レンズと悪魔
以下はWikipediaより引用
要約
『レンズと悪魔』(レンズとあくま)は、六塚光による日本のライトノベル。イラストはカズアキが担当している。角川スニーカー文庫(角川書店)より2006年10月から2009年11月まで刊行された。
ストーリー
遠い星で、人間たちは「悪魔」を使役するようになっていた。無色透明の円盤(レンズ)で召喚される「悪魔」は、大気に含まれる塵から生まれるものである。人間は「悪魔」を虚体として身につけていた。 6年前に謎の死を遂げた父チェビアトと暮らしていた、美貌の首都「ブルティエール」に帰還した青年、エルバは、そこで父にまつわるトラブルに巻き込まれてしまう。父を知る少女、テッキに助けられ、彼女の博物館に誘われるが、彼女はエルバの持つ、チェビアトの遺物の謎の円盤のことを知っているらしい。その円盤が、エルバを壮絶な戦いへと導く鍵となっていくこととなる。
登場人物
主な登場人物
エルバ・ナイトロンド
本作の主人公。父チェビアトの死の謎を探る、西部人の19歳の青年。金髪碧眼。左腕にホルダーをつけている。青色のフードつきの服を着ている。
短気かつ少々乱暴的で、気に入らないことには逆上しトラブルを巻き起こす時もある。だが責任感は強く、一度決めた事は遣り通す芯の強い一面も。
東部と西部の両方での生活を経験しているため、東部においては東部の、西部においては西部のしきたりに従うが、基本的には西部のスタイルを気に入っている様子。
「俺には、この世において存在を許せないものが3つある」と前置きをして相手を非難するのが癖。ちなみに、嫌いなもののうち1つめと2つめはその場面に関係のないもので、3つめに挙げるものが非難の対象であることが多い。
容貌はチェビアトと間違われるほどの父親似。目つきが悪く、右目と両腕には6年前の父親殺害時に負わされた傷がある。
八眼争覇に参加したのは、6年前にエルバの目の前で父親を殺した者への復讐をするため。「氷結の魔神」の円盤を持つ。
アルテキア・バベルハイズ
通称テッキ。魔王の瞳を守る守護家系のうちバベルハイズ家の血をひく唯一の人物で、悪魔を展示する「バベルハイズ自然史博物館」の館長を務めている18歳の少女。
赤髪の長髪、後ろ髪は縦ロール風になっており、瞳の色は金色。黒の豪奢なゴシック調に近いドレスを身に纏っており、黒の帽子を被っている。6年前の八眼争覇で当時チェビアトに恨みを晴らそうとしていたシローに人質として作業場に誘拐され、自ら自分の右手を切り落とせざるを得ない状況に追い込まれた。それ以来、彼を殺すとエルバに断言するほど、シローを深く恨んでいる。そして、その恨みを忘れない為、自ら望んで右手に万力をつけている。
責任感・義務感が強い。サクラとは姉妹同然の仲で、互いを深く理解している。ファルナとは犬猿の仲だったが、彼女がネアの炎に焼かれて意識を取り戻さなかった時はかなり精神的にショックを受けていた。
博物館は資金難から現在閉館中であり、普段は探偵業を営んでいる。サディストな一面を持ち、巷で「フラッシュ・ヴァイス(閃光の万力)」と言えば、「素手で悪魔を殺す」「歩いた後には墓石が生える」と恐れられている。
八眼争覇に参加したのは一族の悲願である魔王の再封印と「バベルハイズ自然史博物館」を復興させるため。「無形の魔神」と契約していたが、サクラとヤミに敗れ、更に万力で殴られ重傷を負い、しばらく眠ったきりだったが、デイジーと共に車椅子に乗って駆けつけていた。尚、現在は万力をつけず、ボルの片割れを右手代わりにしている。
サクラ・イシザワ
オーラン先住民の18歳の少女。リの一族と呼ばれる民族の生き残り。 茶色の髪に茶色の目を持ち、横の髪が長く、後ろは短髪。浴衣に近い服を着ている。もともと頭に角が生え、常に眼鏡を掛けていたが、オーラン先住民の特徴である眼鏡と右の角はテッキの万力に砕かれ、残った左の角は自ら柱に打ち付けて砕いてしまった。
