一清&千沙姫シリーズ
舞台:日本の戦国時代,
以下はWikipediaより引用
要約
『一清&千沙姫シリーズ』(いちきよ&ちさひめシリーズ)は、柳原望による日本の漫画のシリーズ。
第1作、「お伽話を語ろう」が『LaLa』(白泉社)の1993年9月号に掲載され、同誌の1994年9月号から1996年9月号まで連載された。単行本は、同社の花とゆめCOMICSから全8巻が刊行された。国名・人名などはすべて仮想の戦国時代を舞台としている。
あらすじ
大国安住の姫君である千沙は、隣国の弱小国、加賀へと嫁ぐことになる。しかし、加賀に向かってみれば花婿は戦へと赴いており、へそを曲げてしまう千沙。国へ帰ろうかと思い立つが、加賀の人々の優しさ、加賀の殿様への信頼を知る(「お伽話を語ろう」)。
千沙が加賀へ嫁いでからしばらく経ったある日、隣国の下条でお家騒動が起こったとの報告が一清のもとにもたらされる。下条の現当主、浩美は千沙の幼馴染で、「優しい子」とのことなのだが。下条の情報を得るため、一清は千沙を伴って国境まで出向いた(「そうしてお伽話になる」)。
千沙の父・安住が一清に突きつけてきた要求は、金山の地脈を見る少女、菊を差し出せというもの。安住の命令には逆らえず、しかし金山の秘密を知られるわけにもいかない一清は苦渋の選択を迫られることになる。しかし、菊を死なせて事態の解決を図ろうとする加賀のやり方に千沙は納得できず、彼女の手を取って逃げ出すことに(「わがまま姫の反乱」)。
だんだんと過酷になっていく安住からの要求。そんな中、千沙の母・千絵が病気になったということで、安住に向かう一清と千沙。しかしそこで待っていたのは、安住からの予想外の要求だった。一清は加賀を守るために千沙と別れる決意をする(「お日さまとお月さま」)。
安住との対立が決定的となった加賀が一清の指揮のもと、戦の準備を整えていく。安住から寝返った大谷源十郎を召抱え、下条の家とも同盟を結ぶべく動き出す一清。そんな中、安住の名代と名乗る僧・峯月から会談の申し入れが。一方、千沙にも劇的な変化が訪れる(「1/10のないしょ話」)。
ついに安住との戦が始まった。圧倒的に不利な状況の中、それでも加賀を守るために戦う一清と、それを支える千沙。多くの犠牲を出し、ついには一清までが行方不明となってしまった中、千沙は決断を下す(「お伽話がきこえる」)。
シリーズ作品
1.お伽話を語ろう
2.そうしてお伽話になる
3.わがまま姫の反乱
4.お日さまとお月さま
5.1/10のないしょ話
6.お伽話がきこえる1 - 3
なお、「加賀家の一日」「お伽話がはじめる」「ほほえんだ瞳」の3編は加賀家の過去を描いた回想、「名前を呼ぶ声」「掛けの行方」「高貴なる人生」「今日も明日も明後日も」の4編はサブキャラに焦点をあてた、それぞれの番外編である。
登場人物
主要登場人物
千沙姫(ちさひめ)
大国安住の一人娘で、一清のもとに嫁いできた。一般には加賀の金に目をつけての政略結婚と目されているが、男子のいない安住は一清を後継者にと考えており、そのための布石でもあった。
性格は天真爛漫で、人を疑うことを知らない。政略結婚で嫁いできた一清には一目惚れしており、その後さまざまな苦難を経ても想いは変わらず、夫婦仲は良好である。その性格から誰にでも分け隔てなく接することができ、加賀の民からの評判は決して悪くない。それでも当初は「安住のお姫さま」という扱いであったが、「わがまま姫の反乱」でのいきさつを経て「加賀の姫さま」と慕われるようになり、一清が彼女を実家から取り戻そうとした際には、民たちも手を貸すほどだった。自分の気持ちに正直で、それが「わがまま」と言われることもあるが、結果的に彼女の強い意志が事態を好転させたことも少なくない。ただし、普段はどちらかといえば間の抜けたところがあり、周囲から「単純」とからかわれてはむくれている。
手紙を書くのが趣味で、子供の頃からの許嫁であった一清のもとにもせっせと手紙を送っていた。
「言の葉の種」で子供を授かるが、その性格や言動からくる幼さのためか、作者のもとへは「どーやって子供作ったの?」と手紙まで来ていたようである。
加賀 一清(かが いちきよ)
弱小国加賀の国主。普段気のいい青年で、少しとぼけたところがあり、馬に「馬子」、鳥に「鳥子」、挙句は人に「人間ちゃん」と名づけようとするなど、ネーミングセンスは皆無である。千沙のお願いにもずれた返事をすることが多く、千沙に「実家に帰らせていただきます!」(通称・実家コール)と怒られることもしばしば。他人の気持ちにも鈍感で、浩美の千沙に対する好意についてもまったく気付いていなかった。
しかし、かつて鷲尾から侵略を受け、その戦で前国主であった両親や兄たちを失っており、その経験から、自分にとって大切な人々(加賀)を守るためになら非情になることも辞さない人物でもある。剣技も戦略能力も卓越しており、加賀が独立を維持していられるのも彼の手腕によるところが大きい。この実力が安住をして後継者にと考えさせているのだが、本人は加賀の人々と共にあることを望んでおり、地位や権力には無欲である。
あまり感情をあらわにすることはないが、千沙に対しては幼少期の文通時代から好意を持っており、嫁いできてからも大切に思っている。ふえや大谷にからかわれることもしばしば。
一姫(いちき)
かえこ
きえこ
加賀の国の人々
大谷 源十郎(おおや げんじゅうろう)
本名は源。小谷村というところに生まれ、「でっかい名前がいい」という理由で鼓に「大谷源十郎」という名前をつけてもらった。悪童だったため、村人に盗人の疑惑を掛けられたが、「高貴な人」が自分を信じて助けてくれたことで、自分も「高貴な人」になることを思い立つ。100人以上の手下を従えた大盗賊になり、「潮浜岬の酒呑童子」と近隣に恐れられるまでの存在になる。
それから浪人し、安住・渓江と主君を変えるが、自分にとっての「高貴」が加賀であると信じ、一清に仕えることになる(半分はふえに惚れたからであるが)。腕っ節も強く、頭も働き加賀にとってはなくてはならない人物。普段は陽気な青年だが、時折、盗賊時代の顔をのぞかせることもあった。
菊(きく)
克乃(かつの)
保(やす)
加賀 一和(かが いちかず)
鮎太(あゆた)
安住の国の人々
安住さま(あずみさま)
峯月(ほうげつ)
下条の国の人々
下条 浩美(しもじょう ひろよし)
お香(おこう)
書誌情報
白泉社文庫
- 『お伽話を語ろう』 2006年1月13日刊行 ISBN 4-592-88628-3
- 『1/10のないしょ話』 2006年7月14日刊行 ISBN 4-592-88480-9
- 『お伽話がきこえる 1』 2007年5月15日刊行 ISBN 978-4-592-88531-3
- 『お伽話がきこえる 2』 2007年5月15日刊行 ISBN 978-4-592-88532-0
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