ホワッツマイケル
以下はWikipediaより引用
要約
『What's Michael?』(ホワッツ マイケル?)は、小林まことによる日本の漫画。また、それを原作としたOVA、テレビアニメ、テレビドラマ。
『モーニング』(講談社)にて1984年から1989年にかけて連載され、単行本は8巻まで刊行された。この作品の連載時期は『柔道部物語』と重なっており、作者の多忙などから、特に連載末期には休載が多くなっていた。
2001年、同社の『イブニング』創刊号で『What's Michael? 9巻め』として連載を再開した。最初から短期連載を予告しており、2003年に9巻が出された。9巻については全話がオールカラーである。
概要
踊る猫・マイケルを主人公にした読切作品集。先に連載されていた『マンガの描き方』に登場するマイケルに人気が出たため、編集長の要請でマイケルの話を独立させたのが本作である。
第1話でいきなりマイケルがマンションの高層階から転落死するのは、もともと『マンガの描き方』の1エピソードのつもりで執筆されており全体的な設定が考慮されていなかったためである。
内容は大林家(アニメでは小林家)や今林家が飼うマイケルを描くものが多いが、同じ登場人物が別の設定で登場する短編ストーリーも多い。回ごとに設定がまったく異なっており、マイケルの飼い主も設定ごとに異なっている。
また、マイケルも常に飼い猫とは限らず、野良猫であったり、一切人間キャラクターが登場せず、マイケルら猫・犬が会社員だったり麻雀を打つ、野球をするなど擬人化されたストーリーも多い。『猫本』収録のインタビューによると、「マイケルを主人公にしたコントを週1本作っているようなもの。そのため、張り込みなどのコントの定番の設定が時々出てくる」とのこと。
猫の生態をギャグにしたことと、マイケルのキャラクター性が女性からの人気を呼び、小林にとっては『1・2の三四郎』に次ぐヒット作となった。マイケルはNECのCDプレーヤーやJTBの旅行券積み立て「たびたび」などのイメージキャラクターに起用され、テレビCMにも登場した。なお出版社が同じ講談社だからか本編に柔道部物語の三五十五と実家の寿司屋が出てくるエピソードがあり回によっては柔道までする。
なお、マイケルという名前は、当時プロモーションビデオ『スリラー』が流行していたマイケル・ジャクソンから取られた。
1986年(昭和61年)度、第10回講談社漫画賞一般部門受賞。
登場キャラクター
大林家
大林さん
たまみ
ポッポ
ラー
今林家
今林(コンバヤシ)
伸之助
今林家の飼い犬。主人からはあまり良い待遇を受けておらず、「いいもの」を貰うと、嬉しさのあまりもったいなく土の中に隠してしまうほど。食事はドッグフードではなく残飯である。何らかの事情により猫の子供と取り違えられてしまい、母猫からネグレクトされていたところを見かねた今林に引き取られた。自分を可愛がらない今林に強い愛情と忠誠心を抱く理由はその恩義によるものと思われる。性格はいたって真面目だが運も要領も悪いため、結果的に損な役回りになることが多い。アニメでも損な役回りは相変わらずで、原作にない理不尽なエピソードも追加されている。しかし両親よりは伸之助に構う今林家の長女・加奈子の追加や食事はドッグフードを与えられているなど原作よりは今林家での待遇が若干改善されている。
擬人化編でポッポとお見合いをしたストーリーもあったが、お互いの趣味や生活習慣が合わず、当然破談となった。
加世子とその一家
ヤクザ
The 逃亡者
その他
人間、妖怪
礼子の祖母
多頭飼いの女性
唇の厚い青年
北条 志乃
アリス
ロラキュラ伯爵
テロリストT
猫屋敷のお兄さん
猫たち
ニャジラ
大助
スー
設定
設定は作品の回ごとに全く異なっている。マイケルが飼い猫であるとは限らず、また妻子持ちでない場合も多い。以下、特に描かれることの多い設定を記す。
大林家編
サラリーマンの大林夫婦に飼われている設定。本作品世界で最も登場回数の多い設定。当初はマンション住まいの夫婦とマイケルの二人+一頭暮らしであったが、その後マイケルの妻としてポッポを購入し、子猫も多数生まれた。大林さん夫婦にもたまみという娘が誕生する。
