フールズフィスト
以下はWikipediaより引用
要約
『フールズフィスト』は、阿羅本景による日本のライトノベル。イラストはQUZ竜が担当。集英社・スーパーダッシュ文庫(以下SD文庫)刊。
強い相手と戦うことが生き甲斐の少年・誠が、現代日本を支配する7つの財閥『七幸家』が秘密の内に開催する魔術闘技『七姫騎闘儀(セプトマキア)』に巻き込まれ、お嬢様の雲英や同級生の伊織、兄貴分の武蔵とともに戦い抜いていくという現代魔法バトルアクション作品。
あらすじ
世界観
現代の日本が舞台。魔法はオカルト(秘匿された知識)として扱われている。
7つの財閥『七幸家』が現代日本の政財界など各主要分野を幕末後の歴史の裏から支配している。その七幸家が魔法を知る者たちであり、魔法ゆえに成功を収め、その礎となる『ファウストの遺産』を巡って争っている。その為、一般市民には魔法と遺産、〈七姫騎闘儀〉の存在は秘匿・隠蔽工作が行われている。
登場人物
主要人物
藤堂 誠(とうどう・まこと)
幸浦 雲英(ゆきうら・きら)
女性、年齢10(?)歳。本作のヒロイン。日本を支配する『七幸家』の一つ、幸浦家の一人娘。
幸浦家の「姫」。月(アルテミス)の神相を持つ。妖精的なあどけない銀髪の美少女。
七騎騎闘儀において幸浦家を代表する「姫」としての素質があるが、その生まれと育ちは数奇なものがある。いつもは館の奥に暮らしており、社交界や人前に顔を出さない箱入り娘である。年齢は公称10歳だが、不詳な部分も多い。
性格はその境遇にもかかわらず明朗快活でわりと開けっ広げで、自分が認めた相手に対しては胸襟を開いて接する度量を持つ。聡明であるが後に引かない頑固さや、思い込みが強い部分もあり、家族環境の不安定さがもたらした性格的な影の一面もある。
闘儀に対しては、ある願いを『ファウストの遺産』によって叶えることを夢見ており、積極的に関与しようとする。
誠がひょんなことで幸浦邸でアルバイトすることになってから、意外な形で接点が生まれ、誠を闘儀に巻き込むことになる。
山南 伊織(やまなみ・いおり)
女性、年齢16歳。本作のヒロイン。誠と同い年で、同じ中学同学年の少女。誠と同じ私立七瀬高に通う温和な優等生。
幸浦家の「騎士」。忍耐(パーセヴュランス)の聖剣アルマスを持つ。二つ歳上の兄・武蔵と共に幸浦邸にて住み込み、令嬢である雲英付きのメイドをしている。
戦いの経験は無いが、逆に定石にとらわれない柔軟な発想の戦い方ができる。
雲英とはある運命からほとんど姉妹同然に育っており、お互いに気を置かない関係である。
多少引っ込み思案で忍耐力の強い部分や、育ちからコミュ力に翳りがあるがある程度親しくなれば割とフランクに話をする。
兄の武蔵への極度のブラザーコンプレックスをこじらせており、誠との運命的な出会いをするが、お互いの仲は前途多難。
幸浦家
邦幸家
七幸家筆頭。政官界を掌中に収めている。
邦幸京香
邦幸由起夫
鹿島竜也
灘春海
幸楽家
メディアを掌中に収め、報道・出版を意のままに操る。既に直系の血族が絶えている。
幸楽愛梨
幸陽家
金融界を掌中に収めている。
幸陽凛
鹿島雪乃
雷洞巌
幸村家
食品とエネルギー業界の大半を掌中に収めている。<七姫騎闘儀>に懲りて下りたがっている。
桂木江美子
鷹幸家
岳幸家
その他
京極蘭
用語
<七姫騎闘儀(セプトマキア)>
世間の目から秘匿して行われる秘儀。25年に1回、すでに125年間で5回行われていたという。
- 闘儀のプロセス
闘儀のプロセス
7つの名家『七幸家』からそれぞれ一人ずつ「姫」を選び出す。
「姫」は魔法の武器をうけて、それぞれ「騎士」と「従者」を決めて分け与える。
7人の「姫」はその「騎士」と「従者」を引き連れて戦い、三つ巴の戦い方を駆使して最後に残った「姫」が勝利者になる。
