マタギ (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『マタギ』は、矢口高雄による日本の漫画作品。『漫画アクション』(双葉社)において1975年から1976年にかけて連載された。コミックスは全3巻が双葉社から刊行されている。2017年にはヤマケイ文庫(山と渓谷社)全1巻が刊行された。1976年日本漫画家協会賞大賞受賞作。本作は「自然の美しさ、厳しさを描いた」矢口の作品として挙げられる漫画である。
あらすじ
野いちご落し
山が不作の年、熊は冬眠に必要な脂肪を蓄えられなくて人里に降りてくる。臨月が近い峰夫の妻が家の前の畑で熊と遭遇し、殺害される。妻の悲鳴に駆けつけた峰夫に気づき、熊は逃げ出す。ハンターが集められ山狩りをするが、成果はなく、次の被害者が出る。常会長は阿仁のマタギに依頼し、三四郎が村にやってくる。三四郎の見立てはワタリイタズである。山々を渡り歩く熊で、行動が予測できないため、時間がかかると三四郎は告げる。
初雪が山野を白一色に染め、三四郎は行動を起こす。雪には足跡が残り、白い大地では熊は簡単に見分けられる。熊の習性から三四郎はヒメコ松の林にいると判断する。三四郎は愛用の村田銃を構え、ひたすら熊が急所を向けるのを待つ。突然、峰夫が飛び出し、あわやというところで峰夫の背後の銃が熊の頭部を撃ち抜く。三四郎は野いちご落としの本当の意味を村人に伝え、阿仁の里に戻る。
怜悧の果て
オコゼの祈り
勢子の源五郎
アマッポ
行者返し
三四郎はボスに連れられて深い谷に入り、そこでスネを埋葬する。女性の声に従い、シロビレを置いてついていくと、洞窟状の温泉場となり、女性ばかりの小玉流マタギと対面する。小玉流シカリは「生命輪廻之書」の序論を説明し、マタギは自然の恵みに対して何かを還元しているかと問い、小玉流マタギは鳥獣の保護、増殖を図ることを目的としていると話す。三四郎は裏の湯治湯で獣たちが一緒に湯に入っているところを見る。小玉流マタギが保護し増やしてきた鳥獣を撃いてきたことに大きなショックを受けた三四郎に、シカリはシロビレを捨てるよう説得する。吹雪鬼が死んだスネを抱えて報告に来る。シカリはニホンオオカミだけはままならないと話す。
寒立ち
樹氷
最後の鷹匠
登場人物
反響
1990年に愛蔵版が発売されて以来、本作は長らく絶版であった。2017年10月16日に山と渓谷社より文庫版が復刻され、同年12月15日までに5刷となり、その時点で計1万7000部の発行という異例の重版となった。同月に本の雑誌社より刊行された『おすすめ文庫王国2018』では、「本の雑誌が選ぶ2017年度文庫ベスト10」の第3位に本作が選出され、40年ぶりの再評価となった。
書誌情報
- 矢口高雄『マタギ』双葉社〈アクションコミックス〉、全3巻 - ISBNはない。
- 1975年2月20日初版発行
- 1976年3月10日初版発行
- 1976年9月10日初版発行
- 矢口高雄『愛蔵版 マタギ』中央公論社、全1巻
- 1990年2月5日発行、ISBN 4120018857
- 矢口高雄『マタギ』山と渓谷社〈ヤマケイ文庫〉、全1巻
- 2017年10月発行、ISBN 978-4-635-04841-5
- 1990年2月5日発行、ISBN 4120018857
- 2017年10月発行、ISBN 978-4-635-04841-5