世界鬼
以下はWikipediaより引用
要約
『世界鬼』(せかいおに)は、岡部閏による日本の漫画作品。『裏サンデー』(小学館)にて、2012年7月2日から2015年6月1日まで連載。2014年12月より小学館のコミックアプリ、マンガワンでも連載されることとなった。
概要
作風としては、非常に重苦しい展開と退廃的な空気漂うダークファンタジー。しかし展開が進むに連れて戦闘描写が増えて行き、コミカルなシーンも多く仕込まれている。元はウェブ漫画投稿サイト・新都社に岡部が投稿していたアマチュア作品だったが、2012年に小学館により商業リメイク化された。この項では裏サンデー版について記述する。
作者の岡部が頻繁に奇行に走ることでも有名であり、同誌で連載を持つ戸塚たくすからは「作品の質が原因で打ち切られる可能性は低いが、作者自身が問題を起こして打ち切られる可能性は非常に高い」と評されている。編集部からも、単行本第1巻が重版された際に「世界鬼は、岡部先生が問題を起こして終了しない限り、ますます盛り上がっていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!!」というメッセージが書かれた。
あらすじ
叔父一家から凄惨な児童虐待を受けている東雲あづまは、無為な日々を送る中、鏡の中に幻想が見える奇病「鏡の国のアリス症候群」を患っていた。あづまは自分と同様の病気に罹患する6人の若者達と共に鏡の向こうの異空間「ワンダーランド」に召喚され、異世界の住人「世界鬼」に対抗できる唯一の戦士「アリス」として戦うことを命じられる。
「世界鬼」を殺害すると、殺害を行った「アリス」の最も近しい人間が死亡することが判明し、これを利用してあづまは叔父一家全員を間接的に殺すことを決意。他のアリスが臆する「世界鬼」殺害を率先して行うことを決意する。
やがて、あづま達の世界「ゼラ」、それに対立する異世界「メーズ」の存在や、敵として認識していた「世界鬼」、「チェシャ鬼」の正体など、ワンダーランドに絡む真実が徐々に判明していき、「ゼラ」の存亡を掛けた戦いになっていく。
主な登場人物
ゼラ
あづまたちの住んでいる世界。地球。メーズと対消滅の危機にある。
鏡の国のアリス症候群患者
東雲 あづま(しののめ あづま)
主人公。見た目は142センチメートルという低身長と相まって小学生のような幼い外見をしているが、実際には14歳(中学2年生)である。学校へはあまり通っていない。父親とは死別しており、母親も行方が知れないため、叔父の家で暮らしているが、叔父一家全員から凄惨な児童虐待を受けている。「文鳥ちゃん」という名前のセキセイインコを大事にしていたが、従兄に殺されてしまい、その亡骸をいつも携えている。
日本A-1に属する特異点で、最も「終世主」に近い存在。当初は戦闘に乗り気ではなかったが、「世界鬼を1体倒すと身近な人間が1人死ぬ」という事実を知ってからは、叔父一家への復讐として殺害するために積極的に戦う。しかし、最後の復讐の対象だった叔父が自殺したことで母とひじりが死の対象に繰り上がってしまい、世界鬼討伐に躊躇するようになる。終盤にて、反陽子爆弾を使用し、壁に庇護された王以外の全て(アリス、チェシャ鬼、ワンダーランド)を無にする。よって、あづまは予備タンクの消費を避け、無事帰還する。
宇藤 耕太郎(うとう こうたろう)
佐伯 咲希(さえき さき)
瀬木 ひじり(せき ひじり)
足立 輝(あだち てるき)
生花店でアルバイトをする浪人生。顎髭を蓄えたやや強面の顔をしているが、妹がいるためか幼いあづまを特に気にかけたりと実際には面倒見のよい性格である。大宮市在住。
問題を抱えているアリスメンバーの中ではかなりまともな部類で、特におかしな性質を持っているわけでもなく特殊な環境に置かれて育ったわけでもない。なお、プロフィールには「頭が悪く、卑屈っぽく、繊細で面倒臭がりでモテない青年」と記載されている。あづまも印象が良いらしく「会いたい人」として足立の名前を挙げている。
世界鬼からの計8回にも及ぶ致死攻撃により、メーズ側の悪意と同調、メーズとゼラの縮図となり、王の壁を破れるようになった唯一のアリスになる。奇怪鬼にとどめをさし、現実世界で母親が亡くなった。
