伊賀野カバ丸
以下はWikipediaより引用
要約
『伊賀野カバ丸』(いがのカバまる)は、『別冊マーガレット』に1979年から1981年にかけて連載されていた亜月裕の漫画。単行本全12巻+外伝2巻、文庫版全4巻+外伝2巻。
1983年に#映画・#アニメ化され、続編『伊賀野こカバ丸』が雑誌『YOU』にて不定期に発表されている。他にスピンオフとして『霧野疾風伝』が祥伝社の季刊『ロマxプリ Romantic Princess』に掲載された。
2015年、月刊誌YOUの11月号から、続編となる『伊賀野カバ丸★そりから』が連載開始。
ストーリー
東京のとある名門高等学校「金玉学院(きんぎょくがくいん)」を経営する院長大久保蘭は、ある日若き日の初恋の人である忍者・伊賀野才蔵からの手紙を受け、才蔵への思慕を抱きつつ、かつて青春時代を過ごした才蔵の故郷の山奥へ赴くが、そこで才蔵がすでに亡くなっていることを知りショックを受ける。しかし、そこには若き頃の才蔵そっくりの孫・伊賀野影丸ことカバ丸がいた。
身寄りのないカバ丸は、蘭が受け取った才蔵からの紹介で都会に行き、蘭の家に世話になることに。だが山奥で来る日も来る日も忍者修業に明け暮れていたカバ丸にとって都会と学園は未知の世界だった。その上、蘭の孫娘の舞に一目惚れするだけではなく、転入した金玉学院内でカバ丸を中心に旋風が吹き荒れ、学院の影の支配者目白沈寝をはじめとした生徒達や、金玉学院のライバル校「王玉学園(おうぎょくがくえん)」をも巻き込んでいくが、その王玉学園には王玉の手脚となって働くかつてカバ丸共に山で育った忍者霧野疾風がいた。
金玉学院と王玉学園の争いの中で、カバ丸が起す騒動とロマンスを描いたラブコメディ。
登場人物
伊賀野影丸(いがの かげまる)
通称カバ丸で、本作の主人公。山奥で日々忍術と野球の修業を受けた正真正銘の忍者で野生児。いつもマイペースでかつ、単純で気まぐれな性格だが、困っている人を放っておけずに助ける心優しい所もある。語尾の「だ」を「でい」読みする口調が特徴。
人間離れした大食漢で、料理は好き嫌い無く何でも大量に食べるが、特に大好物は焼きそばとエビフライで、アニメでは焼きそばに対して執着を見せる理由が語られる。外来語や現代風の単語は必ず間違えて覚えているなど勉強は全く出来ないが、祖父・才蔵から教わった漢文だけはすらすら読める。蘭に連れられ、金玉学院一年紅組に転入する。年齢は16歳。
才蔵に厳しく鍛え上げられたこともあって、今でも恐怖心を抱いているが、鍛えられた忍者の実力は物凄く、200m以上もあるような超高層ビルから苦も無く飛び下りて着地したり、または垂直に駆け上がったり、時速100km以上で飛ばす車にすら追いつくほどの強靱な脚力に加え、国体とマラソンの掛け持ちでも衰えない驚異的なスタミナも誇る。
小さい頃に甘えていた母を早いうちに亡くしたことも合って、女性には惚れっぽくもあり、麻衣の前には、幼少期の幼なじみの未緒や、自殺しようとした女子大生を慕って追いかけたりもしている。
大久保麻衣(おおくぼ まい)
目白沈寝(めじろ しずね)
野々草かおる(ののぐさ かおる)
霧野疾風(きりの はやて)
カバ丸の兄貴的存在。カバ丸より二つ上の年齢で、やや斜に構えた皮肉屋。忍者としての実力はカバ丸と同等か、ある意味それ以上なところがあり、カバ丸も疾風の気配だけはなかなか察知できない。5歳の時に母と死別し、カバ丸達の住む山の中で迷子になっていたところを才蔵に拾われ、カバ丸と兄弟のようにして暮らしていたが、ある日を境に山を下りた。スピンオフ作品『霧野疾風伝』の単行本の帯には「『伊賀のカバ丸』No.1人気キャラ!!」と書かれている。誕生日は7月10日。カバ丸から原作では「はやて」と呼び捨てされたが、アニメでは「兄(あん)ちゃん」と呼ばれている。
原作では豪遊に従って王玉(おうぎょく)学園の為にカバ丸と激しく争うが、アニメでは好の命令で、不本意ながらカバ丸と戦うことになる。『伊賀野カバ丸外伝』ではカバ丸よりも主役級に扱われている。
好きな食べ物はクリームパン。宴に外国に連れて行ってもらった経験があり、英語が堪能。
大久保蘭(おおくぼ らん)
伊賀野才蔵(いがの さいぞう)
