ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
以下はWikipediaより引用
要約
- ルパン三世 > ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
- トムス・エンタテインメントの作品一覧 > ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
- 金曜ロードショー > ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
『ルパン三世 トワイライトジェミニの秘密』(ルパンさんせい トワイライトジェミニのひみつ)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第8作。1996年8月2日に日本テレビ系の『金曜ロードショー』で放送された。視聴率は16.8%。
概要
時価数千億フランともいわれるゲルト族(架空の部族)の財宝の鍵を握るダイヤモンド、「トワイライト」をめぐってゲルト族にルパンファミリーが加わり、ICPOの新任本部長であるジャン・ピエール率いるイゴ族と争奪戦を演じる。
本作のコンセプトは「ルパン三世としてデフォルトとなっている魅力、武器を全て外してみる」であり、これまでの作品とは一味違った作品であるのが特徴となっている。
また、栗田貫一による「栗田ルパンの完成」もコンセプトの一つとされ、本編中で変装したルパンが鳳啓助、『古畑任三郎』での田村正和、志村けんのモノマネをするシーンがある。
本作の監督である杉井ギサブローは『ルパン三世 パイロットフィルム』の原画担当以来、27年ぶりの参加となった。一方で、長年劇伴を担当してきた大野雄二は『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』同様に一時的に降板。代わって根岸貴幸が本作も担当することになった。よって、これまでの7作に渡ってテレビスペシャルで使用された「ルパン三世のテーマ'89(THEME FROM LUPIN III '89)」は使用されなくなり、本作のみ「ルパン三世のテーマ('96 TVヴァージョン)」 に変更された。TVスペシャルの中で大野が劇伴を担当していない作品は、現在本作のみである。このため、本作の主題歌・挿入歌についても大野は制作に関与していない。
本作のストーリーについて、脚本を担当した三井秀樹によると、最初に制作元である日本テレビのプロデューサーから「クラリスを超えるヒロインを」との注文があったという。脚本作りの際、クラリスが登場する『ルパン三世 カリオストロの城』が『アルセーヌ・ルパン』シリーズから意匠を取り込んでいたことからシリーズを読んだところ、アルセーヌ・ルパンがモロッコに外人部隊として滞在するという話があり、そこから「その時、ロマンスの一つもあっただろう」と考え脚本を執筆したため、当初は「アルセーヌ・ルパンの遺言を元に、ルパン(三世)がモロッコへ"もう一人の三世"を探しに旅に行く。実はララはアルセーヌ・ルパンの孫であり、もう一人の"ルパン三世"であった」というストーリーになる予定だった。だが、決定稿が出た後に版権問題からアルセーヌ・ルパンは出せなくなった事に加えて日本テレビ側が「ルパン一世はアルセーヌ・ルパンではない」という考えを示した為、この設定は削除され現在のストーリーに変更になったという。
ルパンの衣装は、他の作品では見られない青いシャツにノーネクタイ、白い上下のジャケット・パンツとなっている。また、本作から次元の帽子の帯の色がジャケット・背広より薄いものとなり、この設定は『ルパン三世 1$マネーウォーズ』まで続いた。
本作に登場する女性キャラクター(不二子、ララ)は胸を完全に露出する場面が多々あり、歴代のテレビスペシャルでは最も過激なお色気シーンが用意されている。
前作までのエンディングは静止画をバックに曲を流すものだったが、本作はエンディング中に本編が挿入され、さらに初めてエンディング後のエピローグシーンが存在しており、以降のTVスペシャルでも同様の演出を行う作品が登場することとなった。なお、エンディング映像ではララが踊っている。
本作から『ルパン三世 炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』まで、製作クレジットが「キョクイチ東京ムービー」となっている。
この枠を放映した金曜ロードショーでは、翌年の1997年3月をもって解説者の水野晴郎が降板しているため、水野が解説を行った最後のルパン三世の作品となった。
