ビブリア古書堂の事件手帖
小説
著者:三上延,
出版社:アスキー・メディアワークス,KADOKAWA,
レーベル:メディアワークス文庫,
巻数:既刊10巻,
漫画
作画:交田稜,
出版社:講談社,
掲載誌:good!アフタヌーン,
レーベル:アフタヌーンKC,
発表期間:2012年7月6日 - 2013年9月6日,
巻数:全3巻,
ドラマ
原作:三上延,
演出:宮木正悟,
制作:フジテレビドラマ製作センター,
放送局:フジテレビ,
話数:11話,
以下はWikipediaより引用
要約
『ビブリア古書堂の事件手帖』(ビブリアこしょどうのじけんてちょう)は、三上延による日本のライトミステリ小説。イラストは越島はぐが担当している。メディアワークス文庫(アスキー・メディアワークス→KADOKAWA)より2011年3月から刊行されている。
概要
古書に関して並外れた知識を持つが、極度の人見知りである美貌の古本屋店主・栞子(しおりこ)が、客が持ち込む古書にまつわる謎を解いていく日常の謎系のビブリオミステリ。作中で扱われる古書は実在するもので、それら書籍の売上が伸びたり絶版本が復刊されるなどの影響を与えた。
メディアワークス文庫で初のミリオンセラー作品であり、2020年6月時点でシリーズ累計発行部数は700万部を突破している。2012年には、本屋大賞にノミネートされた。2016年には、小中学生向けに漢字にルビが振られた角川つばさ文庫版が刊行された。
メディアミックスとして2種類の漫画化作品と、テレビドラマが制作されている。2017年2月には、実写およびアニメでの映画化が発表された。
物語の舞台
物語開始時は2010年8月。神奈川県鎌倉市北鎌倉を舞台としている。地名は実在のものを用いているが、ビブリア古書堂の店舗や登場人物はフィクションである(作者後書きより)。
4巻は2011年4月を描いており、現実と同じく東日本大震災が起きたことになっている。
ビブリア古書堂
あらすじ
1巻から3巻までは、時系列順の一話完結の連作短編のかたちをとっている。4巻は3巻までを受けた長篇である。
1巻
プロローグ
第一話 夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)
第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
大輔がビブリア古書堂で働き出してから3日が経った。今までは栞子の妹の篠川文香が店番をしていたが、今朝は母屋から出てこない。店番となった大輔は、常連と自称する男に万引きを取り押さえてもらう。せどり屋の志田と名乗ったその男は、盗まれた本を探してもらいたくて来たという。志田はせどり屋仲間と商品を交換するために待ち合わせをし、トイレに立った時に女子高校生に自転車を倒され文庫本『落穂拾ひ』を盗まれたようなので、もしその本を売りに来たら黙って買い取り、自分に買い戻させてほしいということだった。入院中の栞子にそのことを話すと、犯人とすれ違った志田の待ち合わせ相手に詳しく話を聞いて見る必要があると言い出したため、大輔はその相手・笠井菊哉に会って話を聞き、さらに事件に関わると思われる男子生徒に出くわして、渦中の少女の身元が判明することとなった。大輔が掴んだ情報を栞子に電話で伝え、犯人の少女・小菅を病院へ呼び出し栞子がその推理を話すと見事に当たっていた。後日、小菅が志田のもとに謝りに行くと、彼女の行動の裏に男子生徒への想いと失恋があったことを知った志田はかえって同情し、小菅と『落穂拾ひ』について語り合い、打ち解けたのだった。
第三話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
ビブリア古書堂に古びた文庫本を持ち込み、買い取ってもらいたいという初老の男・坂口昌司が現れる。明日の正午には査定を終えておいて欲しいと言い置いて彼は出て行く。それからしばらくして坂口の妻を名乗る女から電話がかかってきてその文庫本を売るのを止めてもらえないかという。病院でそのことを栞子に話しその本をチェックすると、坂口には前科があったことがわかる。そこへ坂口の妻・しのぶがやって来てその本を返して欲しいという。栞子が本人以外には返せないというとそこに坂口本人があらわれる。坂口は前科のことを妻には話していなかった。栞子は坂口にはそれ以外にも秘密があることを見抜く。しかし、全ての事情を坂口に告白されても、しのぶの夫への愛は揺らぐことがなく、坂口は夫婦の思い出にかかわるその本『論理学入門』の売却を中止する。
第四話 太宰治『晩年』(砂子屋書房)
エピローグ
2巻
プロローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)I
第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)
小菅奈緒が店を訪れ、奈緒の自慢の妹である小菅結衣が書いた読書感想文のせいで家庭内に波風が立って悩んでいると大輔にぼやく。それは『時計じかけのオレンジ』の感想文で、内容について学校で注意されたことから、親が買った本のチェックを強要してくるようになり、止めさせたいので相談しに来たということだった。大輔は栞子に相談するからといって感想文を預かる。栞子は感想文を読んで、筆者は本当の意味で『時計じかけのオレンジ』を読んでいないと指摘する。栞子は結衣を店に呼び出し、結衣が『時計じかけのオレンジ』を未読であることが分かった根拠を説明する。