最後の勝者が万能の魔法『ファウストの遺産』を手に入れることになる。
- 優劣の法則
優劣の法則
「従者」は「騎士」には勝てない。
「騎士」は「姫」にはかなわない。
「姫」は「従者」に弱くて食われてしまう弱点がある。
七幸家
邦幸・岳幸・幸村・幸楽・幸陽・鷹幸・幸浦の苗字に〈幸〉の字を持つ事から合わせて七幸家と言われるこの家柄は、それぞれが日本の政財界を支配する、
巨大な資産家・財閥であり、日本国内外に強い影響力を持っているといわれている。
<ファウストの遺産>
不老長寿、万病治癒、死者復活、時間旅行、生命と精神の創造、錬金術などのすべてを可能にすると噂される、万能の魔法。
それを手にいれれば神にも等しい力を得る、と子々孫々である<七幸家>に言い伝えられている。
<祖師(ウル)ファウスト>
アジア放浪の末に文明開化の日本に辿り付いた彼は、この国で『なにか』を見つけ出しついにその魔術を完成させたという。
魔術の完成により莫大な力を得たファウストだが、彼はなぜか人を避け巷間に潜む生活を送ることになる。
その力の恩恵を受けたのは、彼の子孫や弟子たち、彼らが<七幸家>を作り上げ、この国の政財に君臨するに至った。
その技のすべてを子孫へ『ファウストの遺産』として遺し、遺産相続者を決める<七姫騎闘儀>の原型を作った、といわれている。
<姫(プリンセス)>
各家の代表として<額冠(ティアラ・アルカナ)>を預かり最後の一人になるまで戦う、<七姫騎闘儀>の主将。
<額冠>を発動させることで、オリンポス神話の神々の力を帯びた<星神姫鎧(ディヴァインアーマー)>で武装することとなる。
<星神姫鎧>は鎧と武具のワンセットとなっており、それぞれが七曜の星相(太陽=アポロン、月=アルテミス……etc.)に由来する。
また、<権能(セイクリッドライト)>と呼ばれる特殊な超常現象を引き起こす必殺技が使うことができる。
<騎士(ナイト)>
<姫>がもっとも信頼の置ける人間を選ぶか、剣の腕を買われた猛者を探して任じる事が多い。
<騎士>は<姫>より授けられた<聖剣>を発動させる事により、実体化した<聖剣>と自動防御機能のある魔法の<加護盾(グレールシールド)>を得て闘うことになる。
聖剣は『ローランの歌』に歌われた七つの剣(デュランダル、ジュワイユーズ……etc.)であり、それぞれが七つの美徳(勇猛、貞淑、勤勉……etc.)を象徴する。
また聖剣を持つ<騎士>は、必殺技である<騎士能技(キャヴァリアースキル)>を用いることができる。
<騎士能技>は攻撃の手段だけではなく、防御の手段であったり、時にはお互いに命を懸けての決闘状況を作ったりする事もある。
<従者>(エスクワイヤ)>
しかし、<姫>に無二の忠誠を誓う<騎士>とは違い、<給付(リウォード)>という七つの大罪(嫉妬、暴食……etc.)に応じた悪徳に駆られる為に、
その選定を間違うと自軍の<姫>に直接の危害を加える事がある。
戦闘に臨んではその七つの大罪に応じた悪魔(ルシファー、ベルゼバブ……etc.)の化身、<業魔闘躯(デアボリックアヴァター)>を用いて闘い、
悪魔の呪いの力である<呪虐(カースバインド)>という特殊な攻撃法を用いることができる。
<選定儀装(レリックアーマメント)>
7つずつ、合計21個この世に存在する。
<額冠(ティアラ・アルカナ)>
七曜の月と星の相を持ち、対応するギリシア・ローマの神の力を象徴した武装と権能を帯びる<星神姫鎧>を作り上げる。
どの家が何の<星相>を入手するかはランダムだが、入手後は何の<星相>を入手したか七幸各家に公示される。
<聖剣(ブレード・イコン)>
古フランス語叙事詩、聖騎士ローランの歌に謳われる七つの剣に七つの徳目を割り振り、大天使ガブリエルの加護を得た聖なる武器。
