小説

ミーナの行進




以下はWikipediaより引用

要約

『ミーナの行進』(ミーナのこうしん)は、日本の小説家小川洋子による小説である。

『読売新聞』2005年2月12日から同年12月24日にかけて、毎週土曜日に計46回にわたって連載された。本作は、著者の小川にとって初めての新聞連載小説である。

単行本は、2006年4月に中央公論新社より刊行された。単行本の装幀および挿画は、寺田順三による。同年、第42回谷崎潤一郎賞を受賞している。2007年、第4回本屋大賞で7位に入賞している。文庫版は、2009年6月25日に中公文庫より刊行された。

著者の小川は、連載終了後、「単なる語り手のはずだった従姉の朋子は、驚くべき成長を遂げたし、ミーナ自身も、私がつけていた見当よりもずっと遠くまで行進していった」と述べている。

あらすじ

朋子は、12歳のとき、1972年の春に、阪急電鉄の芦屋川駅の北西、芦屋川の支流である高座川沿いの山の手に建つ伯父の屋敷を訪れ、それからおよそ1年間、そこで過ごした。屋敷は、伯父の父親が、ラジウム入りの清涼飲料水「フレッシー」の販売で成功を収めたことによって建てられたもので、1500坪の敷地面積を有するスパニッシュ様式の洋館であった。朋子の1つ年下の従妹であり、ドイツ人の血が流れているミーナは、喘息を患っていた。屋敷では、ポチ子と名付けられたコビトカバがペットとして飼われていた。

主な登場人物

朋子

語り手。
伯父

飲料水会社の社長。
ミーナ

本名は美奈子。朋子の1つ年下の従妹。ドイツ人の血が流れている。
ローザ

伯父の母。

書評

小説家の井上ひさしは、「正確な読みに徹した読者なら、これが小説による小説潰しの反小説であり、物語による物語の関節外しの実験であり、それでいて、よくできた小説でもあると思い中(あた)って溜息をつくにちがいない」と評価している。

本の雑誌社によるサイト「WEB本の雑誌」には、「この本には、ちいさくていとしいものが、ぎゅっとつまっている。なんでもない一瞬のうつくしさが、やわらかな言葉できりとられて、ひたひたと心にしみこんでいくようだ」「たくさんの幸せとその裏に見え隠れする切ないエピソードがたっぷり詰まった、家族の〈欠けることのない〉物語」とする書評が掲載されている。

参考文献
  • 小川洋子『ミーナの行進』中央公論新社、2006年4月。ISBN 978-4-12-003721-4。