六番目の小夜子
以下はWikipediaより引用
要約
『六番目の小夜子』(ろくばんめのさよこ)は、恩田陸の小説作品及び、それを原作として製作されたテレビドラマ(NHKドラマ愛の詩)。
新潮社の第3回日本ファンタジーノベル大賞で最終選考まで残った。この作品は恩田陸の初作品である。ドラマ版ではオリジナルキャラを登場させたり、舞台を高等学校から中学校に変更するなど小説とは一味違った展開が成されているが、「小夜子」・「鍵」・「文化祭」等、物語の基本部分は共通したものとして展開されている。
シリーズ作品
1992年、新潮文庫より出版。1998年・2001年、大幅加筆・単行本化されたものが新潮社より出版。
- 『六番目の小夜子』新潮社《新潮文庫》(ファンタジーノベル・シリーズ)、1992年7月 全312ページ、ISBN 4-10-123411-6
- 『六番目の小夜子 -- Number 6』新潮社、1998年8月、全257ページ、ISBN 4-10-397102-9
- 『六番目の小夜子』新潮社《新潮文庫》、2001年2月、339ページ、ISBN 4-10-123413-2
「渡すだけのサヨコ」からの視点として、関根秋の姉・夏を主人公にして、「六番目の小夜子」の4年前の学校を描いた番外編的短編「図書室の海」が、2002年に上梓された同名の短編集に収録されている。
登場人物
潮田玲(しおだ れい)
関根秋(せきね しゅう)
写真部所属。クールで大人びた性格であり、千葉の予備校でレベルの高いクラスに入るほどの秀才。正当な六番目のサヨコだが、玲の熱意に負けてサヨコの鍵を譲る。心臓の手術をして長期欠席したため、2度目の2年生をすることに。両親は離婚しており、母親と二人暮らし。隣のクラスにいる唐沢由紀夫は弟(由紀夫は父親に引き取られたため、別姓)。昨年のクラスメート・設楽正浩とは仲がいい。沙世子のことを強く警戒している。
小説版では高校3年生で、兄と姉がそれぞれ三番目のサヨコと渡すだけのサヨコを経験している。以前からサヨコに関する知識を持っていたが、自分は無関係だと思っており、正当な六番目のサヨコであった加藤に鍵を託されてからも特に何をするということもなかった。しかし次第に卒業アルバムを調べたり実行委員のマニュアルを見るなど、積極的に調査をし始めた。
津村沙世子(つむら さよこ)
花宮雅子(はなみや まさこ)
唐沢由紀夫(からさわ ゆきお)
加藤彰彦(かとう あきひこ)
佐野美香子(さの みかこ)
テレビドラマ
2000年4月8日から6月24日にかけて、NHK教育テレビジョン毎週土曜日18:00からの「ドラマ愛の詩」で放送された。全12回。高い人気を誇った作品で、2001年にはビデオ化、DVD化。たびたび再放送もされている。本放送時のみ、本編の後にミニコーナー「サヨコへの伝言」が放送された(DVD版に特典映像として収録されている)。
あらすじ
潮田玲が通う学校には「サヨコ」という不思議な言い伝えがあった。3年に1度、サヨコと名乗る生徒が選ばれて3つの約束(赤い花を生ける・サヨコを演じる・サヨコを指名する)を果たす。それが成功すれば大いなる扉が開かれ、3年後にまた新しいサヨコが現れる。そう言われていた。
玲は、サヨコに選ばれた幼馴染の関根秋に頼んで、サヨコをやらせてもらうことになった。他の誰にもサヨコであることを知られないように。始業式の朝、玲が1つ目の約束を実行しに行くと、戸棚に入っているはずの花瓶がすでに正面玄関に出され、赤いバラの花束が生けてあった。愕然とする玲の耳に鈴の音が聞こえ、その音を追ってみると走り去る女子生徒の後ろ姿が。玲は慌てて後を追うが、見失ってしまう。
さらに、始業式の最中に体育館の照明が落下する事故が起こる。生徒たちは「サヨコがやった」と騒ぎ、玲は落下した照明のそばに、自分が持ってきた赤いチューリップの花が1つ落ちているのを見つける。そして始業式の後、玲のクラスに「津村沙世子」という女子生徒が転入し、クラスは騒然となる。玲は、1つ目の約束を実行したのは沙世子ではないかと確信し、彼女と“六番目のサヨコ”を賭けてバスケで勝負をする。しかし、途中で沙世子が負傷したため、決着をつけることができなかった。
