プラレス3四郎
以下はWikipediaより引用
要約
『プラレス3四郎』(プラレスさんしろう)は、原作:牛次郎、作画:神矢みのるによる日本の漫画作品。また、それを原作としたテレビアニメ。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて1982年34号から1985年21号まで連載された。
ロボットを組み込んだプラモデルの人形「プラレスラー」を用いたロボット競技「プラレス」の世界で、中学生の少年・素形3四郎が自身の所有するプラレスラー・柔王丸を駆使して活躍する姿を描いた作品である。
概要
神矢みのるの代表作。複雑精巧な可動機構と「マイコン」(劇中での表現)を組み込んだ全高20〜30cmの人型プラモデル“プラレスラー”を、パーソナルコンピュータで遠隔操作してプロレス的な格闘を行わせるロボット競技「プラレス」(プラモデル+プロレス)がテーマ。少年漫画では共に定番とも言える格闘漫画と玩具ホビー漫画の要素を併せ持った作品である。また、現在行われているROBO-ONEなど、格闘技によるロボット競技を先取りしたような内容となっている。
単行本は少年チャンピオン・コミックス版が全14巻で刊行。その後、2001年に秋田文庫版が全7巻で刊行された(すべて絶版)。2003年にはリバイバル漫画ブームに乗り、同じ牛次郎&神矢みのるコンビによる本作の十数年後を舞台とした続編『プラレスラーVAN』が『チャンピオンRED』誌にて連載された(全4巻)。
『週刊少年チャンピオン』40周年記念企画として、同誌2009年31号に新作の読み切りが掲載された。また、2009年2月にはマックスファクトリーからfigmaのコンセプトモデルとして主役級のプラレスラー・柔王丸と桜姫が立体化されるといった商品展開が行われている。
ストーリー
中堅玩具メーカーである「ナカマプラモ」は、新商品としてマイコンを組み込んだ格闘人形であるプラレスラーのキットと、プラレスラーを用いた競技・プラレスを提唱しようと、試作品のトライアルを数名の特別会員に依頼した。そのうちの一人、素形3四郎操る柔王丸は、同じくトライアルを頼まれた特別会員の笹本悟操るザ・魔人をからくも破る。しかしその勝利の直後、全国から押し寄せた腕自慢のマニア達が持参したプラレスラーとの対戦を求められ、ナカマプラモ主宰で第1回日本プラレス選手権大会が行なわれることとなった。決勝戦で強豪黒崎玄剛のマッドハリケーンを相討ち同然で倒したものの、柔王丸のあまりの破損に3四郎は優勝を返上、初代プラレスチャンピオンは空位となる。
その後、業界最大手の大日本模型が第2回プラレス選手権大会を開催する。しかし、3四郎は研究作業中に謎の事故で急死した大学教授の父・健一郎の死因となった事故の原因が気がかりで大会に気が乗らない。が、招待選手の中に健一郎の元同僚のペドロ・ロドリゲスという名前を見つけ、急遽出場を決意する。決勝戦まで勝ち進んだ3四郎と柔王丸の前に、圧倒的なスピードとパワーで敵を秒殺して勝ち上がった強力なプラレスラー、エル・ウラカンとそのオペレーター、ペドロ・ロドリゲスの養女ルダが立ちはだかる。傷つきながらもエル・ウラカンをなんとか倒した柔王丸と3四郎であったが、その後も父の事故の原因を探るなかで、ペドロ・ロドリゲスからの再びの挑戦、JPWAタッグ選手権、アンダーグラウンドで暗躍するガレージプラレスと呼ばれる地下プラレスのプラレスラーとの対決、新興プラモメーカー・五洋プラモとその背後で糸を引く謎の組織との闘いに柔王丸とともに身を投じることとなる。父の死の真相を知るべく迷いながらも戦いを続ける3四郎だったが、大切な仲間との交流のなかで、プラレスで培われた技術をどう生かすか、という父の理想を知り、新たなプラレスの可能性を模索し続ける決意を固めるのだった。
原作コミックは、単発の決闘とトーナメント大会をストーリーの2本軸に展開していたが、タッグトーナメント編の途中で謎の刺客により柔王丸が襲撃され、御前と謎の組織が登場してから、ストーリーが迷走した末にプラリンピア編の途中で打ち切りとなった。
登場人物
声優はアニメ版のもの。解説は特に記述のない限り、漫画版に準じている。
素形 3四郎(すがた さんしろう)
声 - 間嶋里美(タイトルコール及び次回予告ナレーションも兼任)
