ヴィルトゥス (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『ヴィルトゥス』は、原作:義凡、作画:信濃川日出雄による日本の漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2008年から2009年まで連載された。単行本は全5巻で全49話(小学館ビッグコミックス)。第二部である続編の『古代ローマ格闘暗獄譚SIN』は、『月刊!スピリッツ』2009年10月号から2011年11月号まで連載され、単行本は全6巻(同)である。
あらすじ
第一部
西暦185年、ローマ帝国は暴虐帝コンモドゥスの治世によって堕落しつつあった。これを憂いた愛妾マルキアは、強力な戦士であるコンモドゥスを倒すべく、ヴィルトゥスを持つ者を求め、秘術を用いて2008年、府中刑務所の運動場にいた鳴宮尊の前に出現し、その周囲にいた囚人ごとタイムスリップさせた。自分たちの状況も分からず戸惑う囚人たちは、突然コロッセウムでゲルマン戦士たちと生死をかけた戦いを強いられる。尊の力によって彼らは生き残るが、そのまま強制的に奴隷闘士にさせられ、ギリシャの孤島にある悪名高い興行主ガムラの養成所に送られる。
第二部
西暦188年、ローマ帝国アカエア属州アテナイで、かつてのいじめられっこの囚人だった神尾心は、「数を数える男」シンとして連戦連勝を続ける残忍極まりない格闘士となっていた。かつての仲間の目を潰してしまうほどの狂気じみた行動をするが、その後現れた格闘士レクシウスに致命的な弱点を教えられ、それまでの自身を粉砕されてしまう。しかし、思い悩んでいたところを食堂の店主ガイと出会い、悩みを打ち明け、それに対し「嫌いな人に会った事がないから強くなりたいと思ったことがない」と言うガイに対し、シンは「自分は好きな人に会った事がない。だから迷うことなく強さを求め続ける」と答えを出し、決心をする。そして、レクシウスの婚約者サリーナの処女を強姦し、激怒したレクシウスと闘技場で対決する。その勝敗の結末はいずれもシンの死に繋がるものであった。
登場人物
鳴宮尊(なるみや たける)
第一部の主人公。柔道世界王者。ヴィルトゥスに似た大和魂と持つとされる。普段は温厚で正義感が強いが、感情が理性で抑制できなくなると凶暴な別人格を露わにする。父親の鳴宮凱を殺した罪で服役しているが、そのことがトラウマとなり、父親の幻覚を見ることがある。父親が主催するカルト集団「整流」で生まれ育ち、その中で幼いながらも最も凶暴で父親から期待されていた。しかし、脱走した母親の命をかけた説得によって改心し、その後の10年間は一般社会で幸福に暮らす。だがある日、現れた灰島によって地下格闘イベントに連れて行かれ、母と養父を殺害され、怒り狂い父親と対決し、殺害してしまう。背中に大きな火傷の痕があるが、これは凱によってつけられた。
神尾心(かみお しん)
第二部の主人公。囚人。引きこもりだったが、フリースクールの講師を刺した(過剰防衛)ために、傷害罪で服役する。どこに行ってもいじめられる不運な少年だが、尊や仲間たちに助けられ、強くなっていく。続編『古代ローマ格闘暗獄譚SIN』では主人公となり、鳴宮尊の死後、試合では連戦連勝を続けるが、クルキスとの練習試合でそれまで抑えていた狂気を発揮し、以後関節技で相手の骨を破壊する「数を数える男」シンと呼ばれる残忍極まりない格闘士に変貌する。幼少期に継父と実母から虐待された過去など、そのトラウマ(ルサンチマン)を克服するために強者になり、自分を馬鹿にしてきた連中に「罰」を与えることに固執する。自分に親切にしてくれた相手すら憎悪の対象になる。
灰島(はいじま)
相沢龍也(あいざわ たつや)
鳴宮凱(なるみや がい)
鳴宮尊の父親。少年のように澄んだ瞳と笑顔を持つ大男で、事実、子供のように純粋だが、それゆえに自らの欲求に忠実で、人倫にもとる行為を平然と行うサイコパス。16歳で全日本学生柔道選手権に優勝し、大学入学後は左翼学生運動に身を投じたが、実は思想に関心がなく、単に殺人衝動を満たすためだけに運動に加わり、抗争のどさくさに紛れセクトの仲間、右翼を問わず学生を多数殺し、自分にあるのは右翼でも左翼でもない血に飢えた狼の牙と語る。その後、「整流」を主催し、悪逆の限りを尽くすが、発覚後に国外逃走する。その後、成人した鳴宮尊の前に再び現れるが、尊に敗れて殺される。
第二部では、なぜか生きてタイムスリップしており、アテナイで食堂の主人をしている。繁盛している店の陽気な主人で偶然出会ったシンにアドバイスをする。だが実は、昔と同じように笑顔の下僕を従え、シンが帰った後、酔いつぶれた客たちに最後の夜を迎えさせる。その後、単身西暦192年のローマに現れ、サリーナがいる娼館の用心棒となる。
コンモドゥス
用語
整流
死人