第二話 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)
宅買いから車で戻る途中、大輔は栞子の体調が悪いことに気付き、急いでビブリア古書堂まで戻った。帰りしな、大輔は廊下の壁際の本の山から売ったはずの『クラクラ日記』と女性の絵画を見つける。栞子をモデルに描かれていたように思えたが、日付は30年前であるため、栞子を描いた絵ではなかった。
晶穂が「大輔」と呼んでいたことを切っ掛けに、この話の終わりから、2人のお互いの呼び方が「五浦さん」「篠川さん」から「大輔さん」「栞子さん」に変わる。
第三話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦」(鶴書房)
ビブリア古書堂に、ダンボール箱を抱えた男性がやってくる。男は栞子に足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房版の初版)は幾らになるか尋ね、栞子の回答に男は満足そうにダンボール箱の中身の査定を依頼する。男は買い取り票に住所を途中まで書くと理由をつけて店から出て行き、ダンボール箱を置いたまま戻って来なかった。足塚不二雄は藤子不二雄のペンネームで最初の単行本。男が『最後の世界大戦』を所持していると考えた栞子は大輔を伴い、須崎と書き残した男の家を突き止める。須崎は2人迎え入れると、彼の亡父が藤子不二雄のコレクターであり、『最後の世界大戦』をビブリア古書堂から買ったこと、智恵子が栞子と同様に家を突き止めたことがあり、その方法が知りたかったこと、父がコレクションの一部を智恵子に譲ったことを明かし、『最後の世界大戦』を父に安価で売ってくれた智恵子に感謝していることを伝える。栞子により智恵子が家を突き止めた方法が明かされたため、『最後の世界大戦』以外の藤子不二雄の残りのコレクションを改めて買取らせてもらうこととなった。
帰り道、栞子は智恵子と須崎の父の間に行われたであろうやり取りを推理し、母・智恵子は須崎の思っているようなよい人物ではないこと、10年前に栞子へ『クラクラ日記』を残し失踪したことを大輔に明かす。また須崎から古書を買い取るために真実を打ち明けずにいたことは、母のやってきた不誠実な行為と変わらないと栞子は自己嫌悪し、自分は結婚するつもりはないと打ち明ける。
エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文芸春秋社)II
3巻
プロローグ 『王さまのみみはロバのみみ』(ポプラ社)I
文香は口が軽いことを自覚しており、それが原因で店に放火が起きたと思っている。ストレスがたまらないよう、夜中にパソコンに向かって近況を記していた。周りの人達はたちは誰も知らない。自分の行いを、家の中で見つけた『王さまのみみはロバのみみ』の物語に重ねる。
第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)
次の日の夕方、大輔は井上が預かっていた『たんぽぽ娘』を受け取るため「ヒトリ書房」を訪れ、井上からクリスマスカードを見せられる。それは失踪している智恵子が井上へ宛てたカードであった。大輔は井上から智恵子と栞子には気をつけろと忠告を受ける。
第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』
結局、文香と奈緒のおかげで「タヌキみたいな動物」の名前が判明したことから本が特定され、児童書専門の古本屋から取り寄せることができた。しのぶに本を渡す日、しのぶの父親も同席していた。本を通じて、しのぶがどんな気持ちで少女時代を過ごしていたのか、そして両親はどんな気持ちでいたのかを語り合う。そしてしのぶがこの時に本を求めた理由も、最近のしのぶの変化から栞子は分かっていたのだった。
第三話 宮澤賢治『春と修羅』(關根書店)
話の終わりに聡子から、栞子の父は栞子が『クラクラ日記』を処分しようとしていることに気付いていたことを聞かされる。ビブリア古書堂に戻り、父の遺品を探す栞子。しかし『クラクラ日記』を見つけることは出来なかった。
エピローグ 『王さまのみみはロバのみみ』(ポプラ社)II
4巻
この巻は長篇である。章題として取り上げられている作品はすべて江戸川乱歩の作品・著書である。なお、小説中で江戸川乱歩『二銭銅貨』のトリック、『人間椅子』『大金塊』の趣向を明かしている。
プロローグ
第一章 江戸川乱歩『孤島の鬼』
第二章 江戸川乱歩『少年探偵団』
雪ノ下を去ってから2時間も経たないうちに届いた資料は、何枚ものレポート用紙に系図やら鹿山明の父・鹿山総吉の略歴などが、確りとまとめられていた。明は総合専門学校の経営者として成功し、今は明の息子・義彦が学長を務めている。邦代は手回し良く、鹿山義彦に明日の夕方の会見の約束まで取り付けていた。
翌日、栞子と大輔が鹿山邸を訪ねて会った義彦に言うには、鹿山家の家族たちは明のことは厳格で生真面目な教育者だと思っていて、来城慶子はおろか、鎌倉の家の存在すら遺言状で初めて知ったということだった。鹿山家では教育方針も厳しく読書やテレビ鑑賞も制限されていたが、乱歩の少年探偵団のシリーズだけは父親が買ってくれたという。そして探偵小説に出てくる大邸宅のような鹿山邸で、子供のころは妹と幼馴染と3人で少年探偵団ごっこをして遊んでいたと懐かしげに語るのだった。
