三屋清左衛門残日録
ジャンル:時代,
以下はWikipediaより引用
要約
『三屋清左衛門残日録』(みつやせいざえもんざんじつろく)は、藤沢周平著の連作短編時代小説。
『別册文藝春秋』1985年夏季号から1989年新春号に連載され、1989年に文藝春秋から単行本が刊行された。1992年に文春文庫に収録されている(ISBN 978-4167192273)。
概要
三屋清左衛門は、用人として仕えた先代藩主の死去に伴い、新藩主に隠居を願い出て、国元で隠居生活に入った。隠居の日々は暇になるかと思われたが、実際には友人の町奉行が抱える事件や、知人やかつての同僚が絡む事件の解決に奔走することになる。さらには、藩を二分する政争にも巻き込まれていく。
1993年(平成5年)から仲代達矢の主演により『清左衛門残日録』のタイトルで、NHKでテレビドラマ化された。また2016年(平成28年)からは北大路欣也の主演によりテレビドラマ化され、時代劇専門チャンネル、BSフジ(HD版)、スカパー! 4K総合(4K版)で放送。
舞台である藩
作品中には名称も地方も明示されていないが、描かれている風物や名物(ハタハタなど)から海坂藩であると推定する人もいる。
登場人物
主人公
三屋清左衛門
三屋家の隠居。若くして家督を継ぎ、家禄120石の御小納戸役から始まって、隠居前は270石(+役料50石)の用人にまで登り詰めたが、先代藩主が死去したことで、家督を息子又四郎に譲って隠居したい旨を新藩主に申し出た(物語開始時点の1年2ヶ月前)。その後も新藩主の求めに応じて、1年ほど江戸屋敷にとどまって、残務整理と後進の指導に当たり、それから国元に戻って本格的な隠居生活に入った。この時、52歳。
隠居生活の徒然に、「残日録」と題した日記を付けている。これは嫁の里江が心配したような「死ぬまでの残りの日を数える」という意味ではなく、「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」という意味で名付けたものである。
用人時代、先代藩主が世継ぎを決める際に現藩主を推したことから、隠居前の屋敷をそのまま使うことを許可されたり、隠居部屋を藩費で建ててもらったりするなど、現藩主からも好意と信頼を向けられている。
隠居したばかりの頃は鬱々としがちで、息子夫婦を心配させた。しかし、30年ぶりに昔通っていた無外流中根道場や保科塾に通い始めたり、釣りの楽しみも覚えたり、友人である町奉行の佐伯が持ち込んでくる事件の調べを行なったりし始め、充実した毎日を過ごすようになった。
三屋家
又四郎
中立派
相庭与七郎
船越喜四郎
遠藤派
遠藤治郎助(先代)
安富忠兵衛
間島弥兵衛
安西佐太夫
朝田派
山根備中
成瀬喜兵衛
石見守信弘
その他
中根弥三郎
保科笙一郎
みさ
金井奥之助
30年前は清左衛門と同じ御小納戸勤めで、中根道場にも通った旧友。家老の山村喜兵衛と組頭の朝田弓之助(先代)の政争が起こった時、金井は妻の父が朝田派であるという理由で朝田についたが、清左衛門は山村(というよりも、山村失脚は避けられないが、朝田は早々に藩政運営に失敗すると見ている先代の遠藤次郎助)についた。
遠藤が予測通りに実権を握ると、朝田派は粛清されて軒並み禄を半減させられて、金井も150石から75石に減俸となった。さらに、4年後にその処分に異議を申し立てたため、不遜であるとして、25石にされてしまう(一方の清左衛門は、順調に出世し、120石から最終的に270石へと加増された)。
30年ぶりに再会して、金井はたびたび清左衛門の家に酒を飲みに来るようになったが、里江は金井の様子に危惧を覚えた。
おみよ
各話のあらすじ
1.醜女
2.高札場
3.零落
4.白い顔
5.梅雨ぐもり
6.川の音
7.平八の汗
8.梅咲く頃
9.ならず者
10.草いきれ
11.霧の夜
12.夢
13.立会人
14.闇の談合
15.早春の光
テレビドラマ
1993年版
『清左衛門残日録』としてNHK「金曜時代劇」で連続テレビドラマ化され、1993年4月2日から7月9日まで放送された。1995年1月3日には、「正月時代劇」として、長編作品『清左衛門残日録 仇討ち!播磨屋の決闘』が放送された。
2016年版
