ヨセフとその兄弟
以下はWikipediaより引用
要約
『ヨセフとその兄弟』(よせふとそのきょうだい、独:Joseph und seine Brüder)は、トーマス・マンの後期作品で、旧約聖書のヨセフの物語を『ヤコブ物語』(1933年)『若いヨセフ』(1934年)『エジプトのヨセフ』(1936年)『養う人ヨセフ』(1943年)の4部構成に仕立てた大長編である。
作品の成立
ナチス政権下のドイツから亡命をはさみ、18年にわたって書き継がれた。ヨセフとその父ヤコブの関係を軸に、フロイト心理学を援用しながら人類の和解とヒューマニズムの主題を扱っており、背景にはナチスの思想、特にローゼンベルクの『二十世紀の神話』に抗する意図があった。
着想は1923年までさかのぼり、この年の冬に知り合いの画家ヘルマン・エーバースから、ヨセフを題材にした画集に短文をつけるよう依頼されたことがそのきっかけであった。依頼された晩、すでに幼い頃から親しんでいたヨセフの物語を読んで心を動かされるとともに、ゲーテの自伝小説『詩と真実』の一節でこの物語に触れ、あまりに短すぎるが、だからこそ細部を補うという誘惑に駆られる、といったことを書いていたのを思い出した。
1925年3月にはエジプト・地中海旅行も行い、神話学、古代史、宗教史の資料を読み込み綿密な下準備をしたうえで1926年12月に執筆が開始された。1933年3月にはナチスに押収されたミュンヘンの自宅から、娘エーリカが『ヨセフ』の原稿を命がけで救い出している。第四部執筆開始までの中断期には『ワイマルのロッテ』(1939年)を書き上げており、最後の第四部はマンのアメリカ亡命の間、スウェーデンに亡命していたフィッシャー社から刊行された。
日本語訳
- 『ヨセフとその兄弟』望月市恵・小塩節訳(全3巻、筑摩書房、1985-1988年)
- 『ヨゼフとその兄弟たち トーマス・マン全集 4・5』(新潮社、1972年)。高橋義孝・佐藤晃一・菊盛英夫訳
参考文献
- トーマス・マン 著、高橋義孝 訳『トニオ・クレーゲル・ヴェニスに死す』(改)新潮文庫、1995年12月。ISBN 978-4102022016。 初版1967年、再改版2012年
- 小塩節 『トーマス・マンとドイツの時代』 中公新書、1992年、158-176頁
- 村田経和 『トーマス・マン』 清水書院〈人と思想〉、1991年、139-143頁。新版2015年
この項目は、文学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:文学/PJライトノベル)。
項目が小説家・作家の場合には {{Writer-stub}} を、文学作品以外の本・雑誌の場合には {{Book-stub}} を貼り付けてください。
- 表示編集