあまりに軽いものだった。なお、工藤清志から「親元に帰れ」と言われたときに両親はいないと答えたが、両親がいない理由は不明。
天羽組関連の状況整理動画では飯豊と共に解説役を務めることが多い。

宇佐美純平(うさみ じゅんぺい)

頭の切れる若手の舎弟。身長178cm。7月3日生まれ。序列としては速水の下、工藤亘清の上にあたる。
若輩ながらも胆力が強く、南雲からも若い頃の小峠を見てる様だと評されている。
羽王戦争では天王寺組武闘派、韮沢に狙われて窮地に陥る小峠を、負傷の身でありながらも加勢に駆けつけたり、また自分達に怪我を負わせた半グレの粛清に自ら名乗りを挙げるなど精神力は兄貴達に勝るとも劣らない。

工藤亘清(くどう こうせい)

羽王戦争で殉職した工藤清志の実子。20歳。
父に生き写しの容姿を持ち、その父の若い頃の姿を知る野田と須永が錯乱したほど。
人格者である父を尊敬しており、3ヶ月に1回しか会っていない中で教わってきた仁義や人としての生き方を重んじている。
天羽組への入門を長いこと志してきたが、父は裏社会に踏み入れてほしくないと願っており、天羽もその意向を遵守していたが、工藤が殉職し手柄目的で命を狙われる可能性も薄れたことから見学と言う形で仮入門した。当初は「工藤にとって代わる偉大な存在になる」という意志に駆られ若干生意気な態度をとっていた。特に弱いとはいえ一応先輩である速水を見下しており、「速水の兄貴って頼りないですよね…」とも発言していた。
その後鉄火場に無断で足を踏み入れ半グレに刺されそうになっていたところを須永らに助けて貰い、小峠に殴られて「親父が凄かろうとお前はただの下っ端なんだよ! 勘違いもいい加減にしとけ!」と怒鳴られ、須永に「誰もお前に工藤の兄貴になれなんて言ってない」「工藤の兄貴とお前は別人格だ」と説得された後、小峠から「背伸びせず1日1日頑張れ」と励まされる。以降は新人の舎弟として地道に努力していく決意を固めたこともあり、正式に天羽組に入門した。
初登場回では清志の息子であることを鼻にかけていたが、現在は「何者でもない自分(私)」が口癖になっている。
柔道は段持ちで、小峠も「元より才能のある奴」と評している。現時点での実力や覚悟は清志はおろか小峠にも劣るが、少しずつ成長している。
伊集院シリーズにも永瀬と共に登場し、足が不自由な息子を殺害された母親が極右団体の構成員に拉致されそうになっていたところを救出している。

茂木功志郎(もぎ こうしろう)

羽王戦争の後に天羽組に入った新人舎弟。
かつては大阪の半グレ組織「煮苦酔(にくすい)」の構成員だった。天王寺組に強制的に傘下にされたことで高いミカジメ料を吸い上げられており、組織の他のメンバー共々反感を抱いていた。しかし天羽組であることを隠して大阪に来た小林、速水が組織に潜入した際、先輩として2人の教育を買って出たことで2人の知り合いとなった。しかし天王寺組に反逆したことで彼以外の主要構成員は大半が落命し、彼自身は小林の救援で生き存えている。
後に組織を抜けて、小林と速水の正式な協力者となる。そして羽王戦争の最終局面で重傷を負った小峠を自ら搬送したり、大嶽との和解に臨む天羽を送り届けたりと奔走しており、最終的に自らの強い意向も後押しして天羽組の一員となった。
新人ゆえに前のめりになってしまったり、兄貴達のクレイジーさに慄いたりすることも少なくないが、潔さと前向きな性格から小峠達も目をかけている。

京極の轍

旧「京極組の武闘派 久我虎徹」。主人公は久我虎徹。舞台となるのは地図上南西に位置する「黒焉街」。空龍街に負けず劣らずの繁華街があり、京極組のシマである。また、老舗の武闘派である河内組との利権争いに勝利し、地図上南東に位置する「綾波町」の漁業組合の利権も持っている。天羽組との「天京戦争」前からシマを巡って城ヶ崎賢志率いる関東最大のマフィア組織「羅威刃(らいじん)」と「京羅戦争」にて敵対、羅威刃への勝利後は我妻京也率いる東北最大の半グレ組織「戒炎(かいえん)」と敵対し「京炎戦争」が勃発した。

久我虎徹(くが こてつ)

京極組の若手構成員。紅林二郎とは学生時代からのライバルであり、高校時代には互角に戦った過去がある。速度を武器としており、元々の素質に加えて死と隣り合わせの戦いを生き延びたことにより高い戦闘能力を持つ。緑がイメージカラーと思われ、服や使用ナイフの刃の色や乗る二輪車の縁の色は緑色である。