誰に対しても優しく、おっとりとしているマイペースな性格で天然ボケな一面もあるが、一度こうと決めたら絶対に譲らない強情な一面も持つ。怒る事自体滅多に無いが、戦闘時は好んで大型の悪魔を使役し、力押しの戦法を得意とする。その実力は確かなもので、テッキと共に八段の免許を所有している。また、テッキとは姉妹同然の仲。カエデとも仲が良く、姉の様に慕っている。
過去に「オーラン虐殺」の事件により、全てを失った。この時のサクラは父親が神殿の一室に押し入れた事により助かる。
エルバがシローを殺害したその場に居合わせ、エルバを倒しシローの敵を討つべく「闇照の魔神」と契約し、テッキとボルのコンビを破り、彼女に重傷を負わせた。自身の力を試す為、死んだ人間の姿に変えたヤミを引き連れ、ブルティエールの東番外地に出没していたことから、「レイスクイーン(悪霊女王)」の異名を持つ。
ファルナ・エレイスン
八眼争覇運営関係者
ブラナ・ラ・モート
「魔王の残滓」。八眼争覇の主催者。少女の姿と声を持つが、話し方はまるで老人。白い奇妙な神官服のような衣装を着ており、顔を白いフードで半ば隠している。肌は気味が悪いほど白く、両目は閉ざされている。ちなみに、この姿は大気中の塵を集めてなんとか虚体を保った思念体であるため、他の物や生物に触れることが出来ない。(ただし、自身の肉体の一部である八枚の魔王の瞳は触れることが出来る。)人の運命を少しばかり操作する能力を持ち、八眼争覇参加者の望みを叶え、副賞として永遠の若さを与えるとともに、彼らを過酷な戦いへと導き、自身の復活を目論んでいるが、真の目的は魔神達の人格を形成すること。二百年前に封印されてからは、人間を深く恨んでいる。
八眼争覇参加者
カエデ・ニカイドウ
サイクス・バルヒーヨ
クラヴリー・ガーディアン
コレル・バガテル
クルト・キングスリー
シロー・イシザワ
サクラ・イシザワの兄。「闇照の魔神」の円盤をもつ。
八眼争覇に参加したのはドースの地からオーラン人以外の全ての人間を殲滅するため。
闇照の魔神ヤミ・ヤタと契約し前回の八眼争覇に参加、自分と母親を捨てたチェビアトに復讐すべくテッキを人質に取りチェビアトを殺害、これに勝利するも八眼争覇がノーコンタクトとされたため、シード選手として引き続きヤミのパートナーとして今回の八眼争覇に参加していた。エルバと立ち会うも敗れ、死亡する。
チェビアトとオーラン人女性の間に生まれた、エルバの異母兄弟とされてきたが、チェビアトではなくカナティックが父親。その事実をカナティックから教えられるが、聞き入れずにカナティックを殺害した。
過去の八眼争覇参加者
クラエス・ルンホルム
アンテノラ
ジーニー・セブンデイ・ルンホルム
ミカル・ナガサカ
魔神
ルナ・ルガ
ボル・ボル
「無形の魔神」。塵器は矢。円盤の色は緑。自身の色や形を自在に変え、2~3体ぐらいなら分裂もできる。また、人間の身体に寄生し、擬似的な筋肉となることも出来る。契約者は、ボルと一体化して緑色の粘体となり、どんな隙間でも通り抜けることが出来るが、幻肢逆流によるダメージがひどくなるのと、相手に紋様を読まれやすくなってしまうという欠点がある。
普段の姿は八本の触手を持ち、胴体には大きな目と口が一つずつある。タコに近い形をしている。
豪快な笑い方が特徴的。(テッキ、エルバ曰く、「下品」)また、性格も豪快かつ大胆であり、ムードメーカー的存在でもある。多少口は悪いが、観察力・洞察力に優れており、意外にも物知りである。また、かつて契約していたミカル・ナガサカがチキュウ空手の使い手だった為、チキュウ空手もある程度熟知しており、リデルと戦った際、真似事とはいえテッキにチキュウ空手をさせて見せた。
サクラ・ヤミ組と立ち会うが、敗れる。
マロ・マロ
ネア・ネア
ヤミ・ヤタ
ミナ・ミグ
アギ・アダ
地名
ドース連邦