松野好(まつの すう)
前島秀(まえじま しゅう)
白川(しらかわ)
すみれ
遠野塁(とおの るい)
目白要(めじろ かなめ)
目白二葉(めじろ ふたば)
葦原ミキ(あしはら みき)
藤村(ふじむら)
アンソニー・直人・グラッドフォース
豪遊宴(ごうゆう えん)
カバ丸外伝
イメージソング
「ザ・ニンジャ」
テレビアニメ放映に先立つ1981年に発表。ビクター音楽産業からLPが発売され、アニメでカバ丸を演じる中尾隆聖本人の歌唱によるテーマソングとなった。
映画
解説
企画に千葉真一が関わり、ジャパンアクションクラブ (JAC) が総出演。黒崎輝の初主演映画として、製作配給 : 東映で1983年8月6日から『カンニング・モンキー 天中拳』と2本立ての併映にて封切り公開され、10億4000万円の配給収入を上げた。
ストーリー (映画)
キャスト
- 黒崎輝 - 伊賀野カバ丸
- 高木淳也 - 霧野疾風
- 真田広之 - 目白沈寝
- 武田久美子 - 大久保麻衣
- 大葉健二 - 豪遊宴
- 森永奈緒美 - 野々草かおる
- 崎津隆介 - 細野
- 関根大学 - 白川
- 吉瀧久司 - 目白要
- 鹿又裕司 - 前島秀
- 春田純一(友情出演) - 靴磨きの青年A
- 卯木浩二(友情出演) - 靴磨きの青年B
- 渡洋史(友情出演) - 靴磨きの青年C
- すのうち滋之 - 豚山
- 立花愛子 - 小寺洋子
- 山本咲子 - 松本絵里
- 鳶田久美
- 坂本朋恵 - 北まゆみ
- 佐藤実里 - 三枝由紀
- 杉山幸恵 - 池田弘美
- 稲健二 - 目白二葉
- 酒井務
- 栗原敏
- 誠吾大志
- 高橋利道 - 丸井
- 沢田祥二
- 山本亨 - 藤枝
- 稲田龍雄 - 岡
- 藤川聡 - 立花
- 甲斐通夫
- 吉田信一
- 大須賀昭人 - 高田
- 池田政典 - 山川
- 後閑常光
- 庄司浩和
- 渡辺いずみ
- 渡辺ひろみ
- タンクロー
- 多田雄司
- 蟹江敬三 - 中尾
- 安岡力也 - 帆立
- 高田純次
- ストロング金剛 - ヤキソバ屋のおやじ
- 野際陽子(特別出演) - スー婆さん
- 志穂美悦子(特別出演) - 亜月裕子
- 朝丘雪路 - 大久保蘭
- 千葉真一 - 伊賀野才蔵
スタッフ
- 監督 - 鈴木則文
- 企画 - 佐藤雅夫・千葉真一・鈴木則文
- プロデューサー - 豊島泉・厨子稔雄・佐藤公彦(サニー千葉エンタープライズ)
- 原作 - 亜月裕
- 脚本 - 志村正浩・長崎行男・鈴木則文
- 音楽 - 羽田健太郎
- 撮影 - 北坂清
- 照明 - 渡辺喜和
- 美術 - 佐野義和
- 録音 - 荒川輝彦
- 編集 - 市田勇
- 助監督 - 藤原敏之
- 記録 - 中野保子
- 装置 - 和田順吉
- 装飾 - 窪田修
- 背景 - 西村三郎
- 擬斗 - 菅原俊夫
- 演技事務 - 寺内文夫
- 進行主任 - 宇治本進
- 衣裳 - 黒木宗幸
- 美粧結髪 - 東和美粧
- 特殊メイク - 仁瓶まゆみ
- 宣伝 - 松田仁・小田和治・荒井一弥・藤沢正博・西嶋光弘
- 製作宣伝 - 丸国艦
- スチール - 金井謹治
- 協力 - サニー千葉エンタープライズ、ジャパンアクションクラブ (JAC)
主題歌
「青春まるかじり」
協力 - 真田広之・高木淳也
CBSソニー
テレビアニメ
1983年10月20日から1984年3月29日まで、日本テレビ系で放送された(放送枠:毎週木曜日19時00分~19時30分)。全24話。
内容的には単行本の8巻までに沿った内容になっているが、以下の点が漫画版と異なる。
- 松野好(スーばあちゃん)が焼きソバ屋では無く、金玉のライバル校・王玉学園園長になっており、疾風の後見人でもある。彼女が原作の豪遊宴に相当する役どころを兼ねてしまっているため、豪遊宴が登場しない。大久保蘭同様に、若い頃から伊賀野才蔵を慕っている。
- 松野好の埋め合わせとして、焼きソバ屋のオヤジ幹藏(正体は才蔵)が、原作には無いオリジナルキャラとして登場する。
- 疾風がカバ丸との争いを望んでおらず、原作ほどカバ丸を挑発するような言動はしない。
