小説

侍女の物語




以下はWikipediaより引用

要約

『侍女の物語』(じじょのものがたり, The Handmaid's Tale)は、カナダの作家マーガレット・アトウッドのディストピア小説。

1985年に発表されるやベストセラーとなり、書評からも絶賛され、カナダ総督文学賞、アーサー・C・クラーク賞などを受賞した。日本では新潮社より1990年に出版され、2001年には早川書房より訳注などが追加された文庫版が登場した。2019年9月には続編"The Testaments"が刊行され、日本でも2020年に『誓願』として発行された。

1990年に映画化、日本でも公開。2017年にはHuluでドラマ化された。

作品世界

舞台であるギレアデ共和国は、近未来のアメリカにキリスト教原理主義勢力によって誕生した宗教国家である。有色人種、ユダヤ人を迫害し他の宗派も認めない。内戦状態にあり国民は制服の着用を義務づけられ監視され逆らえば即座に処刑、あるいは汚染地帯にある収容所送りが待ちうけている。生活環境汚染、原発事故、遺伝子実験などの影響で出生率が低下し、数少ない健康な女性はただ子供を産むための道具として、支配者層である司令官たちに仕える「侍女」となるように決められている。

あらすじ

侍女であるオブフレッドは、恐怖と絶望に耐えながら従順を装いつつ生きていた。情報から隔絶され常に監視の目を意識しながら司令官に仕えていたが、ある日こっそりと司令官は人間として自分に接するように求めてくる。一方、司令官の妻は夫に授精能力がないことを看破し、夫婦付の運転手ニックと交わり妊娠するようにオブフレッドに密かに命ずる。

登場人物

オブフレッド

主人公でこの物語の語り手。図書館に勤務し夫と娘がいた。ギレアデ誕生当時には国外脱出を図るが捕まり、侍女の養成施設へ送られる。本名は原作では不明だが、映画版ではケイト、ドラマ版ではジューン。
司令官

オブフレッドの主人。相当な権力者で密かにギレアデ誕生前の文化を愛好している。
セリーナ・ジョイ

司令官の妻。ギレアデ誕生前は宣教師兼テレビタレントで女性は家に帰るべきと主張していた。現在ではかつての自分の主張どおりの生活をおくっている。
モイラ

オブフレッドの親友。レズビアン。共に侍女の養成施設へ送られるが脱走し捕まって政府高官専用の秘密売春宿の娼婦となった。
ニック

司令官の運転手。
ルーク

オブフレッドの夫。前妻と離婚後、オブフレッドとの間に娘が産まれた。
リディア小母

女性自身による女性統制機関の一員で、オブフレッドが収容されていた侍女養成施設の教官。続編小説『誓願』では主人公の一人として登場。

映画

1990年に映画化された(en:The Handmaid's Tale (film))。アメリカ合衆国・西ドイツ合作。フォルカー・シュレンドルフ監督、ナターシャ・リチャードソン、フェイ・ダナウェイらが出演。音楽は坂本龍一が担当した。

原作や後述のドラマ版とは異なり、どちらかと言えばメロドラマ的な内容になっている。これは当時、設定等を変えてもいいと言う原作者の意向による。

ビデオタイトルは『闇の聖母/侍女の物語』。

キャスト

  • ケイト/オフレッド:ナターシャ・リチャードソン
  • セレナ・ジョイ:フェイ・ダナウェイ
  • ニック:エイダン・クイン
  • 司令官:ロバート・デュヴァル
  • オフグレン:ブランチ・ベイカー
  • モイラ:エリザベス・マクガヴァン
  • リディア小母:ヴィクトリア・テナント
  • ルーク:ライナー・ショーン
  • 医師:デヴィッド・デュークス
  • トレイシー・リンド
  • ミューズ・ワトソン
テレビドラマ
  • 2017年にHuluによってドラマ化。同年4月26日より『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』として配信された(原題:『The Handmaid's Tale (TV series)』)。2017年の第69回プライムタイム・エミー賞では、作品賞・主演女優賞・助演女優賞・監督賞・脚本賞の5部門を受賞した。2018年「第75回ゴールデングローブ賞」では テレビドラマ部門作品賞と主演女優賞を受賞した。日本では2018年2月より配信されている。2022年9月8日にシーズン6で終了する事が決まり、その後は続編スピンオフ小説である「誓願」を映像化する計画だと言う。シーズン5の配信が当初2023年の予定だったのが2022年9月14日からに前倒しされたのもその為だと言われている。なお、シーズン6の配信は2023年末か2024年初頭の見込みだといわれているが、2023年5月に始まった2023年 全米脚本家組合ストライキ(en)の影響で脚本の執筆が中断している。
影響

2017年6月に、イギリスの俳優であるエマ・ワトソンが、女性の権利を擁護するためのキャンペーンとして、当作の書籍100冊を「パリのあちこちにこの本を隠している!」とTwitterにて発信し、探し出すためのヒントを非営利の読書支援団体「ザ・ブック・フェアリーズ(The Book Fairies)」がtwitterで投稿することになった。