人形の国
以下はWikipediaより引用
要約
『人形の国』(にんぎょうのくに)は、弐瓶勉による日本のSFアクション漫画。『月刊少年シリウス』(講談社)にて、2017年4月号から2021年10月号にかけて連載された。英題は「APOSIMZ」。話数カウントは「第○話」(一桁話は「第0○話」)。作者の初の少年誌連載作品。
世界観
直径12万キロメートルの人工天体アポシムズの荒廃した地表で人々は暮らしている。アポシムズには超構造体殻に覆われた地底空間が存在し、50世紀前に地底との戦争に敗れた地表人はアポシムズでの正当な居住権を失ったまま、危険な自動機械が徘徊し、人間が機械化してしまう感染病さえ蔓延する極寒の地表に捨て置かれた。
白菱の梁のエスローは地底からの使者タイターニアと出会い、正規人形へと生まれ変わった。そして、故郷を滅ぼした上に今なお周辺民族を脅かし続けるリベドア帝国の皇帝スオウニチコを打倒するために旅立つ。
登場人物
主要登場人物
エスロー
本作の主人公。白菱の梁で生まれ育ったブロンド髪の青年、のち正規人形。EBTGと呼ばれる射出系の特殊能力を持つ。鎧化形態の色は赤に白のマーキング。AMB装填時には左腕部に紋章が浮かび上がる。欠損した脚部や盾を高速で成形するなど、胞衣(エナ)で新規形状を造ることが得意。コードとの適合率が53%と低かった影響で通常の正規人形があまり必要としない食事や睡眠をよく取る。また、人間形態でも右目が人形のままである。一般人に変装する際は短髪になる。
白菱の梁では教育係を担当。子供達を連れて遺跡層での食料採取の帰り際にリベドア兵に追われるタイターニアと遭遇し、助けに飛び出したエオとビコを守るために兵士を射殺してしまう。AMBと赤いコードを託して小さな自動機械に姿を変えたタイターニアを城へ持ち帰る。
白菱の梁の長で正規人形のゼゾは帝国の報復を回避すべく城を捨てる決断をする。出立を控えた明朝、帝国の転生者イーユ率いる部隊に襲撃され、仲間は捕まった数名以外全滅、ゼゾも串刺しにされる。イーユの狙撃に挑むも返り討ちに遭った死の間際、タイターニアの申し出で正規人形に転換されて命を繋ぐ。何とか鎧化してイーユに善戦するが、60秒で活動限界を迎えて地下遺跡層へと落下する。
タイターニアの地道な介抱によって90日後に目覚め、共に皇帝スオウニチコと戦うことを請われる。白菱の梁に戻り、再生不能となったゼゾに自らの銃で止めを刺し、仲間達の亡骸を埋葬する。そしてリベドア帝国への復讐を決意し、タイターニアの願いに応じる。
タイターニア
エスローを正規人形に転換した折りたたみ式の自動機械。中央制御層(地底世界)の使者。ゴシック風の黒衣に白髪ツインテール、赤い瞳の少女人形形態が本来の姿だが、技術流出防止機能によって1日に使えるへイグス粒子が僅かに制限されているため、通常は尻尾の生えた4脚の小さな自動機械の姿をしている。毎日零時にヘイグス粒子使用量が更新されるので、何事もなかった日は直前に人形形態になって無駄遣いする習慣がある。地底の危険となる情報も制限されており、特に重要なことほど予備知識はないが、積年に培った知見はある。
女性語でよく喋り、調理された食事に目がない。変装時は自動機械の姿に全身から毛を生やす。ムグが仲間に加わった際、ワサブからエスローのペットと思われていた事が発覚。
リベドア帝国皇帝の野望である中央制御層への侵入を防ぐために何百年も地表で活動しており、本編の約1000年前を描いた読み切り版『人形の国』では、帝国の建国前から地表を監視していたと見られる。
リベドア帝国からAMBを奪い、軍の小空機に追われているところをエスロー達に助けられた事で白菱の梁に滅亡を招き、結果としてエスローという心強い仲間を得ることになる。