五十嵐幸光(いがらし ゆきみつ)

五代目京極組組長。過去に久我を京極組にスカウトした人物でもある。守若が京極組に入る際にも一か八かに掛けて組に入れる決断をした。「天京戦争」にて前組長が天羽組の小林により殺害されたことで、組長に襲名された。戦闘力はかつては高かったとされる。性格は堅気や下の物には優しく、昔からの任侠や仁義を重んじ、やや古風な好人物である。

一条康明(いちじょう こうめい)

「俳句の一条」の二つ名で知られる京極組の最高戦力。ロングナイフを獲物としており、敵の前に現れる際に五七五を唱える。
学生時代は野球少年であり、山本監督の指導を受けていたが、その監督がかつての教え子・田代によって妻共々惨殺された(田代は野球部員時代の喫煙が元で退部させられ、その数年後にテレビでインタビューされている監督を見て逆恨みの念に駆られた)際には怒りのオーラを発し、伊集院と共に田代が頭である半グレ組織・我琉羅(ガルラ)のアジトに乗り込んで全滅させ(田代は伊集院に引き渡した)、最後に監督の息子・大夢に自らのバッティング(ピッチャーは伊集院が引き受けた)で監督の教えを見せて感動させた。
また、一人息子を監禁されて長期間の拷問の末に殺害された女性の復讐依頼を受けた伊集院に「最初に彼女が頼ったのは俺達なので」と従犯2人を屠る提案をするなど(主犯の吉村は警察官僚の息子なので伊集院に頼んだ)非常に義理堅い性格である。好物はハマチの握り寿司。

守若冬史郎(もりわか とうしろう)

「刺身包丁の守若」の二つ名で畏怖される、京極組屈指の危険人物。子供の様な無邪気さとアサシンさながらの冷徹さを併せ持つ兄貴分で、味方である久我も幾度となく戦慄させられる。184㎝の高身長。
舎弟の1人である佐古大和によく絡む。
幼少期は父親が殺人犯となった事で親戚宅に引き取られたものの、叔母から侮蔑の目で見られ、周囲からは「殺人者の息子」として差別され、その中で相手に反撃した過程で自らに人殺しの才能があると自覚し、更には叔母によってCODE-ELの袴田に売られ、そこで殺人術を昇華させるが、他人の痛みが分からない事から敵も多く、よく周囲と揉めており、瓜生とやり合う事もあった。そんな彼の状況を見た袴田が「このままでは上がお前を始末するかもしれない」と逃げる事を提案し、それに従ってCODE-ELを辞めた。
組織脱退後は日雇い仕事をしつつホームレスをしていたが、歪んだ優性思想に取りつかれた2人組の男が自分に優しくしてくれたホームレス仲間を焼き殺そうとしたのを返り討ちにし、そこにたまたまやってきた五十嵐幸光の目に留まり、行方不明の父親とも再会。更に五十嵐を狙ってカチコミにきた二人組の頭を刺身包丁で切り裂き、それが元で京極組に入る事になった。

城ヶ崎賢志(じょうがさき けんし)

関東マフィア「羅威刃」2代目トップ。幼少期に両親に捨てられ、暴力と金で他者を支配するようになった。DVを行っていた父親を殺害した一方で母親を完全には憎悪しきっておらず、潜在的に母の愛情を求め続けていた。目を見るだけで相手が嘘をついているか見抜く能力を持つほか、死ぬことを「肉になる」と表現しておそれない特異な死生観を持ち極めて高い戦闘力を誇る一方、母の存在が弱点でもある。

我妻京也(あがつま きょうや)

声 - 大河望、伊藤タカユキ
東北マフィア「戒炎」トップ。敵を愛して行動パターンを全て把握する戦法を取るため、「愛の処刑人」と呼ばれる。
2歳で天涯孤独の身となり、周囲の人間を全員敵とみなしていたが、愛する者ができたことで正しい方向に歩み始める。その後、恋人を半グレにより殺害され、現在の状況に至る。

元殺し屋のメロンパン屋 瓜生龍臣

主人公は瓜生龍臣とカリンの2人。舞台となるのは地図上中央西に位置する「貴凛町」。大きな公園があり、瓜生の移動式メロンパン屋はここで営んでいる。町に恩義を感じている瓜生は貴凛町の人々に仇をなすものは徹底的に粛清している。暗殺組織「CODE-EL」のトップが銀田栄角になってからは組織の反逆者として粛清対象になっており、毛利派の仲間と共に組織と対戦。壮絶な争いの果てに銀田栄角が投身自殺したことにより、毛利班が勝利を得る。抗争終結後、メロンパン屋を再開し、毛利が設立した「株式会社モーリー」の傘下企業として加入。毛利班の仲間たちも表では石鹸屋やかき氷店などの店を営み、裏では外道を狩る仕事に従事するようになるが、御前と呼ばれる人物が瓜生たちへの報復を巨大暗殺組織「エルペタス」に依頼したことから、新たな戦争が始まる。