- 第12、14、18、19、20話は完全に原作から独立したアニメオリジナルのものになっている。原作準拠の話でも、大幅修正を加えている場合がある(第1、21、22、24話)。
キャスト(アニメ)
- 伊賀野カバ丸 - 中尾隆聖(幼少時代は野沢雅子)
- 大久保麻衣 - 立原麻衣
- 霧野疾風 - 田中秀幸(幼少時代は山田栄子)
- 大久保蘭 - 山田栄子
- 野々草かおる - 麻上洋子
- 松野好 - 野沢雅子
- 目白沈寝 - 神谷明
- 目白要 - 千葉繁
- 目白双葉 - 石丸謙二郎
- 伊賀野才蔵 - 緒方賢一(青年時代は中尾隆聖)
- 教頭 - 屋良有作
- 洋子 - 冨永みーな
- 前島 - 野島昭生
- 白川 - 郷里大輔
- 堀田 - 塩屋翼
- 大木 - 松田辰也
- 藤枝 - 福士秀樹
- 遠野塁 - 石丸博也
- 林 - 二又一成
- 若林星子 - 戸田恵子
スタッフ(アニメ)
- 原作 - 亜月裕
- チーフディレクター、OP演出 - 小華和ためお
- シリーズ構成 - 土屋斗紀雄
- 音楽 - 木森敏之
- 美術監督 - 田中静恵
- キャラクターデザイン - 細谷秋夫
- ED演出 - 湯川高光
- プロデューサー - 堀越徹(NTV)、大野実(読売広告社)、藤原正道(東宝)、対木重次(グループ・タック)
- 色彩設定 - 横山圭子
- 編集 - 古川雅士、門井美樹
- 現像 - 東洋現像所
- 音響監督 - 藤山房延
- 効果 - 加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
- アニメーション制作協力 - 亜細亜堂、スタジオぎゃろっぷ、スタジオジュニオ
- 製作協力 - 読売広告社
- 製作 - 東宝株式会社、グループ・タック
主題歌(アニメ)
オープニングテーマ「サーカス・ゲーム」
エンディングテーマ「スイマセン My Love」
上記2曲を収録したEPレコードは、フォーライフ・レコードより発売された。
挿入歌(アニメ)
「恋してピンク」
作詞 - 佐藤ありす / 作曲・編曲 - 木森敏之
「やきそば音頭」
作詞 - 土屋斗紀雄 / 作曲・編曲 - 木森敏之
各話リスト
話数 | 初回放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1983年 10月20日 |
面白まじめジャ忍者参上 | 土屋斗紀雄 | 小華和ためお | 細谷秋夫 | |
2 | 10月27日 | 思いがけずに人気者!? | 永丘昭典 | 香西隆男 | ||
3 | 11月3日 | ファイト一発! ヤキソバD | 芝山努 | 吉本桂子 | ||
4 | 11月10日 | スイート麻衣せんカバ丸君 | 早川啓二 | 古瀬登 | ||
5 | 11月17日 | 目白発見伝 | 秋本玲 | やすみ哲夫 | 小華和ためお | 細谷秋夫 |
6 | 11月24日 | 思い悩んで変身ゲーム | 柳川茂 | 永丘昭典 | 平田かおる | |
7 | 12月1日 | 焼きそばランナーの孤独 | 大伴恵子 | 本郷みつる | 吉本桂子 | |
8 | 12月8日 | 外伝! 忍びの里の二人 | 土屋斗紀雄 | 小華和ためお | 細谷秋夫 | |
9 | 12月15日 | 魅せます! くの一かおる | 街田雪子 | 早川啓二 | 小和田良博 | |
10 | 12月22日 | 聖夜のジクソー・ラブ | 筒井ともみ 小林宏一 |
やすみ哲夫 | 小華和ためお | 細谷秋夫 |
11 | 12月29日 | 秘伝! 生き返りの妙薬 | 土屋斗紀雄 | 本郷みつる | 吉本桂子 | |
12 | 1984年 1月5日 |
どっきり・ザ・ガードマン | 秋本玲 | 永丘昭典 | 平田かほる | |
13 | 1月12日 | ベッドで沈寝を抱かないで | 大伴恵子 | 早川啓二 | 小和田良博 | |
14 | 1月19日 | めぐり逢いスターライト | 小林宏一 筒井ともみ |
小華和ためお | 細谷秋夫 | |
15 | 1月26日 | アキレチック・IN・伊賀 | 柳川茂 | 井上修 | 岡豊 | |
