今夜、世界からこの恋が消えても
以下はWikipediaより引用
要約
『今夜、世界からこの恋が消えても』(こんや、せかいからこのこいがきえても)は、一条岬による小説。通称は「セカコイ」。
2019年に第26回電撃小説大賞(メディアワークス文庫賞)を受賞している。受賞時のタイトルは『心は君を描くから』。
本作は韓国でも人気があり、韓国語版が2022年2月時点で20万部超えの大ヒットとなっている。2022年12月にはシリーズの全世界累計部数が75万部を突破した。
眠るとその日一日の記憶を失ってしまう「前向性健忘」を患った女子高生と、彼女に幸せな日々を送ってほしいと献身的に支えながらも、自らも大きな秘密を隠し持っている同級生の男子の儚く切ない恋愛を描く。
2022年7月29日に映画版が公開。2022年の国内の年間文庫本ランキングで7位となる。
韓国における2023年上半期ベストセラー小説部門では本作が5位に、続編の『今夜、世界からこの涙が消えても』が13位を記録した。
あらすじ
高校生・神谷透の前の席の下川がいじめのターゲットにされ始めた。透が止めさせようとすると、いじめの主犯格の男が「今日中に一組の日野真織に告白してくれば止めてやる」と言い出した。 透は真織に嘘の告白をしてしまうが、真織が「放課後までお互い話しかけない」「連絡のやり取りは簡潔にする」「本気で好きにならない」という3つのルールを守ることを条件にOKの返事が返ってくる。
ふたりは付き合い始め、お互いに一緒に過ごす時間をとても幸せに思い、惹かれ合っていく。透は恋を嘘に出来なくなり、真織に「好きになってもいいかな」と尋ねる。しかし、真織は迷いながらも「前向性健忘っていってね。夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」と自分の病気のことを打ち明ける。
新しい記憶が蓄積できず、寝ると毎日記憶がリセットされる真織は手帳や日記にその日一日の出来事を書き留め、翌朝に復習することで記憶をつなぎとめていた。透は、そんな彼女の日記を楽しいことで埋めたい、前向きに生きられるようにと献身的に向き合っていく。
登場人物
神谷透(かみや とおる)
書誌情報
- 今夜、世界からこの恋が消えても(2020年2月22日発売、メディアワークス文庫、ISBN 978-4-04-913019-5)
- 韓国語版『今夜、世界からこの恋が消えても』오늘 밤, 세계에서 이 사랑이 사라진다 해도(2021年1月1日発売、모모 (モモ) 、ISBN 979-1-191-04329-7)
- 繁体中国語版『今夜、世界からこの恋が消えても』即使,這份戀情今晚就會從世界上消失(2022年1月10日発売、平装本出版、ISBN 978-626-953-383-1)
映画
2022年7月29日に公開された。監督は三木孝浩、主演は道枝駿佑(なにわ男子)と福本莉子。道枝は本作が映画初主演となる。
キャッチコピーは「消さなきゃいけなかったのは 君と過ごした一年だった。」。
撮影は藤沢市など神奈川県内を中心に各地で行われた(「主なロケ地」参照)。
公開初日には、主演の道枝駿佑と福本莉子の地元である大阪のTOHOシネマズ梅田にて初日舞台挨拶が実施され、福本と道枝が登壇、全国153館の映画館へ同時生中継が行われた。TOHOシネマズ六本木ヒルズでも初日舞台挨拶が行われ、主演の2人と共演する古川琴音、松本穂香、水野真紀、萩原聖人、三木孝浩監督が登壇した。
Filmarks(フィルマークス)が実施した「7月第5週公開映画の初日満足度ランキング」で1位を獲得している。
2022年8月12日に実施された大ヒット御礼舞台挨拶では、原作者の一条岬から主演を務めた道枝と福本に感謝のメッセージが贈られ、2人を感激させた。
2022年10月5日から14日まで開催された釜山国際映画祭では「オープンシネマ部門」に正式招待された。
2022年9月16日に三枝の友人の一人を演じた梶田冬磨が急逝、本作が遺作となった。
2023年1月、韓国での累計観客動員数が100万人を超え、アニメ映画を除く2000年代以降に公開された日本映画の中で最高記録となった。2月には実写の日本映画として歴代2位になる。