あらすじ
ルパン三世は、ヨーロッパ暗黒街の大物で、駆け出し時代には世話になり、今も「ベイビィ」としか呼んでくれない老首領ドルーネから1つの大きなピンク・ダイヤ「トワイライト」を手渡される。ドルーネ曰く、ダイヤはモロッコのある民族の隠し財宝の鍵であるが、病床の身で死が近い自分ではもはや手に入れることはできないため、ルパンに託すという。一方、銭形警部は、新たにICPO本部長となったジャン・ピエールより、直々にルパン逮捕に全力を傾けるよう発破をかけられる。列車でモロッコに向かっているルパンを、乗客が全員警官という奇策で捕まえようとする銭形であったが、そこにトワイライトを狙った忍者傭兵の貞千代率いる謎の特殊暗殺部隊が襲撃してくる。混乱の中でルパンは銭形・貞千代両名から逃げ出すことに成功し、モロッコへと到着する。
モロッコではかつてのイギリス占領政策を背景に街の実権を握るイゴ族と、半世紀以上前に奪われた自治の復活を求めるゲルト族が対立していた。地道に抵抗運動を続けるゲルト族の少女ララと仲間たちを、イゴ族の警察署長率いる警官隊が捕まえようとし、たまたま現場に居合わせたルパンはこれを妨害してララを助ける。その後、ルパンは峰不二子と再会し、彼女は今回のルパンの狙いを聞き出そうとするが、そこに再び貞千代が奇襲をかけルパンは逃亡する。次元と合流したルパンは、ゲルト族の老婆より、若きドルーネが外人傭兵としてゲルト族と共に戦った英雄であること、その際にゲルト王族の血を引く踊り子ローレと恋に落ち子供を授かったこと、トワイライトは2つあり、ゲルト族の財宝を手に入れるには両方必要だがもう1つは行方不明であること(おそらくローレの子孫が持っていること)、などを教えられる。
ルパンを追ってモロッコにやってきた銭形であったが警察署長は非協力的で、やる気のない老警官ブルトカリーを充てるだけであった。そこにジャンが直々にモロッコに乗り込み、署長を叱責し、銭形に力を貸すよう厳命する。実はジャンはイゴ族の英雄の末裔でモロッコ情勢にも詳しく、署長は低頭平身で従う。
再度、貞千代に襲撃される中、ルパンはララと彼女に助けられる形で再会する。彼女によればルパンを襲っているのは、ゲルト族長老の息子ガルが、ゲルト復興を目指して組織した過激派の結社であり、長老を含めた穏健派である自分たちは支持していないという。彼女ら穏健派の依頼で結社の大司教を名乗るガルを調べることになったルパンは、警察署で同じく長老に頼まれてガルを調べていた不二子と再会する。そこでフランスの大学在籍時のガルの写真を見つけたルパンは、そこに助教授としてジャンも写っていることに気づく。
ルパンを執拗に付け狙う貞千代は今度はララを人質にしてルパンを追い詰めるが、そこに同門の恥さらしとして貞千代を狙う五ェ門が現れルパンは窮地を脱する。ララはゲルトの遺跡に行くと言い、ルパンと共に街を脱出する。砂漠越えを行う2人であったが途中で流砂に巻き込まれてしまう。ゲルトの長老に助け出された2人であったが、この出来事を通して打ち解ける。さらにララこそがローレの血を引くゲルト王族の末裔であり(同時にドルーネの孫娘でもあり)、母から託されたもう1つのトワイライトを持っていた。長老は自身とドルーネが立てた計画など、すべての事実を明かした上で、2人やゲルト族の男たちと共に財宝が隠されている遺跡へと向かう。
遺跡についたルパンらであったが、そこに結社の戦闘員を率いる大司教や貞千代も現れる。ルパンは大司教の正体がガルではなくジャンだと見抜き、ジャンはこれを肯定して正体を現し、ガルを殺したことなどを明かす。次元・五ェ門・不二子のルパンファミリーのほか、実は隠れゲルトのブルトカリーの助力でやってきた銭形も合流し、結社との激しい戦闘が始まる。五ェ門との戦闘で貞千代が死に、ジャンはララを人質に取って優位に立とうとするが、息子の仇として長老に撃たれて死亡し、結社は壊滅する。
全てが終わり、2つのトワイライトを手にしたルパンたちは、遺跡の中で無事にゲルト族の隠し財宝を発見する。ゲルト族の再興を目指すララから私と共に歩んで欲しいと頼まれるルパンであったが、これを断り、その代わりとして彼女から片方のトワイライトを預けられる。後日、事の顛末と孫娘の無事をルパンから報告されたドルーネは、初めてルパンを名前で呼び、涙を流して礼を述べる。
登場人物
レギュラー
ゲストキャラクター
ララ
ドルーネ
ヨーロッパ・シンジケートのドン。