触れた相手の心を読む能力を持ち、人形形態なら巨大な機械株に同調して周辺一帯の様子を空間に映像出力できる。また、離れた場所にエネルギー体を出現させてコンタクトを取るなども可能。戦闘では主にエスローやケーシャの視覚に人形姿でワイプ表示して情報提供を行い、エスローには忠告もするが大抵無視される。絶体絶命の状況で人形形態になり、手のひらから生成した帯状の武器で拘束や斬撃、ゲル状の幕を展開して防御など一回の技で活動限界を迎える。
基本的に個別の人格と自由意志を与えられたスタンドアロンとして機能しているが、アポシムズの管理AI・タイターニアの実体アバターでもある為、稀に尊大な口調の別人格が割り込んで通常よりも上位の権限を行使するような言動を見せる。
ケーシャ
地底信仰国イルフ・ニクの姫であり、正規人形の茶髪の少女。鎧化形態の色は白に赤のサイドライン。伸縮自在の棒と電気を操る特殊能力を持つ。一般人に変装する際は長髪になる。
人形病患者に擬態してエスロー達がリベドア帝国と戦う様子を窺っていたが、双子の下級転生者エイル・エイムの卑怯な戦いぶりを見て助太刀する。信仰対象でもあり、帝国と戦うタイターニアに協力するためにエスローと行動を共にする。出会った当初は高圧的な物言いでエスローと衝突していたが、タイターニアからエスローの過去を教えられて涙し、帝国との戦いを重ねるうちに打ち解けて互いに命を預ける関係を築く。イルフ・ニクの隠れ里に立ち寄った際は裸姿をエスローに見られてしまう。
ウメの地表衝突後、兄カジワンを見捨ててエスローとタイターニアの元へ戻り、頭部だけになったエスローとAMBを超構造体製の部屋に隠してタイターニアと二人だけで帝国の転生者狩りを再開し、奪ったエナをエスローに与えながら復活を待ち望む。
帝国内に侵入して皇帝との決戦に臨む道中、生存者がいそうな町や村を見過ごせずに逐一立ち寄ろうとしてエスローにお願いし、大抵受け入れられてワサブの不満を買う。帝都を間近にしてエスローにイルフ・ニク流の婚約を申し入れ、そうと知らずに答えたエスローの承諾を得るも、直後にヌーキー配下の転生者に襲撃され命を落とした。
ワサブ
元リベドア帝国兵の転生者(正規人形)の少年。高速飛行の特殊能力を持つ。正規人形になって1年程なので容姿が実年齢とほとんど変わらない。一般人に変装する際は巨乳の少女姿になる。
故郷を滅ぼしたリベドア帝国に捕まり、洗脳されて転生者になるが、知らずに洗脳が解けて帝国を脱走。反逆者エスローに憧れて自身も帝国と戦う決意をする。
エスローの隠し部屋へ向かうケーシャ達に帝国兵姿で接触して電撃を見舞われ、問答無用で殺されかけるも記憶を覗いたタイターニアの擁護によって仲間に加わる。当初はケーシャとタイターニアをさん付けで呼んでいたが、二人の場当たり的な行動に振り回されるうちに呼び捨てとなる。
エスロー復活時には仲間達を皇帝のモースウルベから高速飛行で無事に離脱させた。その後、エスローを「エスロー兄さん」と呼び、食事をする姿に驚きつつも自分は料理が得意と言い寄るなど、事ある毎に接触を仕掛けている。
帝国の転生者ズドルイとクドバの襲撃でエスローの危機に奮起した際、鎧化形態に短い尻尾が生えたが何の役にも立たない様子。
攻撃能力がないためによく捕獲され、ニャンに串刺しにされたりドコブには帝国船から吊り下げられたりといずれも素体剥き出しの重傷を受けるが、その度にエスローに背負ってもらう口実にしている。
ヌーキーとの戦いで自身を盾とする事でエスローがEBTGを撃つ為の時間を稼ぎ、自身諸共AMBで撃ち抜かせ道連れにした。
リベドア帝国
スオウニチコ
リベドア帝国の皇帝であり、転生者の男。未来予知の特殊能力を持つ。ヘイグス粒子の消費が激しい能力のため、1万を超える配下転生者軍勢に献上させたエナを膨大に備蓄している。身長が皇帝の倍はある女性型衛人二体を常に従えている。左の耳たぶに長方形の烙印がある。