マンション時代は完全な室内飼いだったマイケル一家も、大林さんのマイホーム購入後は頻繁に外に出るようになっている。基本的にマイケル一家の日常を描くもので、奇抜な設定は特にない。
アニメでは大林さん夫婦の設定が大きく変更されており、名前が小林に、職業が漫画家になっている。またマイホームは購入せずマンション住まいのまま。すぐ近所に伸之介が飼われている今林一家が住んでいる。
今林家編
中年の今林夫婦を中心とする家族に飼われている設定。マイケルの他に、伸之助という犬が飼われている。この設定では、マイケル以上に犬の伸之助にスポットが当てられ、その不遇を描くことが多い。伸之助なりに一生懸命飼い主に仕えているが、どうにも空回りして不運な結末(今林さんにこっぴどく怒られるなど)に陥る。反対にマイケルが猫流のきままな生活でうまく世渡りしていき、飼い主にも可愛がられるという猫と犬の性格や待遇の違いを演出していることが多い。
踊る猫を飼っているということで雑誌フライレーの取材を受けたこともある。
加世子の一家編
小学生兄妹と父母祖母の一家の設定。
他の飼い主一家に比べるとマイケルに対してドライであり、マイケル自身も騒動を起こしては叱られるといった場面が多い。隣家でニャジラが飼われている。加世子は年齢相応にいたずらが多く、マイケルに対して様々ないたずらを行い、マイケルが逃げるといったシチュエーションが見られる。
立花礼子編
都内マンションに住む若い独身OL礼子(後に私立探偵と結婚)とその飼い猫マイケルの物語。基本的にはマイケルとの二人(一人+一頭)暮らしであり、礼子は他の設定におけるマイケルの飼い主よりも溺愛しているため、雑誌(猫の手帖)にマイケルがいかに可愛いかを長くつづった手紙を投稿したり(結局は配達ミスで、礼子の後の夫になる探偵の元へ届いた)、マイケル可愛さゆえに家を出られなくなるといったシチュエーションが主。
ヤクザ編
猫恐怖症のヤクザMや、猫好きのヤクザKの物語。KとMは敵対する暴力団組織に属しているという設定は各話で共通しているものの、マイケルの飼い主については回ごとに異なる。Kのみが登場する場合と、KとM共に登場する場合はマイケルの飼い主はKであるが、Mのみが登場する場合はMの愛人がマイケルの飼い主であったりする。
内容は毎回、Kがマイペースなマイケルに翻弄されながらも溺愛している様子や、Mが猫に怯えて逃げ惑い様々な猫対策に追われる様子を描く。
擬人化編
人間が一切登場せず、猫や犬が人間のように生活している設定。ただし、統一された設定はなく毎回各キャラクターの職業やバックグラウンドは異なっている。
基本的にマイケルやポッポ、ニャジラや伸之助ら猫・犬たちは人間と同じように直立して二足歩行をし、服を着用して言葉を話し、人間のように生活している。麻雀で欲しい牌を見せられ、尻尾を振ることで待ちがバレてしまう伸之助や、会社の営業会議中に丸くなって居眠りする、野球では虫に注意を引かれじゃれついてしまい盗塁されるなど、行動パターンや性格などはほとんどの場合犬や猫そのままである。この擬人化編でも大林家同様にマイケルとポッポは夫婦及び恋人同士という設定になることもあった。
The 逃亡者
無実の罪で死刑判決を宣告され、脱獄した獣医・リチャード・キンブリとそれを執拗に追うジェラードリ警部の物語。逃亡先での猫のトラブルを獣医の知識で解決していく。
元ネタはテレビドラマ『逃亡者』。キャラクターもそれぞれ同ドラマのキンブリ=リチャード・キンブル、ジェラードリ=ジェラード警部となっている。
トラブル(大抵ずぼらな飼い主が猫をぞんざいに扱っている)に遭い、キンブリに助けてもらう猫は毎回マイケルであるが、飼い主はそれぞれ異なっており、キンブリ自身もその都度初めて出会ったかのような対応をするため、各マイケルたちは同一猫ではないように演出されている。1度だけ寿司屋に飼われたニャジラが登場する回があるが、この時はキンブリがニャジラに助けられる格好になっている。
アニメ
OVA
1985年11月25日に60分の第1巻が発売。1988年7月25日に50分の第2巻が発売された。第2巻は当初の発売予定年(1987年)から延期したことで後述するテレビアニメ版の放送中に発売される形となった。キティ・フィルムと講談社の共同製作。発売はキティエンタープライズ。VHS版・LD版がリリースされたが、現在は全巻廃盤となっている。
声優
