小説

ポンコツシリーズ




以下はWikipediaより引用

要約

『ポンコツシリーズ』は、石川英輔によるジュニア向けSF小説の三部作。

1977年から1979年にかけて、鶴書房より刊行された。その後、朝日ソノラマ・評論社・講談社と、三度にわたって再出版されている。ただし三度目に講談社から再刊行された時は、第一作「ポンコツタイムマシン騒動記」しか出版されなかった。

東京の下町に住むマッドサイエンティスト「先生」が、その発明(ガラクタで作ったので、見た目はまったくのポンコツ)で引き起こす騒動を、毎回それに巻き込まれる中学生「三郎」の目を通して描いている。

あらすじ

ポンコツタイムマシン騒動記
とある日曜日。東京の下町にあるラーメン屋の息子、三郎は、近所の通称「電気お化け屋敷」へ出前に行った時、半ば無理矢理、そこの主人である「先生」の作ったポンコツタイムマシンに乗せられてしまう。先生の発明なんてまるで信じていなかった(それ以前に、タイムマシンがどういう物かさえ理解していなかった)三郎だが、それは確かに本物のタイムマシンだった。ところがこのタイムマシン、時間を移動するだけでなくパラレルワールドの間をも行き来出来るという、とんでもない代物だった。そのせいで先生と三郎、先生の娘である「トキ子」の三人は、元の世界によく似たいくつものパラレルワールドをさまよう羽目になる。

ポンコツロボット太平記
前作から一年あまり、三郎の家であるラーメン屋「楽珍軒」は、ピンチに陥っていた。唯一の店員が実家の事情で一時帰省してしまい、出前の人手が足りずに三郎も両親もへとへとになってしまったのだ。「電気お化け屋敷」で、三郎がそのことについ愚痴をこぼすと、先生とその助手「運平」が、あることを言い出す。自分たちの作ったロボット「太平」が、楽珍軒の出前に使えないかと言うのだ。ところがこの太平、性能は良いのだが外見はスクラップ同然。出前はちゃんとやるのだが口も態度も悪く、いくつも珍事件を起こすことになる。
1978年、NHKの「少年ドラマシリーズ」で映像化された。ただし太平のデザインは、小説の挿し絵とはまったく異なっている。

ポンコツUFO同乗記
中学最後の夏休み、間も無く旧盆という時期。三郎の住む町内の人々も次々に東京を離れ、楽珍軒もひまになり数日間休業することになった。その前日、出前で「電気お化け屋敷」に行った三郎は、先生たちから「キャンプに行かないか」と誘われる。田舎も無く行けるような親戚もいない三郎は喜んで承知するが、その行き先とは地球上ではなかった。その夜、ロボットの太平をも加え、先生と運平の作ったポンコツ宇宙船(UFO形)で地球を飛び立つ一行。惑星間どころか恒星間空間をも飛び越え、地球とはまるで違う星を三つ訪問。異星人とのファーストコンタクトまで果たすことになる。

登場人物

三郎

全編を通じての主人公兼語り手。東京の下町にあるラーメン屋「楽珍軒」の一人息子。中学生だが極度の勉強嫌いで、成績も当然それ相応。知的好奇心が無いらしくひどい無知無学で、周囲をよく呆れさせる。しかし怠け者ではなく、家業の手伝いは熱心にやっている。将来は大学どころか高校にも行くつもりが無く、中学を卒業したら別のラーメン屋で修行を積んだ後、家業を継ぐ予定。勉強するのが嫌だからラーメン屋になるのではなく、ラーメン屋になりたいから不必要な勉強はしないという、いわば積極的に劣等生になっている少年である。だから成績が悪くてもまったく気にしない。「先生」の発明が起こす騒動によく巻き込まれるが、どこかそれを楽しんでいるような節もある。

先生

楽珍軒の近所にある、通称「電気お化け屋敷」に住む老マッドサイエンティスト。本名は太造。推定年齢60代。元は理科の教師をしていたため、今でも「先生」と呼ばれる。本業は廃物を修理して売ることで、自宅はひろったり引き取ってきた廃物であふれかえっている。しかし何でも新品同様に修理してしまうため、その腕だけは天才的と言われている。マッドサイエンティストにありがちな、いい加減で無責任な性格で、自分の発明でよく騒動を起こす。

トキ子

先生の一人娘。ただし30代の出戻り。「電気お化け屋敷」の住人では一番頼りになる。先生も助手の運平も、トキ子には頭が上がらない。

時山 運平

「ポンコツタイムマシン騒動記」の途中から「電気お化け屋敷」に加わった、先生の助手。20代前半で、性格は先生よりずっとまとも。少年時代からのSFファンでメカに強く、壊れた機械の修理が好きで、その腕は良い。

太平

先生と運平が、スクラップから作り上げた作業用ロボット。ロボットと言っても人型ではなく、外見は四角柱に作業用のアームと歩くための足(イラストでは4面に3本ずつの12本)を取り付け、前後左右にテレビカメラとマイクとスピーカーを組み込んだようなもの。材料が材料なので見た目はガラクタにしか見えない。先生と運平によって出前用に楽珍軒に貸し出される。出前だけでなく、塾で数学の教師を務めたり(しかも優秀)、法律談義で警察官をやり込めたり、「ポンコツUFO同乗記」では異星人の言葉を翻訳するなど、見かけからは信じられないほどの高性能。しかし口と態度が悪く、たまにトラブルを起こす。仕事はちゃんとやるし、勝手な行動をすることも無いのだが……。