16 | 2月2日 | 忍びの里の兄弟仁義 | 土屋斗紀雄 | 永丘昭典 | 早川啓二 | 阿部司 |
17 | 2月9日 | 悩みます・麻衣・LOVE | 土屋斗紀雄 街田雪子 |
本郷みつる | 吉本桂子 | |
18 | 2月16日 | 嵐を呼ぶ男! | 秋本玲 土屋斗紀雄 |
永丘昭典 | 平田かほる | |
19 | 2月23日 | 麻衣の探偵物語 | 土屋斗紀雄 | 早川啓二 | 小和田良博 | |
20 | 3月1日 | ㊙初恋!ラン・スー表 | 鈴木卓夫 | 小華和ためお | 細谷秋夫 | |
21 | 3月8日 | 秘術! 焼きソバ野球の怪 | 本郷みつる | 吉本桂子 | ||
22 | 3月15日 | 嵐の麻衣ジャック | 早川啓二 | 小和田良博 | ||
23 | 3月22日 | 夜霧の対決! 男のケジメ | 小華和ためお | 佐藤徹 | ||
24 | 3月29日 | いわゆるひとつのサヨナラDAY | はしもとなおと | 小華和ためお | 細谷秋夫 |
放送局
放送日時は青森放送と個別に出典が掲示されているものを除き、1984年2月中旬 - 3月上旬時点のものとする。
放送期間、または放送体制 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1983年10月20日 - 1984年3月29日 | 木曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ | 関東広域圏 | 制作局 |
札幌テレビ | 北海道 | |||
ミヤギテレビ | 宮城県 | |||
福島中央テレビ | 福島県 | |||
テレビ新潟 | 新潟県 | |||
テレビ信州 | 長野県 | 放送当時テレビ朝日系列とのクロスネット | ||
静岡第一テレビ | 静岡県 | |||
中京テレビ | 中京広域圏 | |||
よみうりテレビ | 近畿広域圏 | |||
広島テレビ | 広島県 | |||
西日本放送 | 岡山県・香川県 | |||
福岡放送 | 福岡県 | |||
熊本県民テレビ | 熊本県 | |||
遅れネット | 不明 | 青森放送 | 青森県 | 放送当時テレビ朝日系列とのクロスネット |
水曜 17:30 - 18:00 | テレビ岩手 | 岩手県 | 1984年11月頃に放送 | |
木曜 17:00 - 17:30 | 秋田放送 | 秋田県 | ||
- 1984年4月17日 | 火曜 6:27 - 6:54 | 石川テレビ | 石川県 | フジテレビ系列 |
遅れネット | 月曜 17:00 - 17:30 | 福井放送 | 福井県 | 放送当時日本テレビ系列単独ネット |
月曜 17:00 - 17:30 | 山梨放送 | 山梨県 | ||
金曜 17:15 - 17:45 | 山口放送 | 山口県 | ||
金曜 17:25 - 17:55 | 南日本放送 | 鹿児島県 | TBS系列 |
付記
- アニメ版開始2週前の10月6日には、木曜19:00 - 19:30で前夜祭的番組『特集・伊賀野カバ丸』を放送、原作者・亜月裕、カバ丸役の中尾隆聖、主題歌担当のシュガーらが出演し、ハイライトシーンなどを放送した。
- カバ丸役の中尾と麻衣役の立原は、『魔法の妖精ペルシャ』の第10話に揃ってゲスト出演している。別冊と週刊の違いがあるが、この2作品(ペルシャは全く違う設定の『ペルシャが好き!』だが)は共に集英社の『マーガレット』に掲載されていた。
- 原作には無いアニメ第12話では、同作者作品の『昭和アホ草紙あかぬけ一番!』のアニメで主役を演じた井上和彦がゲスト出演している。
- 番組の間の『マーガレット』のCMで、実写映画版のカバ丸役の黒崎が忍者装束に身を包み、カバ丸のキャラクターそのままで出演している。またCMのラストには「♪『週刊マーガレット』は明日! 金曜発売!」というCMソングが流れたが、このCMソングはその後の『魔法の妖精ペルシャ』『昭和アホ草紙あかぬけ一番!』『光の伝説』といったマーガレット連載アニメでも、「明日」の部分を別な言葉に変えて使われた(『ペルシャ』は金曜放送なので「今日!」、それ以外は「毎週!」に)。