本作の主人公で、柔王丸のオーナー。中学校2年生でありながら、ナカマプラモの試作プラレスラーをもとに柔王丸を開発する。仲間堂の常連であり特別会員。そのうえ研究室を自由に使用できる許可をもらっている。プラモデル制作の腕前・電子工学・機械工学のどれもが中学生とは思えないほどの知識と技術を有している。一度こうと決めたら梃子でも動かない直情的な性格の持ち主で、強い正義感に満ちあふれた少年である。また、プラレスおよびプラレスラーに対する愛情を人一倍持っており、自身のプラレスラーである柔王丸はもとより、対戦相手や他のプラレスラーが必要以上に破壊されることも破壊することも好まない。そのため、2回行われたJPWAシングルトーナメント大会では2回とも決勝に進出したものの、いずれも相討ちに近い形で柔王丸を大破させてしまったために、自責の念から表彰を拒否している。またタッグ選手権では、御前率いる謎の組織に柔王丸を大破させられてしまい、結果的に試合を棄権している。誰もが日本最強のプラレスラーのオーナーと認めており、全国のプラレスラーのオーナーの目標とされているが、本人にはその意識は全くない。前述のとおり、JPWA公式戦でのタイトル獲得が一度もないことから、柔王丸ともども“無冠の帝王”と呼ばれる。
中学生だが身長はかなり低く、その体形と顔の雰囲気から、対戦相手にモンチッチ呼ばわりされることもある。アニメ版では商標で使用出来ないため「パソコンピーマン」となっている。
名前を決めたのはストーリー担当の牛次郎で、作画担当の神矢みのるによれば柔道家の家に生まれているという設定から『姿三四郎』をもじって命名したのだという。
素形 健一郎(すがた けんいちろう)
素形 真知子(すがた まちこ)
素形 健之介(すがた けんのすけ)
声 - 柴田秀勝
3四郎の祖父。柔術道場を営む。決闘と聞くと血が騒ぐ根っからの格闘家。基本的にコメディリリーフ的存在だが、第2回プラレス選手権の会場ではほとんど手の内を見せていないエル・ウラカンの実力を見抜いたり、ロドリゲス父娘との再戦に焦り、実力も省みず今日子に乱取り稽古を願い出る3四郎を諌める等、時には柔術の達人らしい振る舞いを見せる。
3四郎が地下プロレスの王者・大貫と戦うべく、謎の敵に破壊された柔王丸の再生に打ち込んだ時、激励のため(というのは名目で、実際はただドンチャン騒ぎをしたかっただけ)素形家を訪問した荒巻と同じ柔術家として意気投合した事もある。
吹雪 今日子(ふぶき きょうこ)
声 - 安藤ありさ
桜姫のオーナーで、3四郎の実家の柔術道場で師範代をやっている。かなりの美少女でスタイルが良く、男勝りな面が強いものの、女性的な内面もしっかりと持ち合わせている。師範代ということもあり、柔術の腕前は3四朗よりも遥かに上。
実家は寿司屋で、これはアニメ版の設定が原作にも生かされたものである。原作では母親がいない素形家の食事を作ったりと、素形家にとっては母親のような存在である一方、3四郎のために差し入れの弁当を作ったり、試合時に持ち物や服装に気を配ったりするなど、3四郎にとっては世話女房のような存在である。
プラモや機械には当初は全く興味がなく、プラレスに情熱を注ぐ3四郎のことをはじめは理解しかねていた様子だったが、3四郎と柔王丸の闘いに付き合ううちに徐々に変化が見られ、ついには技術的には未熟ながらも、周囲の助言を借りながら自分でプラレスラーを製作して試合に参加するまでになる。また、時をほぼ同じくして3四郎に対する感情にも変化が現れており、3四郎を特定の異性として認識しているかのような描写が見られるようになった。プラリンピア編のクライマックスでは、失神した3四郎を制服の上半身を脱いで抱きしめて介抱するという、誰も思いもよらない大胆な行動をとった。
なお、アニメ版では桜姫が登場しないので、ラストまで原作序盤のような3四郎のサポーター的存在として描写された。
その後、3四郎と結婚していたようで、続編『プラレスラーVAN』では物語後半に素形今日子として登場する。
山口 章太(やまぐち しょうた)
声 - つかせのりこ
3四郎の悪友。常にサングラスを着用しており3四郎なみに背が低い。柔王丸の活躍に触発され第2回選手権ではタコボーイを開発して参加。作中では一度も勝ったことがなかった。年齢は不明だが、小学生なので3四郎より年下でお調子者。常に一言余計な発言をしては相手の逆鱗に触れることが多い。また、今日子に惚れているため、彼女が絡むと途端に口が軽くなる。事実、3四郎からトライアル開催に関しての口止めを厳命されていたにもかかわらず、「可愛い今日子ちゃんのため」という理由で開催日時や場所をあっさりと自白しており、日本プラレス選手権大会を開かせる事になった元凶でもある。
