ヴァンデミエールの翼
以下はWikipediaより引用
要約
『ヴァンデミエールの翼』(ヴァンデミエールのつばさ)は、鬼頭莫宏による日本の漫画。近代から現代を舞台としたファンタジー作品で、四季賞入賞作品『ヴァンデミエールの右手』の続編。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、1996年1月号・8月号・11月号、1997年の3月号・6月号・7月号、1998年の1月号に不定期に掲載された7話と単行本に描き下ろされた最終話「ヴァンデミエールの滑走」を含めた全8話構成。
「自律胴人形」をモチーフに描かれた連作で、非常に啓蒙的な内容を作者独特の繊細で儚い絵が盛り上げている寓話的な作品。「自律と自立」や「個(アイデンティティ)」をテーマとする。
概要
ストーリー構成は、毎回1体のヴァンデミエールが登場し、どこか歪な心を持った少年(青年)を交えて、支配者や戒律など、自分を束縛するあらゆるものから自由を勝ち取る姿を描いた1話完結の連作である。
新人賞受賞作であり第1話でもある「ヴァンデミエールの右手」は鬼頭の友人の「アンドロイド」がテーマの同人アンソロジー本に載せるために作った話を、アフタヌーン四季賞用に投稿した作品であり、この短編のモチーフとして鬼頭はレイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』と1983年から1985年にかけて放映されたサントリーローヤルのCF『ランボー』編を挙げている。ヴァンデミエールはこのCMに登場する天使の姿をした少女を元ネタとし、ハンス・ベルメールなどの影響も受け、自動人形という設定にしたと語られている。
永らく実質的な絶版(品切重版未定)状態であったが、2007年にオンデマンド出版のコミックパーク(受注生産の紙媒体)やYahoo!コミックなどの電子配信で復刊され、翌年の2008年6月に単行本の再販も開始された。2018年5月には1冊に纏めた新装版が発売した。単行本での扉、目次、そで部分のカラーイラストやコメントは削除され、新装版刊行に際する作者コメントが新たに掲載されている。
あらすじ
己を「支配するもの」から脱却するために、ヴァンデミエールは色々な代価を支払うことで自由を獲得する。人間のまがいもの、機械のまがいもの、天使のまがいものという、何者にも属さない苦悶を持ち、「まがいもの」として物語を彩るが、最終話にて第1話の少年と邂逅し、自らの羽根をもぎ取って奔走しだす。
登場人物
ヴァンデミエール
本作の主人公。背中に翼が生えた少女の姿をした自律胴人形。本来、翼は自由の象徴のはずだが、ヴァンデミエールのそれは人々の憐憫を買うためにつけられている。主人公となるヴァンデミエールは4体おり、翼のサイズや色も1体1体異なるが、どのヴァンデミエールも自由を獲得するために戦っている。
ヴァンデミエールを区別するために以下のように仮称する。
・1体目、以降「右手」と仮称。第1話と第3話、最終話に登場する。
・2体目、以降「二対」と仮称。第2話に登場する。
・3体目、以降「紺髪」と仮称。第4話と第7話に登場する。
・4体目、以降「双子」と仮称。第5話と第6話に登場する。
この仮称は人物紹介の最初に出てくるヴァンデミエールの後ろに括弧書きで付ける。記載が無い場合は最初の記載のあるヴァンデミエールのことを指していると考えてよい。
レイ
座長
ウィル
ミルトン
ブリュメールの父
エイバリー
ニヴォゼ
木工屋
書誌情報
単行本
- 鬼頭莫宏『ヴァンデミエールの翼』 講談社〈アフタヌーンKC〉、全2巻。
- 1997年4月23日初版発行(1997年4月21日発売)、ISBN 4-06-321069-3
- 1997年12月18日初版発行(1997年12月16日発売)、ISBN 4-06-321078-2
新装版
- 鬼頭莫宏『新装版 ヴァンデミエールの翼』 講談社〈アフタヌーンKC〉、全1巻。
- 2018年5月23日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-511657-9
サブタイトルリスト
収録巻 (単行本) |
収録巻 (新装版) |
話数 | サブタイトル | ヴァンデミエール |
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第1巻 | 第1巻 | 第1話 | ヴァンデミエールの右手 | 「右手」の登場回。 |
第2話 | ヴァンデミエールの白翼 | 「二対」の登場回。 | ||
第3話 | テルミドールの時間 | 「右手」の登場回。 | ||
第4話 | フリュクティドールの火葬 | 「紺髪」の登場回。 | ||
第2巻 | 第5話 | ブリュメールの悪戯 | 「双子」の登場回。 | |
第6話 | ヴァンデミエールの黒翼 | 「双子」の登場回。 | ||
第7話 | ヴァンデミエールの火葬 | 「紺髪」の登場回。 | ||
最終話 | ヴァンデミエールの滑走 | 「右手」の登場回。 |