レヴァイアサン戦記
以下はWikipediaより引用
要約
『レヴァイアサン戦記』(レヴァイアサンせんき)は、夏見正隆によって著された架空戦記小説。1994年から1996年の間に徳間書店の徳間文庫で発表された。全5巻からなる。
2006年に朝日ソノラマのソノラマノベルスから全3巻の新書版で再刊され、2013年には文芸社の文芸社文庫にて『天空の女王蜂』(てんくうのホーネット)というタイトルで文庫化された。全3巻。
なお、徳間書店版と同時期に、本作の続編(姉妹編)にあたる『わたしのファルコン』全5巻がソノラマ文庫から並行して出版されていた。こちらは現在は朝日ノベルズから全3巻の新書版で再刊されている。
舞台背景
あらすじ
第二次世界大戦のミッドウェー海戦にて、アメリカ合衆国太平洋艦隊に勝利した大日本帝国は、そのまま連合国と対等な立場で終戦を迎えたものの、戦後の大不況により発生した内戦により利根川を国境として西日本帝国と東日本共和国に分裂してしまう。その後21世紀に入り、宇宙からの謎の落下物をめぐって戦争勃発寸前になる。
西日本帝国
資本主義の自由主義国家。首都は西東京。帝国とは名ばかりで現実の日本同様に身分制度は廃止されているものと思われる。しかしパロディとして行き過ぎた資本主義をコミカルに描いており、貧富の差という階層社会が形成されている。天皇を国家元首としているが、実質は立憲君主制で内閣総理大臣が政務を担当している。かつて東京が分断戦争にさらされたためか、天皇は京都にいる。
国防体制
西日本帝国軍は陸・海・空の三軍からなっている。帝国陸軍は文中には90式戦車を主力戦車とするような記述がみられる。そのほかにはパトリオットミサイル、81式短距離地対空誘導弾(81式短SAM)など、現在の陸上自衛隊装備と共通する部分も見られる。
帝国海軍は世界最大の戦艦『大和』や太平洋戦争(作中では太平洋一年戦争)時代の航空母艦5隻など、世界有数の装備を保有している。空母の艦載機は川崎重工がライセンス生産したF/A-18 ホーネットを採用している模様。その他、攻撃型潜水艦「さつましらなみ」や対潜フリゲート「瑞穂」など、多数の艦艇を保有している。「群青」、「新緑」の2隻のイージス艦はアメリカのタイコンデロガ級イージス巡洋艦を購入、もしくはライセンス生産したものと思われる。
帝国空軍は航空自衛隊と共通している装備があり、F-15J イーグルやF-1がその代表的な例である。また、対地攻撃・対艦攻撃などの戦術作戦を行うF-15E ストライクイーグル、航空機の管制・空中警戒を行うE-3 Aセントリー AWACSも保有している。特徴的なのは硫黄島空軍基地に配備されている衛星高度戦闘機VX-708Aで、これらは後述の東日本宇宙空母の領空侵犯に対処すべく配備されている。
帝国陸軍には国家安全保障局があり、主に情報戦を担当している。
政府一般
西日本政府は基本的に現実の日本国政府と変わりないものと思われる。ただし、防衛省は国防総省となっている。外務省と国防総省が大蔵省と対立している雰囲気をにおわせる1シーンが見られる。また基本的に西日本帝国の官庁は年功序列と思われる。1巻の文中に海軍省という記述が見されるが詳細は不明。また、国税庁は独自の武装組織「武装税務徴収隊」を持っており、避難する住民の進路を封鎖して臨時の特別確定申告徴税所を設置し、強引に徴税できるほどの権限が与えられている。
国民生活
帝都西東京にある六本木では高級クラブで財閥などの金持ちが遊んでいる描写があることから、やはり政財界の圧力が感じられる。帝国総理大臣の木谷信一郎が私学助成を全廃したため、全国の私立大学が首都圏の名門校を除いて軒並み倒産し、国公立大学や生き残った私学の競争率が恐ろしいほど上昇、授業料も医学部にいたっては80倍という異常な状況になっている。また、自動車税や罰金なども非常に高額に設定されており、駐車違反にいたっては1回で100万円、それも1時間おきに100万円ずつ上乗せされていくため1日の最高額が2,400万円という超高額罰金システムとなっている。
東日本共和国
社会主義国家。「暫定首都」は新潟。平等党(現実世界の東側諸国における共産党や労働党に相当)が一党独裁体制を採っている。「暫定首都」とは、東日本がいずれは西日本帝国を占領し、東京を首都とするという願望をあらわにしている。
国防体制
東日本人民軍は陸・海・空の三軍と平等党警護隊、議事堂警護隊という計5軍によって成り立っている。軍の装備は全体的に老朽化しており、空軍機で西日本のF-15Jに張り合えるのはMiG-29フルクラム位である。また攻撃ヘリもMi-24ハインドが配備されているが数は少ないと思われる。
ただし、ソ連崩壊時に亡命してきた共産党高官らから最新鋭の宇宙兵器等を譲渡されている。
政府一般
表面上は基本的に他国と大差ないが、実際には平等党書記長山多田大三の独裁体制である。
国民生活
人口は約6,200万人で、その内約200万人が平等党の党員とその家族であり、その他の国民は一般国民と呼ばれている。
一般国民には漢字や割り算すら教育されない。漢字が読めれば、西日本帝国の書物が読める事からその防止であり、割り算が出来れば食料配給等の不公平さに気づかれるので、これを避けるためである。英語・社会科なども教えず、愚民政策といえる。一般国民は一応個人名があるような描写が見られるが、基本的に国民番号という番号で呼ばれている。
主な登場人物
愛月有理砂
葉狩真一
水無月是清
山多田大三