タイターニアとは千年の因縁があり、人形病の姉がいることを読み切り版『人形の国』で語っている。
中央制御層への侵入を企み、その超構造体殻を破壊するために不可欠だったAMBをタイターニアに盗まれ、更に叛逆者エスローがAMBを射出することで時空に歪みが生じて予測した未来が書き変わるという、かつてない事態に動揺する。エスローを抹殺してAMBを取り返すべく、転生者処刑隊のヌーキーと聖遺物捜索旅団のジェイトにそれぞれ勅命を下し、自身は予知能力に大量のエナを投入して望む未来に至る経路を導き出し、その通りに事を運ぶ。
処刑隊の刺客は悉くエスローの返り討ちに遭い、戦闘で貴重なAMBが使われる度に未来が改変されるジレンマに計画の修正を強いられながら、エスローと一騎打ちをして地底への入り口が開く未来を待ち受ける。
最後の戦いでは撃ち込まれたAMBを膨大なエナで受け止め無力化し、それを先端に巨大な砲弾と化して超構造体殻へ特攻を仕掛けるも、超構造体のネジを弾丸に用いるという奇策で撃墜され失敗。人体を再構成する隙を突かれ止めを刺された。
未来予知の能力で地上世界の人間の有用性を示し、地下世界での居住権を認めさせる計画の候補者としてタイターニアに選ばれた過去がある。しかし、地上世界の身体では地下世界の風景を認識できなかった為に未来の予知内容を「不適格と判断したタイターニアと次の候補者のエスローに殺され未来予知のコードを奪われる」と誤って解釈してしまい、武力対立の道を選んでしまった。
イーユ
リベドア帝国上級転生者の白髪の男。氷を操る特殊能力を持つ。鎧化形態の色は紫。皇帝の次に強い正規人形を自称するなど自信家で口が悪い。
リベドア兵を殺害した白菱の梁に部隊を率いて襲撃を仕掛け、尋問のために捕獲したゼゾ他数名以外の民を虐殺する。運良く生き残ったエスローの狙撃を被弾寸前で防ぎ、即座に氷片を投じて右目に致命傷を与えるが、転化で命を繋いだエスローの能力を侮って胸部に大穴を空けられてタイターニア共々逃亡を許し、AMB回収の任務にも失敗する。
管轄する北合成スラブ地方でエスロー達がゲリラ攻撃を展開し、部下のジーオを殺されたことで顔つきが病的になる。エスローを倒す切り札として帝都からコードを取り寄せ、白菱の梁襲撃時に拉致して洗脳を施したビコを転生者にする。第三捕虜収容所へエスロー達をおびき寄せ、部下のビコと共に交戦する。目論見通りビコに手を出せないエスローを追い込むが、ケーシャとタイターニアに阻害されて最終的に一騎打ちとなり、とどめとして放った大質量の氷塊をエスローが即時成形した盾に砕かれ、同時に射出されたエナ弾を悪あがきで防ごうとするも時既に遅く、右目を撃ち抜かれて行動不能となったところを首が消し飛ぶほど執拗に撃たれて死亡する。
フューマ
リベドア帝国上級転生者の茶髪の男。鎧化形態では騎士風の槍を装備し、馬型に鎧化したアイムに騎乗して一体攻撃を行う。
イーユの増援として北合成スラブ地方へ遣わされ、非戦闘員の命を軽んじるやり方を非難する。イーユを倒した直後のエスロー達の前に船から降下し、帝国へ迎え入れようと話し合いを試みるも一蹴され、紳士的な態度を装いながら内心では愚かな田舎者と口汚く罵る。エスローの銃撃をアイムの飛翔で避け、頭を捉えて刺突した槍をエスローが左腕で防いで封じられ、恐怖に怯えて必死に降伏を勧告するも、エスローが槍の刺さった前腕部を自切して切断面から放ったエナ弾に首を落とされる。頭部だけになっても辛うじて生きていたが、アイムが殺された後にとどめを刺される。
アイム
ジェイト
