内閣総理大臣 桜庭皇一郎
以下はWikipediaより引用
要約
『内閣総理大臣 桜庭皇一郎』(コマンダー・イン・チーフ さくらばこういちろう)は、作画:次原隆二(作品クレジットでは「RYU」名義)、シナリオ協力:金井寛・世良光弘による日本の漫画作品。『月刊コミックゼノン』(徳間書店)にて2011年6月から2012年10月まで連載。全3巻。
概要
「国内外から噴出する政治問題に対し、内閣総理大臣である桜庭皇一郎が立ち向かう」という内容であり、「国家のリーダーとしてのあるべき姿を問う」政治巨編と宣伝されている。作者の次原隆二は「政界を舞台とした人間ドラマを描く」と述べている。
なお、次原は同様の作品として『日本国初代大統領 桜木健一郎』(集英社刊)を執筆しているが、掲載雑誌の休刊により打ち切りにされ、中途半端な終わり方をしている。また、『週刊コミックバンチ』(新潮社)ではシリーズ改作とも言える『日本国大統領 桜坂満太郎』が連載されていた。
あらすじ
歴代内閣の長年に渡る政治失策により国民の不満は頂点に達し、政界は与野党の分裂という混乱状態に陥り戦後最大の政界再編が行われた。そして、「政界のサラブレッド」と呼ばれる桜庭皇一郎が史上最年少の総理大臣として国民の期待の元に大連立政権の首班となった。しかし、その実態は政界の重鎮たちに操られる傀儡政権に過ぎず、いつしか桜庭は「歴代首相の中で最も無能な『昼行灯(ひるあんどん)総理』」と呼ばれるようになっていた。
そんな中、中国海軍の艦隊が尖閣諸島の実効支配に乗り出すべく出撃した。頼みとしていたアメリカは日本政府への不信から日米安保の発動を拒否したため日本単独で問題解決を図らねばならなかったが、政局と利権にしか興味の無い閣僚たちは右往左往するばかりで何ら打開策を見出せなかった。ここに至り、桜庭は「昼行灯」の衣を脱ぎ捨て、国家と国民の生命を守るため傀儡政権からの決別を宣言して内閣改造を断行し、幼馴染で外務省の窓際に追いやられていた雑賀彪と、父の内閣で官房長官として辣腕を振るった祖父江護をブレーンに迎え難局の打開に向け動き出した。中国海軍に対し一歩も譲歩しない姿勢を示した桜庭に世論は好意的になるが、既得権を侵された政界の重鎮や官僚たちはマスコミにスキャンダルをリークして桜庭内閣を退陣に追い込もうとするが、真剣に日本の未来を考える桜庭に共感する人々が現れ、桜庭内閣は次第に安定政権へと成長していく。
そんな中、中国海軍が再び尖閣諸島に向け出撃した。桜庭内閣が対応に追われる中、政界を牛耳る元総理の曽我崎靖は米中に相次ぎ訪問し、桜庭内閣を退陣に追い込む見返りに中国に尖閣諸島を割譲し、思いやり予算の名目で多額の資金をアメリカに提供するという密約を交わしてしまう。これに対し、中国と領土問題を抱えるインド・ASEAN首脳から叱責を受け、桜庭内閣は孤立してしまう。桜庭は問題の解決と失った信頼を取り戻すため、単身尖閣諸島で対峙する第二護衛隊群に乗り込み、中国海軍を牽制する。桜庭の覚悟を知ったインド・ASEAN首脳は相次いで桜庭の支持を表明し、国際世論の反発を恐れた中国は艦隊を撤退させる。自力で領土を守り抜いた桜庭内閣を世界は「Japan Pride」と称賛する。
登場人物
日本国
桜庭 皇一郎(さくらば こういちろう)
本作の主人公。元総理大臣の桜庭征四郎を父に持つ世襲議員。元々はサラリーマンだったが、父の引退に伴い後援会に推されて政治家に転向する。