成田 シノグ(なりた シノグ)
声 - 古谷徹
リキオーのオーナー。3四郎のクラスメートで、盟友にしてライバル。片目にかかる前髪と学生服がトレードマークの美少年で、女性読者のみならず劇中の男性キャラにも人気がある。もともとは正統派モデラーでありプラレスは邪道と思っていたが、3四郎に出会いプラレスの道に入る。
プラレスのモデラー兼オーナーとしてもまた王道を貫き、リキオーのファイティングスタイルも3四郎と柔王丸のような対戦相手を真っ向勝負で下すというストロングスタイルで、プラレス初出場である第2回選手権では、初出場ながらも他の強豪モデラーからすでに一目置かれていた。しかし敵の弱点をあからさまに狙うといった行為や3カウント内の反則など、試合を優位に進めるためには当然の行為として認識されているものやルール上許されているものであってもアンフェアなやり方は一切行わない真正直な姿勢ゆえ、タッグ選手権においてはその部分を突けば勝つのは容易いと揶揄された事もある。
アニメ版ではイカロスウィングのオーナーで、3四郎の先輩。
直接の続編ではないが、ロボット相撲を行なう『FM戦士SUMOキッズ』にも登場している他、続編『プラレスラーVAN』ではプラレス大会の解説役としても登場。後述のルダ・ロドリゲスと結婚したそうだが、生来の生真面目すぎる性格から子供たちに反抗されたようで彼の子供らしき兄妹が「青いサソリ」にロドリゲス姓を名乗って参加している。
黒崎 玄剛(くろさき げんごう)
声 - 渡部猛
マッドハリケーンのオーナーで、プラモデルの業界では名の知れた天才モデラー。オネエ言葉で話し成田を追い掛け回すなど、男色傾向も見られた。第1回プラレス選手権大会決勝で3四郎の柔王丸と死闘を演じ、以後、打倒柔王丸に執念を燃やすが、途中からギャグキャラになった。それでも柔王丸とエル・ウラカンII(ツー)との決闘直前には新マッドハリケーンを犠牲にして敵の手の内をさらけ出させるなど、友情に厚いところも見せた。第2回選手権にはミステリアスΣ(シグマ)というプラレスラーで参戦している。
荒巻 多作(あらまき たさく)
黒崎の兄弟子で、柔術家。ブラッディーX、クレイジーホースのオーナー。大人気ない性格で「卑怯な手法でも勝った方が勝ち」という信念を持ち、多数の弟子を率いて造形集団を形成している。3四郎に決闘を挑み数々の罠を仕込んだディオラマで柔王丸を窮地に追い込むが、結局自分の作った罠の一つであるラッカーシンナーの池に墜ち、敗れる。第2回選手権では、新プラレスラー・鬼弁慶を参戦させるも1コマで敗れる。タッグ選手権ではブラッディーXをレギュレーションに合わせて改修した新型・クレイジーホースを駆り、黒崎と極悪師弟コンビを組む。弟弟子と異なり、序盤からお笑いキャラ的な側面がみられたが、一応は実力者として描かれていた。流麗な草書体の果たし状を書くほか、「宇宙よりの使者」を名乗る組織の出先機関と思われる五洋プラモに対して「プラレスラーを使った偵察行動」を提案するなど教養も結構ある。
ペドロ・ロドリゲス
メキシコ人の科学者で、ウラカンシリーズの開発者。「戦争があってこそ科学は発展する」が持論で、3四郎の父・健一郎の“科学を戦争の道具にしてはならない”という科学に対する考え方を巡って対立し(健一郎に「おっしゃる事は理解出来るが所詮は理想論だ。現実を見ようよ」と反論する)、論争の決着をつけるためプロトウラカンを開発した。健一郎が事故で亡くなったため決着はつかずじまいのまま、同じ理想を持って歩む遺児の3四郎の前に立ちはだかることになった。健一郎の死に関しては柳原には思わせぶりな言い回しで煙に巻いたが、彼自身は関わっていないようで、決着をつけられなかったことが心残りらしき態度も見せている。
勝利のためには手段を選ばず、「私にフェアプレーなど期待するな」とまで警告している。
ルダ・ロドリゲス
笹本 悟(ささもと さとる)
声 - 森功至
ザ・魔人のオーナー。モデラーとしては凄腕で、セミプロと思われる描写もあった。仲間堂の常連であり、北上課長から依頼された試作のトライアル(ナカマプラモの試作品キットを利用したプラレスラー制作と、実際の対戦)で柔王丸に敗れるものの、ザ・魔人はナカマプラモからヘビー級プラレスラーの一般向けキットとして発売が企画された。3四郎がエル・ウラカンIIとの戦いに際し柔王丸を強化した際、成田が操るこのキットのプロトタイプで最終調整が行われている。
