フェルマーの料理
以下はWikipediaより引用
要約
『フェルマーの料理』(フェルマーのりょうり、フランス語: Cuisson dans le Fermat)は、小林有吾による日本の漫画作品。『月刊少年マガジン』(講談社)にて、2018年10月号から不定期連載中。
数学者になる夢を挫折した高校生が若き天才シェフとの出会いを機に料理の道へと進み、数学的思考で周囲を驚愕させる料理を作り出し料理人として成長していく姿を描いた料理漫画。タイトルはフェルマーの最終定理に由来する。
既刊4巻ながらドラマ化の影響もあり、累計発行部数は50万部を突破している(2023年12月時点)。
作者の小林は代表作『アオアシ』の週刊連載と並行して執筆している。
2023年10月よりTBS系列にてテレビドラマが放送された。
あらすじ
登場人物
作風
担当編集者によると本作は「『料理』を『数学』という斬新な切り口」で描いており、小林の「熱量溢れる作画、胸を打つドラマ、一冊にそれをギュッと詰める構成力」によって「一見縁遠いこの2つの分野」を繋いでいる。
反響など
第1話にてナポリタンが登場する。これは「数学的に正しいナポリタン」であるといい、単行本第1巻で詳しいレシピが掲載されており、インスタグラムなどのSNSにて再現する読者により美味しくできたと反響を得ている。「数学的に正しい」のヒントは温度にあり、「カリッとした具材の歯ごたえは十分主役になる」ため「麺はあえて非常に柔らかくして」作り、フォークを45度に温めるほか「隠された『仕掛け』」のあるレシピとなっている。
書誌情報
- 小林有吾『フェルマーの料理』 講談社〈KCデラックス〉、既刊4巻(2023年9月28日現在)
- 2019年6月28日発売、ISBN 978-4-06-516296-5
- 2020年7月30日発売、ISBN 978-4-06-520616-4
- 2022年5月30日発売、ISBN 978-4-06-527610-5
- 2023年9月28日発売、ISBN 978-4-06-533334-1
テレビドラマ
2023年10月20日から12月22日までTBS系「金曜ドラマ」枠で放送された。主演はともにTBSドラマ初主演となる高橋文哉と志尊淳。
GP帯の連続ドラマ初主演となる高橋は高校時代に調理師免許を取得しており、本格的な料理姿を本作で初披露する。
あらすじ(テレビドラマ)
大筋こそ原作と同じストーリーだが、ドラマオリジナルの登場人物・筋書が追加されている。
第一話「お前の数学の才能は料理のためにある」
名門ヴェルス学園に通う天才数学少年の北田岳は、数学オリンピック選考会でライバルの圧倒的な実力を目の当たりにし、自分が偉大な数学者にはなれないことを悟る。学食のバイトで何気なく賄いを作っていた岳に、料理界のカリスマである朝倉海が声を掛ける。岳が作る賄いのナポリタンに衝撃を受けた海は、自身もナポリタンを振る舞う。「言われたとおりにすれば、お前の状況を変えてやる」と海が驚きの提案を持ちかける。
第二話「賄いトライアルを突破せよ!天才シェフがねらう革命…」
海の提案を受けて東京にやってきた岳は海が所有する高級マンションに住まわせてもらうことになる。レストラン「K」では新人が賄いを作り、スタッフ全員から合格点をもらわなければクビというルールがあり、その期限は1週間であると岳に伝えられた。レストラン「K」の厨房は想像を絶する戦場のような場所で、あまりの回転の速さに洗い物が追いつかず、賄いを作っている状況ではなかった。疲れ果てて帰宅した岳に、海のマンションの掃除に来ていた寧々が「誰でも疲れる」と労いの言葉をかける。その何気ない一言をヒントに、肉じゃがを作るが認められなかった。しかし、岳は諦めず試行錯誤の上2日後に肉じゃがで勝負し直す。その計算の高さが評価され、見事満場一致で岳はレストラン「K」の一員となる。
キャスト
主要人物
北田岳(きただ がく)
数学に魅了され、数学に人生を捧げてきた数学少年。国際数学オリンピックの日本代表選考合宿でライバルの実力を目の当たりにし、数学者になる夢を諦める。その後、朝倉海との出会いを機に料理の道へ進むことを決意する。東京大学理科一類に合格するも入学を辞退し、朝倉海がオーナーシェフを務めるレストラン「K」で見習い料理人になる。第二話ではスタッフ全員から合格点をもらい正式に「K」の一員となる。
朝倉海(あさくら かい)
都内にある二つ星レストラン「K」のオーナーシェフ。史上最年少で星を獲得した若き天才シェフ。
K
海がオーナーシェフを務める都内の二つ星レストラン。
赤松蘭菜(あかまつ らんな)
部門シェフ。「K」で働く部門シェフで唯一の女性。前菜を担当。思ったままを口にする素直でクールな性格。
乾孫六(いぬい まごろく)
コミ(調理師)。
王明剣(ワン ミンジェン)
部門シェフ。スープ担当。中国出身。
ダビド・サロ・ペーニャ