リベドア帝国・聖遺物捜索旅団・准将、上級転生者の赤髪の女。自動機械を操作する特殊能力を持つ。鎧化形態の色は薄緑にオレンジ。人間形態では超構造体製の剣を帯刀している。100年近く生きている。
イーユの増援としてフューマ、アイムと共に北合成スラブ地方へ赴く。エスローがエイチとの戦闘で超構造体を破壊したことに驚く三人に聖遺物の不発弾だと教えるなど皇帝の密命を窺わせる。戦闘に参加することなく一人だけ帰還する。
エスロー討伐の勅命を受けたトオスを、自動機械による捜索で後方支援する。事の流れでイルフ・ニクの隠れ里を見つけて滅ぼしたもののエスローの返り討ちに遭ったトオスを船に回収。以降、配下として従える。
カジワンが恒差廟からウメに接続した回線を操作能力で乗っ取って落下軌道を変更する。エスローが阻止すべく放ったAMBを無意識に避け、ウメを恒差廟に衝突させて地表に直径180Kmのクレーターを作る。負傷したタイターニアとエスローの残骸、AMBを見つけてトオスに確保を命じた矢先、皇帝の未来予測では衝突で死ぬはずだったケーシャが現れて抵抗され、その最中に正規人形への転換を果たしたカジワンも立ち塞がり、未知の難敵に苦戦している間に全てをケーシャに持ち去られ、あと一歩のところで最大の機会を逃す。
タシツマが運んできた自分の巨大なクローン、アジェイトの捜索能力をフィードバックしてケーシャ達の隠れ家を特定する。その後、聖遺物捜索旅団としてAMB回収の勅命を受けた際、処分が下されたアジェイトを引き取って配下に加える。
帝国本国に侵入したエスロー達に接触して交渉するも、取り付く島もなく一蹴される。AMBを追跡する都合上、エスロー一行が道中で助けた民間人や兵士を保護したり、なぜか常に先を越される転生者処刑隊との戦いを観察しているうちに、ドコブの攻撃に追い詰められたエスローを衝動的に助けてしまい、リナイから危険な行為だと忠告される。
真地底教会による人形病汚染が帝国全土に蔓延して帝都にも迫っていながら本気で国民を守る対策を打たず、ただAMBに固執する皇帝への疑念を深める中クドウ大将戦死と艦隊壊滅の報を受け、帝都市民を救う戦力を温存する為にエスローを捕虜という形で帝都へ連れて行く取引を行う。
エイチ
エイルとエイム
リベドア帝国下級転生者の双子。瓜二つの容姿。統治する町で闘技会と称し、人形病患者を異様な自動機械と戦わせて見世物にしていた。
患者達に紛れて入場したエスローに自動機械を瞬殺され、勝負を挑まれる。素早い連携攻撃でエナ弾を躱して装甲を剥ぎ取るもタイターニアの拘束で動きが鈍った間際にエイルが散弾を浴びて頭部の鎧を砕かれる。不利を悟って抗エナ剤を装備した部隊を乱入させ、対正規人形弾で背後から砲撃するなどエスローを追い詰めるが、人形病患者に擬態していたケーシャが卑怯だと怒って鎧化、参戦したことで船での逃亡を図る。エイムは追跡してきたケーシャの棒に頭を貫かれ、エイルはケーシャを抗エナ剤の罠に掛けて止めを刺そうとしたところをエスローに頭を撃ち抜かれる。
トオス
リベドア帝国・聖遺物捜索旅団、上級転生者の青緑髪の男。金属を操る特殊能力を持ち、人間形態でも強力な能力を発現できる。鎧化形態の色は黒。モノローグを含めて全く言葉を発しない。
リベドアの英雄、帝国最強の兵士と呼ばれ、何百年も皇帝に仕えている。適合するコードが見つからないまま延命の限界を迎えていたが、コード適合者の肉体へ脳移植した直後の転化が成功して正規人形となる。転化から僅か三日後の上級試験を勝ち抜いて皇帝から上級転生者の爵位を授与され、その場でエスロー一行討伐の勅命を受ける。
ジェイトの支援の下でエスロー達を追跡し、イルフ・ニクを立つところだったエスロー達を攻撃、イーユの上位互換とも言える金属操作でEBTGを破壊して身体拘束するが、ケーシャの始末に気を取られている隙にエスロー手製の準超構造体製ハンマーで顔面鎧を割られ、とどめを辛くも回避してイルフ・ニクの里に逃げ込む。エスローとケーシャの追撃を防ぐために居住空間を金属塊で遮蔽し、民の大半を死滅させる。
