小説

ラプラスの魔女


題材:自殺,温泉,

主人公の属性:教授,



以下はWikipediaより引用

要約

『ラプラスの魔女』(ラプラスのまじょ)は、東野圭吾の書き下し長編小説。2015年5月15日に角川書店(KADOKAWA)より単行本が刊行された。

作家デビュー30周年記念作品で、東野は「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。」とコメントしている。

2015年5月15日の発売から1か月で28万部を超えている。

2017年3月20日に実写映画化されることが発表され、2018年5月に全国公開された。

2018年2月24日、角川文庫版が発売された。

あらすじ

映像プロデューサーの水城義郎が、妻と訪れた赤熊温泉で硫化水素のガス中毒で死亡した。

その事故の3か月ほど前に、水城の母親から義郎のことで相談を受けていた刑事 中岡祐二は、気になって水城の母親に連絡を取ってみると、義郎の事故後に首を吊って自殺したことを知る。彼女のいた老人ホームで、遺品整理に現れた水城の妻・水城千佐都と遭遇した中岡は、千佐都が義郎殺害に関与したと確信する。

中岡は、赤熊温泉の事故調査を手掛けた教授 青江修介に意見を求めるが、硫化水素ガス中毒で殺人を遂行するのは、屋外では不可能だと断言される。しかし、中岡は諦めきれずに地道に聞き込み捜査を行っていた。一方、青江は不可能だと言ったものの、考えれば方法はありそうで気になっていた。

そんな時、今度は苫手温泉で、売れない役者の那須野五郎が硫化水素ガス中毒で死亡する事故が起きる。地元新聞社から依頼されて苫手温泉で事故調査をしていた青江は、赤熊温泉の事故調査中に出会った羽原円華と再会し、円華の不思議な力を目撃する。

担当した2つの事故調査の見解に自信が持てなくなっていた青江は、中毒死した水城義郎や那須野五郎のことを調べるうちに、映画監督の甘粕才生のブログに行き当たる。そこには硫化水素ガスによる家族に起きた悲惨な死亡事故のこと、そして「理想的な家族」を失って悲嘆に暮れる自身のことが、感動的に書かれていた。甘粕才生はそのブログを元にして、新作映画を作ろうとしていた。

だが、刑事の中岡が、甘粕の家族たちの知人たちに話を聞いたところ、ブログの内容は嘘ばかりでけっして理想像のような家族ではなく、家族たちは甘粕才生を嫌っていたという。甘粕才生という人間は、映画にのみ興味を示して他人には興味がない反面で、恋人や家族には完璧さを求めていた。理想に程遠い家族を殺害し、自らの作品内で「理想の家族」を作り出すという、恐るべき犯罪計画であったことが判明する。

その後、父親の殺害計画により硫化水素ガス中毒で植物状態となっていた息子の甘粕 謙人は、羽原円華の父親である羽原教授の画期的な脳手術により、植物状態から回復していた。しかも彼は手術により、「周囲の物理現象を見るだけで極めて高い予測が可能になる」という『ラプラスの悪魔』と呼ばれる超能力を持っていた。謙人はその能力を使って、水城千佐都に接近して籠絡し、家族の殺害に関与した水城義郎・那須野五郎を計画的に殺害しており、円華は謙人を止めるべく行方を探していたのだ。

謙人は、いよいよ父親を殺害すべく、かつて甘粕才生が撮影に使用していた廃墟に父親を呼び出す。そして、『ダウンバースト』と呼ばれる強烈な下向きの突風が、廃墟を襲って倒壊させようとする。円華は、自動車を廃墟に突っ込ませて壁に穴を開け、内圧と外圧のバランスを取ることで、廃墟の倒壊を最小限に留めて謙人たちの命を救い出す。

その後、警察により一連の事件への徹底した箝口令が敷かれるが、謙人は行方不明となり、甘粕才生は自殺を遂げてしまう。

登場人物
主要人物

羽原 円華(うはら まどか)

10歳の時に母と帰省した北海道で竜巻に遭い、母・美奈を亡くす。温泉街でおこった硫化水素事故事件を追いかけており、彼女が何者かを尋ねた青江教授には、「ラプラスの魔女」を自称する。
甘粕 謙人(あまかす けんと)

甘粕才生の長男。円華より2歳年上。姉の硫化水素による自殺の巻き添えで植物状態になるが、羽原医師の脳神経再生手術を受けて、奇跡的に回復。しかし、自身の記憶をすべて失ってしまったと思われていた。
だが、父親が家族を殺害したことを電話で話しているのを聞き、自分も殺害されるのを避けるために記憶を失ったフリをして、父親への復讐を決意する。
甘粕 才生(あまかす さいせい)

謙人の父。映画の鬼と言われた、映画監督。家族に不幸があってからは、映画制作から距離を置いている。
47歳の時に、自宅で娘の硫化水素自殺による事故で、妻と娘が死亡。さらに、なんとか一命を取り留めていた長男は、植物状態から脳神経再生手術により目覚めたものの、記憶喪失となってしまい実質的に家族すべてを失ってしまう。
青江 修介(あおえ しゅうすけ)