第2回選手権までは不参加だったが、タッグ選手権からはザ・魔人を強化したと思しきザ・魔人エクストラを擁して出場。プラリンピアでもザ・魔人エクストラで参戦した。
アニメ版ではガウスプラモに出入りするモデラーで、マッドハリケーンとの2回目の勝負に敗れるも復活を果たした柔王丸を下しJPWAへ登録しようとするが敗北。後にシーラの手引きでマイコンの源と不本意ながらタッグを組んで、柔王丸にジオラマシティーで再戦を挑む。再戦で操ったプラレスラーはザ・グレート魔人。
プラキット竜(プラキットりゅう)
キーボードの女豹(キーボードのレディーパンサー)
ドク松任谷(ドク-まつとうや)
スパーク石松(スパークいしまつ)
迫水博士(さこみずはかせ)
大貫 条也(おおぬき じょうや)
魔崎(まさき)・邪ヶ野(じゃがの)・巨木(おおき)
中川部長(なかがわぶちょう)・北上課長(きたかみかちょう)・伊東(いとう)・菊池(きくち)
声 - 広瀬正志(中川部長)
ナカマプラモ社員および仲間堂プラモ社員。中川部長はプラレス選手権開催を決めた人物。北上は出入りするモデラーとの折衝を行うなど、開発現場を取り仕切る立場である。伊東と菊池はエル・ウラカンIIとの再戦のために柔王丸の強化に着手した3四郎にアドバイスを行い、ナカマプラモの設備を使わせるなどさまざまなところで協力。
なお中川と北上は、アニメ版では3四郎の父が興したガウスプラモの社員として登場している(役どころは原作とほぼ同一)。
アニメ版では原作とは全く異なる、捻くれた印象の少年という出で立ち。プラレスラーのモスキートはヘリコプターからの変形を行うというギミックを持ち、そのファイトスタイルは腕に装着した針で対戦相手の関節を狙い破壊するというダーティーなもの。一度は柔王丸を下すもその後破れ、後にシーラの手引きで笹本と不本意ながらコンビを組んでジオラマシティーで柔王丸と3度相見える。この時もモスキートを使用した。
アニメ版のみ登場のキャラクター
素形 薫(すがた かおる)
村尾 伸次(むらお しんじ)
声 - 塩沢兼人
3四郎の友人で、柔王丸のマイコンやソフトウェア面をサポートする。眼鏡を掛けていて髪は長く、身体は細身。黒崎=マッドハリケーンとの初戦では、黒崎のマイコンが3四郎の愛機よりも高性能なので気をつけろという助言を行ったりもした。母親は獣医。
長谷川 哲也(はせがわ てつや)
シーラ・ミスティ
声 - 井上瑤
胸の谷間や二の腕を露出してボディーラインを隠さない妖艶な衣装を着け、3四郎を付け狙うスパイのような美女。位置づけは原作におけるルダ・ロドリゲスに近い。ミ・レディというプラレスラーも使用するが、技術はそれほど高くない。肢体の不自由な弟マーシュ(声 - 鶴ひろみ)を守りたい思いからバレステラの手駒となっていたが、3四郎の活躍でバイオチップによるマーシュの回復が見込めるようになったうえ、自分たちに協力する気など最初から無かったバレステラに見捨てられたことも重なり、改心して3四郎の協力者となる。
バレステラ
声 - 藤本譲
WPWAの役員にして裏の顔役の1人。権威を利用したさまざまな悪事で私腹を肥やしていた。マーシュの治療協力を名目に手駒としたシーラに3四郎を狙わせるが、3四郎たちによって悪事を暴かれたことでWPWAを解体させられ、社会的地位や財産を全て失う。そのことによる深い恨みから復讐を企て、最終回でバイオチップを強奪して利権を得ると共に3四郎の抹殺を企てるが、間違って今日子の手作り弁当のトランクを盗んだうえ、それを指摘しても「自分を騙すための小細工」と断じて聞き入れずに敗れたあげく、トランクの中身が本当に弁当だったことに呆然となる。
プラレスラー
可動フレームと外装(プラスーツ)を持つ1/6スケールのフィギュアロボット。動力内蔵で無線で操作されるが、内部にマイコン(超LSIとCPU)を持ち制御プログラムをも内蔵しているため、最低限のキーボードワークで操作が可能となる。ただ連載当時の1980年代はマイクロコンピューター(マイコン)という言葉が一般的で、その中身については魔法の箱のようにとらえられており、作中でもICを半田付けして基板を自作する、フロッピーに一万語の音声データを入力する、多関節可動人形の制御プログラムが5.25インチフロッピー1枚、などという描写が随所に見られる。インターフェースや制御プログラムも自作であり、現在大学の研究室レベルで行なわれる開発が個人の家で行なわれているのは驚異的ですらある。なおかつ制御プログラムにより「自我」のようなものが形成されており、オーナーに疑問をぶつける、オーナーに逆らうといった行動をとるプラレスラーすら存在する。なお、JPWA主催の選手権大会に参加するプラレスラーは、強制停止回路(インターラプター)の装着がレギュレーションで義務付けられている。
