レジンキャストミルク
以下はWikipediaより引用
要約
『レジンキャストミルク』は、藤原祐による日本のライトノベル。イラストは椋本夏夜が担当している。電撃文庫(メディアワークス)にて2005年9月から2007年12月まで刊行された。
ストーリー
二つの世界。【実軸】、物語の舞台となる場にして『本物の世界』。【虚軸】、実軸の誰かが強く「もしも」という仮定を願った場合に発生する別枠の世界。主人公、城島晶は幼い頃虚軸【全一】硝子に会い、彼女の固定剤になった。が、ほどなくして、父の樹と母の鏡が失踪してしまう。そして、彼の人生は非日常へと移り変わる。それでも、晶は『日常を守るため』と両親の失踪と深く関係のある【無限回廊】を捜し求める。
登場人物
主要人物(虚軸)
城島晶(きじま あきら)
【固定剤/全一】
主人公。虚軸【全一】城島硝子の固定剤であり、その代償として、痛いという主観的な概念と、固定剤になる以前の感情記憶を喪失してしまっている。また、血液中にある不定量子回路によって硝子とダイレクトリンクが結ばれており、硝子との意思の疎通が可能である。
私立挟間学園の2年3組に所属。硝子と共に高校に通い、運動も勉強も平凡などこにでもいるような高校生を演じているが、実際には、日常生活で目立たないようにテストで平均点をとるために計算、導出し意図的に点数を調節できるほどの頭脳を持つ。父に寄生し、母を連れ去り、自分の日常を打ち砕いた虚軸【無限回廊】を憎悪し、どこまでも自分の日常を蹂躙しようとする彼の排除を目的に活動する。戦闘では固定剤として働き、【全一】で造りだした武器を振るう。味方の虚軸に指示を与え、知略を尽くすなど、司令官としても活躍を見せる。森町芹菜とは幼馴染であり彼女からは"あっちゃん"とよばれていた。彼女には好意を抱いていたが、硝子の固定剤となったためその感情すら知識でしか認識できなくなっている。
城島硝子(きじま しょうこ)
【全一】
ヒロイン。形式名【全一】-オール・イン・ワン-。共生型の虚軸。機械人形、世界の終わりの執行者と称される。背は低く、長いピンクの髪と大きなリボンがポイント。固定剤は晶。晶とは彼の血液中にある不定量子回路でダイレクトリンクが結ばれており、同時に硝子の本体である裏面空間にある機械の情報・記憶が随時バックアップされている。硝子がいた世界では、硝子は少女の身体の中に入り込んだ機械の意識体であった。その出自から感情に不完全な部分があり、当初は感情の表現がほとんどできなかったものの、徐々に人間らしいものに改善されていく。単純な身体能力は常人程度。6年前から晶と一緒に暮らしており、周囲には晶とは従兄妹であると説明している。私立挟間学園の1年9組に所属。プリンが好物。火サスや土曜ワイドをよく視聴する。
柿原里緒(かきはる りお)
【有識分体】
形式名【有識分体】-分裂病-。共生型の固定剤。自身を3つまで分裂させることができる。虚軸は猫の小町。私立挟間学園の2年3組に所属。身長154cm、体重39Kg。小柄で痩せており、髪型はボブカット。いつも晶と屋上の給水塔の上で昼食をとる。通常の共生型の固定剤より虚軸本体との繋がりが強く、限定的ながら虚軸本体の能力を使うことができる。しかし同時に、味覚を喪失している、個性が存在しない【有識分体】の世界の影響で虚軸以外の人間を識別できないなど、代償として失ったものも大きい。ただし後者の欠落については、見方を変えれば虚軸によって欠如した心を識別出来る=敵と虚軸を識別出来るという利点になり、専ら敵性虚軸探しに利用される。
舞鶴蜜(まいづる みつ)
【壊れた万華鏡】
形式名【壊れた万華鏡】-ディレイドカレイド-。文字情報のみの世界そのものの虚軸。寄生型の虚軸。私立挟間学園の1年9組に所属。小学3年の時に両親が離婚するが、中学2年の時に親が再婚し、速見殊子の義妹にあたる。旧姓は速見。現在の母は殊子の実母(舞鶴智代)、父は蜜の実父、蜜の実母は殊子の義母になる。幼少時代は他人と接することが苦手であった。実母がよく華美な洋服、父はメルヘンの本を買い与えていたため、ゴシック系の洋服を着用することが多く、メルヘンの本を読むことが好き。また、父と義母の再婚後、インターネット閲覧中に虚軸に感染。その力を唯一の親友であった君子に向けてしまったことから義姉となっていた殊子に能力の使用の制限を受ける。性格は内気であった以前と変わって攻撃的なものになっている。その虚軸の性質上、嘘をつくことができず、巧妙な嘘に対しては嘘と見抜くことができない。また、挑発に乗りやすい。アルコールに弱く、酒乱。料理は全くできない。別保透との戦闘において、力の発動のためにその左腕を自ら切り落としたため、後に短刀を仕込んだ義手を装着している。【無限回廊】と城島夫妻との戦いにて、鏡の【全なる終わり】に【壊れた万華鏡】の99%を回収され、殊子と同じ「一度でも力を使えば消滅してしまう状態」となってしまう。その影響で、以前のような人見知りに戻ってしまった。最終的にはその「最後の一回」の力も使ってしまい、完全に人間に戻った。その後に【アンノウン】の力で左腕は元にもどった。