栞子は義彦に、『少年探偵 江戸川乱歩全集』と明氏の書斎を見せて欲しいと頼む。義彦の本はポプラ社版であり、明の書斎の抽斗からは、光文社版の江戸川乱歩全集の読者への特典プレゼントであるBDバッジが出てきた。バッジは各冊に1枚ついている引換券3枚で1つもらえたものなので、光文社版が3冊以上はあるはずだったが見当たらなかった。義彦の妹の直美にも話を聞きたいと申し出ると、同居はしているがヒトリ書房で働いており、今日は残業で遅くなると知らされる。ヒトリ書房に行くと閉店後だったが、主人の井上は留守で直美に話を聞くことができた。そして、栞子と直美はシリーズの中の『魔法人形』を語り合い盛り上がる。だが直美は、子供には厳しく冷たく接していたにもかかわらず、愛人を囲っていた父の明を嫌っており、父の本のことは知らないと突っぱねられてしまう。その翌日、ビブリアに井上が話があるとやって来たため、居合わせていた志田に店番を頼み、母屋で話を聞くことになった。井上にとって鹿山明は子供の頃の知り合いであり、古本屋を始めたときに陥った経営危機を助けてくれた恩人だという。実は幼馴染であった直美が婚家を家出したときも直美をアルバイトに雇ったが、直美には明のコレクションや取引のことは秘密にしていた。ところが篠川智恵子が、明や直美の私的な秘密の事情を嗅ぎつけてたことを仄めかして、鹿山明に紹介するように脅してきたことがあり、それが井上が智恵子を忌避し嫌悪する理由だったが、話を聞いていた栞子の様子をみて智恵子のような悪辣さを持っていないことを知り、栞子に対する態度が少し和らぐのだった。井上は鍵を探すついででいいから、明が自分に無関心だったという直美の誤解を解いて欲しいと言い、鹿山家の再調査の許可が出るように義彦を説得してくれた。
栞子たちが鹿山邸を再訪すると、井上の協力によって直美が知らずに案内してくれた書斎の秘密隠し場所には、あるはずだが見当たらなかった出版社版の乱歩の少年向けシリーズなどが収められていた。井上もその場に現れ、呆然とする直美に栞子は、明が直美のことを親として、また同好の志として見守り気遣っていたことを示す品も共に収められていたことを教えて手渡す。戦前版の『大金塊』を含めた4冊が欠けていたが、井上と直美が去った後、さらに探すと残りの4冊と共に鍵が見つかった。鍵が見つかったので慶子の家に急行すると来客中であり、その来客とは篠川智恵子であった。
第三章 江戸川乱歩『押絵と旅する男』
去り際、智恵子は大輔と栞子に、あの金庫には「『押絵と旅する男』の第一稿」が入っているという自分の推理を語る。乱歩自身の手で大須のホテルで便所に破り捨てたとされており、横溝正史も同泊していたため随筆の中で証言しているが、捨てた場面に立ち会ったわけではないので、当時大須のホテルで働いていたはずの鹿山総吉が捨てた原稿を回収した可能性が高いと予測していた。
智恵子は明日の午後には暗証番号を探し出して見せるので、蔵書の買い取りは折半にすることを申し出る。栞子が断るとヒントをいくつか残して智恵子はあっさりと去って行ったが、その様子を訝しんだ栞子は大輔に急いで車を鹿山邸に出すように頼むと、案の定、智恵子は栞子と自分の声が似ていることを電話で利用し、代理人として先回りしていた。しかし、ふたりは何とか暗号解読に必要なトリックが仕込まれたガジェットを手に入れることに成功する。大輔の助け舟もあって栞子は遂に解読し、翌日に金庫は開けられたのだった。
金庫が開けられた直後に、中にあった鹿山明の形見の品物を持って旅に出た慶子を見送った栞子と大輔。そこに現れた智恵子は金庫の中身について慶子がふたりを誑かした可能性を告げ、それを確かめるために共に追いかけ、さらに智恵子の蓄えた本の世界を共有し合おうと栞子を誘うが、栞子は大輔とデートの約束を優先して断ったため、智恵子はひとりで慶子のあとを追っていった。
この事件が解決した次の定休日に大輔は栞子とデートをし、彼女への想いを告白する。
エピローグ
5巻
プロローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』(新潮 文庫)
第一話 『彷書月刊』(弘隆社・彷徨舎)
常連客の志田が老人と二人で来店し、老人は『彷書月刊』の前で立ち止まる。次の来店時に志田は老人からの依頼だとして、背表紙に黒丸が打たれている本を売り、代わりに『彷書月刊』のセットを買う。宮内が再訪し、『彷書月刊』が買われことを知り、購入者を教えてくれと哀願する。栞子が、宮内が売買を繰り返していた理由を解き明かし、自分がその人に会って確認すると告げると、宮内は「よかったら電話して」と伝言を依頼する。栞子は、橋の下で暮らす志田を訪ね、宮内多実子の名前を口にする。
第二話 手塚治虫『ブラック・ジャック』(秋田書店)
栞子は、25巻を除く新書版の蔵書が重複していることを確認してから、弟の慎也に、ここにある『ブラック・ジャック』の半分は母親のものであること、第4巻は『植物人間』の収録の関係で二人とも2冊持っていたことを指摘する。慎也は第4巻の5冊目は、母親が危篤状態の日に父親が古書店にわざわざ立ち寄って買ったものだと反論する。栞子は3冊を回収し、ぼろぼろになった5冊目の来歴を説明し、二人にとっては中学生時代の思い出の品であると指摘し、慎也に母親のことや自分のことを父親とちゃんと話すよう勧める。