武器となるだけでなく<加護盾>と<騎士能技>を<騎士>に付与する。
<罪人の戎衣(ジャケット・グリモア)>
七つの大罪の悪魔の力を有した皮製のジャケット。
<従者>に<呪虐>の力を持つ悪魔の化身<業魔闘躯>を操り戦わせる力を持つ。
<星神姫鎧(ディヴァインアーマー)>
<加護盾(グレールシールド)>
その数は<聖剣>によって左右される。物理・魔法的な防御力を有する。
<業魔闘躯(デアボリックアヴァター)>
それ自体が強大な力を持った物理的な破壊・攻撃を可能とする。
<給付(リウォード)>
その内容は自らの<罪人の戎衣>に対応する七つの大罪に応じた悪徳であり、不足しすぎれば自軍の<姫>すら襲って食いたがるようになる。
<姫>が<騎士>に委任して<給付>を代行させることも可能。
<権能(セイクリッドライト)>
<騎士能技(キャヴァリアースキル)>
<呪虐(カースバインド)>
それぞれの機能は千差万別であり、これらの使用が勝敗を決定付ける。
<裁定執行人(エグゼキューター)>
パラケルススという年齢不詳の少年が初代の<七姫騎闘儀>から務めている。
超常の力を用いて闘う<七姫騎闘儀>参加者である<姫>・<騎士>・<従者>を時に制止し、時に制裁するために、
<七姫騎闘儀>参加者を遥かに上回る力を祖師ファウストより『ファウストの遺産』の限定執行権が与えられている。
<闘儀協議会(コミットメント)>
日本を牛耳るとまで言われる七幸家は、<闘儀協議会>によって連絡交換を行い、影響力を持つ各機関に働きかけている。
闘儀や魔法の隠蔽・被害の修復・外部からの介入の阻止、そして闘儀参加者が過度に外部に干渉すること(選定武装の力を使って犯罪を起こすとか)を防ぎ、
最後の一人の<姫>を生き残るまでの闘儀遂行を貫徹することにある。
そのため、一般人は過去数度行われた闘儀に関しての事実を知らない。
<闘争死(アサルト・デス)>
<姫>同士の戦いによって死んだ場合、死んだ<姫>の<額冠>を残された<騎士><従者>が敵から奪い返し、二十四時間以内に別の適格者へ着装させること
が出来れば、その陣営の<姫>は復活できる。
<騎士><従者>が死んだ場合、死んだ<騎士><従者>の<選定儀装>を敵から奪い返し、<姫>によって別の人間に叙勲・雇用することが出来れば、
その陣営の<騎士><従者>は復活できる。
撃破して奪った敵の<選定儀装>を<闘儀協議会>に提出し、<裁定執行人>がその<選定儀装>を非活性化することにより復活を防ぐことが出来る。
<姫>が<従者>に食べられて死んだ場合、または、<姫>の死亡後<額冠>が着装者無く二十四時間経過した場合、<姫>を失った<騎士>は叙勲と能力を
即座に解除されるが、<姫>を失った<従者>は巻き添えになって死亡する。
<騎乗試合(ジョスト)>
この時、負けた方の陣営の<姫>は<王の身代金(ロイヤルランサム)>という誓約により死亡する。
<廃疾降伏(クリップルサレンダー)>
ただし、<姫>の霊魂に張り付いている<額冠>を剥ぎ取れば、失明・失聴・四肢の麻痺・神経失調や大脳機能の一部喪失・悪くすれば植物人間になるなど、
身体や心に重大な悪影響が出る。
<二重雇用>
パラケルススが期待する未曾有の波乱の幕開けとなる――
<神聖受胎(アヌムケージョン)>
<コキンメフクロウ>
七幸家 | <姫>の額冠 | <騎士>の聖剣 | <従者>の罪人の戎衣 |
---|---|---|---|
幸浦家 | 月(アルテミス) | 忍耐(パーセヴュランス)のアルマス | 淫蕩(ラスト)のアスモデウス |
幸楽家 | 金星(アフロディテ) | 節制(テンペランス)のミュルグレス | 強欲(グリード)のマモン |