皇帝から期待されていたが、成り行きでイルフ・ニクを滅ぼしたものの、本命の任務では全く成果を上げられずに返り討ちに遭い、ジェイトの船に回収されて休眠状態に陥る。
その後、ジェイトの配下として、ウメの作戦ではシェルターを形成して衝撃から守ったり、転生者処刑隊ズドルイとクドバの襲撃から身を挺して庇って重傷を負うなど、殆ど単身で前線に立つことなくジェイトの護衛に徹している。
皇帝の能力を知らされており、言葉を発しないのは自身が喋るとジェイドが死ぬ未来へ繋がる事を聞かされていた為であった。
アルト
名称不明の転生者(第19話登場)
セチア
アル
ボー
タシツマ
リベドア帝国・兵器局・准将の科学者の男。生まれつきDA(ダストアレルギー)体質のため、常に被っている防塵マスクのフィルターから意図せず「アヒー」という奇声が漏れて周囲を誤解させる。幼少期に帝都モースウルベで暮らしていたが、転生者の祖父が戦死して郊外の町へ移る。ジェイトのファンを表明するも当人からは嫌われている。
子供の頃に出会ったシヨバの死を切っ掛けに、成功率100%のコード開発と全ての人間への普及によって争いを無くすことを夢見る。
後年、人工コードによる転生者アジェイトを完成させるが、大型化のコスト面から処分が通達されて頭を抱えていたところ、ジェイトが引き受けを申し出て当然のように付いて行こうとし、あっさり拒否される。
アジェイト
タシツマが作り出したジェイトの巨大なクローン。帝国船の全高ほどある身長を無視してもジェイトより若干ふくよかで髪跳ねがあり、精神的な幼さから顔つきがあどけないなど双子の姉妹といった差異がある。意識操作でタシツマの指示に従うように刷り込まれているものの基本的に誰に対しても素直で従順。ジェイトの能力を複製した人工コードを全裸のまま使用して転生者になる。鎧化形態もジェイトと同一である。AMBを探すために能力を早速発動し、ヘイグス粒子を使い切って驚異的に広範囲な捜索を実現してジェイトに情報を転送、ケーシャ達の隠れ家を特定する。
費用に見合わないとして処分命令が下されたが、ジェイトが皇帝の許可を得て聖遺物捜索旅団の一員になる。生まれて日が浅くエナの扱いにも慣れていないため、鎧化解除後や緊張した時などによく裸を披露するが羞恥心はあまりない様子。
リナイ
リベドア帝国・聖遺物捜索旅団、上級転生者の白髪ロングの男。物質転送の特殊能力を持つ。鎧化形態の色は白とグレー。
能力を使うと素体に障害が蓄積される体質のために休養中で一線を退いていたが、AMBが隠された超構造体製の箱を地下150kmから地表へ転送する任務に駆り出される。久しぶりに再開したジェイトがいつになく人を心配する態度をリナイに示して地下への同行を無理強いする。転送を始めた直後に異変を覚えて謎の爆発が起きるも成功、全身のエナを使い果たしてジェイトに救護される。
その後、ジェイトの元で聖遺物捜索旅団の一員となり、AMB奪還任務の都合上、エスロー一行と関わった帝国転生者や兵士、民間人の転送による救助を主な役割とする。アジェイトからは呼び捨てにされ、無邪気な振る舞いに翻弄されながら兄のように慕われている。シャキサクを食べる姿が確認される。
シヨバ
ゴイ
リボフラス
アルヘキノ
オオア
ヌーキー
ズドルイ
クドバ
テルニヒ
へルル
ナユタ
クドウデンジ
ある村の姉弟(第45話登場)
ノシヨ
ヤツマ
ドコブ
真地底教会
カジワン27世