部門シェフ。魚料理担当。スペイン出身。
ジャン・ジョルダン
部門シェフ。デセール担当。フランス出身。ドラマオリジナルキャラクター。
黒崎麗子(くろさき れいこ)
給仕。フランス語が得意で、ワインにも精通している。
アネット・バルトリ
給仕。フランス出身。ワインに関する資格を保有している。
鳥越円(とりごえ まどか)
給仕。様々なフランス料理関係の資格を保有している。
布袋勝也(ほてい かつや)
スーシェフ(副料理長)。
福田寧々(ふくだ ねね)
給仕長。料理以外の仕事を完璧にこなす。
周辺人物
魚見亜由(うおみ あゆ)
岳の高校の同級生(岳は特別進学科、亜由はスポーツ科)。学園内にある食堂でアルバイトをしている時に岳と知り合った。口調は乱暴だが面倒見のよい性格。高校卒業後は東京の大学に水泳のスポーツ推薦で進学した。
武蔵神楽(むさし かぐら)
岳の幼馴染。衆議院議員・武蔵魏一の娘。国際数学オリンピックの金メダリスト。
広瀬一太郎(ひろせ いちたろう)
岳のライバル。岳が数学者になる夢を諦めるきっかけとなった存在。国際数学オリンピックで最高得点を獲得した金メダリスト。
西門景勝(さいもん かげかつ)
岳が通う高校「私立ヴェルス学園」の理事長であり、実業家や美食家としての顔も持つ。自分の意向に沿わない言動を行う者に対しては自身の立場や権力を利用して相手を徹底的に追い詰める冷酷な人物。
特待生の岳の才能を買っていたが岳に“裏切られた”として退学処分を下し、更には奨学金の即時返納を要求する。数日後、レストラン「K」で自らが主催するパーティーでメイン料理として出されたナポリタンを食して絶賛するが、それを作ったのが岳だと知り動揺する。海の策略によって自身がパーティーに招待した客たちの前で岳を称賛しなければならない状況に立たされ、最終的には岳の退学処分と奨学金の返納を取り消す。「私立ヴェルス学園」の卒業式では、壇上に上がった岳に卒業証書を渡しながらも彼への皮肉を小声で呟いていた。
3年前、蘭菜の母である桜が経営していたレストラン「オルス」の一帯における再開発計画に伴う立ち退き交渉を断られると、グルメ番組で「オルス」と桜を批判する発言を行い彼女を精神的に追い込んだ。
武蔵魏一(むさし ぎいち)
政治家。西門が主催するパーティーに参加する。第3話では娘の神楽と共に「K」を訪れる。
北田勲(きただ いさお)
岳の父親。「北田バイシクル」を経営。息子を男手ひとつで育て上げる。
淡島優作(あわしま ゆうさく)
服についたソースを洗い落とす手間を省くためディナーのたびに上半身裸になる謎の男。ドラマのオリジナルキャラクター。
渋谷克洋(しぶや かつひろ)
料理界の伝説のシェフ。原作でも一瞬登場している描写がある。
海からは「先生」と呼ばれているが詳細は不明。
赤松桜
蘭菜の母。かつては青山で「or&ce」(オルス)という店を構えていたシェフだった。現在は留学経験を生かしフランス語の翻訳の仕事をしている。
3年前、とある業者の男性から「オルス」や周辺地域での再開発に伴う立ち退きの要求を断るが、その男性に同伴していた西門が後日グルメ番組で「"オーナーシェフが女性である"ことを隠して営業している。」などと批判的なコメントをしたことで客足が遠のき開店休業状態に追い込まれる。やがて店を訪ねてきた海から「オルス」の買収と蘭菜のスカウトを持ち掛けられた際、「あなたが作った料理も彼女(蘭菜)が作った野菜も美味しかった。」「蘭菜が一流の料理人に成長するまで(自分を)"母親の店を奪った憎まれ役"でいさせて欲しい。」と頼まれ、「オルス」と蘭菜を海に託していた。
ゲスト
第1話
北田凪
岳の母。故人。
校長、教頭
「私立ヴェルス学園」の校長と教頭。
パーティの客
レストラン「K」で行われた西門が主催するパーティーに招かれた客。岳が作ったナポリタンに魅了された。
客
岳の実家の自転車屋「北田バイシクル」に訪れた客。
第2話
女性
海宅のソファーで寝ていた女性。
第3話
サラリーマン
居合わせたカフェで亜由に手を振る東京のサラリーマン。
ナレーター
神楽が出演したテレビ番組「気になる! やばい天才さん」のナレーター。
第4話
綿貫哲平
国内外で強い影響力を持つレストランレビュアー。
店主
蘭菜と岳が「あんかけ焼きそば」を頼んだ中華料理店「さかまる」の店主。
給仕
赤松桜がシェフだった店「オルス」のホール担当。客がシェフに挨拶をしたいとの旨を伝えたが、断ってくれと桜に言われる。
客
かつて蘭菜が働いた店の客。「女性がプロの料理人に向いてないのは、生物学的に言って仕方のないこと」などと偏見を述べる。
第5話
業者
桜がかつて経営していた店「オルス」一帯に再開発計画があると、西門景勝と共に立ち退き交渉に来た男性。
客
蘭菜が去った後の「K」を訪れた客。蘭菜の代わりに海が担当した仔羊料理を絶賛する。
第6話
支配人