政界再編後に史上最年少の総理大臣となったものの、実権を重鎮に握られたお飾りであり、国民からは「昼行灯総理」と呼ばれ、自身もまたその評価に甘んじていた。しかし、その根底には父から受け継いだ政治家としての強い信念があり、また、徹夜で人脈作りに励んだり各省庁の膨大な書類を短時間で読み切るなど相応の能力も有している。
中国海軍の尖閣諸島進出に際して総理大臣として覚醒し、利権にしか興味の無い重鎮たちと決別し国難に立ち向かう。尖閣問題が一段落付いた後は本格的に国内問題に取り組むため経済財政諮問会議を復活させ、政界・官界の抵抗に対抗する。
雑賀 彪(さいが たけし)
祖父江 護(そふえ まもる)
真田 謙(さなだ けん)
民自党所属の衆議院議員、同党幹事長。党内最大派閥・真田派の領袖で重鎮たちの覚えも目出度く「政界の若き闇将軍」の異名を持つ。東大生だった頃は野球部に所属しており、仁科と4年間バッテリーを組んでいた。
身一つで成り上がった苦労人で世襲議員の桜庭を快く思っていなかったこともあり、重鎮たちから桜庭退陣の引導役として派遣されたが、彼自身もまた志高い政治家であり、国家の危機を前に利権にのみ執着する重鎮たちに愛想を尽かし離反。派閥を解散し、桜庭改造内閣に財務大臣として入閣する。
末期の膵臓癌に冒され余命半年を宣告されており、政治家人生の総仕上げとして日本財政を揺るがす超円高問題に取り組む。中国による2度目の尖閣諸島進出の時期に病状が悪化し緊急入院し、桜庭に後を託して病死する。
モデルは中川昭一。
石神(いしがみ)
曽我崎 靖(そがさき やすし)
石渡 伸常(いしわたり のぶつね)
黒川 徹三(くろかわ てつぞう)
民自党所属の衆議院議員。政界の混乱時に与野党をまとめ大連立政権を立ち上げ、その功績により桜庭内閣の官房長官に就任した。
重鎮たちの意を実現させるのが役目であり、桜庭が余計なマネをしないように監視している。予算委員会で桜庭に代わって質疑に答えたり、重要案件を桜庭に伝えず独断で処理したりと、実質的な桜庭内閣のトップだった。
尖閣問題を機に自主的に動き出した桜庭を牽制する意味で官房長官辞任を示唆したが、逆に桜庭によって更迭される。更迭後は民自党反桜庭派の領袖として野党と連携し、桜庭退陣のため暗躍するが、内閣による金融緩和政策を阻止出来なかったことで曽我崎・石渡に愛想を尽かされ見捨てられる。
モデルは仙谷由人。
鴨田 敏之(かもだ としゆき)
民自党所属の衆議院議員、前総理大臣。無為無策の政治で対米・対中関係を険悪化させ政治混乱を引き起こした張本人だが、本人は「閣僚と官僚が悪い」と責任を全く自覚しておらず、その姿勢は同類の黒川すら怒りを覚える程である。
尖閣問題の際には「政界のキングメーカー」を気取り内閣を無視した勝手な行動を取った挙句、日中首脳会談を御破算にしてしまい桜庭の怒りを買い議員辞職を要求される。それでもなお議員の座に居座ろうとしたが、祖父江に不正献金の証拠を押さえられ泣く泣く辞職届にサインした。辞職後は曽我崎の腰巾着として訪中・訪米に同行するが、両国と結んだ密約をワシントン・ポストの記者に漏らしてしまい、曽我崎の怒りを買い見捨てられる。
モデルは鳩山由紀夫。
山県 純一(やまがた じゅんいち)
仁科 幹治(にしな かんじ)
刈谷(かりや)
如月(きさらぎ)
アメリカ合衆国
メアリー・ブキャナン
中華人民共和国
単行本
- RYU 『内閣総理大臣 桜庭皇一郎』 徳間書店〈ゼノンコミックス〉、全3巻
- 2011年12月20日発売 ISBN 978-4-19-980051-1
- 2012年6月20日発売 ISBN 978-4-19-980090-0
- 2012年12月20日発売 ISBN 978-4-19-980129-7