大きく東部と西部に分けることができ、首都のある東部の文化は洗練されているが、西部は未開拓の地も多く実質を重んじる傾向が強い。
両者の対立は10年前に「西部内乱(西部独立戦争)」として火を噴くことになったが、東部軍が勝利。
ブルティエール
上空から見ると、八つの同心円状の街路を見ることができ、その中央に総督府がある。そこから八本の直線の街路が放射線状に延びており、ブルティエールは、その円と直線の街路によって六十四の街区に分けられている。最も内側の第一円の街区は、時計回りに十一区、十二区、……十八区と名づけられており、これが第八円まで続いている。
用語
円盤(レンズ)
召喚主は召喚した悪魔の能力を利用することができ、腕力や脚力の増大はもちろん、飛行できる悪魔なら空を飛べるし、魚型の悪魔なら潜水もできる。
この円盤は人類に大きな繁栄をもたらし、現在では悪魔召喚が日常的に利用されている。
逆流(バックワード)
特に翼や角など召喚主が持たない部位にダメージを受けると、まさに「想像を絶する」痛みを受けることになる。
これを幻肢逆流(ファントムペイン)と言い、強力かつ特異な体型をした悪魔の扱いを難しくしている原因である。
紋様(クリプト)
核紋様(コアクリプト)
で破壊されてしまう。
魔神
通常の悪魔と違って自らの意識を持ち、召喚されても召喚主と一体化することはなく別行動を取れる。
魔王の八つの瞳から一体ずつ産まれたとされ、体型や能力は様々であるがその全てが隻眼なのが特徴。
魔王戦争
数百年前の出来事だが、現在ではおとぎ話として扱われている。
八眼争覇(ディアボリックパーティー)
参加者には、魔王の力で「悪魔に魂を売ってでも」叶えたい望みを手伝う(完全に願いを叶える訳ではない。仇討ちが望みなら、その相手と引き合わせるだけである)ことが約束される。
過去にも数回開催されているが、未だ魔王は復活していない。勝者が魔王の依代に相応しくなかったからだとされている。
紋様解析(クリプトアナライズ)・紋様破壊(アンチクリプトストライク)
紋様解析後、塵器を用いてその悪魔を強制解放すること。魔神しか行えない。
「塵より生まれしもの、塵へと還れ」と放つ時に必ず魔神が言う言葉。しかし、塵器の形態によっては魔神使役者が言う場合もある。「無形の魔神」ボル・ボルとアルテキア・バベルハイズがそれにあたる。
紋様組替(クリプトチェンジ)
塵器(ストライカー)
塵器を使って紋様解析を行い、それが進むと、塵器の色がその魔神の円盤の色に強く輝いていく。紋様破壊後、塵器は消えてしまう。
能力逆流(スピンオフ)
既刊一覧
- 六塚光(著) / カズアキ(イラスト) 『レンズと悪魔』 角川書店〈角川スニーカー文庫〉、全12巻
- 「魔神覚醒」2006年10月1日発売、ISBN 4-04-470707-3
- 「魔神跳梁」2007年2月1日発売、ISBN 978-4-04-470708-8
- 「魔神攘戮」2007年6月1日発売、ISBN 978-4-04-470709-5
- 「魔神幻世」2007年8月1日発売、ISBN 978-4-04-470710-1
- 「魔神陥落」2007年11月1日発売、ISBN 978-4-04-470711-8
- 「魔神応報」2008年2月1日発売、ISBN 978-4-04-470712-5
- 「魔神決壊」2008年5月1日発売、ISBN 978-4-04-470713-2
- 「魔神変光」2008年7月1日発売、ISBN 978-4-04-470714-9
- 「魔神劫罰」2008年11月29日発売、ISBN 978-4-04-470715-6
- 「魔神狂咲」2009年4月1日発売、ISBN 978-4-04-470717-0
- 「魔神集結」2009年10月1日発売、ISBN 978-4-04-470719-4
- 「魔神開放」2009年11月1日発売、ISBN 978-4-04-470720-0
短編