瓜生龍臣(うりゅう たつおみ)

声 - ベルベる☆
元最強の殺し屋。かつて暗殺組織「CODE-EL」に所属し「死龍」という二つ名を持っていたが、貴凛町の公園で口にしたメロンパンに衝撃を受け暗殺業から手を引き、それ以降は厳しい修行の末にメロンパンを教えてくれた師匠からキッチンカーを受け継いで移動式メロンパン屋『うりゅうのメロンパン』を営む。幼少期からの研鑽の中で沁みついた殺意を抑えるため右目を閉じているが、戦闘時には開眼する場合もある。

カリン

「CODE-EL」元構成員。潜入・尋問とクリスタルナイフによる投擲を得意とする。現在は瓜生の営むメロンパン屋の看板娘を務めており、売り上げの8割を計上している。ナイスバディな猫娘。語尾に「じょ」、「だじょ」をよくつける。

鶴城史之舞(つるぎ しのぶ)

「CODE-EL」元構成員。かつて毛利班と組織が戦った『EL戦争』において、瓜生と戦った最強クラスのアサシン。
組織によって誕生し、最高のアサシンとなるべく育てられたため、戦闘能力は瓜生に勝るとも劣らない。しかし内面には自分の強さや過酷な経験に裏打ちされた異常なまでの虚無感を抱えていて、瓜生に敗北するまでは常に自分を『困らせて』くれる相手に飢えていた。
組織壊滅後はモーリーには加わらなかったが、今後の生き方を悩みに悩んだ末におにぎり職人となることを決意。現在は自身の店『つるのおにぎり』を開店した。

毛利公平(もうり こうへい)

「CODE-EL」元教官。カリンや瓜生らを幼少期から育てた男。新たに組織のトップに就任した銀田の新方針を真っ向から否定し対立に至り、殺害命令を下される。
組織解体後は株式会社モーリーを設立して飲食業を展開し、平行して暗殺依頼を請け負っている。

銀田栄角(ぎんだ えいかく)

「CODE-EL」トップ。組織の急進的な改革を進める派閥のリーダーであり、毛利と彼の一派を粛清対象にした張本人。組織を「金のためなら善人も堅気も容赦なく始末する」方針に強制的に転換させた元凶で、過去の経験から『善悪は立場が変われば変化するものである』という思想を持つ。CODE-EL本部に乗り込んだ毛利と戦闘し、自らの信念を貫き自害。

祇園織文(ぎおん おりふみ)

アジア圏を拠点とする暗殺者集団「エルペタス」に所属する殺し屋。コードネームは「オリオン」。
エルペタスにおける屈指の実力者だが、暗殺者としての冷徹さと何者に対しても屈託なく接するフランクさを併せ持つ人物。

大丸泰公(だいまる やすきみ)

「エルペタス」最高権力者。日本を頂点としたアジア共栄圏の建造といった旧時代的な思想を持つ政治家などと接点を持ち暗躍する。御前から命を受けたことでモーリーの討伐を目論む一方、組織内や部下からの信頼は厚い。

殺し屋一族の闇金…三門一郎太

2023年5月から追加された新シリーズ。主人公は、闇金会社「ナツメ金融」の社長、三門一郎太。舞台となるのは黒焉街よりさらに西側に存在する「雲雀町」。ナツメ金融の事務所もここにある。元々は秋月家という旧華族に仕える殺し屋であった三門が債務者からは徹底的に取り立てる一方で、外道によって搾取されている被害者に気づくと、その搾取している外道の元に殴り込みをかけ、その戦闘能力をもって護衛を倒し、莫大な債務を外道から取り立てる。

三門一郎太(みかど いちろうた)

元は秋月家に仕えていた殺し屋一族。ナツメ金融の2代目社長。取り立てるべき悪人からどのような手を用いても債権を回収する。裏社会の中でも高い戦闘力を持つ反面、女性に(特に巨乳女性)対する耐性が皆無であり、克服のための努力をしている。闇金会社を運営する傍ら、父親の死の真相を調査している。債務者には容赦ない制裁(カニ漁に乗るか、臓器を売る、保険に入って死ぬ)を加える。敵対者に対しては殺害することもしばしば。

大貫桃子(おおぬき ももこ)

