仁義なきキリスト教史
題材:キリスト教,
以下はWikipediaより引用
要約
『仁義なきキリスト教史』(じんぎなきキリストきょうし)は、架神恭介による小説。キリスト教史をやくざの抗争に擬え「仁義なき戦い」をモチーフに書かれた小説で、2014年2月26日に筑摩書房より単行本として発売された。カバーイラストは田亀源五郎が担当している。2016年12月7日に文庫化し、ちくま文庫レーベルで発売された。
解説
本作はキリスト教史を元にした小説である。登場人物が広島弁で罵り合い、抗争が勃発するなど、やくざ抗争風にアレンジされたキリスト教史の小説化で話題となった。「信仰=任侠道」「教会=組」「十二使徒=取り巻きのチンピラ」「免償符=落とし前」などさまざまなキリスト教用語がやくざ用語へと置き換えられ、キリスト教の世界がやくざの世界を模して描かれる。宗教学者の石川明人は書評「キリスト教の戦慄すべき現実」において「歴史理解には偏見もなく、登場人物の思想的差異に関する描写も的確だ」とし、ユーモラスな描写は本作の大きな魅力であるが、それ以上に読者に人間としての営みを眺めさせるような仕掛けがあり、キリスト教の世俗的な文化を「やくざ化」によって嫌味なく表現していると評した。
あらすじ
第一章から第二章
ユダヤ組系ヨハネ組のヨハネ親分と親子盃を交わしたやくざであるナザレのイエス率いる愚連隊が勢いを増し、大都会エルサレムに進出した。これによりサドカイ組、パリサイ組との抗争が激化した。イエスは、ユダヤ組の大親分であったヤハウェから直盃を受けたとも言われ、実はヨハネ親分では、エリヤ親分ではとも民衆に噂されるようになる。ヤハウェ大親分の一の子分であるイエスこそが跡目を継ぐ二代目であるとの話が広まり、ユダヤ組系二次組織との対立が深まっていった。
A.D.30年、サドカイ組エリファ親分の意向を受けたチンピラであるイスカリオテのユダのチンコロにより裏切られ、サドカイ組からリンチされた後、役人ピラトゥスへユダヤ人の王を名乗る政治犯として引き渡された。ユダヤ組の跡目争いの末、二次団体「ユダヤ組系ナザレ組」そして一大やくざ組織「キリスト組」の親分と呼ばれることになるやくざ、ナザレのイエスが架刑により処刑された。
これはキリスト組を巡る仁義なき戦いの幕開けでもあった。
登場人物
用語
キリスト組
サドカイ組
パリサイ組
エッセネ組
チンコロ
盃
書誌情報
- 架神恭介『仁義なきキリスト教史』筑摩書房, 2014/02/24, ISBN 978-4-480-89313-0
- 架神恭介『仁義なきキリスト教史』筑摩書房 (ちくま文庫), 2016/12/07, ISBN 978-4-480-43403-6