ホーンブロワーシリーズ
ジャンル:海洋冒険,
以下はWikipediaより引用
要約
『ホーンブロワーシリーズ』は、セシル・スコット・フォレスター(1899年 - 1966年)の、ホレイショ・ホーンブロワーを主人公とした海洋冒険小説シリーズの総称。
概要
18世紀末から19世紀前半を舞台に、1794年1月に17歳で士官候補生として英国海軍に入ったホーンブロワーが、平民出身というハンディキャップを克服して、バス勲爵士・海軍元帥・男爵に上り詰めるまでの一代記である。
単なる軍事・冒険小説として高い水準を有するに留まらず、上層部に対する部下、乗組員に対する上司としての苦悩、様々な劣等感に悩む姿など、英雄としてだけでなく人間としてのホーンブロワーが綿密に描かれており、その評価は非常に高い。そのため、以後の海洋冒険小説に与えた影響も大きく、「第2のホーンブロワー」「未来のホーンブロワー」など、ホーンブロワー以後の小説の形容に用いられることもある。また、以後の海洋冒険小説のシリーズ中で重要な登場人物として、あるいはワンシーンだけの登場人物として、ホーンブロワーが登場する例も確認されている。
日本ではハヤカワ文庫より「海の男/ホーンブロワーシリーズ」として出版されている。1951年に『艦長ホレーショ』として映画化され、また1998年からはイギリスにて長編TVドラマ『ホーンブロワー 海の勇者』シリーズ(ヨアン・グリフィズ主演)が制作された。
作品一覧
本編
ハヤカワ文庫の日本語版(高橋泰邦・菊池光訳)は、『海の男/ホーンブロワー』シリーズとして物語の時系列順に刊行された。絶筆となった『ナポレオンの密書』を除く全10巻が刊行された後、長く絶版となっていたが、TVドラマシリーズの好評を受けて2003年(平成15年)に重版された。さらに翌年の2004年(平成16年)には10巻全てが改版され、「新装版」に切り替わった。新装版では、字が大きく鮮明になり、2人の訳者の間で訳語が統一され、用語集・艦船図解・新しいあとがき等が加えられるなどの改善がなされた。旧版と新装版は、表カバーのデザインで識別できる。
新装版になっても、奥付には「改版」のことは記載されていない。2004年より前の旧版では、各巻の表紙絵(一部の巻を除く)を描いた山野辺進によるペン画の挿絵があったが、新装版では全てカットされている。
フォレスターの死により未完に終わった長編『ナポレオンの密書』のみ、1984年(昭和59年)に光人社より刊行されたが、長く絶版であった。『ナポレオンの密書』は、2007年(平成19年)にハヤカワ文庫のホーンブロワーシリーズ別巻として再刊された。その際に、長く絶版となっており、2003年から2004年にも重版の対象外だった『ホーンブロワーの誕生』(ハヤカワ文庫、1978年)との合本となった。
光人社版の『ナポレオンの密書』とハヤカワ文庫版の『ナポレオンの密書』は、書名が同一でも内容が大きく異なるので、古書で入手する際には注意を要する。
タイトル | 原題 | 原書刊行年 | 日本語訳刊行年 (ハヤカワ文庫) |
---|---|---|---|
海軍士官候補生』 | 『Mr. Midshipman Hornblower | 1948年-50年 | 1973年 | 2月
スペイン要塞を撃滅せよ』 | 『Lieutenant Hornblower | 1952年 | 1973年12月 |
砲艦ホットスパー』 | 『Hornblower and the Hotspur | 1962年 | 1974年 | 1月
トルコ沖の砲煙』 | 『Hornblower and the Atropos | 1953年 | 1974年 | 6月
パナマの死闘』 | 『The Happy Return | 1937年 | 1974年11月 |
燃える戦列艦』 | 『A Ship of the Line | 1938年 | 1975年 | 1月
勇者の帰還』 | 『Flying Colours | 1938年 | 1975年 | 8月
決戦!バルト海』 | 『Commodore Hornblower | 1945年 | 1976年10月 |
セーヌ湾の反乱』 | 『Lord Hornblower | 1946年 | 1977年 | 4月
海軍提督ホーンブロワー』 | 『Admiral Hornblower in the West Indies | 1958年 | 1978年 | 5月
ナポレオンの密書』 ※絶筆 | 『Hornblower and the Crisis | 1967年 | 2007年 | 3月
関連書
- 『ホーンブロワーの誕生』ハヤカワ文庫、1978年、高橋泰邦訳 (絶版)
短編『マックール未亡人の秘密』(これのみ、菊池光訳) Hornblower and the Widow McCol
短編『最後の遭遇戦』 The Last Encounter
ホーンブロワーシリーズの解説『ホーンブロワーの誕生』 Some Personal Notes
短編『マックール未亡人の秘密』(これのみ、菊池光訳) Hornblower and the Widow McCol
短編『最後の遭遇戦』 The Last Encounter
ホーンブロワーシリーズの解説『ホーンブロワーの誕生』 Some Personal Notes
の3作品を収録。本書の内容は『ナポレオンの密書』(ハヤカワ文庫、2007年) に包含されている。
- 『ホレーショ・ホーンブロワーの生涯とその時代』至誠堂新書、1974年、出光宏訳 (絶版)
Life and Times of Horatio Hornblower
歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソン(英語版)による、ホーンブロワーの伝記。
- 『南溟の砲煙』光人社 1983(のち、光人社NF文庫)シリーズ訳者の高橋泰邦による、ホーンブロワー率いる英国艦隊がアジアに遠征したという設定で展開する二次創作小説。
- 『南溟に吼える』光人社 1986 上記の続編。
主な登場人物
ウィリアム・ブッシュ
ロバート・キーン
エドワード・ペルー (実在人物)
ウィリアム・コーンウォリス(実在人物)
マリア(マリア・エレン)
レディ・バーバラ・ウェルズリー
ホレイショ・ネルソン(実在人物。ホーンブロワーシリーズに直接には登場しない)
グラセー伯爵ルシアン・アントワーヌ・ド・ラドン
ナポレオン・ボナパルト(実在人物)
本作を題材とした作品
映画
- 艦長ホレーショ - 1951年アメリカ、ラオール・ウォルシュ監督
ホーンブロワー役:グレゴリー・ペック、レディ・バーバラ役:ヴァージニア・メイヨ
TV
- ホーンブロワー 海の勇者 - 1998年〜2003年イギリス
ホーンブロワー役:ヨアン・グリフィズ
影響を受けた作品
- テレビドラマシリーズ『スタートレック』はSF版のホーンブロワーシリーズとしてテレビ局に売り込まれた。
- デイヴィッド・ファインタックによるSF『銀河の荒鷲シーフォート』シリーズ。
- デヴィッド・ウェーバーによるSF『オナー・ハリントン・シリーズ』シリーズ。