小説

仮面山荘殺人事件


題材:銀行強盗,



以下はWikipediaより引用

要約

『仮面山荘殺人事件』(かめんさんそうさつじんじけん)は、東野圭吾の長編推理小説。1990年12月に徳間書店からトクマ・ノベルズとして単行本が発行され、1995年3月に講談社文庫から文庫本が発行された。

あらすじ

ビデオ制作会社の社長・樫間高之は、運転中に急ブレーキを踏んだ際、後ろから資産家令嬢・森崎朋美に追突される事故に遭う。朋美は左足の先を失って義足となり、バレエが出来なくなったことから絶望して自殺を図るものの、偶然に高之が見舞いに来たことから未遂に終わる。それをキッカケにして朋美は高之を気に入り、2人は交際するようになる。

そして2年後、婚約していた2人は結婚式を数日後に控えていた。ところが、細心の注意をして運転するようになっていた朋美が、自動車事故により崖から転落して亡くなってしまう。結婚式目前であり、目撃者もいたことから事件や自殺とは考えられず、居眠り運転での事故と結論付けられた。

それから3ヶ月後……。朋美の父である森崎製薬の社長・森崎伸彦・厚子夫妻が所有する山荘に、親族やその秘書、主治医、朋美の親友など、8人の男女が集まった。早世した朋美の思い出を忍ぶ意味合いも兼ねた、ごく内輪の者だけが集ったささやかなパーティーだった。

監禁 1日目

そんな中、深夜に逃走中の銀行強盗犯の ジン・タグの二人組が山荘に逃げ込んできたことから、穏やかな雰囲気は一変してしまう。外との接触を禁じられてしまった8人は、警察に知らせようとSOSの文字を書いたり、タイマーを使って停電を起こすことで脱出を試みるが、何者かにSOSの文字は消されてしまい、タイマーは破壊されて失敗に終わってしまう。8人の中に、犯人に協力しようとする裏切者がいたのだ。

さらに犯人の一人が、何者かにビールに入れられた睡眠薬により眠り込んでしまう。そのため、8人のうち7人は窓を施錠した部屋にそれぞれ入れられ、厚子だけが人質となり一夜をすごすことになる。

監禁 2日目

翌朝、朋美の従姉妹にあたる篠雪絵が何者かに背中を刺されて、ベッドで死亡しているのが発見される。だが、部屋の中から鍵をかけられる状況から、雪絵が深夜に強盗犯たちを部屋に入れるとは考えられず、「後で行く……ドアの鍵をあけて……」というメモの残骸が残されていたことから考えても、犯人は銀行強盗たちではありえなかった。

さらに、雪絵の日記からは『朋美が死んだ日のページ』が切り取られていたことから、犯人は「朋美の殺害」にも関与したか、朋美の復讐のためである可能性が浮上する。

監禁 3日目

強盗犯の一味であるフジが、山荘に到着する。姿も声も出さないフジを「銀行の職員ではないか」と推理したことから、強盗犯たちは7人を殺害して逃走すると言い始める。それを回避するために、誰が雪絵を殺害したのかを特定しないとならなくなる。

伸彦の秘書である下条玲子が推理を披露し、裏切者は伸彦であると告げる。「雪絵がピルケースに睡眠薬を補充したのを見た伸彦が、雪絵が睡眠薬を朋美に飲ませたと思って復讐をした」と言及すると、追い詰められた伸彦は窓から湖に飛び降り自殺を図る。

その後、森崎製薬の弱みを握った強盗犯たちは、皆殺しを撤回して翌日に出ていくことになり、全員が部屋にそれぞれ入れられ、人質として高之が縛られる。

監禁 4日目

縛られた高之が一人で考え事をしていると、飛び降り自殺をしたはずの伸彦がなぜか山荘に戻ってきて、高之にこれまでの自分の経緯を語り始める。

雪絵への復讐のために8人をこの山荘に集めた伸彦は、2日目の夜に雪絵を殺害した際に、死に際に雪絵は「違うんです、でも同罪ですね」と言い残し、日記のページを破って口の中に飲み込んだという。その行動から考えて、雪絵は犯人ではなく、誰かを庇っていたのではないかと言う。

犯人でない雪絵を殺害した後悔から警察に自首をするという伸彦を、高之は伸彦の首に手をかけていた……。高之の脳裏に、高之の過去の出来事が浮かんでいき、そして物語は予想外の展開を見せて、終わりを告げるのであった。

