ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
以下はWikipediaより引用
要約
『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』(ループななかいめのあくやくれいじょうは もとてきこくでじゆうきままなはなよめせいかつをまんきつする)は、雨川透子による日本のライトノベル。略称は「ルプなな」。小説投稿サイト「小説家になろう」にて2020年2月7日から連載中。書籍版がオーバーラップノベルスfより刊行されている。また、木乃ひのきによる漫画版が2020年12月4日からコミックガルドにて連載中。2023年8月時点でシリーズ累計発行部数は85万部を突破している。
2022年2月18日には、「次にくるライトノベル大賞2021」で第1位を獲得している。『このライトノベルがすごい!』単行本・ノベルス部門では2024年版で5位を獲得している。
あらすじ
15歳のある日、公爵令嬢リーシェは婚約者である王太子から婚約破棄を宣告されるが、リーシェはあっさりと受け入れ、その場を後にする。実はリーシェにとってこのシーンは7回目のことだった。婚約破棄を告げられ国外追放、家族とも縁を切られたリーシェは様々な人生を送り、20歳の時に何かしらの原因で死亡してはこの婚約破棄の場面に戻ってきていた。
7回目となった今世も最早お馴染みとなった宣告を受け、家財道具を回収すべく屋敷に戻ろうとし、思いつきで今までと別のルートを通ったところ、ある人物にぶつかってしまう。その人物とは、前回の人生でリーシェ自身を殺し、今までの人生全ての死因に関わっている戦争を起こした張本人、元敵国ガルクハインの皇太子・アルノルトだった。リーシェは挨拶をし一度はその場を離れたものの、その対応で時間がかかってしまったため屋敷に着いたときには王太子が婚約破棄を通達するため既に到着してしまっていた。家財道具の回収に失敗し、1度目と同じく着の身着のままで屋敷を出ることをを覚悟したところ、屋敷にまで追ってきたアルノルトがリーシェに対して求婚を申し出る。戸惑うリーシェだったが、5年後に他国に侵略戦争を仕掛けたアルノルトの真意は6回の人生でも分かっていなかったこと、これまでの6回の人生は充実こそしていたが忙しいままだったことから、アルノルトの傍にいることでその原因を知りたいという思い、それ以上に今回のループこそ5年後も生き延びて何もせずぐうたらしたいとの思いから求婚を受け入れ、婚約者としてアルノルトと一緒に暮らすことにしたのだった。
登場人物
年齢は物語開始時(ループ開始時)のもの。声の項はテレビアニメ版の声優。
ガルクハイン国
リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナー
声 - 長谷川育美
本作の主人公。15歳。7月30日生まれ。珊瑚色のロングヘアに淡いエメラルド色の瞳。身長は160 - 164センチ程度。王族に連なる公爵家の令嬢でエルミティ国王太子の元婚約者。婚約破棄のあとループごとに違った人生を送っては20歳の時に戦争に巻き込まれて死亡し、婚約破棄の場面に戻るというループを繰り返しており、今世は7回目のループに当たる。
1回目の人生の際に商人を経験して以降、ループごとに薬師・錬金術師・侍女・狩人・男装騎士としての人生を送っており、それぞれの人生で豊富な知識とスキルを培い、また2階から躊躇なく飛び降りる度胸も持ち合わせている。しかし、スキルや記憶はループしても引き継いでいるものの体力や筋力は15歳の公爵令嬢としてのものに戻るため、以前の感覚で行動しそれが裏目に出てしまうこともある。
料理は以前の人生でも特にこだわっていなかったため苦手で、お化けも苦手。酒には非常に強く、アリア商会の商人たちと飲み比べをしても全く酔い潰れない。
どの人生も充実したものではあったが忙しいまま死亡を迎えていたことから、今回こそ20歳を超えて生き延びること、その後の人生を気ままに生きたいと願い、アルノルトからの求婚を受諾。そして5年後の自身の死因でもあるアルノルトが自身に求婚した真意を探りつつ、長生きしてごろごろするための環境を作るために行動する。
リーシェのキャラクター像は努力が実らずに心が折れてしまう場面でも明るく楽しんでいるヒロインにしたいという著者・雨川透子の考えから生まれている。
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2024年版で7位を獲得している。
アルノルト・ハイン
声 - 島﨑信長
19歳。12月28日生まれ。黒髪に青い瞳。冷たい顔と評されるとんでもない美形。身長は182 - 185センチ程度。エルミティ国の元敵国であるガルクハイン国の皇太子。頭が切れ、軍略的な才能もある。通常この世界の貴族はミドルネームとして祝福名を持つが、アルノルトはミドルネームを持たない。周囲には「当分は結婚するつもりはない」と言っていたが、ディートリヒ主催の夜会において、2階から飛び降りて受け身を取る、という令嬢らしからぬ身のこなしを見せたリーシェに興味を持ち、屋敷まで追いかけて彼女に求婚を申し入れる。その理由も、皇帝である父から言われていた「他国を従わせるためにその国の王族と結婚する」ためではなく、あくまで自分の意思で婚約者に選んだとしている。その後も、リーシェが自身の予想の上を行く行動を取ることに驚かされはするものの、基本的にはリーシェを大切にしつつ時折からかうような言動も見せる。
冷たい顔と評されるが決して冷酷な性格という訳ではなく、騎士の性格や事情を把握し気遣うなど、面倒見の良い面もある。