イルフ・ニクの第128代国王。真地底教会教主。ケーシャの兄。転化に失敗して体の半分を失っており、人形病も患っているために機械で補っている。良き兄、良き王として振る舞っていたが、心の中では「世界の終わりを防ぐ役割にふさわしいのは自分だ」と思っており、正規人形に成れたエスローやケーシャに嫉妬している。適合率の低いコードをタイターニアの力添えの下で使って正規人形になることを望んでいたが、カジワンの危険な真意を読み取ったタイターニアに拒否される。
トオスによって隠れ里が滅ぼされた後、ユーゾウと共にタイターニアの左腕を奪って恒差廟を目指し、その道中で癒着したタイターニアの左腕の修復機能で超人的な身体能力を得るも次第に体の機械化が腫瘍のように膨れ始める。
恒差廟から接続したウメをモースウルベへ落とそうと目論むが、ジェイトに回線を乗っ取られて逆に恒差廟へ落とされてしまう。人形病末期の遠感能力で察知したエスローとタイターニアの危機的状況をケーシャに告げて「行くな」と懇願するも見捨てられ、自我を失う窮地に陥った矢先、自身の瘤から生まれたタイターニアの複製の力によって所持していたコードを起動、転生者となり、火球を操る特殊能力でトオスを退ける。この直後から裏の性格が露わになり、「くそが」が口癖となる。
タイターニアの複製が人形病患者を再生者に変える光景を目の当たりにし、人形の軍勢でリベドア帝国を滅ぼして地表を平定すれば地底へ招かれるという答えを得て真地底教会を興す。帝国転生者の胞衣を奪いながら戦力を強化し、AMBを回収する為に遠征したモースウルベのスオウニチコへ戦いを挑むが、返り討ちに遭ってジナタら僅か数名で敗走する。
その後、荒れ果てた北合成スラブ地方で人形病患者や聖遺物を集める傍ら、能力の乏しい再生者を使って蛹を作っていたが、イヘマが着用する祝福の甲冑を得たことでルトーメロを皮切りに帝国全土への人形病汚染攻撃を開始。その最中、ケーシャの死を遠感で察知して罵りながら涙し、帝都への総攻撃を決起する。
カジワンより生まれた真地底教会の人形
タイターニアの左腕の修復機能によってカジワンの体に生成した機械の瘤から生まれた女性型自動機械、タイターニアの複製。カジワンのようなコード適合率が低い人間でも正規人形に転換し、人形病患者を再生者にする能力を持つ。背中に2対の透明な羽があり、左右の股関節から2本ずつ生えた4脚は正面をM字開脚し、背面が垂直に伸びている。常に地面から浮遊している。この個体の指を再生者に埋め込んで蛹が作られる。
生まれた直後に唇を開閉して転化中のカジワンに驚くような表情を見せた以降は常にぼんやりとして意思疎通も全くなかったが、カジワンの死に際に管理AI・タイターニアの意識で地底世界の実在を明かしながら人格データの永久削除を言い渡す。
ジナタ
その他、地表の人々
ゼゾ
エオ
ビコ
白菱の梁の長い金髪の少女。エスローの教え子として食料採取に同行した際にタイターニアと遭遇する。リベドア帝国兵に撃たれたエオを助けに飛び出し、エスローに帝国兵銃撃を決断させる。その晩、風呂場で脱衣中の姿をエスローに見られて一人紅潮する。
帝国の襲撃時、ゼゾにAMBの所在を吐かせるために捕獲拷問され、イーユの基地で洗脳されて帝国の転生者になる。北合成スラブ地方第三捕虜収容所にてイーユと共にエスローを待ち構え、エスローの呼びかけも虚しく自ら戦闘を申し出て鉈に似た形の武器を振ってエスローの右下肢を建物ごと切断する。ビコを傷付けたくないエスローが意を決して放った胞衣弾を胸に受けて行動不能に陥り、帝国船に回収されて逃亡する。
その後、ゴイ中将の配下となった様子が確認され、時を置き、エスローと取引をした聖遺物捜索旅団を処罰する転生者部隊に駆り出されてジェイトの船を一刀両断し、再度エスローと対峙する。
シオ
オータ
ブガ
ハニツホカ
用語
地名・施設
アポシムズ(APOSIMZ)
同作者の漫画『シドニアの騎士』に同名の宇宙船が登場するが、関連性は不明。