速見殊子(はやみ ことこ)
【目覚まし時計】
形式名【目覚まし時計】-ハラハラ時計-。寄生型の虚軸。3年1組。生徒会書記。現在の母は蜜の実母、父は殊子の実父(速見宗吾)。「可愛いもの」好きで、ことあるごとに硝子にキスをねだる。女性と付き合い、別れる度、自分に花の入れ墨を彫っている。軟体動物が苦手。城島鏡、津久見奏との戦いで【目覚まし時計】のほとんどを回収され、「一度でも力を使えば消滅してしまう状態」となり、最後の力の使い道に悩んでいた。しかし、【エデンの恍惚】鴛野在亜の襲撃にて蜜と共に直接対峙。その際、蜜を庇ってナイフで刺され、死亡。最期の瞬間、かつて自分が蜜にかけた【壊れた万華鏡】行使制限を解除した。彼女の死は、以後の戦いに臨む晶や蜜たちに大きな影響を与えた。また、修正力が働いたために、かつての恋人である姫や、義理の妹となった君子にもその存在を忘れ去られている。
主要人物(一般人)
森町芹菜(もりまち せりな)
姫島姫(ひめしま ひめ)
直川君子(なおかわ きみこ)
私立挟間学園の1年9組に所属。硝子の友人。愛称きみちゃん。短いがウェーブのかかった色素の薄い髪。ミステリ小説好き。家庭内で虐待をうけていた。中学2年の時に蜜と親友関係にあったが、その記憶を殊子によって消されている。兄は虚軸に侵食された後に殺害され、父は無限回廊に身体を乗っ取られ、母は無限回廊に虚軸を埋め込まれた後に殺害されたために、家族のすべてが修正力によっていなかったことになってしまう。そのため、殊子の提案によって速見家の養子となった。家族が次々と虚軸として死に、修正力が集中して働いたせいか、壊れかけた修正力の中心となっている。そのため、修正力が正常に彼女に対して正常に働かない場合があり、一時はこの異常を排除を目的として【無限回廊】たちに狙われた。
挟間学園のその他の人物
敷戸良司(しきど りょうじ)
鴛野在亜(おしの ありあ)
私立挟間学園の2年3組に所属。芹菜の中学からの友人。文芸部所属。姫島姫経由で【有限円環】-アカイイト-に侵食される。また、無限回廊によって【夢使い】-ライドライヤー-と【ノッキング・オン】-ヘブンズドア-、【拒絶症候群】-レベル5-、【欠陥群体】-躁鬱障害-に浸食される。晶にはその有限円環以外の虚軸を破壊されたのみで、殺害されてはいないが、殊子によってその記憶を消去される。その後、以前から好きだった良司に告白し、付き合うこととなる。しかし、無限回廊による侵食を受け、【アンノウン】-ゆらゆら-、【悲しき玩具】-ラグドール-の劣化世界、【エデンの恍惚】-マニック・エデン-を無限回廊に植えつけられて狂人になる。最後は、舞鶴蜜の【絶対言語】―バベルズバインド-によって殺害された。
大田敦(おおた あつし)
直川浩輔(なおかわ こうすけ)
上野恭一(うえの きょういち)
その他
無限回廊(エターナル・アイドル)
晶の宿敵である虚軸。形式名【無限回廊】-エターナル・アイドル-。晶やその仲間の虚軸の関係者を利用し、唆し、時には虚軸を与えてぶつけることで、晶の日常を破壊すべく行動する。「虚軸を操る」という能力を利用し、固定剤を自由に選ぶことができる。また、寄生型の虚軸だが例外的に自我と人格を持ち、固定剤の体を完全に乗っ取ることができる。そのために容姿は物語の時期によって違う。自由に他の虚軸を付けることもできるので、複数の虚軸をその身に宿している。正体は、晶の母である城島鏡の「もし、流産した子供が無事に生まれていたら」という仮想観測によって生まれた虚軸で、本来ならば「晶」と名付けられるはずだった城島晶の兄である。最終決戦では【全一】の「世界の終わり」で存在を消滅させられるが、【有限円環】によって樹の体に意識を残し、最後に「出来損ない」と蔑んだ晶のことを認め、樹たちと共に晶たちのいない未来へ渡った。
用語
虚軸関連
【虚軸】-キャスト-
寄生型(きせいがた)
共生型(きょうせいがた)
【実軸】-ランナ-
『固定剤』-リターダ-
『世界系』-インスト-
『修正力』-リペイントマーカー-
『虚界渦』-アンダーゲート-
『形式名』-モデリング-
ダイレクトリンク
形式名
【全一】-オール・イン・ワン-
