僕はビートルズ
舞台:高度経済成長期の日本,芸能界,
以下はWikipediaより引用
要約
『僕はビートルズ』(ぼくはビートルズ)は、原作:藤井哲夫、作画:かわぐちかいじによる日本の漫画。講談社の『モーニング』にて2010年15号から2012年12号にかけて連載された。
概要
ビートルズのコピーバンドが、ビートルズがデビューする前の時代にタイムスリップし、盗作する形でメジャーデビューしてしまう。そのことを通してビートルズとは何だったのか、オリジナリティとは何かを問いかける作品。
講談社モーニング編集部主催の漫画新人賞「MANGA OPEN」の第25回で大賞を原作として初めて受賞した作品。ビートルズをリアルタイムで体験し少なからぬ影響を受けた世代でもある審査員のかわぐちかいじは「俺が描きたいくらいだ」とコメントしており、実際にかわぐちが作画を担当することになった。なお、単行本9巻あとがきによれば、原作では「ファブ・フォー」メンバーは一緒に演奏しないなど本作とは大幅に違うとのこと。
あらすじ
2010年3月11日。ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」は、日本のビートルズバンドの聖地である六本木リボルバーと専属契約を結び、「本物のビートルズよりも上のテクニック」をステージで披露する日々を送っていた。ある日、メンバーの一人レイが脱退を告げ、レイを交えた4人での最後のステージを終えた。その後、マコトは六本木駅のホームでレイを引き止めようとするが、考えを変えないレイに激昂したマコトは、電車が入りつつあるホームでレイを突き飛ばし、腕を掴んだことでレイ、ショウ、マコトは三人とも落ちてゆく。反対側のホームにいたコンタも異常に気づき、目を見開いた。
次にショウとマコトが目を覚ました時、2人は1961年3月11日へとタイムスリップしていた。ビートルズがレコードデビューする前の無名の時期である。レイとコンタの姿は見えなかった。マコトは彼ら(ビートルズ)に先んじて、彼らの曲を自分達の曲として発表すれば、彼らがその曲を発表できなくなる代わりに、2010年には存在しない214曲目の新曲を作らせることができ、ビートルズの新曲と自分たちのオリジナル曲を世界のヒットチャートで競わせることができると考え、ショウを説得して行動を起こす。2010年とは商慣習からして違う、1961年の音楽業界の中で右往左往しながらも、2人は「ファブ・フォー」として『抱きしめたい』でレコードデビューを果たし、レコード会社が幅を利かせて市場やアーティストを束縛するのが当たり前の業界に一石を投じた。
「ファブ・フォー」の曲は遠くイギリスのラジオでも流されるようになる。だがビートルズは触発されて新曲を作るどころか、なぜか活動を停止してしまう。
登場人物
ファブ・フォー(THE FAB4)
蜂矢翔(はちや しょう)
愛称はショウ。東京都立川市出身で、両親は秋田県出身。ファブ・フォーにおける担当はジョージ・ハリスンのパート。小学校3年の夏に父親の持っていたCDを聞いたのがきっかけでビートルズのファンになる。
立川東高の軽音サークルに属していた頃、一年先輩のマコトから「ジョージに似ている」と言われてからジョージ・パートを担当するようになり、レイやコンタとの出会いを経てそれは完全に確立された。
自分が本来存在すらしていない世界にいることに違和感を覚え、踏み切りに飛び込んで元の世界に戻ろうとするが、マコトから新しい夢を聞かされてこの世界で生きる意味を見出す。しかし、自分がビートルズの曲を自作だと偽っていることへの罪悪感は消えなかった。
鳩村真琴(はとむら まこと)
鷹津礼(たかつ れい)
愛称はレイ。ファブ・フォーにおける担当はジョン・レノンのパートで、リズムギター兼バンドリーダー。元々は立川西高でバンド「フライド・エッグ」を組んでいたが、ショウやマコトの誘いを受けファブ・フォーに加わった。コピーはいくら精巧でも所詮はコピーでしかなく、新しいものを生み出そうとしたビートルズの精神こそが重要であり、自分のオリジナル曲でオリジナルを超えた2代目ビートルズを目指そうとする考えの違いから、マコトとの間に溝を作っていた。
タイムスリップ後はマコトとショウがビートルズの曲を自分たちのものとしてレコードを出したことに憤る。しかしビートルズが活動を停止したことを知ると、世界の歴史が変わりかねないことを危惧し、その埋め合わせをすべく再加入する。
マキ・プロダクション
卯月マキが起こした新興芸能事務所。竜いわく新興勢力ではトップとのこと。
卯月マキ(うづき マキ)
竜(りゅう)
ショウとマコトがタイムスリップ後、ふとしたことからお世話になった流しの歌手。通称「流しの竜」。青森県から集団就職のため上京し、歌手を目指すがどこのレコード会社も門を開けてくれず、仕方なく新宿でギター片手に流しの歌手をしている。自身の境遇から苦労している若い者に対する面倒見は良く、ショウやマコトを自らの弟子として面倒を見ると決めた。
2人がマキ・プロダクションと契約を結んでからはマネージャー的な役割を担い、レコーディングや重要な会議にも顔を出している。
彼自身は演歌を専門にしているが、エルビス・プレスリーを「神様」として信望している。しかし、演歌のコブシが出る癖や英語の発音が不得意なことから、自分が洋楽を歌うことはあきらめており、それが「ファブ・フォー」を手助けする動機となっている。また、普段は標準語で話しているが、興奮したときには青森弁が出る。
その他
ヨネ
熊野(くまの)
園田鹿之子(そのだ かのこ)
亀田(かめだ)
猿丸 薫(さるまる かおる)
ピーター・クロンカイト
リヴァプールのミュージシャン
登場楽器
単行本2巻によると、かわぐちかいじは作画用資料としてこれらの楽器の実物を入手しているとのことである。
ギブソン・J-160E
ヘフナー バイオリンベース 500-1
ギブソン L-50
グヤトーン LG-70
グレッチ DUO Jet
リッケンバッカー・325
ファブ・フォーのディスコグラフィ
シングル
アルバム
THE FAB4 (1962年4月23日発売)
|
A面
B面
単行本
- 藤井哲夫(原作)・かわぐちかいじ(作画) 『僕はビートルズ』 講談社〈モーニングKC〉、全10巻
- ISBN 978-4063729320 2010年8月23日発売
- ISBN 978-4063729535 2010年10月22日発売
- ISBN 978-4063729740 2011年1月21日発売
- ISBN 978-4063729894 2011年3月23日発売
- ISBN 978-4063870084 2011年6月23日発売
- ISBN 978-4063870312 2011年8月23日発売
- ISBN 978-4063870589 2011年11月22日発売
- ISBN 978-4063870794 2012年1月23日発売
- ISBN 978-4063871012 2012年4月23日発売
- ISBN 978-4063871029 2012年4月23日発売