中央制御層(ちゅうおうせいぎょそう)
歴史的に地表から繰り返し戦争を仕掛けられており、リベドア帝国もその思想に倣って敵対視している。
人工現実空間
地球の自然や伝統建築など田園地方を模した、地表の人々にとって未知の環境が再現されており、生前の延長線上で暮らせる。姿形はアジェイトが人間大になっていたりと本人の範囲内で融通が利くようである。またタイターニア自身も人形時の特徴を引き継いだ人間の少女姿で出現する。この仮想空間に存在する全ては、コードへの流用元となった技術によって現実空間に実体化可能という。
北合成スラブ地方(きたごうせいスラブちほう)
恒差廟(ごうさびょう)
同作者の漫画『ABARA』にも同名同形の建造物が登場する。
ウメ
人工月
国・組織
白菱の梁(しろびしのはり)
リベドア帝国
モースウルベ
リベドア帝国・中央都市
ルトーメロ
聖遺物捜索旅団
転生者処刑隊
イルフ・ニク
真地底教会(しんちていきょうかい)
人形の国(にんぎょうのくに)
人形
人形病(にんぎょうびょう)
コード
タイターニアは使用後のコードを失くさないようケーシャに語っていたが、その理由は不明。
正規人形(せいきにんぎょう)
ヘイグス粒子の残存量が尽きると胞衣が無くなり、素体(骨格)が剥き出しになる。また、脳に重大な損傷を受けると素体の再生不能に陥って死亡する。
他の正規人形から胞衣(ヘイグス粒子)を奪って吸収することで胞衣容量を拡張し、自身を強化できる。ただ、個体差もあってケーシャなどは容量値3177, ワサブの20倍で早くも上限に達したという。尚、エナ容量が数値で示されたのはこの時限りである。
胞衣(エナ)
EBTG
AMB以外にもエナ弾、既存の弾丸、空気や水から刀剣まで、その場で手に入る様々な物を任意に射出できる。
再生者(さいせいしゃ)
遺物・技術
超構造体(ちょうこうぞうたい)
超構造体製のネジは通貨としても使われる。
準超構造体(じゅんちょうこうぞうたい)
AMB(Anti Megastructure Bullet - アンチ・メガストラクチャー・バレット)
エスローが保有するAMBはタイターニアがリベドア帝国から奪ったものであり、当初は弾薬ケースに7発満装填されていた。皇帝スオウニチコにとって中央制御層へ侵入するための必須アイテムである。
軌道車両(きどうしゃりょう)
なお、ルトーメロ近郊の地表を走っていた民間列車の「起動車両」は別物である。
ヘイグス粒子
浮遊物質(ふゆうぶっしつ)
トロム
分子ガムテ(ぶんしガムテ)
人工コード
現時点で物質転送や未来予知といった高度で複雑な能力は変換率が低く、転化に成功しない。また、本物にあるエナ折り畳み技術も再現できないため、帝国船の全長ほどの大きさになり、転化対象のクローンも巨大化させる必要が生じる。ただ、その副産物として大量のエナを生成する利点もある。使用後には崩壊する。
偽自動機械(にせじどうきかい)
祝福の甲冑
北合成スラブ地方遺跡層深部の隔離施設でジナタ達によって発見された聖遺物で、かつて複数体存在したうちの一つ。着用者と同化して死ぬまで脱ぐことができないと記された銘板と起動時の顔面に東亜重工のロゴが見られる。
自動機械
アポシムズに存在する、機械の器官で形成された生物。それぞれが古代都市の設備を保守する何らかの役割を持っており、重要施設が置かれる地下深部の遺跡層には衛人や人面種など複雑怪奇な個体が増える。 タイターニアのような自我を持った精巧な人型であっても、元人間の正規人形や再生者とは区別される。
タイターニア
タイターニアの複製
蛹(さなぎ)
ムグホシ
衛人(もりと)
パイプの実
サビ喰い
顔面はりつき喰い
闘技会の自動機械
オオヘラハギ
クダツナギ