あらすじ(映画)
キャスト
主要人物
神谷透(かみや とおる)
主人公。高校3年生。クラスでのいじめを止めるため、真織に嘘の告白をする。
真織とは思いがけず交際することになったが、真織のことはとても大切に思っている。
日野真織(ひの まおり)
透の同級生で恋人。交通事故で、眠るとその日の記憶を失ってしまう「前向性健忘」を患っている。
嘘の告白と分かりながらも透にOKの返事をするが、後から恋人のふりをすることを提案し、3つのルールを示す。
綿矢泉(わたや いずみ)
真織の同級生で親友。真織の病気を理解し支える。母親は有名なデザイナーで父親とは離婚調停中。
透のことは最初は警戒していたが、透も作家・西川文乃が好きなことを知り、打ち解けていく。
2人の交際も応援するようになり、透とはお互いに親友と思うようになるが、そのために物語の重要な鍵となる。
透の家族
神谷早苗(かみや さなえ)
透の姉。小説家でペンネームは西川文乃。『残滓』という作品で芥川賞を受賞する。
父親とは確執があり家を出ているが、家に残してしまった透を心配している。
透と真織の恋を優しく見守りつつも、透の健康や2人の未来を案じている。
神谷幸彦(かみや ゆきひこ)
透たちの父親。小説家を目指していたが挫折。自堕落に日々を過ごしている。
神谷文乃(かみや ふみの)
透たちの母。故人。心臓病で急逝している。一家の中心であり、太陽のような存在だった。
真織の家族
日野浩司(ひの こうじ)
真織の父親。優しく細やかな気遣いで真織に接している。
日野敬子(ひの けいこ)
真織の母親。真織のことを常に心配し、夫と共に真織に寄り添う。
透の関係者
下川(しもかわ)
透の友人。クラスメイトの三枝から嫌がらせを受けており、透にかばってもらう。
三枝(さえぐさ)
透のクラスメイト。下川に対する嫌がらせを止めようとした透に、条件として真織に告白しろとけしかける。
真織の関係者
医師
真織の担当の医師。真織は記憶障害から立ち直りつつあるようだと告げる。
湊陽高校
透と真織たちが通う高校。
三枝の友人
いつも三枝と一緒にいる。
透と真織のクラスメイト
その他
担当編集者
西川文乃の担当編集者。
司会者
芥川賞受賞式の司会者。
スタッフ
- 原作 - 一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫 / KADOKAWA刊)
- 監督 - 三木孝浩
- 脚本 - 月川翔、松本花奈
- 音楽 - 亀田誠治
- 主題歌 - ヨルシカ「左右盲」(ユニバーサルJ)
- 製作 - 松岡宏泰
- 共同製作 - 藤島ジュリーK.、小山洋平、堀内大示、細野義朗、弓矢政法
- エグゼクティブ・プロデューサー - 臼井央
- 企画・プロデュース - 春名慶、岸田一晃
- プロデューサー - 川田尚広
- ラインプロデューサー - 片平大輔
- 撮影 - 柳田裕男(J.S.C.)
- 美術 - 松永桂子
- 録音 - 豊田真一
- 照明 - 宮尾康史
- 編集 - 穗垣順之助
- 助監督 - 清水勇気
- 制作担当 - 高橋康進
- 装飾 - 西尾共未
- VFXスーパーバイザー - 鎌田康介
- スタイリスト - 望月恵
- ヘアメイクデザイン - 倉田明美
- スクリプター - 古保美友紀
- 音響効果 - 大塚智子
- 音楽プロデューサー - 有馬由衣
- 宣伝プロデューサー - 林原祥一
- メディアプロモーション - 上野美穂
- プロダクション統括 - 會田望
- 配給 - 東宝
- 制作プロダクション - TOHOスタジオ
- 製作 -「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会(東宝、ジェイ・ストーム、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、KADOKAWA、STARDUST HD.、ジェイアール東日本企画)
主なロケ地
神奈川県藤沢市
神奈川県藤沢市・鎌倉市
神奈川県茅ヶ崎市
神奈川県横浜市
神奈川県平塚市
千葉県木更津市
千葉県千葉市
東京都豊島区