- マイケル - 大竹宏
- 野沢雅子
- 飯塚昭三
- 鈴置洋孝
- 屋良有作
- 銀河万丈
- 田中秀幸
- 山田栄子
- キートン山田
- 塩沢兼人
- 福士秀樹
- 永井一郎
- 鵜飼るみ子
- 竹中直人(第2巻)
スタッフ
- エグゼクティブ・プロデューサー→製作 - 多賀英典、平賀純男
- プロデューサー - 井上明、鈴木良平、小林正典
- 監督 - 長尾粛(第1巻)、古川順康(第2巻)
- 作画監督・キャラクターデザイン - 的場敦(第1巻)、島崎克実(第2巻)
- 音楽 - ライオン・メリー、小林まこと、森川欣信
- 音響監督 - 松浦典良
- アニメーション制作 - キティ・フィルム
- 製作 - キティ・エンタープライズ、講談社
テレビアニメ
1988年4月15日から1989年3月28日までテレビ東京系にて放映された。講談社製作。全45話。事実上の製作元であるディック→K.K.C&Dは日本国内向け作品で初めて表記が行われ、1996年まで海外アニメと日本国内向け作品を同時に手掛ける経営方針へと移行するきっかけとなった。
声優
- マイケル - 富山敬
- 小林さん - 梅津秀行
- おくさん - 鷹森淑乃
- ポッポ - 川村万梨阿
- ニャジラ - 松井摩味
- 伸之助 - 増岡弘
- 加世子 - 山瀬まみ→南杏子
- 志乃 - 玉川紗己子
- チャル - 島香裕
- 加世子の祖父etc - 水鳥鉄夫
- 磯野etc - 大滝進矢
- ポッポ飼い主のヤクザetc - 沢木郁也
- 加世子の祖母etc - 滝沢久美子
- 朝丘山雪路子 - 南杏子
- 漫画家志望の少年 - 小粥よう子(第44話ゲストのみ)ほか
スタッフ
- 企画:平賀純男、内田勝
- 音楽:馬飼野康二、加藤みちあき
- アニメーションキャラクターデザイン:椛島義夫
- 文芸:飯岡順一
- 脚本:中村修、桜井正明、岸間信明、島崎真弓、田中浩司、杉原恵、金春智子、浦沢義雄、中弘子、渡辺麻実、麻尾るみこ、川崎裕之、翁妙子、萩田寛子、久島一仁、隅沢克之、あかほりさとる、影山由美、松井亜弥、桶谷顕、平柳益実 ほか
- 絵コンテ・演出:高須賀勝己、矢沢則夫、岡嶋国敏、後藤峯夫、広嶋秀樹、原征太郎、野田拓実、古川政美、日巻裕二、岡田聡、奥田誠治、金子伸吾、石踊宏、仙波隆網 ほか
- 作画監督:椛島義夫、大宅幸男、山田きさらか、大武正枝、青鉢芳信、船塚純子、松本勝次 ほか
- 美術監督:金村勝義、砂川千里、内田好之
- 音響監督:山崎宏
- 編集:井上和夫
- プロデューサー:江津兵太、池田朋之(テレビ東京)、鈴木良平(講談社)
- チーフディレクター:樋口雅一
- アニメーション制作:スタジオ古留美、アニメフレンド、きのプロ、スタジオジュニオ、スタジオエニィワン、スタジオ童夢、シャフト、ランダム、ACプロダクション
- 製作協力:ディック→K.K.C&D
- 製作:テレビ東京、講談社
主題歌
オープニングテーマ
「マイケル音頭」(前期)
「マイケルNo.1!」(後期)
エンディングテーマ
「星空のエトランゼ」(前期)
「失恋ブギ」(後期)
各話リスト
ネット局
放送系列は放送当時のもの。出典は同時ネットとびわ湖放送、奈良テレビは1988年5月中旬 - 6月上旬時点のものとする。
放送地域 | 放送局 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | テレビ東京 | 金曜 19:00 - 19:30(1話-21話) 火曜 19:30 - 20:00(22話-45話) |
テレビ東京系列 | 制作局 |
大阪府 | テレビ大阪 | 同時ネット | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 金曜19:00-19:30(1話-21話)
土曜19:00-19:30(22話-45話) |
同時ネット→遅れネット | |
岡山県・香川県 | テレビせとうち | 不明 | 遅れネット | |
福岡県 | TXN九州 | 現・TVQ九州放送 開局後に全話放送 | ||
富山県 | 富山テレビ | 水曜 16:25 - 16:55 | フジテレビ系列 | 1989年2月15日から1990年2月7日まで遅れネット |