【世界の終わり】-カーテンフォール-
【有識分体】-分裂病-
【乖離へ至る病】-クリアランスゼロ-
【壊れた万華鏡】-ディレイドカレイド-
【絶対言語】-バベルズバインド-
【目覚まし時計】-ハラハラ時計-
【不発爆弾】-ARYTHMIE-
【アンノウン】-ゆらゆら-
物語後半で無限回廊による劣化世界が登場するが、こちらは使用した瞬間消滅する代わりに、固定剤が死亡すると自動で発動し、蘇生させるというオリジナルを超える性能を持つ。
【運命調節用多次元干渉体】-パラドクシカル・パラドクス-
【無限回廊】-エターナル・アイドル-
【純白虚偽】-スノウブラインド-
【劣化世界】-ジャンクパーツ-
【矮小関数】-オンリーF-
【揺籃未満の青い槍】-ミルククローゼット-
【卑小演算】- F < 0 -
【拒絶症候群】-レベル5-
【有限円環】-アカイイト-
【夢使い】-ライドライヤー-
【ノッキング・オン】-ヘブンズドア-
【欠陥群体】-躁鬱障害-
【悲しき玩具】-ラグドール-
【化人幻戯】-ピラミッド・ソング-
【二元を分つ永劫領域】-シェイカーメイカー-
【ライ麦畑の墜落死体】-ナイン・ライブス-
【冷たい玉座】-キル・ザ・キング-
【深淵に罹る熱】-ドリーム・シアター-
【エデンの恍惚】-マニック・エデン-
あまり戦闘向きの虚軸ではないが、大量被害に関しては異常な効果を発揮する恐ろしい虚軸。
【全なる終わり】-オール・イン・ワン-
さらに、実軸は全ての虚軸を生み出した母であるため、全ての虚軸を自らに回帰させ、統合する能力を持つ。強力な虚軸を取り込めば取り込むほど【全なる終わり】という"実軸"も強力になり、行使する修正力も強くなる。
【結合世界】-ユグドラシル-
舞台設定
挟間市 (はさまし)
私立挟間学園 (しりつはさまがくえん)
Patisserie & Cafe Fujiwara
『虚無への供物』 (中井英夫/著)
『ドグラ・マグラ』 (夢野久作/著)
『黒死館殺人事件』 (小栗虫太郎/著)
日本三大ミステリ (にほんさんだいミステリ)
『死霊』 (埴谷雄高/著)
ディープ・パープル
『うたかたの日々』(ボリス・ヴィアン/著)
『職安戦隊ハローワーカー』
『おいでよ ぞくぶつのもり』
既刊一覧
- 藤原祐(著) / 椋本夏夜(イラスト)、メディアワークス〈電撃文庫〉、全10巻
- 『レジンキャストミルク』2005年9月10日発売、ISBN 4-8402-3151-6
- 『レジンキャストミルク 2』2006年1月10日発売、ISBN 4-8402-3278-4
- 『レジンキャストミルク 3』2006年5月10日発売、ISBN 4-8402-3435-3
- 『レジンキャストミルク 4』2006年6月10日発売、ISBN 4-8402-3452-3
- 『レジンキャストミルク 5』2006年9月10日発売、ISBN 4-8402-3555-4
- 『れじみる。』2006年12月10日発売、ISBN 4-8402-3641-0
- 『レジンキャストミルク 6』2007年3月10日発売、ISBN 978-4-8402-3763-5
- 『レジンキャストミルク 7』2007年6月10日発売、ISBN 978-4-8402-3882-3
- 『レジンキャストミルク 8』2007年9月10日発売、ISBN 978-4-8402-3976-9
- 『れじみる。Junk』2007年12月10日発売、ISBN 978-4-8402-4124-3
- 『レジンキャストミルク』2005年9月10日発売、ISBN 4-8402-3151-6
- 『レジンキャストミルク 2』2006年1月10日発売、ISBN 4-8402-3278-4
- 『レジンキャストミルク 3』2006年5月10日発売、ISBN 4-8402-3435-3
- 『レジンキャストミルク 4』2006年6月10日発売、ISBN 4-8402-3452-3
- 『レジンキャストミルク 5』2006年9月10日発売、ISBN 4-8402-3555-4
- 『れじみる。』2006年12月10日発売、ISBN 4-8402-3641-0
- 『レジンキャストミルク 6』2007年3月10日発売、ISBN 978-4-8402-3763-5
- 『レジンキャストミルク 7』2007年6月10日発売、ISBN 978-4-8402-3882-3
- 『レジンキャストミルク 8』2007年9月10日発売、ISBN 978-4-8402-3976-9
- 『れじみる。Junk』2007年12月10日発売、ISBN 978-4-8402-4124-3