第三話 寺山修司『われに五月を』(作品社)
故人の書庫にある寺山修司の初版本はほとんど智恵子が探してきてくれたものだという。問題の『われに五月を』には寺山修司の署名があり、折りたたまれた紙と写真が入っている。写真は5-6歳の頃の絵を描いている澄夫であり、足にギブスが巻かれている。紙には絵が描かれ、消されているが寺山直筆の文字がかすかに見える。この頃から勝己は澄夫に厳しく当たるようになったという。久枝は、そのとき澄夫を書庫に一人きりにしたこと、写真は勝己の希望でプリントし忘れたネガから亡くなる直前にプリントして見せたと話す。
栞子は門野家を再訪し、故人が『われに五月を』を澄夫に譲ると言った理由を説明する。澄夫は久枝を非難することもなく、この本は大事に読んでくれる人に売るつもりだと言い残す。モノレールの駅に智恵子が佇んでおり、栞子は遅くならないうちに帰ると一緒に車両に乗り込む。大船駅で大輔は、沖縄に移住するための大きな荷物を持った澄夫と出会う。澄夫は待ち合わせた友人の女子大学院生に紙袋を手渡す。彼女がそんな大事なものを1000円でよかったんですかと口にし、大輔は絶句する。
エピローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』(新潮文庫)
6巻
プロローグ
第一章『走れメロス』
栞子は、虚貝堂の二代目杉尾から話を聞く。杉尾の父親と田中嘉雄は大学の文学研究会の先輩・後輩の関係がある。杉尾は、1964年に撮られた一枚の写真を取り出し、自分の父親、田中嘉雄、小谷の3人の名前を挙げ、中年の和服男性とセーラー服の少女は分からないと説明する。杉尾は、父親が『ロマネスクの会』という文学の研究サークルを作っていたが、ある時からばったり親交が途絶えたこと、虚貝堂で売られた珍本のうわさは耳にしていたこと、栞子の祖父や母親が本捜しの相談や依頼を受けていたことを話す。
小谷次郎は、大輔の祖母が切り盛りしていた「ごうら食堂」の常連であり、田中嘉雄もよく来ていたと話す。小谷は、和服の方は大学教授で長年太宰の研究をしている富沢さん、隣は娘さんであり、田中嘉雄は『晩年』の珍本を手に入れ、富沢教授に見てもらったはずだと彼の電話番号を教える。小谷は、『ロマネスク』のメンバーは教授宅の蔵書閲覧を許されていたこと、教授が最も大切にしていた稀覯本が盗まれたため出入りを禁じられたことを話す。事件後、田中は一切連絡に応じなかったことから、彼が稀覯本を盗んだ可能性が高く、その本は栞子の祖父の篠川聖司が捜し出し、持ち主に返したという。
第二章『駆込み訴え』
鶴代は篠川聖司が働いていた久我山書房の久我山尚大の娘で、離婚後は母親の真理と娘の寛子と3人で暮らしている。篠川家とは現在でも付き合いがある。栞子は、鶴代から事件の前に田中嘉雄が書いたメモと使用していたクリップボードを見せてもらう。富沢家を再訪し、栞子は、田中嘉雄が本を盗み出し、久我山書房に渡し、篠川聖司がそれを取り戻したという仮説を説明する。しかし、田中嘉雄がなぜ盗みを働いたかについては言い淀む。大輔は、栞子の表情からその答えを見つけ、田中嘉雄は祖母・絹子と不倫関係にあり、それが弱みとなっていたと説明する。小谷は、大輔を見ながらそのころ彼女は妊娠していたなあと話す。
隣室で栞子の説明を聞いていた富沢博が入って来て小谷とあいさつを交わす。富沢は久我山尚大についてほとんど読書はせず、本当に貴重な古書には異様なほどの執着をもっていたと語る。尚大が一番欲しがっていたのは田中嘉雄の持っていた『晩年』であり、その本には太宰の変わった書き込みがあり、『上越線水上駅』のスタンプが押され、見返しには太宰の直筆で『自殺用』と書いてあったと話す。
第三章『晩年』
自宅に戻った大輔は、隠れていた田中敏雄にスタンガンで襲われ、縛り上げられる。田中は大輔のバッグから『晩年』を取り出し、祖父の『晩年』の持ち主から交換を持ちかけられているという。大輔は何十年かかってもお前から『晩年』と取り戻す、俺達には従妹同士という繋がりがあるんだと口にする。
田中敏雄は久我山家に続く急な石段の上で待つ。交換相手の女が現れ、お互いの『晩年』を確認しているとき、女が黒い棒を田中の腿に押し当て、田中が跪く。隠れていた大輔がスタンガンをもぎとる。やっぱり、あなただったんですね、久我山寛子さんと言いながら栞子も出てくる。寛子は、栞子に対する嫉妬心と古書に対する歪んだが思い込みを語り、尚大の古書が残されていることも明らかになる。寛子は隠し持っていたスタンガンを大輔に押し付け、もみ合いとなり、大輔は寛子を胸に抱えながら石段を転げ落ちる。
大けがを負った大輔と栞子は久我山家を訪れ、真理から鍵を受け取り、戸棚を開けると何冊かの本が積まれている。『晩年』は一番上にあり、見返しには「自●用」の文字が見え、最初の何ページかはアンカットでなくなっている。戸棚を閉めてから栞子は、「わたしの『晩年』を奪おうとしたのはおばあさんですね」と口にする。
エピローグ
7巻
プロローグ
第一章「歓び以外の思いは」