溜まり湯の主
ブガが乗っていた自動機械
地ならし
プロトラクター
オオクダツナギ
クダワタリ
遺跡層最深部の自動機械
フクロムシ
霜鉋(しもかんな)
コフ
帝国の村で飼われていた自動機械
読み切り版
月刊少年シリウスでの連載に先駆けて2016年5月9日発売のヤングマガジン23号に掲載された同タイトルの読み切り作品。連載版とはタイトルロゴのデザインや「APOSIMZ」の副題が無い、タイターニアの動力源が電気などの違いがある。時系列は連載版の約1000年前に当たる。
登場人物(読み切り版)
スオウニチコ
人形病患者は立ち入れない町の入口までタイターニアを案内して友達になる約束をし、帰る振りをして密かに侵入する。タイターニアを踏み突ける工主を止めようと飛び出して左耳にある人形病の烙印を問われ、工主に胸を撃たれて瀕死の重傷を負うが、人形の姿になったタイターニアに抱えられて地底世界へと連れて行かれる。
タイターニア
工主(こうしゅ)
用語(読み切り版)
スオウニチコの住む国
人形の国
書誌情報
単行本
- 弐瓶勉 『人形の国』 講談社〈シリウスKC〉 全9巻
- 2017年5月9日発行 ISBN 978-4-06-390706-3
- 2018年2月9日発行 ISBN 978-4-06-510937-3
- 『1/1スケール「コード」レプリカ付き 限定版』 同日発行 ISBN 978-4-06-510975-5
- 2018年9月7日発行 ISBN 978-4-06-512743-8
- 『1/1スケール タイターニア自動機械形態 組み立てキット付き 限定版』同日発行 ISBN 978-4-06-513528-0
- 2019年4月9日発行 ISBN 978-4-06-515256-0
- 2019年11月8日発行 ISBN 978-4-06-517554-5
- 2020年5月8日発行 ISBN 978-4-06-519616-8
- 2020年11月9日発行 ISBN 978-4-06-518237-6『ミニ画集付特装版』同日発行 ISBN 978-4-06-521180-9
- 2021年4月30日発行 ISBN 978-4-06-523002-2
- 『ミニ画集付特装版』同日発行 ISBN 978-4-06-523951-3
- 2021年12月9日発行 ISBN 978-4-06-526219-1
- 『小冊子付特装版』同日発行 ISBN 978-4-06-526220-7
- 『1/1スケール「コード」レプリカ付き 限定版』 同日発行 ISBN 978-4-06-510975-5
- 『1/1スケール タイターニア自動機械形態 組み立てキット付き 限定版』同日発行 ISBN 978-4-06-513528-0
- 『ミニ画集付特装版』同日発行 ISBN 978-4-06-523951-3
- 『小冊子付特装版』同日発行 ISBN 978-4-06-526220-7
フルカラー版
- 弐瓶勉 『フルカラー版 人形の国』 講談社〈KCデラックス〉 既刊5巻(2022年8月8日現在)
- 2019年11月8日発行 ISBN 978-4-06-518237-6
- 2020年11月9日発行 ISBN 978-4-06-521160-1
- 2022年3月9日発行 ISBN 978-4-06-526735-6
- 2022年8月8日発行 ISBN 978-4-06-528676-0
- 2022年8月8日発行 ISBN 978-4-06-528677-7
読み切り版を収録した書籍
大森望・日下三蔵編著 『行き先は特異点 (年刊日本SF傑作選)』 東京創元社〈創元SF文庫〉2017年7月28日発行 ISBN 978-4-488-73410-7