ファミコン風雲児
以下はWikipediaより引用
要約
『ファミコン風雲児』(ファミコンふううんじ)は、池原しげとによる日本の漫画作品。月刊『コミックボンボン』(講談社)にて、1985年から1987年にかけて連載された。単行本は全7巻。
概要
連載当時はファミコンブーム真っ只中で、ファミコンを題材とした漫画が数多く登場した。当時、『ファミコン漫画』と呼ばれていた漫画は、作中の登場人物がゲームをプレイして競い合うといった、ゲーム機としては当然の『遊び』の風景を主軸として描くものがほとんどであった。
本作品も大別すればその一つになるが、数あるファミコン漫画の中でも異彩を放つ部分があった。それは、ファミコンがコンピュータの一種であることを強調し、近い将来訪れるであろうコンピュータ社会と関連付けて、多くの情報技術を盛り込みながら話を作り上げていたことである。
作中では、ファミコンだけに限らず、様々な情報技術の描写があり、少年・少女向けにしては非常にマニアックな部分を扱っている。第1巻での『ゼビウス』のプログラム改造のほかにも、2D(ツードライブ)5インチのフロッピーやサブルーチンといったような専門用語、アスキー符号を使った暗号や逆アセンブルによるゲームの解析、音響カプラを使った通信を取り上げるなど、当時のコンピュータの普及具合を考えると、一般には馴染みの薄かった情報技術が作中に多く取り上げられている。
本作品は、そういったマニアックな側面が印象深く捉えられがちだが、少年漫画としての完成度は高い。ワイヤレスコントローラーや携帯型ファミコン、ファミコン通信といったような夢のある小道具や設定が子供心をくすぐり、特に「ドットチェンジ」後のシーンでは、丁寧に描かれたゲーム世界が非常に雰囲気良く、主人公たちがプレイするゲームの魅力を引き出すのに成功している。また、主人公たちが協力して強大な悪に立ち向かうという構図も、単純明快で分かりやすい。随所に散りばめられた、(当時の)先端の情報技術を下地とする近未来的な世界観と、少年漫画の王道ともいえる「友情・努力・勝利」という三大要素が上手く融合した良質な作品であり、同時期に連載されていた『ファミ拳リュウ』と共に人気を博していた。 ゲームボーイ発売後には、同作者の手により、兄弟作品とも言える『ロックンゲームボーイ』の連載が開始され、そちらにも『ファミコン風雲児』のエッセンスが引き継がれている。
現在、単行本は絶版のため入手困難。
本編とは別に、『コミックボンボン増刊号』に掲載されていた『ファミ拳リュウ』との合作があり、単行本化されている。また、『スーパーボンボン』にも外伝作品が1話掲載された。
連載直前~連載初期には、ファミリーベーシックでのプログラミングを解説した『ファミコンBASIC講座』(各単行本巻末に収録済)と、ゲーム攻略テクニックを解説した『ドクター池原のファミコン必勝道場』も数ページ連載していた。
あらすじ
プログラマーを目指す少年の天竜研(通称ケン) 、五代財閥の御曹司でゲームソフトを収集している五代一馬、電子工作にかけては右に出る者がいない加藤卓也の3人は、コンピューターボーイズ(通称コンボイ、COMBOY)と呼ばれるファミコン少年達であった。コンボイの3人が、ファミコンによる世界征服をたくらむ謎の組織「シャドウ」と、ファミコンを使っての激戦を繰り広げる。
登場人物
コンボイ
立花桃子(たちばな ももこ)
シャドウ
ドクター444(スリーフォー)号
ジャッカル
柴田あきら
その他
加地(かじ)
本誌掲載時と単行本収録時の違い
第1話の違い
連載時は「バンゲリング・ベイ」の回が第1話となっており、既にコンボイが結成された時点で話が進むが、単行本第1巻には前日談である「コンボイ誕生! ゼビウス大激戦の巻」が冒頭に挿入されている。
未収録
『コミックボンボン』の単行本は、最後まで出版されないものも多かったが、『ファミコン風雲児』は幸いにも最終話を含んだ単行本が出版され、無事完結した。しかし、最終巻(第7巻)だけは、単行本ページ数の都合上か規定ページ内に収まるように話が再構成されて収録されたため、本誌掲載時とは異なる展開になっている。第7巻において変更、もしくは未収録となった回は、次の通り。
- ドクターオームの実験場に乗り込む前に『うっでいぽこ』に挑戦する回がカットされ、そのまま『レリクス 暗黒要塞』へ挑戦する流れに変更。
- 『ハオ君の不思議な旅』の回で一部のコマ・ページがカット。
- キラー=クィーンとサッカーボール型のコンピュータ「ハル」を完成させるための部品を賭けて対決した『アテナ』の回がカットされ、そのまま「ハル」が完成。
また、『スーパーボンボン』創刊号に掲載された『ファミコン風雲児外伝』(『ポケットザウルス 十王剣の謎』の回)も単行本には収録されていない。
ファミコン風雲児 対 ファミ拳リュウ
本作品とほしの竜一『ファミ拳リュウ』とのクロスオーバー作品。同時期に連載されていた、ファミコン漫画の夢の競演として、『コミックボンボン増刊号』に掲載された。
単行本は全2巻。
1つのストーリーを基に、それぞれの作品の登場人物が中心となって話が進むパートと、両作品の登場人物が同時に登場するパートに分かれている。特に同時登場のパートでは、ひとつのページの中にテイストの異なる作者の絵柄が混在する状態となっている。