ナツメ金融の受付嬢。金の匂いを嗅ぎ分ける能力が人一倍高いほか、「根性の桃子」の愛称を持つ。

部南忠志(べなん ただし)

特殊警察出身の現ナツメ金融メンバー。戦闘力も三門ぐらいに高い。ビジネススキルも高い。

夏目(なつめ)

ナツメ金融の初代社長。サングラスをかけた老人。路頭に迷っていた三門を拾い社長職を引き渡し、現在は会長となっている。女性に対してセクハラを行う癖がある。

 更新終了・移籍したシリーズ
佐竹博文の数奇な人生

主人公は佐竹博文。佐竹は日常茶飯事レベルで病気や災難に見舞われて瀕死の状態に陥ることもあるが、そのたびに生還する。黒焉街の東に位置する「久遠町」(くおんちょう)に在住。2023年からは姉妹チャンネルの『バグアカデミア-漆黒の漫画-』に移籍し、『佐竹博文の数奇な人生 -新章-』が配信開始。後に三門シリーズへのゲスト出演の形で復帰する。

佐竹博文(さたけ ひろふみ)

声 - 杉田智和、ヤシロこーいち
死刑囚編で初登場。初回登場時は死刑制度について説明するためだけの人物であり、妻(根岸千恵)と近所の男性を殺害して死刑判決を下され死刑囚として収容されたのち死刑を執行される。2回目の登場以降は時間軸が初回以前の過去となっており、ボートスクールに入校させられ体罰・暴力を受け殺される寸前に陥ったり、感染症に感染して重症化し生死の境をさまよったりなど、毎回登場するたびに何らかの災難に遭い生命の危機に陥るが、そのたびに必ず生還する。
死刑囚編の動画では銀河万丈をイメージする声が当てられていたが、後の動画では担当声優であるヤシロこーいちの地声に落ち着いている。
2020年には彼の話題を詳細に語る単行本が発売されたほか、キーホルダー、タオル、Tシャツといったグッズも発売されている。

根岸千恵(ねぎし ちえ)

声 - 小倉唯、末次 由布子
佐竹博文の彼女(婚約者)。明るい性格の持ち主であり、また佐竹の最大の理解者でもある。
初登場回では佐竹の妻として登場し、佐竹に事実無根の不倫を疑われ殺害されてしまう。

綾瀬美桜(あやせ みお)

佐竹博文の隣人の19歳。ダンサーを夢見て上京したフリーターのギャルであるが、律儀な側面もあり、佐竹との関係は良好。

ドリームハンター・鬼頭丈二

主人公は鬼頭丈二。世界を股にかける奇食・秘境ハンターの鬼頭が様々な奇食を味わったり、秘境を探索したりする。当初は単独または現地で雇ったガイドとともに行動することが多かったが、のちに佐竹 博文や紅林 二郎、大陸最強の殺し屋元 雲嵐など、他の人物が同行することが多くなっている。秘境で強盗や危険な動物に襲われたり、自然災害に巻き込まれたりすることもあるが、自身の携行している道具や同行者の戦闘能力などにより難を逃れる。2023年からは姉妹チャンネルの『バグアカデミア-漆黒の漫画-』に移籍し、『奇食・秘境ハンター 鬼頭丈二』が配信開始。後にゲスト出演の形で復帰。

鬼頭 丈二 (きとう じょうじ)

奇食と秘境に目の無いドリームハンターであり、貿易系食品会社オーガヘッドフーズ創業者。他国の食文化に敬意を持つほか、食べ物を残すことを良しとしない性格の持ち主である。幼少期は極貧であり、足のくさい父親がいる。30歳ごろ事業の成功で10億円の資産を得て富豪になる。戦闘力は常人以上とされ、暗器や特殊武器もいざというときには使用する。

獅子王組舎弟・阿蒜寛太の地獄日記

主人公は阿蒜寛太。舞台となるのは地図上東に位置する「花宝町」。物騒な町ではあるが、夜はキャバクラが賑わいを見せる獅子王組のシマ。天羽組とは長年朱雀町の利権をめぐり、敵対している。また、昔は京極組と、綾波町の港の利権を巡り敵対していたが、現在は京極組が港の利権を獲得している。獅子王組の物語のテーマは「内部抗争」。現組長が認知症を患い、若頭の小御門が殺害されたため、次期組長候補である任侠主義の眉済 俊之と拝金主義の黒澤 航太郎が跡目争いで対立。獅子王組組長の認知症が進行しすぎた結果、組長の意向で組名が河内組から獅子王組へと変更される事態に発展。多数の死者を出したのち、黒澤の死によって内部抗争が終結した。