過去のループでは、5年後は父を殺害し自らが皇帝となって周辺諸国への侵略戦争を仕掛ける。その戦乱やそれに伴って発生した疫病などがいずれもリーシェの死因となっており、特に6回目は男装騎士としてアルノルトと戦ったリーシェを直接殺害している。
著者によればアルノルトのコンセプトは「ラスボス」だという。リーシェにとってアルノルトは最終関門であり、アルノルトの考え方を変えなければリーシェの思う通りにはならないという対比や対立の存在であるとしている。
テオドール・オーギュスト・ハイン
声 - 伊瀬茉莉也
15歳。3月29日生まれ。アルノルトの弟で第二皇太子。兄と同じ黒髪・青い瞳だがふわふわと跳ねた癖毛。同じ城で暮らしていながらアルノルトとは滅多に顔を合わせず、リーシェはアルノルトから「相手をするな」と言われている。
オリヴァー・ラウレンツ・フリートハイム
声 - 土岐隼一
26歳。アルノルトの従者。アルノルトほどではないが美形。以前は騎士候補生だったが負傷で騎士を目指せなくなったところをアルノルトに拾われた。リーシェを除いてはアルノルトにはっきりと進言が出来る唯一の存在。
皇帝ではなくアルノルトに仕える身として、二人きりの時はアルノルトのことを「我が君」と呼んでいるが、アルノルトには気色悪いから止めろと言われている。
ケイン・タリー
声 - 立花慎之介
26歳。新興の商会であるアリア商会の会長。1回目の人生で家を追い出されたリーシェが途方に暮れていたところを拾い、自身の部下とした。有能な商人ではあるが、酒と女にだらしない性格。「アリア商会」の名は自身の妹から採られている。
過去のループでは、5年後はアリア商会を世界最大規模の商会へと成長させている。そのため、2回目では真っ先に接触を試みたが失敗し、7回目の今世でも伝手を作ろうとリーシェが接触を試みた。
エルゼ
ディアナ
声 - 清水彩香
17歳。エルゼの先輩侍女。赤髪。商家の生まれだが家が没落したため侍女として働いている。当初は動きの悪いエルゼら新人侍女をいじめるような態度だったが、これは新人達が自分より覚えが悪いことに苛立ってのものであった。
実際には、自分だけ文字が読み書きできるがゆえに仕事内容をメモすることで他より早く仕事を覚えており、新人たちは読み書きすらできないため覚えが悪い、ということには気づいていない。
侍女の選定の際リーシェにその点を指摘され、ようやく自分の教育に問題があったことを自覚。その後リーシェの計らいで新人侍女の教育係を任されてからは、真面目に働くようになりエルゼとも仲良くなる。
カミル
声 - 濱野大輝
アルノルトの近衛騎士で、リーシェの護衛も担当。エルゼと同じく貧民街の出身。
ガルクハインに向かう途中で盗賊に襲われ毒に冒された際に、リーシェから解毒剤を飲むか我慢するかという脅迫まがいの選択を突きつけられた。
ルドガー・ラルス・ローヴァイン
エルミティ国
ディートリヒ
声 - 岡本信彦
エルミティ国の王太子で、リーシェの元婚約者。マリーを新たな婚約者とするため、夜会の場で様々な濡れ衣をリーシェに着せて婚約破棄を宣告した。調子に乗りやすい性格で、過去のループではリーシェとの婚約破棄の1年後に臣下に唆される形でクーデターを企図したが失敗し、幽閉されている。
リーシェは元々王太子の婚約者となるべく教育を受けてきたため1度目の人生ではショックを受けていたが、外の世界を知った2度目以降はもはや眼中に無く、婚約破棄をあっさり受け入れられ肩透かしを食らう道化と化してしまっている。
マリー
声 - 近藤唯
ディートリヒの婚約者。貧しい家の出身で、弟たちを養うためにディートリヒの婚約者となる。リーシェにとっては本来であれば婚約者を奪った相手だが、過去のループでその理由を知っていたリーシェはマリーを恨むどころかマリーの将来を案じて忠告を残した。その後も関係は続いているようで、リーシェとは時折文通をしている。
コヨル国
カイル・モーガン・クレヴァリー
声 - 福原かつみ
18歳。コヨル国の第一王子。銀色の短髪に薄い水色の瞳。生真面目で責任感の強い性格。持病を抱えており、治療を受けなかったループに於いて5年後は病床から起き上がれないほどに悪化している。
過去のループではリーシェと複数の接点があり、1回目の人生ではタリー会長の客として、2回目の人生では患者として、3回目の人生では師事していたミシェルが仕える主君として交流があった。
ミシェル・エヴァン
声 - 小野大輔
20代半ばから後半のような外見だが、本人が年齢を覚えておらず年齢不詳。コヨル国に仕える学者だが、正確には錬金術師。肩まである金髪に菫色の瞳。3回目の人生でリーシェが教えを受けておりリーシェからは「先生」と呼ばれる。香り煙草を愛飲しており常に甘い香りを漂わせている。
3回目の人生でリーシェが師事していた際は、ある薬品に対する考え方の違いから別離している。
ドマナ聖王国
ミリア・クラリッサ・ジョーナル
レオ・フィリップス
既刊一覧
小説
- 雨川透子(著)・八美☆わん(イラスト) 『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』 オーバーラップ〈オーバーラップノベルスf〉、既刊6巻(2023年12月25日現在)
- 2020年10月25日初版第一刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-86554-767-2
- 2021年2月25日初版第一刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-86554-852-5
- 2021年6月25日初版第一刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-86554-944-7
