ルータ王国の危機
以下はWikipediaより引用
要約
『ルータ王国の危機』(ルータおうこくのきき、英: The Mad King)は、エドガー・ライス・バローズによるアメリカの冒険小説。
概要
本作は全2部で構成されている。第1部は"The Mad King"のタイトルで「オール・ストーリー」に1914年に掲載され、第2部は"barney cuter of bestrice"のタイトルで「オール・ストーリー・キャバリアー」に1915年に掲載された。単行本のタイトルは"The Mad King"(1926年)。日本語訳は『ルータ王国の危機』のタイトルで厚木淳訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1981年7月24日。挿絵、カバーイラスト、口絵は加藤直之。
ヨーロッパにある、ゲルマン系の小国(という設定の架空の王国)ルータを舞台にした冒険小説で、アンソニー・ホープの『ゼンダ城の虜』(1894年)を参考に執筆されている。
第1部「摂政公の反逆」("The Mad King")は、本作の主人公、アメリカ人バーニー(バーナード)・カスターが「母の生国だから」と気まぐれな理由でルータを訪れたところ、幽閉されたレオポルト(ルータ王)がそっくりだったため、陰謀と冒険に巻き込まれる。なお、日本語版題名の「摂政公」はブレンツ公ペーテルを指す。
第2部「2人の国王」("barney cuter of bestrice")は、前作から2年後の物語となる。第一次世界大戦にルータが巻き込まれ、レオポルトがブレンツ公ペーテルを再登用、彼にそそのかされてルータをオーストリア=ハンガリー帝国に売り渡そうとし、アメリカにいる邪魔なバーニーを消そうとしたことから、再びバーニーがルータを訪れる。
補足
第1部と第2部の間に『石器時代から来た男』の第1部が書かれており、バーニーの妹ヴィクトリアがヒロイン役となっている。ただし、本作第1部では、バーニーが父母に思いを馳せるシーンはあるものの、妹については言及されていない。本作第2部では、冒頭(アメリカのシーン)で、わずかながらヴィクトリアが登場している。
登場人物
第1部、第2部を通した登場人物。
バーニー・カスター
本作の主人公。フル・ネームはバーナード・カスター・ジュニア。アメリカ人の父と、ルータ人の母の間に生まれた。流暢なドイツ語を操る。グレーのオープン・カー(ロードスター)で旅をしている最中、ルータに立ち寄った。
目は灰色で、髪は褐色、ヒゲは赤褐色である(レオポルトも同様)。ただし、ヒゲは第1部のラストで剃る。
エマ公女の危機を救うが、誤解から双方が相手を精神異常者だと思い込んだ。
30年前にルータを去った母親(ヴィクトリア・ルビンロード)はルータ王族(ルビンロード家)の血を引いており、そのためバーニーとルータ国王レオポルトの容貌が似ていた(レオポルトの父祖の肖像画にも似ている)。本作の最後で王位を継承する。
エマ・フォン・デア・タン
バッツォウ
ブレンツ公ペーテル
レオポルト
当代の正当なルータ国王。13歳の時(第1部の10年前の少年期)に、先代王(実父)が崩御し、王位を継承した。しかし、ペーテルの「少年王は精神に乱れがある」との言により幽閉生活を余儀なくされていた。
第1部では、「長年の幽閉により、猜疑心が強い一方、気が弱く人を信用しない」という状態だった(生来そういう、本当に「精神に乱れがある」性格だった可能性もある)。第1部ラストでは、王位に着いたことにより尊大な地金を発露し、貢献者であるバーニーを処刑しようとする。
第2部でも傾向は変わらず、ペーテルに丸め込まれ復位を許し、国を外国に売ろうとするなど、暗君ぶりを発揮する。しかし、頭脳の回転は悪くなく、バーニーとソックリな容貌を利用し、エマ公女との結婚式に花婿として登場した。
第1部のみの登場人物。
第2部のみの登場人物。