2023年6月14日の配信をもって完結したが、組員の一人である井上月麦(いのうえ つむぎ)は、羅威刃と因縁がある久我シリーズなどに出演することになる。

阿蒜寛太(あびるかんた)

声 - 岩田陸
眉済派に所属する、獅子王組1年目の新米舎弟。戦闘能力や人間性は未熟であるが、強いガッツを持つ。

眉済俊之(まゆずみ としゆき)

眉済派のトップ。穏健派であり、任侠を重んじる極道で、力による殲滅よりも交渉で進める事を是としている。拝金主義の姿勢を取る黒澤と跡目争いを繰り広げる一方、京極組とは協力関係にある。

黒澤航太郎 (くろさわ こうたろう)

黒澤派のトップ。武闘派。金欠になった後輩が道を踏み外したことから金の重要性を重く見ており、競合相手である眉済を理想主義者と見なしている。

関連書籍
  • 誰も教えてくれないダークな世界を覗く ヒューマンバグ大学 佐竹博文の壮絶な人生編(2020年9月26日発売、ヒューマンバグ大学著、株式会社KADOKAWA発行 ISBN 978-4-04-896847-8)
テレビアニメ

2022年5月にはテレビアニメ化が決定し、同年10月から12月までTOKYO MXほかで放送された。「佐竹博文の数奇な人生」の主人公である佐竹博文を中心としたオリジナルストーリーが展開される。

放送期間中、ブルーレイボックス制作のためのクラウドファンディングを実施したが、目標金額に届かず終了した。

あらすじ

死刑囚の佐竹博文は、ある日絞首刑に処せられるが、偶然が重なり奇跡的に蘇生する。しかし過去の記憶を失っていた。佐竹の身柄を引き受けた教授によれば、佐竹は何度も命の危険から奇跡的に生還しているのだという。佐竹は教授の元で自分の数奇な人生を少しずつ思い出してゆく。

登場人物(アニメ)

佐竹博文
声 - 杉田智和
他人から指摘されるほどに運が悪い。平凡なサラリーマンだったが、婚約者の千恵が浮気していると疑い、千恵と相手の男をメッタ刺しにして殺害し放火した容疑で死刑判決を受ける。重度の魚アレルギーの持ち主だが本人は収監中忘れていた。絞首刑に処せられるが、処刑前に食べた鯛の刺身でアナフィラキシーショックを起こし仮死状態になったのを即死したと判断されロープを外されたことで蘇生する。死刑から生き返るという前例のない事態で対応を協議する間、研究体として教授に預けられる。処刑後は過去の記憶を全て失っていた。その後飛行機で移送される途中メキシコ上空で落下。持ち前の強運で命の危険を何度も乗り越え、ついに真実に辿り着く。
教授
声 - 宇垣秀成
絞首刑から蘇生した佐竹を引き取った丸眼鏡に白衣の老人。本名ではなく「教授」と名乗る。第11話冒頭では「私の名前はたn」と言いかけて教授と言い直している。佐竹を「アンデッドマン」「ヒューマンバグ」と呼び、人類瑕疵研究所(通称・ヒューマンバグ大学)での研究体とする。次々トラブルに巻き込まれる佐竹を興味深く思い、面白がっている様子を見せる。
下田 正
声 - 内田雄馬
拘置所の刑務官。妹がいる。死刑囚の佐竹と親しくなるが、死刑現場に立ち会わされる。第5話で飛行機で移送される佐竹の同行者として佐竹に再会するが、私服警官の銃を奪い佐竹を射殺しようとする。被害者遺族を名乗る男に大金で雇われた上での犯行だったが、佐竹に説得され、さらに飛行機事故が重なり、犯行は未遂に終わる。
根岸千恵
声 - 小倉唯
佐竹の婚約者。バックパッカーとして各国を巡っていたとき、ジャックにストーカーされていたところを海外出張中の佐竹に救われる。佐竹と婚約したが、ジャックに拉致され、逃げ出したあと佐竹が死刑執行されたと聞き、アリゾナ州のホースシューベンドで飛び降り自殺しようとしたところを鬼頭に救われ、鬼頭の秘書になっていた。
神林修
声 - 烏丸祐一
根岸千恵と同窓会で再会した青年。ジャックに襲撃され惨殺された。
ジャック・スペイシー
声 - 斉藤壮馬
千恵がバックパッカーとして世界を放浪していた時出会った金髪碧眼の青年。千恵を執拗に付け回し、口笛を吹きながら現れる。伍代の調査では国際的犯罪シンジケートのボスの息子。猟奇殺人者・サディスト・ストーカーであらゆる悪事に手を染めている。佐竹を青林刑事やマジードを操って始末しようとしたが絶対に死なない強運の持ち主であることに興味を抱く。ベネズエラで千恵を誘拐し、街中に佐竹の賞金ポスターをばらまいて、マフィアのホセに斬首させようとしたが、伊集院たちに確保される。