石川県 | 石川テレビ | 火曜 16:10 - 16:36 | 1988年4月26日から1989年4月18日まで遅れネット | |
山梨県 | テレビ山梨 | 不明 | TBS系列 | 遅れネット |
滋賀県 | びわ湖放送 | 金曜 19:00 - 19:30 | 独立局 | |
奈良県 | 奈良テレビ | 木曜 18:30 - 19:00 | 遅れネット 1988年5月26日放送開始 | |
和歌山県 | テレビ和歌山 | 不明 | 遅れネット | |
広島県 | テレビ新広島 | 金曜 0:30 - (木曜深夜) | フジテレビ系列 | |
長崎県 | テレビ長崎 | 木曜 16:30 - 17:00 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
本放送終了後の1991年に遅れネット |
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | 不明 | 遅れネット |
土曜19:00-19:30(22話-45話)
備考
- 中国、深圳電視台で吹き替え版も放送された。アニメのタイトルは、「俏皮猫(かわいい猫)」。他の呼び名に、「俏皮猫麦克(かわいい猫マイケル)」「猫怪麦克(奇妙な(不思議な)猫マイケル)」などがある。
- キー局のテレビ東京では前期の半年間は金曜19時台前半で放送されていたが、本作の枠移動後、テレ東の金曜19時台前半におけるアニメのレギュラー放送は、2020年10月9日に『ポケットモンスター』(枠は18:55 - 19:25)が日曜18時台から移動するまで32年間なかった。
- 映像ソフト化としては、VHS版・LD版がリリースされたが、現在は全巻廃盤となっている。
テレビドラマ
フジテレビの月曜ドラマランドの枠で2度ドラマ化された。1度目は1986年11月24日放映、吉沢秋絵主演。2度目は1987年7月27日放映で小比類巻かほるが主演だった。マイケルやニャジラはパペットが製作され撮影に使われた。声は中村ゆうじ(現・中村有志)が当てた。
なお、ドラマ版に出演した原田芳雄は、当時NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』において、最上義光役で出演しており、これに合わせたのかマイケルがバレーの試合中、原田がサーブしたボールが片目に当たり、眼帯をつけて伊達政宗をイメージしたような登場シーンが一度あった。その際、大河ドラマのテーマが流れ、ポッポが「愛姫」とマイケルから呼ばれるなど、大河ドラマにリンクした試みも存在。
キャスト
第1作
- 吉沢秋絵
- 森下愛子
- 黒沢年男(現・黒沢年雄)
- マイケルの声 - 中村ゆうじ(現・中村有志)
- 大竹まこと
- 斉木しげる
- きたろう
- 岡本麗
- 石井光三
- 斉藤晴彦
- 中島唱子
スタッフ
- 演出:佐藤健光
- 脚本:安斎あゆ子、鈴木哲
- 企画:久保田榮一
- プロデューサー:中曽根真弓、石川泰平
- 演出補:小池唯一、雑賀俊郎、金子与志一、片山修
- 音楽:伊豆一彦
- 技術:東通
- 制作:フジテレビ、泉放送制作
キャラクターグッズ
連載当時、サンアロー社のぬいぐるみをはじめとする各種キャラクターグッズが販売された。鼻の周りが白く原作やアニメのデザインとは若干異なる。
ぬいぐるみはドラマ『パパはニュースキャスター』にも登場した。
関連商品
VHS・LD
CD
ゲーム
マイケルEnglish大冒険 マイケルの単語帳(初級編)(ファミリーコンピュータ ディスクシステム)
ホワッツマイケル?(WHAT'S MICHAEL)
オープニングデモのBGMとして「WHAT'SMICHEL NO.1」が使われるなど、テレビのBGMをそのまま使用した。
ゲームアプリ
註
関連カテゴリ
- 小林まことの漫画作品
- 漫画作品 ほ
- 1984年の漫画
- モーニングの漫画作品
- イブニング
- ネコを主人公とした漫画作品
- 講談社漫画賞一般部門・総合部門の受賞作品
- アニメ作品 ほ
- 1985年のOVA
- 1988年のテレビアニメ
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