なお、漫画版では柔王丸・桜姫・リキオーといった人間に近いフォルムを持ったプラレスラーは、機械であるプラレスラーにはないはずの人間のような瞳が描かれ、あたかも人間がプラスーツを纏って闘っているかのように描かれているが、これはあくまでも3四郎たちからプラレスラーを見たときのイメージである。対するアニメ版は柔王丸を含むすべてのプラレスラーを純然たる機械として描いており、漫画版とは対照的である。ただし、初期設定では漫画版と同じようにすべきか試行錯誤しており、ラフ画ではプラスーツを纏った人間体バージョンの柔王丸も描かれている。
柔王丸(じゅうおうまる)
ザ・魔人戦ではFRP製プラスーツの破損で苦戦したが、第1回選手権からはプラスーツがセラミック製となり飛躍的に耐久力を高めた。
荒巻との野試合(非公式戦)においては、外見上こそヘルメットに鋲打ちされたディテールが入る程度のマイナーチェンジだったが、内部機構が全面的に見直され、十数パーセント程度ではあるがスピードやパワーなどが向上。手足には空中での姿勢制御や緊急回避のためのエアー噴射機構が新たに備えられた。また、手が超合金製のパーツに換装されてチョップ攻撃で威力を発揮し、荒巻が「身体の大きさに似合わないパワフルさを発揮しやがって」と慌てる一幕もあった。
第2回選手権では、ヘルメット前面や手足にメタル製のプロテクター・パーツが追加されるなど、外見が一新された。手には空中での姿勢制御用フィンも装備。操作に使うマイコンもそれまでのハンドヘルト型(エプソンHC-20がモデル)からディスプレイ付のモデルにグレードアップした。足に仕込まれたリニアモーター(3四郎曰く「リニアモーターレッグ」)をメカリングの骨格に使用されている鉄骨が帯びた磁気と反発させることによって、驚異的なスピードを誇る。またリニアモーターは、その磁界を自在に反転させることが可能であり、外部の磁気と引きつけたり反発させたりすることによってその吸着力・反発力を自身のパワーとして利用することも可能。3四郎の亡き父・素形健一郎教授の遺した研究記録をベースとした機構も導入された。最大の変化はその動きにあり、試合を見ていたモデラーの一部はプラレスラー離れしていると評価。本職が医師であるドク松任谷をして、「人間に近い動きをしている」と言わしめた。
第2回選手権の直後、ロドリゲス父娘との再戦からは音声入力を併用した。これは複雑な動きこそ不可能だが、プログラムパターンナンバーや技の名前を指示する事で、キーボードでの入力なしでその動作を行えるというもの。3四郎の愛用するサンバイザーに入力用のインカムマイクをセットして使用する。
他に、エル・ウラカンIIの計り知れない戦闘力への対抗策として、下腕部の姿勢制御用フィンを展開して正円状のシールドにするという機構も追加されたが、これはあっさりと破壊されてしまった。
また、エル・ウラカンの強さに恐怖した3四郎が、柔王丸を武装しようと武器パーツを製作したが、今日子に説得され、自分の過ちに気付き装着はさせず、この経験が後述の柔王丸Sを製作するきっかけとなっている。ただし、連載時の表紙で「もし柔王丸が武装パーツを装着したら」というテーマで装着した姿が描かれている。
タッグ選手権期間中に、御前率いる謎の組織の策謀によって爆破・大破されてしまったが、後に改良・強化を受けた柔王丸S(後述)となって復活する。
なお、柔王丸の容姿について、作画の神矢みのるは文庫版3巻の巻末で「4〜5年後、3四郎が成長して頭身が伸びた姿」であると語っている。
柔王丸S(スペース)
宇宙からの使者の配下であるブラックセンチュリーとの対戦では、密閉空間に閉じ込められたため外装パーツを装着できず苦戦するも、3四郎の機転で敵の攻撃を受け流しつつ無重力空間用データを蓄積して反撃に転じた。
柔王丸S(プラリンピア仕様)
ジャスター
桜姫(さくらひめ)