スタッフ(アニメ)
  • 原作 - ケイコンテンツ(Youtube「ヒューマンバグ大学_闇の漫画」)
  • 企画 - 江波戸憲司、末平アサ、平山勝雄、岩野貢、小濱直人、北條真
  • 監督・キャラクターデザイン - 西山司
  • 医療監修 - 飯島治
  • 法律監修 - 室谷光一郎
  • シリーズ構成 - 中島直俊
  • 美術監督 - 山本練正
  • 音響監督 - 大室正勝
  • 音楽 - 山下康介
  • 音楽制作 - 日本コロムビア
  • プロデューサー - 吉田剛志、飯島江美子、丸山圭太、君塚耕太、谷洋一郎、谷口博康
  • アニメーションプロデューサー - 山根万菜実
  • アニメーション制作 - DLE
  • 製作 - 「ヒューマンバグ大学」製作委員会(YTE、クランチロール、ケイコンテンツ、MAGNET、DLE、日本コロムビア)
主題歌

「CATASTROPHE」
NANOによるオープニングテーマ。作詞はナノ、作曲・編曲はシン・マナヒロ。
「BAD CITY(BUG HUMAN)」
Lowland Jazzによるエンディングテーマ。作詞・作曲はCASEY RANKIN、編曲は千葉岳洋。テレビドラマ『探偵物語』の主題歌である「BAD CITY」をヒューマンバグ風にアレンジした曲となっている。