大倉 快人(おおくら かいと)
黒江 稔(くろえ みのり)
特異点
予備タンクの消費にも臆することなく顕在化する力の自発的起動の常態化及びに生命エネルギーの研鑽に成功した戦士。特別なアリス(ゾフィ・クリスマン談)。あづまを含む7人の特異点は全員14歳であり、全員が巨大な闇を抱えている。特異点は全員で7人だと思われていたが、第5夜に大倉快人が8人目の特異点として覚醒する。
ペロ・バタグリア
星・朧朧(シン・ローロー)
オリオン・ツァーツァリス
エリック・フロウ
イヴ・ハートフィールド
メーズ
地球と同じ形をした、世界鬼の住まう世界。ゼラと対消滅する未来に気づき、ゼラに対する敵意を向けている。住民のほとんどが塔に避難した。
チェシャ鬼
アリス病患者をワンダーランドに転送し続ける謎の存在。世界鬼とは異なり、人語を解す。案内役的ポジションだが、ワンダーランドの全てを把握しているわけではない。基本的には「人形」と称している異質な姿をしているが、正体はメーズの反乱因子。
スカップ・グウィンドリン
ルッキョン
マソト
世界鬼
ワンダーランドにチェシャ鬼によって転送されてくる謎の生命体。正体はメーズに住まうアリス患者。王(後記載)によってゼラに送られる。その時、世界鬼として変形、多種多様な鬼に変貌する。強さ、自我があるかどうか等を決めるのは生きている中で溜まっていく負の感情、「闇」と称されるものの多さで決まる。最強の世界鬼ギーガー特務官は、王によって闇を増幅する教育を施され、世界鬼となっても自我を保てる程の闇を背負っていたとされる。世界鬼はゼラにとって決していいものではなく、悪環境を及ぼすため、チェシャ鬼が即座にワンダーランドへ転送する。 メーズ→ゼラに干渉するときに世界鬼になるならば、またその逆も然り、ゼラ→メーズに干渉しても世界鬼となる。第5.5夜はそれを利用し、半身半鬼としてチェシャ鬼が特異点をメーズに送り込み、破壊をもくろむ。
一体目の世界鬼「奇怪鬼」
二体目の世界鬼「自戒鬼」
三体目の世界鬼「境鬼」
四体目の世界鬼「老獪鬼」
五体目の世界鬼「誓鬼」
ピョンチン
六体目の世界鬼
「王」
ウサギのようなふっくらとして垂れ下がった耳をした覆面を被っている。砕けた口調で会話するが、感情が高ぶると罵詈雑言を吐く。
メーズを守るため、メーズ陣営のアリスに対して徹底した「教育」を施している。幸福度を平均化すると称して幸福度の高い地区の住民を皆殺しにし、外界の適応力の謎を探るために人体解剖を行うなど、残虐な独裁者である。メーズの塔の住民全員を予備タンクとしているので、実質不死身。
生まれてすぐにメーズ中の闇を注ぎ込まれ、人格が破綻。世界の存亡を度外視し、自身の快楽が第一の行動理念としている。第6夜、ワンダーランドにて完全な世界鬼となった後、東雲あづまによって壁に庇護された王以外を無にされた為、世界鬼化が解けた後は永遠の無の世界でさまようこととなってしまった。
書誌情報
- 岡部閏 『世界鬼』 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉、全11巻
- 2012年12月18日発売 ISBN 978-4-09-124109-2
- 2013年3月18日発売 ISBN 978-4-09-124279-2
- 2013年8月16日発売 ISBN 978-4-09-121694-6
- 2013年10月18日発売 ISBN 978-4-09-124529-8
- 2014年1月17日発売 ISBN 978-4-09-124595-3
- 2014年5月16日発売 ISBN 978-4-09-124684-4
- 2014年7月18日発売 ISBN 978-4-09-125130-5
- 2014年10月17日発売 ISBN 978-4-09-125477-1
- 2015年3月12日発売 ISBN 978-4-09-125749-9
- 2015年5月12日発売 ISBN 978-4-09-126119-9
- 2015年8月12日発売 ISBN 978-4-09-126329-2