ピーターパン♠症候群
漫画
作者:酒井まゆ,
出版社:集英社,
掲載誌:りぼん,
レーベル:りぼんマスコットコミックス,
発表期間:2004年12月 - 2005年9月,
巻数:全2巻,
話数:全9話+番外編1話,
以下はWikipediaより引用
要約
『ピーターパン♠症候群』(ピーターパンシンドローム)は酒井まゆによる日本の漫画作品。
概要
集英社の漫画雑誌『りぼん』にて2005年2月号から同年10月号にかけて連載された。単行本はりぼんマスコットコミックスから全2巻。
酒井にとっては『永田町ストロベリィ』の終了から8か月ぶりの新作だった。
超能力というファンタジー的なものを扱った作品であるが、ストーリーが進むにつれて、超能力の恐ろしさや超能力者を収容研究している「研究所」の存在、琥珀の誕生の秘密などSF的な面を見せるようになる。
全9話という短い話数で終了した。琥珀が夜しか能力が使えない謎・透子が転校してきた「本当の目的」など多くの伏線を残していることや、単行本にて作者が「もう少し描きたかった」などの発言をしていることから、打ち切りによる終了であったと推測される。
あらすじ
12歳の少女、蓮見琥珀は、自分が幼い頃に行方不明になった母親を捜して新しい街に引っ越してきた。
一見普通の少女である琥珀には不思議な力があった。彼女は、太陽が隠れている間(夜中や雨・雪の日)だけ空を飛ぶ事や、物を浮かすことが出来る超能力を持っていたのだ。
引っ越してきたその日の夜、母を捜し空を飛ぶ琥珀は不意に携帯電話を高層マンションのベランダに落としてしまう。一方そのマンションに住む少年、橘夕露は不思議な思いでその携帯電話を手にする。
その後、ふとした弾みで教室の窓から転落した夕露を琥珀は空を飛んで助ける。しかし、その光景を見たクラスメイト達は琥珀を気味悪がり、その場から逃げ出してしまう。そんな中、ただ一人夕露だけは琥珀を恐れず、琥珀が落とした携帯電話を差し出しその力を受け入れることを誓う。
斯くして琥珀と力の秘密を共有することになった夕露は、琥珀が行方不明の母親を探していることを知り、その母親探しに協力する事になる。
登場人物
蓮見 琥珀(はすみ こはく)
橘 夕露(たちばな ゆうろ)
2月20日生まれのうお座でA型。琥珀の同級生。成績優秀、容姿端麗の美少年。女生徒に幅広く大人気。山西たちが琥珀の力を学校中に言いふらした際、夕露の一言の否定で学校中が納得するなど、かなりの影響力を持つ。家は金持ちで、38階建てのマンションの最上階に住んでいる。父親が医者であり、自身も医者になるよう母親に過大な期待をかけられていた為、夢を失い、後ろ向きであった。ゆえにかなり無気力な少年だったが、琥珀と出会った事で生きる気力を与えられた。非常に頭が切れ、表面上は冷たく、日常的に憎まれ口を叩いたりもするが、決して冷血漢ではない。琥珀の能天気な性格に呆れつつも、彼女をやさしく見守っている。暁里とは双子(二卵性)で、4年に1度は暁里を尊敬するらしい。琥珀の力になる為に大学は医学部を希望する。
橘 暁里(たちばな あかり)
鏡 透子(かがみ とおこ)
蓮見 鈴(はすみ りん)
蓮見 雫(はすみ しずく)
ウェンディ
安西(あんざい)
田中(たなか)
山西(やまにし)とその仲間達
題名の意味
本来「ピーターパン症候群」という言葉は大人げなく子供じみた行動をとり、成長する事を拒絶する状態を意味する。しかし、この作品の中では、主人公、琥珀の体質(遺伝子操作の為、超能力を身につけている代わりに第二次性徴も訪れず、大人になれないこと)を暗示している言葉となっている。
余談
- 琥珀とウェンディの、もうひとつの超能力のアイディアを読者から募集した事があった。その際に最優秀賞に選ばれたのが、琥珀は「雨上がりの後に、人が乗る事の出来る虹をかけられる」、ウェンディは「うかつにくしゃみをすると、火を吹いてしまう」というものだった。作品中に取り入れる構想もあったようだが、急遽終了が決まってしまった事で、第8話(最終回の1話前)の一色刷の扉に採用されるにとどまってしまった。なお、募集の際に作者である酒井自身が出した例は「琥珀が目からビームを出し花を咲かせる」という、本編で使い様がないものであった。
- 超能力を扱う作品にしては珍しく、全話中で一度も超能力の正式な呼び方(サイコキネシスやテレパシーなど)を使っていない。
書誌情報
- 酒井まゆ『ピーターパン♠症候群』集英社〈りぼんマスコットコミックス〉、全2巻
- 2005年8月12日発売、ISBN 4-08-856631-9
- 2005年12月15日発売、ISBN 4-08-856657-2