登場人物
8人の宿泊者

樫間高之

主人公。ビデオ製作会社経営。朋美の婚約者。森崎伸彦の人脈により仕事を紹介してもらっており、会社の経営は好調。朋美の死亡後も「朋美の婚約者」として扱ってもらっており、森崎家とは頻繁に付き合いがある。
森崎伸彦

利明と朋美の父親。森崎製薬社長。
森崎厚子

利明と朋美の母親。伸彦の妻。亡くなった朋美のことが忘れられずにいる。
森崎利明

朋美の兄。
篠雪絵

厚子の姪。朋美の一つ年下の従姉妹で、双子のように育ったという。物静かで温順な性格の美女。大学卒業後は、父親の学習塾を手伝っている。木戸から猛烈なアプローチを受けているが、異性としては生理的に受け付けないため、理由をつけて断っている。
かつて、朋美の婚約者として紹介された樫間高之に好意を持っていたらしく、踏ん切りをつけるために「バレンタインデーのチョコ」をメモ付きで高之に渡している。
木戸信夫

一正の主治医。父親が厚子と一正の従兄。一回りは年の離れた雪絵に惚れており、執拗にアプローチしている。
下条玲子

伸彦の秘書。メモを取ることが癖になっている。
阿川桂子

朋美の親友。小説家。幼い頃から朋美と一緒にバレエをしていた。朋美の事故が、睡眠薬などを使用した親しい人間による殺人ではないかと疑っている。

強盗犯

ジン

強盗犯。やせて小柄。頭が切れる。
タグ

強盗犯。大柄で粗暴。
フジ

強盗犯達のリーダー的存在。

その他

森崎朋美

高之の婚約者。結婚式の4日前、交通事故で死亡。2年前に自動車事故を起こしていたため、長らく自動車運転を避けていたが、結婚式前の手続きに追われて運転を再開していた。
2年前の交通事故で、朋美がスピードの出しすぎと車間距離の違反により、樫間の車に後ろから衝突。その後、左足首から先を欠損してしまいバレエをすることが出来なくなったことから、入院中に手首を切って自殺を図ったが、偶然樫間が見舞いに行ったことで未遂に終わる。それをキッカケにして、朋美が樫間のことを気にいって、二人の交際が始まった。
篠一正

厚子の弟。雪絵の父親で、小規模な学習塾を経営している。大規模展開を嫌ってか、経営状況は好ましくない。今回の山荘のパーティーには出席していない。
警察官

数名。強盗犯達検挙のため仮面山荘に聞き込みに訪れる。

キャッチコピー
  • スカッとだまされてみませんか
書籍情報
  • 1990年12月(単行本) - 徳間書店(トクマ・ノベルズ)、ISBN 4-19-154407-1
  • 1995年3月(文庫本) - 講談社文庫、ISBN 4-06-185966-8
舞台

2019年9月から10月にかけて、東京・大阪・新潟で舞台化された。2023年9月から10月にかけて、東京・大阪で再公演予定。脚本・演出は成井豊。

なお、この舞台のDVDが2020年3月に発売されている。

2019年公演

東京公演
2019年9月28日 - 10月6日 / サンシャイン劇場
大阪公演
2019年10月11日 - 10月13日 / サンケイホールブリーゼ
新潟公演
2019年10月19日 / 新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)

キャスト
  • 平野綾
  • 木戸邑弥
  • 伊藤万理華
  • 畑中智行
  • 坂口理恵
  • 鯨井康介
  • 筒井俊作
  • 原田樹里
  • オレノグラフィティ
  • 関根翔太
  • 佐藤豪
  • 辰巳琢郎
スタッフ
  • 脚本・演出 - 成井豊
2023年公演

東京公演
2023年10月11日 - 10月15日 / サンシャイン劇場
大阪公演
2023年10月18日 - 10月19日 / サンケイホールブリーゼ

キャスト
  • 溝口琢矢
  • 清水由紀
  • 畑中智行
  • 三浦剛
  • 原口健太郎
  • 岡田さつき
  • 森めぐみ
  • 瀧原光(NORD)
  • 稲田ひかる
  • 北見翔
  • 上ノ町優仁
  • 松崎浩太郎
  • 南木春香
スタッフ
  • 脚本・演出 - 成井豊