2016年と2017年、BSフジ開局15周年記念特番としてテレビドラマ化され、2016年2月6日に「登場篇」、2017年2月11日に「完結篇」が放映された。その後時代劇専門チャンネルでも放送され、前者は2016年9月19日に、後者は2017年6月17日にそれぞれ初回放送された。なお、「登場篇」のみスカパー! 4K総合でも放送されている。
2018年2月3日に、時代劇専門チャンネル開局20周年記念番組として、第3作『三十年ぶりの再会』が放送され、同作は第8回衛星放送協会オリジナル番組アワードで大賞を受賞した。BSフジでは12月16日に放送された。
2020年3月14日に、時代劇専門チャンネルにて、第4作『新たなしあわせ』が放送された。BSフジでは10月11日に放送された。
2021年9月20日に、時代劇専門チャンネル4Kにて、第5作『陽の当たる道』が放送された。
2023年1月14日に、時代劇専門チャンネルにて、第6作『あの日の声』が放送された。この作品は「ドイツ・ワールドメディアフェスティバル2023」エンターテインメント部門で金賞を受賞している。また、同年7月12日に第7作の制作発表も行われた。
スタッフ
- 原作:藤沢周平「三屋清左衛門残日録」(文春文庫刊)
- 脚本:ちゃき克彰(「登場篇」)、いずみ玲(「完結編」「三十年ぶりの再会」)
- 監督:山下智彦
- 音楽:栗山和樹
- 殺陣:菅原俊夫
- メイキング制作:京都組(西村維樹、小西剛司、金原美穂、谷本春華)
- 企画協力: 藤沢周平事務所、文藝春秋、新潮社、伊原詢太郎(アクトエンタープライズ)
- 技術協力・VFX:IMAGICAウェスト
- プロデュース:秋永全徳、原大輔、目黒正之、井元隆佑
- 企画・総合プロデュース:宮川朋之、金井卓也
- ゼネラルプロデューサー:佐藤信彦、荒井昭博
- エグゼクティブプロデューサー:加藤貢
- 製作者:杉田成道、亀山千広、手塚治
- 制作:時代劇専門チャンネル、BSフジ、東映
キャスト
- 三屋清左衛門:北大路欣也
- 三屋又四郎 :須賀貴匡(1)→松田悟志(2 - )
- 里江 :優香
- 平松与五郎 :渡辺大
- 黒田欣之助 :岡田浩暉
- 中根弥三郎 :栗塚旭
- 茂吉 :田井克幸
- 佐野 :伊東孝明
- 大井 :丹羽貞仁( - 4)
- 三宅 :浅田祐二(3、5)
- おなみ :小林綾子(2 - )
- 石見守信弘 :本田大輔
- 朝田弓之助 :金田明夫
- みさ :麻生祐未
- 佐伯熊太 :伊東四朗
「登場篇」
- おしま :高橋ひとみ
- おみよ :大路恵美
- 藤川金吾 :水橋研二
- 徳元和尚 :小沢象
- 杉浦波津 :岩田さゆり
- 杉浦(平松)多美:岩田さゆり(二役)
- 成瀬喜兵衛 :中村敦夫
- 多田掃部 :苅谷俊介
- 小女 :野田琴乃
- 諸木淳郎、田井克幸、加藤寛治、内藤邦秋、友寄由香利、北川裕介、庄司虎次郎、松田苺、南岐佐
「完結篇」
- 船越喜四郎 :鶴見辰吾
- 金井奥之助 :寺田農
- 金井祐之進 :金井勇太
- 大塚平八 :笹野高史
- 大塚登勢 :鈴川法子
- 清次 :二反田雅澄
- 遠藤派家臣 :野々村仁
- 田井克幸、加藤寛治、木谷邦臣、友寄由香利、谷本貴彦、寺田仕佑、八木和佳人、渡辺圭悟、竹内ひまり
「三十年ぶりの再会」
- 安富源太夫 :伊武雅刀
- 小沼惣兵衛 :原田大二郎
- 松江 :戸田菜穂
- 中根杉乃 :前川恵美子
- 野田平九郎 :柴田善行
- 年江 :山本裕子
- 安西佐太夫 :田中幸太朗
- 笠原重助 :山田明郷
- 納谷甚之丞 :高橋長英
「新たなしあわせ」
- 奈津 :美村里江
- 杉村要助 :増田修一朗
- おうめ :我妻三輪子
- おひで :大谷麻衣
- 近江屋竹之助:木村了
- 鳥飼勝弥 :榊英雄
- 滝野 :三田佳子
- 寺井権吉 :小林稔侍
- いわすとおる、岩橋道子、まつむら眞弓
「陽のあたる道」
- 相庭 :高橋和也
- 駿河屋庄八 :宮川一朗太
- 児玉屋勘七 :谷口高史
- 清成権兵衛 :勝野洋
- 清成弥一郎 :丹羽貞仁
- 清成多恵 :潮田由香里
- 岩井貢 :山根誠示
- 山崎 :森岡豊
- 半田守右衛門:木場勝己
- おとき :飯島順子
- 牧野源右衛門:小野武彦
- 植田与十郎 :西岡德馬
「あの日の声」
- 鹿間志穂 :黒川智花
- 鹿間麻之助 :内田朝陽
- 大関助太夫 :小野寺昭
- 鶴谷亥八郎 :駿河太郎
- 丹羽内記 :中村育二
- 赤松東兵衛 :伊吹吾郎