- 2021年11月25日初版第一刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0029-3
- 2023年8月25日初版第一刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0218-1
- 2023年12月25日初版第一刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0690-5
漫画
- 木乃ひのき(漫画)・雨川透子(原作)・八美☆わん(原作イラスト) 『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』 オーバーラップ〈ガルドコミックス〉、既刊5巻(2023年8月25日現在)
- 2021年6月25日初版第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-86554-952-2
- 2021年11月25日初版第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0036-1
- 2022年6月25日初版第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0224-2
- 2023年2月25日初版第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0431-4
- 2023年8月25日初版第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-8240-0599-1
テレビアニメ
2024年1月よりAT-Xほかにて放送中。
スタッフ
- 原作 - 雨川透子
- 監督 - いわたかずや
- シリーズ構成 - 待田堂子
- キャラクターデザイン - 大貫健一
- サブキャラクターデザイン - 吉田和香子、田中穣、芝田千紗
- ドレスデザイン - 長森佳容
- プロップデザイン - 杉村友和
- メインアニメーター - 井上英紀、今西亨
- 色彩設計 - 中村千穂
- 美術監督 - 小木曽宜久
- 美術設定 - 滝沢麻菜美、伊良波理沙、多田周平
- 美術ボード - 金井眞悟
- 背景美術 - 草薙
- 3DCGディレクター - 広沢範光
- 撮影監督 - 魚山真志
- 編集 - 新居和弘
- 音響監督 - 森下広人
- 音響効果 - 八十正太
- 音響制作 - ダックスプロダクション
- 音楽 - 宝野聡史、葛西竜之介
- 音楽制作 - ポニーキャニオン
- 音楽制作協力 - アップドリーム
- 音楽プロデューサー - 井上弘美、山田公平
- チーフプロデューサー - 上間康弘
- プロデューサー - 曽山貴史、臼井久人、羅明旭、松﨑友貴、鹿志村絵美、西前朱加、井上弘美
- アニメーションプロデューサー - 八田正宜
- アニメーション制作 - スタジオKAI×HORNETS
- 製作 - ループ7回目製作委員会(オーバーラップ、クランチロール、MUSE、ドコモ・アニメストア、MAGNET、AT-X、ポニーキャニオン)
主題歌
「Another Birthday」
「消えない」
各話リスト
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 | 備考 |
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2024年1月7日 - | 日曜 23:00 - 23:30 | AT-X | 日本全域 | 製作参加 / CS放送 / 字幕放送 / リピート放送あり |
2024年1月8日 - | 月曜 0:00 - 0:30(日曜深夜) | TOKYO MX | 東京都 | |
月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) | BS11 | 日本全域 | BS放送 / 『ANIME+』枠 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト |
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2024年1月7日 | 日曜 23:30 更新 | |
2024年1月12日 | 金曜 23:30 更新 |
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参考文献
- 雨川透子『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 1』オーバーラップ〈オーバーラップノベルスf〉、2020年10月25日。ISBN 978-4-86554-767-2。
- 雨川透子『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 2』オーバーラップ〈オーバーラップノベルスf〉、2021年2月25日。ISBN 978-4-86554-852-5。
- 雨川透子『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 3』オーバーラップ〈オーバーラップノベルスf〉、2021年6月25日。ISBN 978-4-86554-944-7。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2024』宝島社、2023年12月9日。ISBN 978-4-299-04899-8。