Kがパーティ料理監修を任された楠瀬正美賞授賞式が行われるザ・カハラホテルの支配人。
第7話
コーチ
亜由にオーストラリアへの水泳留学を薦める。
第8話
南条剛、滝沢紗代
レストラン「K」のスポンサーたち。海がいたから資金援助してきたと話すが、岳の新感覚の料理も認め、もう少しサポートを続けると約束する。
第9話
病院スタッフ
事故で頭を怪我して入院した北田勲を担当する。
最終話
客
蘭菜がオーナーシェフとなった「K」の客。
スタッフ
- 原作 - 小林有吾『フェルマーの料理』(講談社『月刊少年マガジン』連載)
- 脚本 - 渡辺雄介、三浦希紗
- 音楽 - 木村秀彬
- 主題歌 - 10-FEET「Re方程式」(ユニバーサル ミュージック)
- 料理監修 - 田村浩二、服部栄養専門学校 服部幸應
- 料理指導 - 関口智幸、小高勇介、幸田健太郎、木下雄介
- サービス監修 - 森島孝文、岡田宙
- 監修効力 - 加藤基(講談社)
- 数学監修 - 根上生也、渋川祥子、中川敦夫
- 数学オリンピック監修 - 公益財団法人数学オリンピック財団
- 医療監修 - 浅利靖
- フランス語監修 - フリーウェーブ
- 演出 - 石井康晴、平野俊一、大内舞子
- プロデューサー - 中西真央
- 製作著作 - TBS
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 原作 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 10月20日 | お前の数学の才能は料理のためにある | 第1話「黒い男」 | 渡辺雄介 | 石井康晴 | 5.5% |
第2話 | 10月27日 | 超難関二つ星レストランに合格せよ | 5.9% | |||
第3話 | 11月 | 3日厨房を任せる…!ライバルたちの重圧を跳ねのけろ | 平野俊一 | 5.3% | ||
第4話 | 11月10日 | 世界一の美食家から最高評価を掴みとれ | 三浦希紗 | 5.4% | ||
第5話 | 11月17日 | 母の店は奪われた…時代を変える一皿を作り出せ | 石井康晴 | 5.0% | ||
第6話 | 11月24日 | 仲間を倒してこの店の頂点に立て | 渡辺雄介 | 大内舞子 | 4.5% | |
第7話 | 12月 | 1日完璧を、トラウマを、神を超えろ | 平野俊一 | 5.2% | ||
第8話 | 12月 | 8日孤高 | 石井康晴 | 4.9% | ||
第9話 | 12月15日 | もう一回 | 大内舞子 | 4.5% | ||
最終話 | 12月22日 | 二人が見つけた完璧な答え | 石井康晴 | 4.3% | ||
平均視聴率 5.1%(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム) |
- 初回は22時 - 23時9分の15分拡大放送。
TBS系 金曜ドラマ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
トリリオンゲーム
(2023年7月14日 - 9月15日) |
フェルマーの料理
(2023年10月20日 - 12月22日) |
不適切にもほどがある!
(2024年1月26日 - 〈予定〉) |
1989年 - 1994年 |
| ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1995年 - 1999年 |
| ||||||||||||
2000年 - 2004年 |
| ||||||||||||
2005年 - 2009年 |
| ||||||||||||
2010年 - 2014年 |
| ||||||||||||
2015年 - 2019年 |
| ||||||||||||
2020年 - 2024年 |
| ||||||||||||
関連項目 |
1989年 | |
---|---|
1990年 | |
1991年 | |
1992年 | |
1993年 |
|
1994年 |
1995年 | |
---|---|
1996年 | |
1997年 | |
1998年 | |
1999年 |
2000年 | |
---|---|
2001年 | |
2002年 | |
2003年 |
|
2004年 |
|
2005年 | |
---|---|
2006年 | |
2007年 | |
2008年 | |
2009年 |
2010年 | |
---|---|
2011年 | |
2012年 | |
2013年 |
|
2014年 |
2015年 |
|
---|---|
2016年 | |
2017年 | |
2018年 | |
2019年 |
2020年 | |
---|---|
2021年 | |
2022年 | |
2023年 | |
2024年 |