水城禄郎と息子の隆司が来店する。水城は、家内の英子はあなたのお祖母さんですと切り出す。禄郎は、30年ほど前に英子と結婚したこと、英子が智恵子と親子の縁を切っていたこと話してから、英子がずっと大事にしていた本を買い戻したいと依頼する。吉原という骨董屋が借用書をもって現れ、久我山から借りた形になっている洋書の返還を申し入れ、英子はその場で本を渡したという。
水城英子はしょっちゅうビブリアに立ち寄る常連であった。栞子は1923年の表記からシェイクスピアのファースト・フォリオ(戯曲を集め作品集)ではと指摘する。その本は世界中の古書コレクターの垂涎の的となっており、数年前のサザビーズでは約6億円で落札された。英子はファクシミリ(複製本)であり市場価値はないと説明する。栞子は地下駐車場で隆司に書斎にあった写真を見せ、吉原が英子を脅して本を持ち去った経緯を説明し、英子がその本を大事にしていたのは娘が修復したためであり、諦めたのは隆司を守るためだと指摘する。帰る途中、滝野蓮杖から英子のものらしい複製本が明日の市場に出品されるという電話がある。
第二章「わたしはわたしではない」
黒革のファクシミリを調べた栞子は、ノートン・ファクシミリから複製したものではなく、現存が確認されていないフォリオから複製された可能性があり、尚大はそのようなフォリオを持っていたのではと指摘する。鶴代は、35年前に尚大が高額な稀覯本を海外から買ったとことを耳にしており、その少し後に4冊の色違いの大判の本が運び込まれたのを見ている。しかし、尚大が亡くなる直前に赤と青と白の3冊は売ってしまい、鶴代が発送の手続きをしている。鶴代は10年ほど前にそのことを智恵子に話し、数日後に智恵子は失踪した。
第三章「覚悟がすべて」
大輔が帰宅すると智恵子が食堂におり、栞子の才能を開花させるため入札に参加して欲しいと話す。さらに、自分と栞子のどちらも本物のファースト・フォリオを落札できなかった場合、栞子が今回支払うべき代金は自分が負担することを吉原に伝えてあると続け、あなたはこういう時なんの役にも立たないわねと口にする。
行方不明であった志田が見間違えるような服装で来店する。大輔の表情が曇っているのを見て話を聞くぜと迫る。大輔は入札の件と智恵子に言われた内容を話す。志田は、「栞子が選んでいるのはお前なのだからそれで十分だろう、お前の覚悟がすべてなんだよ」と励ます。店に戻って来た栞子は大輔に抱きつき、「母に言われたことは忘れてください、あなたが好きなわたしがわたしという人間」と震える声でささやく。栞子は振り市に参加する覚悟を決め、大輔には自分が間違えそうになったら止めて欲しいと依頼する。
入札のため栞子は、ビブリア古書堂の土地、蔵書を担保に4500万円を準備する。栞子は出品された三冊の革装本を調べる。青い本は扉ページの紙質からファクシミリと判断できる。赤い本は一番状態が良く、白い本は水に濡れたようで状態は悪い。大輔が本を持った時の感触の違いを口にしたので、栞子は両手で本を持ち、さらに背表紙をゆっくり叩き、そういうことでしたかとつぶやく。入札が始まり、青い本は10万円で吉原が自己落札する。白い本は、吉原が100万円と声を出し、それ以後は智恵子と栞子の競り合いになり、大輔が智恵子の意図に気が付いたとき、栞子は500万円と発声し、それが落札金額となる。
栞子は激しく動揺する。大輔は、路駐が駐車違反になりそうですと叫び、10分間の休憩時間を稼ぐ。大輔は、智恵子さんも資金で苦しんでいると説明し、覚悟がすべてですと励ます。赤い本は、栞子と智恵子の競り合いとなり、1000万円、2000万円と上がっていく。智恵子は一気に3000万円まで上げ、その後は小幅の競り合いになり、智恵子がついに4100万円と発声する。栞子が諦めかけると大輔が4200万円と声を出し、1050万円の小切手を渡す。大輔は最終的に5050万円で赤い本を落札する。
智恵子がおめでとうと声をかける。吉原は、なにがなんでも5550万円を払っていただきますと宣言する。吉原は、3冊の本の紙の一部を切り取り、専門家に分析を依頼していたところ、さきほメールが届き、どれも20世紀の紙だと分かりましたと勝ち誇ったように叫ぶ。吉原は篠川親子から大金を搾り取り、同業者の前で辱めようとしたのだ。栞子は吉原を誘い、会議室に入る。栞子の指示で大輔がカッターで赤い本の天地をゆっくり切り開く。本を開くと、中から一回り小さな赤い表紙が現れる。智恵子が手に取り、扉のページを開く。本物のファースト・フォリオは糊付けされていなかった。吉原は怒り狂い、智恵子は即金の1億5000万円で売ってくれないかと口にする。
エピローグ
登場人物
五浦大輔(ごうら だいすけ)
主人公で、語り手。23歳の男性。
小学生の頃の些細な悪戯が原因で活字を見ると体調が悪くなる「活字恐怖症」であり、読書とは縁遠い人生を送ってきたが、本当は本に対して憧れに近い感情を抱いている。本はほとんど読めないが、漫画ならば多少は長い時間読むことができ、小説でも短編ならば体調が悪くなる前に完読できることもある。
内定していた会社が倒産し、大学卒業後無職の状態が続いていたために、母親につけられたあだなは「ぷー輔」。祖母が遺した『漱石全集』を査定してもらうために「ビブリア古書堂」を訪れ、そこで栞子に祖母の秘密を解いてもらった縁で、アルバイトとして就職する。
学生時代に柔道で鍛えたため、大柄な逞しい体格をしていて市販のスタンガン程度では気絶せず、階段から落ちても立ち上がることができるほど丈夫。だが勝負事はあまり好きではなく朴訥で心優しく、正義感が強い。