初期型は、両手足にレッグウォーマーのようなクッション材(?)を巻き、ビキニアーマーのようなプラスーツを付けている。ヘッドギア状の頭部装甲にSの刻印がある。なお、ビキニの下にはなぜかしっかり乳房が作られており、後述のタコボーイ戦ではビキニを脱がされ、物語後半では自分からビキニを脱ぎ乳房を露出させ、お色気作戦を行ったことがある。
3四郎の手によるチューンアップを施された後期型は、手首・足首にプラスーツが追加され、上半身は胸部を完全に覆う形状の多少大型のプラスーツになっている。
連載終了後も柔王丸とともにフィギュア化されるなど、人気のあるプラレスラーだが、作画を担当した神矢によれば連載当時は人気もなく「間が持てないから出したようなキャラ」だとのことで、現在『3四郎』の話題になると桜姫の話題ばかりとなることに神矢自身驚いているという。続編「プラレスラーVAN」ではより軽量化したスピード仕様の市販モデル「S(スモール)フレーム」が登場した。
桜姫(プラリンピア仕様)
リキオー
リキオーII(ツー)
リキオー(プラリンピア仕様)
イカロスウイング
タコボーイ
タコ・ハイパワー
タコボーイ(プラリンピア仕様)
マッド・ハリケーン
外見的にも黒崎のプロモデラーとしての技量が存分に発揮されており、初登場でのウェザリングを施したその姿が醸し出す存在感・威圧感は仲間堂の常連達を大いに驚かせた。
新マッド・ハリケーン
新マッド・ハリケーン(プラリンピア仕様)
ミステリアスΣ(シグマ)
ブラッディーX(エックス)
なお、荒巻に言わせると、ブラッディーXとは柔王丸との決戦に用いた嵐が丘のディオラマ(プラスチック製パーツを溶かすシンナーの池や、シンナーの臭いを感知させないための換気口、落雷や地震を起こす装置なども備わっていた)まで含めた決戦用の部屋そのものであり、プラレスラーはその一部でしかないという。ただし、荒巻は柔王丸を敗北させる=直接破壊するのはプラレスラーでなければ外部にアピールする意味がないとも語っていた。
鬼弁慶(おにべんけい)
クレイジーホース
ブラッディーY、Z(ワイ、ゼット)
ザ・魔人(まじん)
ザ・魔人EX(エクストラ)
ザ・魔人(市販タイプ)
エル・ウラカン
エル・ウラカンII(ツー)
量産型エル・ウラカン
プロト・ウラカン
ウラカンF(ファイナル)
なお、歴代のウラカンシリーズ(プロト・ウラカンを除く)の中で、ウラカンF だけ名前の前に『エル(el)』という定冠詞がつかない。
ラ・ジョロナ
キング・ボヘミアン
アルバトロスQ
ラナウン・シー
エレクーダ
バイオノイドΣ(シグマ)・バイオノイドΛ(ラムダ)
キング・カニカン
カバノホマレ
スネークマジック
レッド・アロー
バトル・モンスター
バイオニクサー
モンスーン3号
モンスーン5号
モンスーン6号
スネゲイダー4号
ブラック・センチュリー
宇宙よりの使者
カール
邪神グール
魔神ゴール
巨神トロール
ジーグ・フリート
劇中用語解説
すべて架空の企業、団体、商品。
ナカマプラモ
大日本模型
プラレス・スクエア・ガーデン
五洋プラモ
ナウイ
ナガラ
プラリンピア
JPWA
WPWA
ガレージ・プラレス
賭博の対象とされる事も多くダーティなファイトがスタンダードだが、その反面「ルールを守っても十分強い者」もおり、表との差別化から使用する機体を「プラバトラー」と呼ぶ者もいる。
テレビアニメ版
東宝と旭通信社の共同製作により、1983年6月5日から1984年2月26日まで、TBSほかにて放送された。全37話。
アニメーション制作は、いのまたむつみを擁して黎明期のOVAで一時代を築いたカナメプロダクションが担当したが、同社がテレビアニメでメインのアニメーション制作としてクレジットされたのは、結果的に本作が最初で最後であった。
原作の様なプラレスラーの擬人化描写は無く、あくまでメカニックとして描かれている。原作連載中のアニメ化という理由もあり、桜姫が登場しない、今日子がプラレスラーとして試合に参加することはないなど、アニメオリジナル要素が多く盛り込まれている。その最たるものが、原作で描かれたマイコンだけでなく脳波によるプラレスラーの操作を可能にする新型集積回路「バイオチップ」の登場である。それを用いた技術は「脳波誘導」と称され、人体の不自由な部分を脳波で操作して健常な人と同様の日常生活を実現させることへの応用が可能であるが、軍用殺戮ロボット兵器への応用も可能であるため、バレステラが私腹を肥やそうと企むことにもつながっている。