地球化学が専門の、泰鵬大学教授。
赤熊温泉の事故調査を警察から依頼され、苫手温泉の事故調査を地元新聞社から依頼される。

大学関係者

羽原 全太朗(うはら ぜんたろう)

円華の父。
開明大学病院の脳神経外科医師。脳神経細胞再生の第一人者。
武尾 徹(たけお とおる)

元警察官。
詳しい事情を知らされずに、円華のボディーガードに雇われる。
桐宮 玲(きりみや れい)

開明大学総務課。羽原の部下。
奥西 哲子(おくにし てつこ)

泰鵬大学所属。青江修介の助手。堅物で几帳面な性格。

警察

中岡 祐二(なかおか ゆうじ)

麻布北警察署の刑事。
水城は事故死ではなく遺産目当てに殺害されたのではないかと、千佐都の殺人関与を疑っている。
成田

麻布北警察署刑事課係長。中岡の上司。

被害者とその家族

水城 義郎(みずき よしろう)

66歳。映像プロデューサー。千佐都とは3度目の結婚で、財産目当てなのは承知している。
赤熊温泉で亡くなる。
水城 千佐都(みずき ちさと)

義郎の妻。28歳くらい。元銀座のホステス。
水城ミヨシ

義郎の母。千佐都との結婚に反対する。
介護サービス付きの高級老人ホームで独り暮らしをしている。
那須野 五郎(なすの ごろう)

39歳。売れない役者で、本名は森本五郎。
苫手温泉で亡くなる。

温泉地の関係者

前山 洋子(まえやま ようこ)

水城夫妻や青江教授や円華が宿泊した赤熊温泉の旅館の女将。
磯部(いそべ)

赤熊温泉の県環境保全課の公務員。事故地の硫化水素濃度のデータ収集責任者。
内川

北陸毎朝新聞社の女性記者。苫手温泉の事故で青江に意見を求める。

映画

2018年5月4日に全国公開された。主演は櫻井翔、監督は三池崇史、配給東宝。

原作では様々な主要人物のエピソードが並列に書かれているが、映画版では「青江修介」を主人公に置いた形に変更されている。それに伴い、原作エピソードの改変・削除がなされている。

キャスト
  • 青江 修介 - 櫻井翔
  • 羽原 円華 - 広瀬すず
  • 甘粕 謙人 - 福士蒼汰
  • 奥西 哲子 - 志田未来
  • 水城 千佐都 - 佐藤江梨子
  • 桐宮 玲 - TAO
  • 中岡 祐二 - 玉木宏
  • 武尾 徹 - 高嶋政伸
  • 羽原 美奈 - 檀れい
  • 羽原 全太朗 - リリー・フランキー
  • 甘粕 才生 - 豊川悦司
スタッフ
  • 原作 - 東野圭吾「ラプラスの魔女」(KADOKAWA刊)
  • 監督 - 三池崇史
  • 脚本 - 八津弘幸
  • 音楽 - 遠藤浩二
  • 主題歌 - Alan Walker / アラン・ウォーカー『Faded / フェイデッド』(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)
  • 製作 - 市川南
  • 共同製作 - 堀内大示、藤島ジュリーK.、吉崎圭一、弓矢政法、髙橋誠、奥野敏聡、渡辺勝也、荒波修
  • エグゼクティブプロデューサー - 山内章弘
  • 企画・プロデュース - 臼井央、臼井真之介
  • プロデューサー - 坂美佐子、前田茂司
  • プロダクション統括 - 佐藤毅
  • アソシエイトプロデューサー - 二宮直彦、西崎洋平
  • ラインプロデューサー - 今井朝幸、善田真也
  • キャスティングプロデューサー - 杉野剛
  • 撮影 - 北信康(J.S.C.)
  • 照明 - 渡部嘉
  • 美術 - 林田裕至
  • 整音 - 中村淳
  • 録音 - 小林圭一
  • 装飾 - 坂本朗
  • 編集 - 山下健治
  • 助監督 - 長尾楽
  • 制作担当 - 柄本かのこ
  • VFXスーパーバイザー - 太田垣香織
  • キャラクタースーパーバイザー - 前田勇弥
  • ヘアメイク - 酒井啓介
  • 宣伝プロデューサー - 鎌田亮介
  • 音楽プロデューサー - 杉田寿宏
  • サウンドエディティングスーパーバイザー - 勝俣まさとし
  • 配給 - 東宝
  • 製作プロダクション - 東宝映画、OLM
  • 制作協力 - 楽映舎
  • 製作 - 「ラプラスの魔女」製作委員会(東宝、KADOKAWA、ジェイ・ストーム、電通、ジェイアール東日本企画、KDDI、OLM、トーハン、GYAO)