篠川栞子(しのかわ しおりこ)
もう1人の主人公で、探偵役。北鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」の女店主。25歳。物語開始(第1巻第1話)の前年に前店主の父親を亡くし、店を継いだ。
黒髪の長髪に透き通るような肌をした美人で母親似。近眼で、普段は眼鏡を着用している。小柄で身体は細いが、巨乳。
本の話以外では他人と目を合わせることもできない、内向的な性格。古書の知識は並大抵のものではない。普段はたどたどしいしゃべり方をするが、本が絡む話になるといわゆる「スイッチが入った」状態になり、別人のようにキビキビとしたしゃべり方にかわり、相手に構わずその知識を語り続ける。
登場時に腰椎、脊椎などに重篤な怪我を負って入院しており、退院してからも杖をついている。
希少な本を入手するためなら手段を選ばない性格だった母親を嫌っているが、自分も母親と似た部分があることを自覚しており、そのことを恐れている節がある。
篠川智恵子(しのかわ ちえこ)
志田(しだ)
笠井菊哉(かさい きくや)/田中敏雄
志田の知り合いで、同じくせどり屋。長身でノーブルな雰囲気の青年。インターネットで廃盤CDやゲームを取り扱う「笠井堂」の店主。志田からは「男爵」と呼ばれる。
1巻で大庭要三と名乗り、栞子の「晩年」を狙って栞子を階段から突き落とした。笠井菊也は「せどり男爵物語」からとられた偽名であり、本名は田中敏雄で、作中で大輔の祖母と不倫関係にあったとされている田中嘉雄の孫である。
1巻の事件で被告として裁判を待つ身であるが、保釈中の6巻で再登場し、主人公のふたりに、栞子の持つ「晩年」とは別の祖父が手放した「晩年」の捜索の依頼をする。大輔に対して既知感を持っており、6巻で大輔が祖父にまつわる縁を明かした際には、大輔に対して血縁者としての情を表している。
小菅奈緒(こすが なお)
坂口昌志(さかぐち まさし)、坂口しのぶ
滝野蓮杖(たきの れんじょう)
制作背景
著者の三上は実際に古書店で3年間にわたるアルバイトの経験があった。ファンタジーやホラーで小説家としての実績を重ねたあと、書き下ろしの依頼を受けていつか書きたいと思っていた古書店を舞台とした小説を別の企画と共に提案したところ、この企画の方が採用され、執筆に至った。この企画は20代男性を対象としたものであったが、2013年現在、読者層は女性が8割を占めている。
三上は4巻発売時点で物語はそろそろ後半に入るという構想を語っており、長さとしては「あと2〜3巻か、もう少し伸びるかも」と語っている。あまり長い作品にはできないという展望であるが、その一因は「古書のネタ探しが大変」なためだという。
社会的評価
2012年1月、発行部数がシリーズ累計103万部となり、メディアワークス文庫で初のミリオンセラー作品となった。
2012年の文庫部門総合ベストセラー第1位(トーハン調べ)。シリーズ累計発行部数は2012年4月時点で200万部を、第3巻が発売された同年6月時点で300万部を、2014年12月時点で600万部を、2020年6月時点で700万部を突破している。
受賞や書評雑誌によるランキングとしては、第65回日本推理作家協会賞(2012年)短編部門に「足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)」(第2巻収録)がノミネート、2011年度本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン第1位に選ばれた。
2012年には本屋大賞にノミネートされた。文庫本のノミネートは初。また、同じく書籍関係者である図書館員が「来館者に手に取ってもらいたい本」を選ぶ「TRCスタッフが選んだ本2012」(図書館流通センターによる企画)では、第1巻が文庫部門の1位となった。
登場書籍への影響
テレビドラマ化以降、作中に登場する夏目漱石の『それから』、宮沢賢治の『春と修羅』などのモチーフとなった書籍も売上を伸ばし、放送直後にネット書店などで売り切れ状態になるという現象も起きている。作品にはマニアックなものも多く、異例な反応として注目を集めた。『ダ・ヴィンチ電子ナビ』編集部は、小山清『落穂拾ひ』などは絶版となっていたが、2013年の3月にちくま文庫から復刊されることが決まったことを、本作で取り上げられたことによる影響とみている。ロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』が河出書房新社から復刊される際にも、本作の登場書籍であることにふれられている。
既刊一覧
『ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜』までが第1シリーズ、『ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜』以降が第2シリーズとなっている。2021年7月30日からドワンゴの『ListenGo by dwango.jp (リスンゴ)』で、坂井恭子による朗読のオーディオブックが順次データ配信されている。
角川つばさ文庫版は、小学生高学年向けに振り仮名と挿絵を追加した新装版となる。