ある日、2年生のテストの満点取得者名が貼りだされ、玲たちはどの教科にも沙世子の名前があることに愕然とする。秋は沙世子が超進学校から公立の学校に転入してきたことに疑問を感じ、選んだ理由を訊ねると沙世子は「呼ばれたから」とだけ答えた。そんな折、玲は「もう一人のサヨコさんへ。鍵を返して下さい」と書かれた手紙を見つけて腹を立て、「そっちこそ、鍵と台本を返して下さい」と書いて沙世子の靴箱に入れる。しかし、「サヨコの正体が知られたとき、本物のサヨコが怒って災いを起こす」という噂を聞き、恐怖に駆られて手紙を取り戻そうとするが既になくなっていた。
帰宅後、玲は「日曜の夕方、学校で待つ」という沙世子からの電話があったことを知る。玲を心配して学校に駆けつけた秋は、そこに偶然居合わせた同級生の加藤に「秋がサヨコなのではないか」と言われるが、取り合わずに加藤と別れる。秋は結局2人に会えず、沙世子の家に電話を掛けるが「沙世子はおりません」とだけ言われて切られてしまう。
一方、玲は沙世子と対面するが「私も呼び出された」と言われ、唖然とする。沙世子は玲に学校近くの国道で起こった事故のこと、そして事故で死んだ生徒の話を始める。沙世子が何者なのか戸惑う玲に対して、沙世子は言い放つ。「戻ってきたの。私が六番目のサヨコよ」。しかし、2人を尾行していた加藤にその言葉を聞かれてしまう。2人は加藤を口止めするために分かれて彼を追う。加藤は校庭まで戻ってきたが沙世子に追いつかれる。
翌日、加藤が喘息の発作で入院したことを知った玲と秋は、「碑を見て」という加藤の伝言を受け取り、校庭の片隅にある碑に刻まれた文字を見る。そこには「昭和六十三年 津村沙世子 享年十五」と刻まれていた。
キャスト
- 潮田玲 - 鈴木杏
- 津村沙世子 - 栗山千明
- 関根秋 - 山田孝之
- 花宮雅子 - 松本まりか
- 平林塔子 - 平田裕香
- 黒川先生 - 村田雄浩
- 佐野美香子 - 一色紗英、上原まゆみ(中学時代)
- 潮田俊作 - 上杉祥三
- 潮田真弓 - 美保純
- 潮田耕 - 伊藤隆大
- 溝口裕一 - 鳥居紀彦
- 唐沢多佳雄 - 古尾谷雅人
- 関根千夏 - 多岐川裕美
- 唐沢由紀夫 - 勝地涼
- 加藤彰彦 - 山崎育三郎
- 設楽正浩 - 内野謙太
- 津村ゆりえ - 冨士眞奈美(声優に扮した声のみ菊池志穂)
- 小泉先生 - 岩橋道子
- 三田先生 - 小日向文世
- 校長先生 - 高士新太郎
- サヨコの影 - 池田あゆみ
- 小さな女の子 - 佐野日名子
- 2年A組生徒 - 竹島由夏、深谷まりえ、森本愛未、長谷川恵美、石部里紗、福平千恵子、小林元樹、森翔吾、田中恭平、桂亜沙美、広瀬沙耶香
スタッフ
- 脚本 - 宮村優子
- 音楽 - coba
- 制作総括 - 一井久司
- 演出 - 田中賢二(1、2、5話) / 遠藤理史(3、4、8、9、12話) / 出水有三(6、7話) / 陸田元一(10、11話)
各回タイトル
放送日時
上記のNHKでの放送のほかに、CSのミステリチャンネル(2005年5月2日 - 7月22日、2006年1月1日 1:00 - 7:00 元旦一挙放送、2006年3月21日 - 4月5日)でも放送が行われている。2021年7月には番組配信サービス「NHKプラス」での見逃し配信も開始。
リリース
DVD 販売元:ポニーキャニオン、リージョンフリー、各巻4話収録、全3巻、映像特典あり
新価格版 販売元 - NHKエンタープライズ、3枚組4話ずつ収録、映像特典あり(サヨコへの伝言(1) - (12)、プレマップ、番組スポット、サヨコの内緒話)
VHS 販売元:ポニーキャニオン、各巻2話収録、全6巻、映像特典なし(本編のみ)
ポニーキャニオン版DVD、VHSともに全巻購入特典として劇中劇「年文化祭 よびかけ劇『六番目の小夜子』」の音声が収められたCDシングルがあった。
舞台
2022年1月、鈴木絢音(乃木坂46)の主演、鶴田法男の総監督で舞台化され、新国立劇場 小劇場にて上演。
上演日程
- 2022年1月7日 - 16日、新国立劇場 小劇場
キャスト (舞台)
- 津村沙世子 - 鈴木絢音(乃木坂46)
- 花宮雅子 - 尾碕真花
- 関根秋 - 高橋健介
- 黒川先生 - 森下能幸
- 唐沢由紀夫 - 熊谷魁人
- 沢木容子 - 山内瑞葵(AKB48)
- 設楽正浩 - 山本涼介
- 加藤彰彦 - 飛葉大樹
- 佐野美香子 - 仲美海(劇団4ドル50セント)
- 溝口祐一 - 大原由暉
- 西野真耶 - 志田こはく
- 花崎那奈(ボクラ団義)
- 緑谷紅遥(ボクラ団義)
スタッフ (舞台)
- 総監督 - 鶴田法男
- 脚本 - 小林雄次
- 演出 - 井上テテ