スタッフ
- 原作 - 牛次郎、神矢みのる
- 企画 - 春日東
- チーフディレクター - 湯山邦彦
- シリーズ構成 - 藤川桂介
- キャラクターデザイン - いのまたむつみ
- メカニックデザイン - 小原渉平、豊増隆寛
- 美術監督 - 水野尾純一 → 勝又激
- 編集 - 掛須秀一
- 音響監督 - 松浦典良
- 音楽 - 槌田靖識
- プロデューサー - 大貫伊佐雄、片岡義朗
- 制作協力 - カナメプロダクション
- 製作 - 東宝株式会社、旭通信社
主題歌
オープニングテーマ「夢操作P.M.P.1」
エンディングテーマ「クラフト・ラブ」
なお、「P.M.P.」はプラモデル・マイコン・プロレスの略である。
放送リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1983年 6月5日 |
柔王丸・これがプラレスだ!! | 藤川桂介 | 藤原鉄太郎 | 石田昌久 | いのまたむつみ |
2 | 6月12日 | デスマッチ・黒崎VS3四郎!! | 落合正宗 | 影山楙倫 | ||
3 | 6月19日 | ザ・魔神 パワーアタック!! | 落合正宗 | 高井久 | ||
4 | 6月26日 | 受けてみろ 火の玉チャレンジ | 武上純希 | 小鹿英吉 | 影山楙倫 | |
5 | 7月3日 | あぶない!3四郎危機一髪!! | 寺田憲史 | 小熊公晴 | よしなが尚 | |
6 | 7月10日 | ついに出た!女子プラレスラー!! | 武上純希 | 石田昌久 | いのまたむつみ | |
7 | 7月17日 | 暗殺者鉄仮面!?死の子守唄!! | 藤川桂介 | 小鹿英吉 | 影山楙倫 | |
8 | 7月24日 | ライバルを倒せ!!成田VS3四郎!! | 石崎すすむ | 関田修 | 福島喜晴 | |
9 | 7月31日 | 復讐のマッドハリケーン!!立て柔王丸!! | 落合正宗 | 石田昌久 | 落合正宗 | |
10 | 8月7日 | 激突!!スケボーキッド ハワイからのチャレンジャー!! | 寺田憲史 | 衣里友孝 | 小熊公晴 | よしなが尚 |
11 | 8月14日 | 必殺のマタドール!怒れ柔王丸!! | 武上純希 | 金田伊功 | 湯山邦彦 | いのまたむつみ |
12 | 8月21日 | 殺しのスターダスト!狙われた柔王丸!! | 寺田憲史 | 小鹿英吉 | 影山楙倫 | |
13 | 8月28日 | プラレスウォーズ!チャンプをめざせ柔王丸!! | 藤川桂介 | 石田昌久 | 猪木寛倫 | |
14 | 9月4日 | 宿命のライバル!激闘柔王丸!! | 小熊公晴 | 福島喜晴 | ||
15 | 9月11日 | 強敵出現!カンフーVS柔王丸!! | 湯山邦彦 | 高井久 | ||
16 | 9月18日 | 決闘ジオラマシティー!柔王丸2対1!! | 武上純希 | 越智一裕 | ||
17 | 9月25日 | 華麗なるチャレンジャー!柔王丸獣の舞!! | 寺田憲史 | 堀兼一 | 小熊公晴 | よしなが尚 |
18 | 10月2日 | ハイウェイバトル!決死の柔王丸!! | 藤川桂介 | 衣里友孝 | 新田敏夫 | |
19 | 10月9日 | 新たなる夜明け!甦れ柔王丸!! | 石田昌久 | 高井久 | ||
20 | 10月16日 | ハート&マシーン!!柔王丸!遥かなる道! | 小熊公晴 | 福島喜晴 | ||
21 | 10月23日 | スペースシャトルの罠!宇宙に翔べ柔王丸!! | 武上純希 | 小鹿英吉 | 猪木寛倫 | |
22 | 10月30日 | 黒崎執念の挑戦!生き残れるか柔王丸!! | 藤川桂介 | 落合正宗 | 石田昌久 | 落合正宗 |
23 | 11月6日 | プラレス大戦争!アジアに輝け柔王丸!! | 寺田憲史 | 湯山邦彦 | 高井久 | |
24 | 11月13日 | 処刑の塔!柔王丸怒りをこめて戦え!! | 武上純希 | 堀兼一 | 小熊公晴 | 新田敏夫 |
25 | 11月27日 | アメリカから来たチャンプ!柔王丸明日への旅立ち!! | 寺田憲史 | 石田昌久 | 高井久 | |
26 | 12月4日 | 柔王丸!真昼のウエスタンファイト!! | 藤川桂介 | 遠藤克己 | 小熊公晴 | 福島喜晴 |
27 | 12月11日 | 柔王丸!明日に向かって走れ!! | 小鹿英吉 | 影山楙倫 | ||