# | タイトル | 初版発行日(発売日) | ISBN | 出版 |
---|---|---|---|---|
1 | ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜 | 2011年3月25日(同日) | 978-4-04-870469-4 | メディアワークス文庫 |
2016年8月15日(同日) | 978-4-04-631636-3 | 角川つばさ文庫 | ||
2 | ビブリア古書堂の事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜 | 2011年10月25日(同日) | 978-4-04-870824-1 | メディアワークス文庫 |
2017年5月15日(同日) | 978-4-04-631698-1 | 角川つばさ文庫 | ||
3 | ビブリア古書堂の事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜 | 2012年6月23日(同日) | 978-4-04-886658-3 | メディアワークス文庫 |
2018年2月15日(同日) | 978-4-04-631769-8 | 角川つばさ文庫 | ||
4 | ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜 | 2013年2月22日(同日) | 978-4-04-891427-7 | メディアワークス文庫 |
5 | ビブリア古書堂の事件手帖5 〜栞子さんと繋がりの時〜 | 2014年1月24日(同日) | 978-4-04-866226-0 | メディアワークス文庫 |
6 | ビブリア古書堂の事件手帖6 〜栞子さんと巡るさだめ〜 | 2014年12月25日(同日) | 978-4-04-869189-5 | メディアワークス文庫 |
7 | ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜 | 2017年2月25日(同日) | 978-4-04-892640-9 | メディアワークス文庫 |
8 | ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜 | 2018年9月22日(同日) | 978-4-04-912044-8 | メディアワークス文庫 |
9 | ビブリア古書堂の事件手帖II 〜扉子と空白の時〜 | 2020年7月22日(7月18日) | 978-4-04-913083-6 | メディアワークス文庫 |
10 | ビブリア古書堂の事件手帖III 〜扉子と虚ろな夢〜 | 2022年3月25日(同日) | 978-4-04-913952-5 | メディアワークス文庫 |
オフィシャルブック
タイトル | 初版発行日(発売日) | ISBN | 出版 |
---|---|---|---|
栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック | 2013年5月25日(同日) | 978-4-04-100827-0 | 角川文庫 |
ビブリア古書堂セレクトブック ブラック・ジャック編 | 2017年2月25日(同日) | 978-4-04-104900-6 | 角川文庫 |
栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック | (2018年10月24日) | 978-4-04-107531-9 | 角川文庫 |
単行本未収録
タイトル | 初版発行日 | 初出 | 出版 |
---|---|---|---|
太宰治『待つ』 | 2017年2月 | ビブリア古書堂の事件手帖 7巻発売記念スペシャル書き下ろし掌編 フリーペーパー | メディアワークス文庫 |
中川李枝子 山脇百合子『ぐりとぐら』 (福音館書店) | 2018年8月 | 映画『ビブリア古書堂の事件手帖』ムビチケ特典冊子『ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜 特別版』 | メディアワークス文庫 |
スピンオフ作品
漫画版
2012年から2つの漫画版が連載を開始している。
アルティマエース・ASUKA版(ナカノ作画)
角川書店の隔月刊雑誌漫画雑誌『アルティマエース』Vol.3号(2012年2月18日発売)より連載開始。アルティマエースがVol.7号で休刊となったため、角川書店の月刊少女漫画雑誌『月刊Asuka』の2013年2月号(2012年12月24日発売)より連載を再開し、2014年9月号(2014年7月24日発売)まで連載された。原作の第1巻から忠実にコミック化しており、原作第1巻のコミカライズは第1巻から4巻に渡るなどゆったりとした丁寧なペースでコミカライズしていたが、原作第2巻を最後まで描いたコミックス第6巻にて完結した。作画はナカノ、単行本のレーベルは角川コミックス・エース。
2012年8月現在、第1巻だけで発行部数が10万部を突破している。
# | 初版発行日(発売日) | ISBN |
---|---|---|
1 | 2012年6月26日(6月21日) | 978-4-04-120371-2 |