各話リスト

話数サブタイトル絵コンテ演出作画監督初放送日
第1話死刑囚 佐竹博文 婚約者を惨殺した…冷酷非情の男 西山司柿木直子2022年
10月5日
婚約者と友人が浮気していると疑い、二人を惨殺して放火した死刑囚の佐竹は刑務官の下田と親しくなる。下田は佐竹の死刑執行の日、教誨室に彼の好物の鯛の刺身を用意する。佐竹は死刑執行の瞬間アナフィラキシーショックを起こしたことで窒息死を免れ蘇生するが記憶喪失となる。佐竹を引き取った教授は佐竹をヒューマンバグと呼び、佐竹は過去の記憶を辿っていく。
第2話命が消えていく…漂流48日死を招く幸運のコイン 山脇光太郎10月12日
佐竹は持ち物のコインペンダントを見て鬼頭丈二と船釣りに行ったことを思い出す。船が鯨と衝突して沈没、二人は救命ボートで漂流する。佐竹はペンダントを振って助けを呼ぶが、ダツに首を串刺しにされる。だが佐竹は鬼頭と共に生還する。
第3話拷問ソムリエ 伊集院茂夫 外道刑事を焼き殺す…煉獄の炎 佐藤充夫柿木直子10月19日
佐竹の過去。佐竹は刑事の青林隆雄(声 - 松山鷹志)から強盗の疑いで自白を強要される。青林は真犯人が逮捕されると佐竹をヤクザに頼んで山に埋めようとするが、拷問ソムリエ伊集院茂夫によって青林は制裁を受け佐竹も助けられる。
第4話死刑囚の恋人 根岸千恵 どこへ逃げても死…快楽ストーカーの殺人衝動 山脇光太郎10月26日
佐竹の過去。海外出張した佐竹はバックパッカーの根岸千恵に出会い、現地で買った幸運のコインを渡す。千恵はカンボジアで知り合ったジャック・スペイシーにタイ、トルコとストーキングされ、ビルの中を逃げ惑う。偶然佐竹が助け、逃げ込んだ店で起こった性器収縮症候群に乗じて二人は脱出する。
第5話空飛ぶ棺桶 高度一万メートルの密室…死のダイブ 大宮一仁柿木直子11月2日
佐竹は突然別の施設に移送されることになり、教授と飛行機に乗る。そこで下田と再会。飛行中、下田は私服警官の拳銃で佐竹を殺そうとするが、飛行機のエンジンが爆発し乗客はパニック。佐竹はハイジャックを装い乗客に着陸姿勢を取らせるが、胴体に空いた穴から転落する。
第6話幼き命を奪う…マフィアの凶弾 命運尽きた死刑囚の最期 エイティーエイト山脇光太郎11月9日
メキシコのスクールバス運転手トーマス・プラトー(声 - 加瀬康之)は大怪我をした佐竹を拾う。回復した佐竹はプラトーの仕事を手伝うが、ある日マフィアにバスごと誘拐される。佐竹は子供達と脱出するが、プラトーは佐竹を庇い射殺される。
第7話世界一マヌケな強盗 スラムに咲くおバカコンビ 日野トミー柿木直子11月16日
不法入国者の佐竹は日本大使館を目指す途中でアカプルコに立ち寄るが、警官に財布を没収され一文無しになる。商店で強盗しようとしたアンドレ(声 - 土岐隼一)とミゲル(声 - 浜添伸也)を逃がした佐竹はスラムに身を寄せる。マフィアから逃れたカップルのマリア(声 - 小倉唯)とケビン(声 - 烏丸祐一)を助けようとした佐竹はマリアたちとマフィアに誘拐される。
第8話愛を喰らい合う獣たち 最凶処刑…ドラッグで人格崩壊 轟おうる
  • 山脇光太郎
  • 佐藤充夫
11月23日
ケビン、マリア、佐竹はマフィアの「処刑場」に監禁される。マフィアのボスであるケンゾー・マジード(声 - 最上嗣生)は3人を3日間放置した上で強力なドラッグを嗅がせる。飢えたケビンとマリアは互いに噛みつくが、ミゲルとアンドレがトラックで突っ込み佐竹を救出。マリアとケビンは、ガス爆発で亡くなる。教授は下田に佐竹殺人を依頼したのがマジードであると突き止める。
第9話寄食ハンター 鬼頭丈二 友を奪う…終末の百雷 エイティーエイト柿木直子11月30日
奇食ハンター鬼頭はメキシコの市場で食事中、佐竹と再会。鬼頭は佐竹を連れてベネズエラのカタトゥンボの雷を見に行く。佐竹は銃で脅す現地ガイドと揉み合いになるが落雷を受け、自分だけ助かる。鬼頭は佐竹帰国の手配をするため秘書を呼ぶが、現れたのは千恵だった。
第10話逃げ場ゼロ…燃え盛る病院 地獄の業火で灯る記憶 大宮一仁
  • 山脇光太郎
  • 佐藤充夫
12月7日
死んだはずの千恵と再会し驚く佐竹。神林芳江(声 - 小林沙苗)は伊集院に息子の修を殺した佐竹への報復を依頼する。芳江は死刑になった佐竹がまだ生きていると言う。佐竹の入院する病院が強盗に襲撃され爆発事故が起きる。佐竹と千恵は犯人のカルロス(声 - 山本祥太)を救助しようとするが入口が崩れたため屋上に向かう。千恵は犯人が落とした手榴弾で爆風消火を起こし、佐竹と隣のビルに飛び移り難を逃れる。伊集院は佐竹を迎えに行く教授を脅すが逆に歓迎される。
第11話惨劇の同窓会 死刑囚が生まれた日 日野トミー柿木直子12月14日
教授は佐竹を迎えに出国。伊集院は伍代千隼(声 - 緑川光)から佐竹事件の映像を入手する。佐竹は記憶を取り戻す。佐竹を犯人に仕立てたのはストーカーのジャックだった。ジャックは修を殺し千恵を人質にして佐竹に罪を被るよう仕向けていた。佐竹たちは真実を告発しようと決意。伊集院も真犯人断罪に動く。ジャックが千恵を誘拐。ビデオ通話の映像からデイビッドタワー(セントロ・フィナンシエロ・コンフィナンサス)と推測した佐竹と鬼頭は車で向かうがトラックにはねられ、街には賞金つきのポスターが貼られていた。
第12話元死刑囚 佐竹博文 どこにでもいる普通の男 大宮一仁
  • 山脇光太郎
  • 佐藤充夫
12月21日
逃げ惑う佐竹をアンドレ、ミゲル、教授のトラックが救う。佐竹はデイビットタワーに潜入。ジャックはマフィアのホセ・クラウディア(声 - 手塚ヒロミチ)を放つ。ホセは佐竹を斬首しようとするが突然床が崩れ、佐竹はペンダントで首吊り状態になる。だが病院襲撃犯のカルロスが佐竹を引き上げ、佐竹は千恵と再会。ジャックは千恵を撃ってヘリで逃走するが、ヘリは伊集院のものだった。一命を取り留めた佐竹と千恵は帰国の途に着くが、乗った飛行機からまたも黒煙が上がっていた。

放送局

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 備考
2022年10月5日 - 12月21日 水曜 22:00 - 22:30 TOKYO MX 東京都
2022年10月7日 - 12月23日 金曜 0:30 - 1:00(木曜深夜) サンテレビ 兵庫県
BSフジ 日本全域 BS放送 / 『アニメギルド』枠
2022年10月18日 - 2023年1月3日 火曜 23:30 - 水曜 0:00 AT-X 日本全域 CS放送 / 字幕放送 / リピート放送あり