ヨーロッパ裏社会の大物で、寝たきりとなった現在でも「裏社会で起きた事件の半分は彼につながっている」と言われている老人。駆け出し時代の未熟なルパンを後見した彼の恩人にあたり、強く信頼されている。今もルパンのことを駆け出し時代の「ベイビィ」のあだ名で呼ぶが、その腕前は高く評価しており、詳しい情報は隠してトワイライトを託す。
若い時は外人傭兵としてモロッコにおり、砂漠で遭難していたところを踊り子のローレに助けられ、そのまま愛し合うようになった。異邦人ながらゲルト族のためにイゴ族との戦いの先頭に立ち、現在もゲルト族たちによって肖像画が掲げられるなど英雄として扱われる。ゲルト族が敗北した折に、ローレよりトワイライトを託され、将来のゲルト族復興を手助けすることを約束する。長老とは連絡を取り合ってモロッコ情勢を把握しており、ガルの一件で事態が急変したことからルパンにトワイライトを託した。また、孫娘ララのことなども知っていた。
ジャン・ピエール
ICPO本部長。本作の黒幕。
劇中冒頭で新たにICPO本部長に就任した中年男性。就任早々に銭形を呼び出すとルパン逮捕をICPOの悲願として発破をかける。さらに警察署長が銭形に非協力的だと知ると、直々にモロッコに向かい、彼を叱責してルパン逮捕に全力を注ぐよう厳命する。前歴はフランスの大学の助教授。さらにイゴ族の英雄の末裔で、同族の署長からも敬意を表され、モロッコ情勢にも詳しい。
実は結社の大司教の正体。大学時代、教え子となったガルからゲルト族の財宝の話を聞き、これを奪うために彼を殺して成り済ますと、表向きゲルト復興を目指す過激派の結社を結成した。ルパン逮捕に注力するよう命じていたのもこの目的のためであった。
ガル
貞千代(さだちよ)
警察署長
ブルトカリー巡査
長老
老婆
ゾラ
用語
ゲルト族
ララのように人形劇などを通して宣伝活動を行い、民族の復興を目指す者たちがいる(穏健派)。
ゲルト族の財宝
砂漠の真ん中にあるゲルトの神殿に納められているが宝物庫に入るにはトワイライトが必要。また一目には何もない部屋で壁に民族を讃える文章が書かれているだけだが、壁の表面を壊すと、あたり一面を埋め尽くす無数のダイヤモンドが隠されている。
トワイライト
結社
大司教の正体はジャンであり、再興ではなく財宝を手に入れるのが目的であった。また、幹部らも彼が雇ったゲルトと関係のない者たちであった。
声の出演
- ルパン三世 - 栗田貫一
- 銭形警部 - 納谷悟朗
- 次元大介 - 小林清志
- 石川五ェ門 - 井上真樹夫
- 峰不二子 - 増山江威子
- ララ - 久川綾
- ドルーネ - 森山周一郎(友情出演)
- ジャン・ピエール本部長 - 菅生隆之
- 貞千代 - 野沢那智
- モロッコ警察署長 - 藤本譲
- ブルトカリー巡査 - 北村弘一
- 長老 - 峰恵研
- 老婆 - 京田尚子
- 司祭 - 中田和宏
- ゾラ - 金尾哲夫
- 店主 - 島香裕
- 車掌 - 星野充昭
- 女性捜査員 - 鈴木佳子
- 仮面の男 - 落合弘治
スタッフ
- 原作 - モンキー・パンチ(中央公論社・双葉社刊)
- 監督 - 杉井ギサブロー
- 監督補 - はしもとなおと
- 助監督 - 日巻裕司、大原実
- 脚本 - 三井秀樹、杉井ギサブロー、東直也
- 絵コンテ - 葛岡博、東海林真一、下田正美、佐藤竜雄、高村彰、川越淳、矢野博之、山口祐司、辻伸一、杉井ギサブロー
- キャラクターデザイン - 前田実
- メカニックデザイン - 今掛勇
- 総作画監督 - 江口摩吏介
- 作画監督 - 今掛勇、加野晃、山口晋、田村一彦、福田紀之、山田起生、小川一郎
- 美術監督 - 宮野隆
- 色彩設定 - 歌川律子
- 撮影監督 - 長谷川肇
- 編集 - 鶴渕允寿
- テーマ曲 - 大野雄二
- 音楽 - 根岸貴幸
- 音楽監督 - 鈴木清司
- 録音監督 - 加藤敏
- 音響効果 - 糸川幸良
- 音響製作 - 東北新社
- 音響制作担当 - 寺澤和宏
- 制作担当 - 山本清(東京ムービー)
- 音楽プロデューサー - 山田慎也
- プロデューサー - 中谷敏夫(日本テレビ)、尾崎穏通(東京ムービー)、小沢十光(東京ムービー)
- 主題歌「月と太陽のめぐり」
- 作詞 - 長谷川純
- 作曲・編曲 - 内田光一
- 歌 - 久川綾
- 挿入歌「遥かな風」
- 作詞・作曲 - 田中みほ
- 編曲 - かわさきみれい
- 歌 - 久川綾
- 企画制作 - 日本テレビ
- 製作 - キョクイチ東京ムービー
- 作詞 - 長谷川純
- 作曲・編曲 - 内田光一
- 歌 - 久川綾
- 作詞・作曲 - 田中みほ
- 編曲 - かわさきみれい
- 歌 - 久川綾