ライオンハート (ゆでたまご)
以下はWikipediaより引用
要約
『ライオンハート』は、ゆでたまごによる日本の漫画作品。
概要
エニックス(現・スクウェア・エニックス)の漫画雑誌『月刊少年ガンガン』1993年9月号から1995年4月号まで連載。集英社の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』1991年11月増刊『Autumn Special』にて描かれた同名の読切を基にしている。映画『ターザン』で「人間の赤ん坊がゴリラよりも強い百獣の王ライオンに育てられて、成長して中国の拳法家となったら・・・」という発想から生まれた。内容はストーリー漫画であるが、ギャグの要素も多い。
ゆでたまごによると、読切で描いた時に気に入ったため『月刊少年ガンガン』での連載を始める際、本作で行くことに決定。同時期に『デラックスボンボン』にて連載していた『トータルファイターK』とは技が被らないように、苦労したと語る。ラストがうまく決まった一本であると評している。
登場人物
ライオンハート
シシ(獅絲)・ライオン
本作の主人公。第21代ライオンハート。捨て子で、ライオンに育てられた。ライオンのたてがみのような髪形をしており、感情が高まると額にライオンの顔(ライオンハートの証)が浮かび上がる。当初は麗皇山(れおざん)に住み、時折山を下りてきては村を襲って食料などを巻き上げたりする乱暴者で、村の人間からは困った存在として嫌われていた。しかしながら、ワンタンじいさんだけは村人の中で唯一良くしてくれており、シシも彼には手を出さなかった。そんな日々を送っていたシシだったが、ある日、21代ライオンハートを探しに来た金虎党に村を襲われ、ワンタンじいさんやケンカ相手の子供を失ってしまう。その時村を訪れていたマー・ライオンと出会い、ライオンハートとして見初められる。シシは金虎党への復讐のためにライオンハートとなることを決意、修行をすることとなる。最初は乱暴者でいい加減でお調子者な性格だったが、修行の結果心身ともにたくましくなり、正式なライオンハートとなり悪と戦うようになる。金虎党への敵討ちが済んだ後は旅に出、戦いの日々を送り、最終的にマー・ライオンのかつての弟子・レオと正式な継承者をかけて戦うことになる。最終話では、マー・ライオン亡き後新たなライオンハートを育てるために多くの弟子を取っている。
マー(麻)・ライオン
第20代ライオンハート。頭に被り物をしており、そこにライオンハートの証であるライオンの顔がある。また大きな手かせを嵌めており、これは、かつて999の悪を打ち倒してきたマーが、1000度目の相手である金虎党との戦いの際に、割り込んできた少女を助けるために不覚を取ってしまったことへの戒めとして、自ら嵌めたもの。よって、本来の技と力を封じており、ライオンハートとして戦うことはできないが、それでも常人よりは十分に強い。250年ほど生きており、眼球は無く、肉体は半分ミイラのようになっている。手かせを嵌めて以来、次代のライオンハートを探しており、シシと出会った。最後にはシシにレオの真実を伝えるために掟を破り、自らの肉体の一部ともなっていた手かせを外して本来の力で戦い、シシに真実を伝え、絶命する。ちょっとお茶目で天然ボケな所がある。
デザインはゆでたまごの別作品『キン肉マン』に登場するラーメンマンを基にしており、読切版と連載版では髪形が異なる。
獅子魂者(ししこんじゃ)
格闘家
キール
シャピド
野獣拳士
ライオンハートの必殺技
獅子の指(ししのゆび)
獅子の捕獲(ししのほかく)
獅子の襲撃(ししのしゅうげき)
魔神巖脚(マシンガンキャク)
用語
ライオンハート
獅子の吼伝(ししのこうでん)
優しさの修行は「優魂房(ゆうこんぼう)」で行われ、優魂(ゆうこん)という男が修行の相手を務める。修行は3日間かけて行われ、その内容は「3日間のうちに優魂の肉体に一撃を加えること」である。優魂はライオンハートに「優しさの咆伝(やさしさのこうでん)」を伝え終わると生洞の中で長い眠りにつき、次の継承者を待つ。そうやって優魂は代々ライオンハートに優しさを伝え続けている。
強さの修行はとある湖に眠る強魂(きょうこん)という男が修行の相手を務める。修行の内容は、羊の腸に空気を入れて作った風袋人形を拳法の基本である正拳突きでぶち割ること、そして「葉断業(はだんぎょう)」と呼ばれる特訓(水をたたえた大きな水瓶に浮かべた葉を、浮かべたまま割る修行)。これをマスターすれば、獅子の手(ライオンナックル)を使いこなせるようになるという。強魂もまたライオンハートに「強さの咆伝(つよさのこうでん)」を伝え終わると眠りにつく。
獅子の手(ライオンナックル)
野獣拳士(やじゅうけんし)
腕伏力一等祭(うでっぷしいっとうさい)
単行本
- ゆでたまご『ライオンハート』 エニックス《ガンガンコミックス》、全5巻
- 1994年3月22日 ISBN 4-87025-074-8
- 1994年8月22日 ISBN 4-87025-088-8
- 1994年12月22日 ISBN 4-87025-099-3
- 1995年3月22日 ISBN 4-87025-111-6
- 1995年6月22日 ISBN 4-87025-117-5
- ゆでたまご『闘将!!ゆでたまご』集英社、2004年9月13日、ISBN 978-4-08-106729-9
- 読切版が掲載。2012年現在、収録は同誌のみ。
読切版が掲載。2012年現在、収録は同誌のみ。
反響
バーグマン田形は主人公のシンは作者にしては珍しくまともな人間的ルックスで、マー・ライオンはラーメンマンであり、キン肉マンや闘将!!拉麵男など過去作からのアイデア流用が多いながらファンタジーRPG的な世界観は作者の新機軸であり掲載誌の特性を意識したとみられるが付け焼刃感の強さが否めず、同時に3作の連載を抱えた影響でアシスタント作画が目立ち、中盤以降は敵キャラのほとんどが本来の絵柄と馴染んでいない異質さ、物語のラストで次の後継者の少年と旅に出るがその少年までもアシスタントによるもので蹴撃手マモルやトータルファイターKと比べて綺麗に完結しているだけにぶち壊し感が残念だと評した。