インターネットはAmazon Prime Videoにて見放題独占配信。2022年10月5日より毎週水曜日22時更新。

舞台演劇

『舞台 華の天羽組 -天京戦争編-powered byヒューマンバグ大学』が、2023年12月9日から17日(11日休演)まで品川プリンスホテル クラブeXにて公演。全13公演。「華の天羽組-天京戦争-」シリーズの舞台版。

キャスト(舞台)

天⽻組

  • ⼩峠華太 - 馬場良馬
  • ⼩林幸真 - 磯貝龍乎
  • 和中蒼⼀郎 - 國島直希
  • 野⽥⼀ - 碕理人
  • 須永陽咲也 - 五十嵐啓輔
  • 飯豊朔太郎 - 毎熊宏介
  • ⼯藤清志 - 横山真史
  • 北岡隆太 - 松田将希
  • 冨樫宗司 - 笠原紳司
  • 天⽻桂司 - 金山一彦

京極組

  • 久我⻁徹 - 校條拳太朗
  • ⼀条康明 - 杉江大志
  • 六⾞謙信 - 林光哲
  • 相良颯誠 - 千田京平
  • 五⼗嵐幸光 - 大迫一平
  • ⽇下幸次郎 - 篠原功
  • アンダーキャスト - 佐藤祐亮、木村一輝
スタッフ(舞台)
  • 原作:株式会社ケイコンテンツ
  • 脚本:鈴木智晴(劇団東京都鈴木区)
  • 演出:扇田賢(Bobjack Theater)
  • 製作・主催:株式会社De-LIGHT
姉妹チャンネル
エモル図書館〜時々、エビル〜

当初から平山が「ヒューマンバグ大学」と共にコンセプトを提唱していた姉妹チャンネル。「ヒューマンバグ大学」が闇の深い題材を取り上げるのに対し、こちらでは感動系の他エッチなストーリーが展開される。また恐怖系のストーリーや、歴史上の人物などの実在の人物を取り上げることもある。

バベル裁判所〜闇の法律知識〜

上記2つのチャンネルに加え、法律という要素で視聴者に受け入れられることを狙って開設された姉妹チャンネル。

2019年からチャンネルを開設し毎日動画を投稿している。2023年現在は火・水・金・土・日の週5回の投稿をしている。作風は「法律を知らない者に牙を向く」とい法律知識に対する無知と誤った認識から苦難に陥る人々を描いた短編漫画を配信している。ストーリーは『ヒューマンバグ大学』同様1人の語りから展開している(中には、鬼塚ライオット、巻島信一、不動芦弥は本人ではなく語り手はナレーターが担当している)。白石勇人や赤城啓作などシリーズ化されているキャラも居るが動画の題材とそもそもの性質からそちらを含めた主人公の大半は視聴者に対する反面教師であり、分かりやすいダメ人間又はどうしようもない者ばかりである(実在する世間を騒がせた犯罪者をモデルにした主人公も多い)。しかし、最近は同情できる主役の回も増えてきている。2023年4月より「バベル裁判所が生まれ変わります。」というフレーズと共にチャンネルを一新。「バベル裁判所~闇の法律知識~」から「~闇の法律知識~」が外され「バベル裁判所」となった他、白石勇人、笠霧智也、国見大作、赤城啓作の4名を中心に動画を投稿していくが発表された。また、リニューアルに伴い4名のキャラクタービジュアルが変更されている。「法律」の二文字はなくしたものの法律に無関係な者は減少傾向にありそのような動画はサブチャンネルの「バビロン全書」(旧バベル裁判所戦慄法廷)に投稿される。こちらのチャンネルはメインチャンネルでは、非公開になった動画やメインでは投稿できない事件の動画を再投稿している。

バグアカデミア-漆黒の漫画-

精神の異常な事情を漫画にし国内外の歴史を取り上げている。当初のチャンネル名は「漆黒のジェイル〜Jet Black Prison〜」で、のちに「漆黒アカデミア 〜Jet Black Academia〜」と改名、さらに2023年2月8日より現行名に改名。

ヒューマンバグ大学の大幅な路線変更により、2023年度からは主要キャラクターの一角だった佐竹博文と鬼頭丈二の2人がヒューマンバグ大学から移籍している。主要キャラクターとしては佐竹と鬼頭の他、佐竹と同レベルの不幸体質である佐伯・ゼッターランド・博子や、自殺志願者および外道に拷問を加えることを生き甲斐としている拷問蛸などがいる。

モノクローム〜色眼の囚人〜

2022年6月3日開設。異世界「モノクローム」に転生し「ギフト」と呼ばれる特殊能力を授かった者が戦いを繰り広げる異世界バトル漫画。2023年9月2日の動画を最後に休止。