ミストボーン
以下はWikipediaより引用
要約
『ミストボーン』 (Mistborn) は、ブランドン・サンダースン著のファンタジー小説。
3部作であり、アメリカで2006年から約1年ごとにTor Booksより刊行された。全3部を併せてミストボーン・トリロジーとも呼ばれる。日本では第1部『Mistborn: The Final Empire』が3分冊され、2009年5月から早川書房(ハヤカワ文庫FT)より隔月刊行された。
著者によれば、「悪が勝利したらどうなるのか」という発想から成り立ったという。
あらすじ
赤い太陽の下、七つの火山から灰が降り注ぎ、夜になると霧に覆われる〈終の帝国〉は、支配王が千年に渡って統治していた。支配王が即位する以前のことはほとんど伝えられておらず、いまや茶色の葉を茂らせている植物が、かつては緑色であったことや、花を咲かせていたことなどは忘れ去られている。貴族に虐げられ続けてきた奴隷階級の民〈スカー〉の大多数は貴族を恐れるばかりで、もはや反抗する気力もない。
スカーの盗賊団で暮らす少女ヴィンは、自ら"幸運"と名づけた不思議な力で人の心を落ち着かせることができた。その力を密かに使いながらも目立たないよう生きてきたが、貴族への寝返りを首領から疑われ、暴力的な制裁を受ける。そこへ現れた伝説的な盗賊・ケルシャーがヴィンを助け、彼女が持つ"幸運"とは〈合金術〉の一種であり、ヴィンは貴族を含めたすべての合金使いの中でも稀少な存在〈霧の落とし子〉であることを教えた。
幾人もの合金使いを仲間に持つケルシャーは、不死の支配王を殺害し、スカーを貴族たちから解放するという、〈終の帝国〉の転覆を企んでいた。当初仲間たちからさえ荒唐無稽に思われたこの計画は、ケルシャーが独自に進めていた下準備に則り、慎重に進められていくことになる。ケルシャーの盗賊団に招かれたヴィンは、彼らから合金使いとしての訓練を受けるかたわら、身分を貴族と偽って社交界に潜り込み、その動向を探ることになった。
登場人物
ヴィン
ケルシャー
セイズド
用語
合金術
本来は貴族が持つ能力だが遺伝性があるため、スカーであっても、その先祖に貴族の血が混ざっている場合は能力が発現する可能性がある。貴族がスカーとの間に子を成すことは支配王に禁じられており、スカーと性交渉を持った貴族は相手のスカーを殺害するが、これを生き延びた者がいるためスカーの合金使いも存在している。また、高貴な血筋の者ほど発現する確率が高いとされ、これは貴族の血を引くスカーの場合も同様である。
貴族が抱える兵士の中には、非金属製の装備のみを持ち、合金使いと戦うための訓練を受けた〈霧殺し〉がいる。
霧の使い
霧の落とし子
ハッシンの穴蔵
合金術用の金属と作用
第一部の開始時点で、基本の金属として八種類、高貴なる金属として金とアティウムの二種類、計十種類が知られている(後に種類は増える)。基本の八種類は肉体または精神に作用し、それ以外の金属は特殊な働きを持つ。純金属とその合金で対になっており、自分に作用する「内向き」と自分以外に作用する「外向き」の二通り、その対象から外部に向けて作用する「押し」と外部から対象に向けて作用する「引き」の二通りがそれぞれ組み合わせになっている。
肉体の金属
鉄(外向き、引き)
鋼(外向き、押し)
錫(内向き、引き)
白鑞(内向き、押し)
精神の金属
銅(内向き、引き)
青銅(内向き、押し)
真鍮(外向き、押し)
亜鉛(外向き、引き)
その他の金属
金
アティウム
神々
<破壊>神
<保存>神
書籍情報
- 『ミストボーン―霧の落とし子―』 (Mistborn: The Final Empire, 2006)
- 『(1)灰色の帝国 』2009年5月15日発行、ISBN 978-4-15-020495-2
- 『(2)赤き血の太陽』 2009年7月25日発行、ISBN 978-4-15-020499-0
- 『(3)白き海の踊り手』 2009年9月25日発行、ISBN 978-4-15-020502-7
- 『ミストスピリット―霧のうつし身―』 (Mistborn: The Well of Ascension, 2007)
- 『(1) 遺されし力』 2010年2月15日発行、ISBN 978-4-15-020509-6
- 『(2) 試されし王』 2010年4月5日発行、ISBN 978-4-15-020512-6
- 『(3) 秘められし言葉』 2010年6月10日発行、ISBN 978-4-15-020515-7
- 『ミストクローク ―霧の羽衣―』(Mistborn: The Hero of Ages, 2008)
- 『(1) 新たな救い手』 2010年9月30日発行、ISBN 978-4-15-020521-8
- 『(2) 古からの声』 2010年11月24日発行、ISBN 978-4-15-020524-9
- 『(3) 永遠の大地』 2011年1月25日発行、ISBN 978-4-15-020527-0
- 『(1)灰色の帝国 』2009年5月15日発行、ISBN 978-4-15-020495-2
- 『(2)赤き血の太陽』 2009年7月25日発行、ISBN 978-4-15-020499-0
- 『(3)白き海の踊り手』 2009年9月25日発行、ISBN 978-4-15-020502-7
- 『(1) 遺されし力』 2010年2月15日発行、ISBN 978-4-15-020509-6
- 『(2) 試されし王』 2010年4月5日発行、ISBN 978-4-15-020512-6
- 『(3) 秘められし言葉』 2010年6月10日発行、ISBN 978-4-15-020515-7
- 『(1) 新たな救い手』 2010年9月30日発行、ISBN 978-4-15-020521-8
- 『(2) 古からの声』 2010年11月24日発行、ISBN 978-4-15-020524-9
- 『(3) 永遠の大地』 2011年1月25日発行、ISBN 978-4-15-020527-0
その他
著者の公式サイト内に第一部と第二部の、それぞれ第三章までがサンプルとして掲載されている他、各章ごとの解説も書かれている。第一部については、出版前の推敲段階バージョンも掲載されている(実際に刊行された版はバージョン4に相当する)。