公爵令嬢の嗜み
以下はWikipediaより引用
要約
『公爵令嬢の嗜み』(こうしゃくれいじょうのたしなみ)は、澪亜(れいあ)による日本の小説。「小説家になろう」で2015年から2017年まで連載された。書籍版はKADOKAWAのWeb小説関連の単行本レーベル「カドカワBOOKS」より2015年11月から2018年12月まで刊行された。イラストは双葉はづきが手掛けている。2021年7月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は130万部を突破している。
2015年12月22日創刊の『ヤングエース』の増刊誌であるWeb無料漫画雑誌『ヤングエースUP』にて創刊ラインナップの一つとして、梅宮スキによる漫画版が連載を開始している。
あらすじ
婚約者であるエドワード王子とその取り巻きによって床へ押さえつけられた際に前世の記憶が蘇った公爵令嬢のアイリスは、前世の記憶を頼りに、ここが乙女ゲーム『君は僕のプリンセス』のエンディングシーンということ、自身が主人公であるヒロインに嫌がらせを行う悪役令嬢であることに気づく。
機転により、退学は免れなかったものの、その場を感情に流されることなく貴族の矜持を持って切り抜けたが、次に待っていたのは実父であるアルメリア公爵当主との面談だった。ゲームではここで謹慎と修道院への幽閉が待っていたものの、自身の気持ちの変化と現在の置かれている立場を述べたところ、父から領地での謹慎とは名ばかりの、領主代行としての領地経営を命じられる。
前世の記憶や知識を元に、まずは領地の把握とかつて自分が拾った優秀な部下を集め、領主代行として領地経営を開始する。
登場人物
主要人物
アイリス・ラーナ・アルメリア
メインヒロイン。アルメリア公爵の第一子。公爵令嬢。ゲーム内では主人公のライバルの悪役令嬢だった。
エドワード王子から婚約を破棄され、学園から追い出される直前に前世の記憶を思い出したため、最低限の貴族の品位を保って学園を中退する。父親との面談で、ゲーム通りなら修道院送りの処分になるところを乗り切り、代わりに領主代行としての地位を得て公爵領の経営に乗り出す。まずは人員を確保するため、前世の記憶が戻る前に個人的にスラムから引き上げた使用人を集めることから開始し、その後、領地の全体像の把握に努めた。その後、商会「アズータ商会」を立ち上げて繁盛することになる。記憶はアイリスとしての『私』と前世の『ワタシ』の意思が混ざり合った状態になっている。前世の記憶を思い出す前も、ユーリにはともかく身内には優しく接していたようで、スラムから救い出した同年代の子どもたちは、やがてアイリス個人に絶対の忠誠を誓う使用人となった。
前世は会計事務所の職員であり、プレイしていたゲームで主人公が勝利する代わりに、悪役令嬢であるアイリスが軽微な罪で過酷な運命を辿ることについてアイリスに同情的だった。化粧品やシャンプー&リンスを自作したりヨガに凝っていた趣味もあった。これらの趣味の成果か、物語開始時点ではかなりふくよかであったのが、領に帰参して以降、数年顔を合わせることのなかった実弟のベルンや、社交界に復帰した際には王都の貴族のほとんどがアイリス本人とわからなかったほど、容姿体型が変化している。
ターニャ
ライル
アルメリア公爵家の関係者
ルイ・ド・アルメリア
メルリス・レゼ・アルメリア
アルメリア公爵夫人。アイリスの母。社交界の顔であり、メルリスが出席したパーティーを主宰した貴族は格が上がり、出席しなかったかすぐに帰宅されてしまうとその貴族の評判が下がるほどの影響力を持つ。スピンオフ小説『武家の嗜み』及び単行本第6巻では主人公を務める。実家は武門のアンダーソン侯爵家であり、幼少時には家風からか社交マナーなどより野山を駆けまわる事を好み、その出自による天稟ととある理由から研鑽を積んだ類い希なる武をも持っていたが、紆余曲折を経て社交界を自分の戦場と見定めた。
婚約破棄の事件においてはアイリスに同情的で、アイリスに不利益を起こした貴族のパーティーなどに出席しないという報復を行っている。また、自分の立場をわきまえずユーリとエドワードに加担しアイリスを断罪した息子のベルンには激怒しており、「馬鹿息子」と呼んでいる。王太后に可愛がられており、共に現王の側室であるエルリア妃を酷く嫌っており、本人がいないところでは「あの女」呼ばわりしている。
ベルン・ターシ・アルメリア
アルメリア公爵家の長男。アイリスの弟。アイリスとは年子であったため学園には同じ学年で通っていた。成績は非常に優秀で学年一位の座に君臨しており、ゲームの設定ではクール属性として攻略対象の1人であった。