2 | 2013年1月10日(1月8日) | 978-4-04-120581-5 |
3 | 2013年7月26日(7月23日) | 978-4-04-120780-2 |
4 | 2014年1月25日(同日) | 978-4-04-120943-1 |
5 | 2014年3月24日(3月26日) | 978-4-04-121053-6 |
6 | 2014年9月26日(同日) | 978-4-04-102113-2 |
good!アフタヌーン版(交田稜作画)
講談社の漫画雑誌『good!アフタヌーン』2012年23号(2012年7月7日発売)から連載開始。作画は交田稜。
# | 初版発行日(発売日) | ISBN |
---|---|---|
1 | 2012年12月21日(同日) | 978-4-06-387866-0 |
2 | 2013年6月7日(同日) | 978-4-06-387901-8 |
3 | 2014年1月23日(同日) | 978-4-06-387943-8 |
テレビドラマ
2013年1月14日から3月25日まで、フジテレビ系列の月9枠にて連続テレビドラマ化された。栞子を演じた主演女優は剛力彩芽で、当時の彼女のボーイッシュなイメージとは不一致なキャスティングは、インターネット上などで賛否両論を生んだ。ドラマの時系列は原作と違いエピソードの順番がシャッフルされたり、栞子の怪我の事情が変わった部分がある。また、オリジナル要素としてメインキャラクターたち行きつけの甘味処とその店員たちが登場した。
映画
2017年2月、実写及びアニメ映画化されることが発表された。
実写映画
黒木華と野村周平のダブル主演で2018年に公開された。
企画は2014年の秋ごろからされており、撮影は2017年10月初旬から11月上旬にかけて行われた。
キャスト(実写映画)
- 篠川栞子 - 黒木華
- 五浦大輔 - 野村周平
- 稲垣 - 成田凌
- 五浦絹子 - 夏帆
- 田中嘉雄 - 東出昌大
スタッフ(実写映画)
- 原作 - 三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」(メディアワークス文庫 / KADOKAWA刊)
- 監督 - 三島有紀子
- 脚本 - 渡部亮平、松井香奈
- 音楽 - 安川午朗
- 主題歌 - サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」(タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント)
- 企画プロデュース - 小川真司
- プロデューサー - 服部美穂、千綿英久
- 撮影 - 阿部一孝
- 照明 - 木村匡博
- 録音 - 浦田和治
- 美術 - 黒瀧きみえ
- 装飾 - 石渡由美
- 衣装 - 宮本まさ江
- ヘアメイクデザイン - 倉田明美
- 編集 - 加藤ひとみ
- スクリプター - 吉田久美子
- 助監督 - 佐伯竜一
- 制作担当 - 小野山哲史
- 配給 - 20世紀フォックス映画、KADOKAWA
- 制作プロダクション - 角川大映スタジオ
- 制作協力 - カズモ
- 製作 - 「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
スピンオフ作品
峰守ひろかずの著、おかだアンミツのイラストにてKADOKAWAの電撃文庫からスピンオフ作品が刊行された。葵季むつみの作画で同社の漫画雑誌『月刊コミックアライブ』にてコミカライズもされた。
小説(スピンオフ作品)
# | タイトル | 初版発行日(発売日) | ISBN |
---|---|---|---|
1 | ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 | 2017年3月10日(同日) | 978-4-04-892755-0 |
2 | ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 2 | 2018年10月10日(同日) | 978-4-04-912018-9 |
漫画(スピンオフ作品)
# | タイトル | 初版発行日(発売日) | ISBN |
---|---|---|---|
1 | ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 1 | 2018年10月22日(同日) | 978-4-04-065177-4 |
2 | ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 2 | 2019年6月22日(同日) | 978-4-04-065410-2 |
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- 小説を原作とするアニメ映画
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- 日本の小説を原作とする映画
- 不倫を題材とした映画作品
- 三島有紀子の監督映画
- 20世紀フォックスの作品
- KADOKAWAの映画作品
- 書物を題材とした映画作品
- 継続中の作品