ライトジーンの遺産
以下はWikipediaより引用
要約
『ライトジーンの遺産』(ライトジーンのいさん)は、神林長平によるSF小説。1997年1月に朝日ソノラマから単行本で刊行。1999年1月にソノラマ文庫NEXT(朝日ソノラマ)から上下巻で文庫化され、2003年5月、高河ゆんによる装丁イラストでソノラマ文庫から再刊行された。そして2008年10月、ハヤカワ文庫JA(早川書房)から遠藤浩輝による装丁イラストで刊行された。ハヤカワ文庫版には、1999年のソノラマ文庫版における著者の「あとがき」と、「ハヤカワ文庫版へのあとがき」が併録されている。
日本の『S-Fマガジン』誌が1998年3月号で発表した「ベストSF1997」国内部門の第1位に選ばれた。
あらすじ
菊月虹(コウ)は人造人間である。人類が臓器崩壊現象に脅かされたために巨大な支配力を持った人工臓器メーカー・ライトジーン社が、現象の原因究明のために作り出した。人類の命運を一企業に任せるのは危険だという判断のもとにライトジーン社は解体されたものの、その社名は街の名前として残り、各部門は別会社に分裂して今なお社会に影響力を持っている。ライトジーン社の遺児であるコウは、社会保障番号も持たない自由人として読書と飲酒を楽しむ日々を送っていたが、ライトジーン市警中央署第四課の課長である申大為からスイーパーとしても扱われていた。コウは超能力者"サイファ"だったからだ。サイファとしての力を持つ者は少なくないが、ライトジーン社の人造人間、コウとその兄であるMJの二人は最強のサイファだった。
コウは第四課の新米刑事タイス・ヴィーと共に、人工臓器の関わる怪事件を解決していく。
アルカの腕 ALCA's arm
バトルウッドの心臓 BATTOLEWOOD's heart
セシルの眼 CECIL's eyes
ダーマキスの皮膚 DERMAKISS's skin
悪夢にうなされたコウは首に引っかき傷を作ってしまい、同じく博物館に出入りしていたMJも悪夢を見て首に引っかき傷を作った。その夢に脅威を感じた二人は、サイファによる攻撃ではないかと推測し、協力して相手の正体と真意を探ろうとする。翌日、第四課へ連行されたコウは、扼殺事件の被害者の爪に残っていた皮膚片が、自分のデータと一致したことを知らされる。人工皮膚メーカーに勤務していた被害者が、ライトジーン社の遺産データを研究する立場にあったこともあり、申大為とタイスは、ライトジーン社の技術で造り出されて同じ皮膚を持っているコウとMJのどちらか、あるいは両方の関与を疑っていたのだ。しかし悪夢の件を聞いた申大為は、遺産データから合成された人工皮膚を移植された者こそ殺人犯であり、その皮膚によりサイファ能力が発現したのではないか、という推測を立てる。
エグザントスの骨 XANTHOS's bones
ヤーンの声 YARN's voice
ザインの卵 ZINE's eggs
登場人物
菊月虹(コウ)
五月湧(MJ)
申大為
作中用語
サイファ
ライトジーン
臓器崩壊現象
既刊一覧
単行本
- 神林長平 『ライトジーンの遺産』 朝日ソノラマ、1997年1月発行、ISBN 4-257-79026-1
文庫版
- 神林長平 『ライトジーンの遺産』 朝日ソノラマ〈ソノラマ文庫NEXT〉、全2巻
- 「上」1999年1月発行、ISBN 4-257-17335-1
- 「下」1999年1月発行、ISBN 4-257-17336-X
- 神林長平(著) / 高河ゆん(イラスト) 『ライトジーンの遺産』 朝日ソノラマ〈ソノラマ文庫〉、2003年5月発行、ISBN 4-257-77005-8
- 神林長平(著) / 遠藤浩輝(イラスト) 『ライトジーンの遺産』 早川書房〈ハヤカワ文庫JA〉、2008年10月発行、ISBN 978-4-15-030939-8