幸陽家 | 太陽(アポロン) | 勤勉(インダストリィ)のコルタナ | 憤怒(ラース)のサタン |
邦幸家 | 木星(ゼウス) | 愛(チャリティ)のジュワイユーズ | 怠惰(スロース)のベルフェゴール |
岳幸家 | |||
幸村家 | |||
鷹幸家 |
<姫>の選定儀装・特殊能力
月(アルテミス)
<処女兵装(ヴァージンガード)>
<狩猟夜宴(ハンティングパーティ)>
通常でも<騎士>一人を無力化できるが、複数の<騎士>がいれば一気に大量の戦力を削ぐことができる。
強大な霊力を必要とするため、実力の低い雲英では満足に使いこなすことができない。
金星(アフロディテ)
<融解泡影(メルトアプロス)>
<楽神唱撃(シンフォニックブラスト)>
超音波にまで達する音波は共振が発生し、中央にいる物は共鳴して内から崩壊することになる。
太陽(アポロン)
<月(アルテミス)>の神相に極めて相性が良い為、武蔵は警戒している。
<切断光輪(シャインチャクラム)>
<焼尽(フレアインシネレィト)>
木星(ゼウス)
<雷霆王権(パニッシュサンダー)>
火星(アレス)
水星
土星
<騎士>の選定儀装・特殊能力
忍耐(パーセヴュランス)の聖剣アルマス
両手で掴んでも余りある長さの柄から伸びる刀身の長さは伊織の身長ほどもある大剣。4枚の<加護盾>を持ち前面180°をカバーする。
<刀槍軟化(フオンドル・ラ・ラム)>
鋼の刀でアルマスの持ち手を打ち続ければ五合と打たないうちに刀身が鉛のごとく曲がり、柔らかく歪む。
アルマスの強大な防御力をさらに裏打ちする打撃弱体化の技だが、<西風の羽衣>の様な柔らかくしなやかな武器には相性が悪い。
<立往生(モウリール・ドウブ)>
因果律レベルにまで介入し、<騎士>の敗北を保留する。
節制(テンペランス)の聖剣ミュルグレス
白銀の長剣に2枚の半透明の<加護盾>が浮かび、守りの特性を持つ。
<受難者の報い(レコンバス・デ・ラ・バッジオン)>
<修練試合(ジュ・ド・トレイメン)>
敗者の剣は刃を落とされて鈍り、特殊技能を剥奪される。
集団戦では使いにくいが、<騎士>同士の決闘では能力の相性を無視した単純な実力勝負となるため有効な特殊技能。
勤勉(インダストリィ)の聖剣コルタナ
欠けた切っ先と残った刀身を2本に仕立てた様な、長短二本の双剣に半透明の<加護盾>が浮かぶ。
<たゆまぬ歩み(アンファティガブ・エタップ)>
一度でも手を止め受けに回れば積み上げた剣速はキャンセルされるため、雪乃のような優れた剣士でなければ使いこなせない。
勇猛(ブレーブリィ)の聖剣デュランダル
愛(チャリティ)の聖剣ジュワイユーズ
<従者>の選定儀装・特殊能力
淫蕩(ラスト)のアスモデウス
<無窮輪鋳(ウーネンドリッヒヴエルフェン)>
その拳と共に殴れば指輪が砕け、宝石の色に対応した地水火風の四元素の力が振るわれる。
指輪は使えば砕けるが、速やかかつ無限に鋳られ、敵が息絶えるまで攻撃し続けることができる。
<賢王の驚愕(ベスツァーズングソロモン)>
伝説の賢人王ソロモンの壮大な宮殿を一晩で作った逸話に則り、宮殿・兵士・武器防具・魔獣妖獣を意のままに作り上げる。
強欲(グリード)のマモン
<万権剥奪(マハトラウベン)>
<凍土獄蔵(アインフリーエンラガー)>
憤怒(ラース)のサタン
<従者>の中でも最強と言われる。<騎士>と引き分けぐらいは可能かもしれないといわれる強豪。
<憤怒竜撃(アウフファーレンドラッヘン)>
傲慢(プライド)のルシファー
怠惰(スロース)のベルフェゴール
嫉妬(エンヴィー)のレヴィアタン
暴食(グラトニー)のベルゼバブ
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