28 | 12月18日 | 悪魔の夜!柔王丸,闇を裂け!! | 武上純希 | 湯山邦彦 | 平野俊弘 | |
29 | 12月25日 | 死のステージ!目覚めよ!柔王丸!! | 寺田憲史 | 堀兼一 | 小熊公晴 | 新田敏夫 |
30 | 1984年 1月8日 |
柔王丸!明日への誓い!! | 石田昌久 | 高井久 | ||
31 | 1月15日 | 柔王丸!燃えるプラレス魂!! | 武上純希 | 小鹿英吉 | 村中博美 | |
32 | 1月22日 | 頭上の敵機!跳べ柔王丸!! | 藤川桂介 | 小鹿英吉 | 小熊公晴 | 新田敏夫 |
33 | 1月29日 | これが脳波誘導だ!走れ柔王丸!! | 湯山邦彦 | 石田昌久 | 高井久 | |
34 | 2月5日 | 柔王丸!チャンプへの道!! | 沖倉純平 | 平木直太 | ||
35 | 2月12日 | 柔王丸!世界が変わる日だ!! | 落合正宗 | 石川康夫 | 落合正宗 | |
36 | 2月19日 | 柔王丸!プラレスよ永遠に!! | 湯山邦彦 | 石田昌久 | 藤岡正宣 | |
37 | 2月26日 | 柔王丸!希望の戦士!! | 湯山邦彦 | いのまたむつみ |
放送局
- TBS(キー局):日曜 17:00 - 17:30
- 北海道放送
- 青森テレビ 水曜 17:30 - 18:00
- 山形テレビ(1985年に放送):月曜 - 金曜 16:30 - 17:00
- 東北放送:日曜 17:00 - 17:30
- テレビユー福島(1983年12月25日から放送):日曜 17:00 - 17:30
- 新潟放送:水曜 17:30 - 18:00(1984年6月20日まで放送)
- 富山テレビ: 月曜 16:50 - 17:20(1983年7月4日から1984年4月9日まで放送)
- 信越放送:金曜 16:55 - 17:25
- 中部日本放送
- 毎日放送:土曜 17:30 - 18:00(先行放送)
- 山陽放送
- 中国放送
- RKB毎日放送:日曜 17:00 - 17:30
- 大分放送:月曜 17:20 - 17:50
- 南日本放送:火曜 16:00 - 16:30(本放送終了後の、1985年2月頃から放送)。
TBS 日曜17:00 - 17:30枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
プラレス3四郎
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補足
第30話で、色違いのザンボット3(日本サンライズ)、バルディオス(葦プロ&国際映画社)、ガイヤー(東京ムービー新社)、アクロバンチ(国際映画社)がプラレスラーとして登場するが、これは当時のアニメ作品で散見されたアニメーターの遊び心によるものである。
立体化
テレビアニメ版の本放送当時、その設定に準じたデザインで柔王丸をはじめとするプラレスラーが、バンダイによってプラキット化されている。本放送終了後にも立体化されており、マックスファクトリーからfigmaのコンセプトモデルとして柔王丸と桜姫が選出され、共に原作のタッグ選手権のものがモチーフとなっている。同社が浅井真紀にfigmaの基礎造形を依頼した際、その条件として提示したのがこのキャラクターの製品化であった。長らく発売が未定のままであったこの2体は、2009年2月に「figma発売1周年記念商品」として発売された。本作の主役級のプラレスラー3キャラのうち、リキオーのみfigma化のアナウンスは未だない。figmaのコンセプトワークに携わる浅井は、エル・ウラカンも発売予定であるとイベントでのトークなどで発言しているほか、(あくまで非公式にではあるが)自身のホームページの掲示板に書き込まれた要望を鑑み、第2回全日本選手権時の桜姫も製品化を検討したいとしている。
2010年には、原作版マッドハリケーンを大日本技研が再現したホビーロボットが限定発売されている。
ゲーム
本作自体のゲーム化ではないが、2013年にYahoo!モバゲーでサクセスが提供する女子プロレスをテーマとしたソーシャルゲーム『リング☆ドリーム 女子プロレス大戦』の期間限定イベント「強敵乱舞〜伝説の桜は冬に咲く〜」において、桜姫のコスチュームを着用した女子プロレスラーが登場。イラストは神矢の新規描き下ろしである。