ユーリに夢中になっており、取巻きの一人と化している。第二王子のエドワードとは距離をおけという父の命を無視し、アイリスを学園追放する際も無碍に扱うなど公爵家としての責務も疎かになっていた。そのため、両親からは酷く呆れられており廃嫡寸前となっているほどであるが、その自覚すらない。しかし、姉が領主代行として働く様子を目の当たりにし、ユーリが語っていることが実の無い浪費に過ぎず、彼女に対して得ていた感情が自身の甘えに過ぎないと気づいたことから襟を正して父に教えを乞うようになる。
ガゼル・ダズ・アンダーソン
モネダ
セイ
タスメリア国の王侯貴族など
アイーリャ・フォン・タスメリア
アルフレッド・タスメリア
エドワード・トーン・タスメリア
エルリア・マリエラ
ユーリ・ノイヤー
タスメリア国の貴族・聖職者など
ドルッセン・カタベリア
騎士団長の息子でありカタベリア伯爵家の嫡子。ゲーム内では体育会系として主人公の攻略対象の1人。ユーリに心酔しアイリスが学園で糾弾された際アイリスを乱暴に取り押さえた。アルメリア公爵夫妻からの報復もあり、父母であるカタベリア伯と同夫人から、騎士という立場で犯した公爵令嬢への暴力に対して叱責を受け謹慎処分を言い渡されるも、ユーリへの心酔から心からの反省もしなかった。しかし、騎士団に出入りしているディタやライルとの対決や騎士団の先輩からの言葉を受け、ある程度ユーリから距離を取る。アイリスを知るという動機もあり、アルメリア公爵領を訪れるがマリエラ侯爵派が工作をしていた東方にある都市での騒動に首を突っ込んで捕らえられてしまう。公爵家によって救出された後、アイリスと面談して自分の心に整理を付けた。その後アルメリア公爵家とカタベリア伯爵家の手打ちとして、父であるカタベリア伯から勘当され、またカタベリア伯自身も隠居している。
ヴァン・ルターシャ
その他
ルカ・サモサ
ミナ
既刊一覧
小説
- 澪亜(著) / 双葉はづき(イラスト) 『公爵令嬢の嗜み』 KADOKAWA〈カドカワBOOKS〉、全8巻
巻数 | KADOKAWA | 台湾角川 | ||
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初版発行日(発売日) | ISBN | 発売日 | ISBN | |
1 | 2015年11月15日(11月10日) | 978-4-04-103742-3 | 2017年6月19日 | 978-986-473-725-3 |
2 | 2016年4月15日(4月9日) | 978-4-04-104180-2 | 2017年9月14日 | 978-986-473-880-9 |
3 | 2016年9月15日(9月10日) | 978-4-04-104181-9 | 2018年7月26日 | 978-957-564-141-2 |
4 | 2017年3月10日(同日) | 978-4-04-105468-0 | 2019年3月13日 | 978-957-564-813-8 |
5 | 2017年9月10日(9月8日) | 978-4-04-105469-7 | 2019年9月19日 | 978-957-743-226-1 |
6 | 2018年3月10日(同日) | 978-4-04-106322-4 | 2020年4月20日 | 978-957-743-684-9 |
7 | 2018年9月10日(同日) | 978-4-04-106323-1 | 2020年8月20日 | 978-957-743-923-9 |
8 | 2018年12月10日(同日) | 978-4-04-107508-1 | 2020年12月21日 | 978-986-524-123-0 |
漫画
Web無料漫画雑誌『ヤングエースUP』の2015年12月22日より配信開始。作者は梅宮スキ。原作冒頭よりコミカライズを開始している。単行本はカドカワコミックス・エース(KADOKAWA)レーベルにて発売。既刊すべてに原作者書きおろしの小説が収録されている。
- 澪亜(原作) / 双葉はづき(キャラクター原案) / 梅宮スキ(作画) 『公爵令嬢の嗜み』 KADOKAWA〈カドカワコミックス・エース〉、既刊8巻(2021年7月9日現在)
巻数 | 初版発行日(発売日) | ISBN |
---|---|---|
1 | 2016年9月10日(同日) | 978-4-04-104802-3 |
2 | 2017年3月10日(同日) | 978-4-04-105339-3 |
3 | 2017年9月8日(同日) | 978-4-04-106095-7 |
4 | 2018年3月10日(同日) | 978-4-04-106556-3 |
5 | 2018年11月2日(同日) | 978-4-04-107490-9 |
6 | 2019年8月3日(同日) | 978-4-04-108487-8 |
7 | 2020年3月4日(3月3日) | 978-4-04-109228-6 |
8 | 2021年7月9日(同日) | 978-4-04-109919-3 |