力王
漫画
原作・原案など:鷹匠政彦,
作画:猿渡哲也,
出版社:集英社,
掲載誌:ビジネスジャンプ,
レーベル:ビジネスジャンプ・コミックス,
発表期間:1987年,1990年,
巻数:全12巻ホーム社版は全9巻,
話数:全75話,
以下はWikipediaより引用
要約
『力王 RIKI-OH』(りきおう)は、鷹匠政彦原作、猿渡哲也作画による日本の漫画、およびそれを原作としたOVA、映画作品である。
概要
本作は、『ビジネスジャンプ』(集英社)1987年7月(13号)から1990年7月(16号)まで連載された。単行本は全12巻、ホーム社版は全9巻が刊行されている。集英社1987年度MVP賞受賞・累計発行部数は250万部であり、創刊間もない同誌を『週刊ヤングジャンプ』と並ぶ集英社青年コミック誌の2本柱の1つへと押し上げる推進役を果たした。
本作の連載中には必ず「敗れる方法(すべ)を知らされていない哀しき戦士の物語(ストーリー)」とのキャッチフレーズが掲げられており、近未来の弱肉強食の世界で弱者を助け正義を貫く主人公の壮絶な生き様が描かれた。
本作では話数を示す単語を「Violence(バイオレンス=「猛烈」・「暴力」の意)」としており、第1話 - 第74話までは「Violence○○」(○○には話数が入る)、第75話(最終話)は「Last Violence」と記載されている。
また、1989年と1990年にはOVA化(全2巻)され、1991年には香港で実写映画化され日本国内でも公開された。
あらすじ
近未来の東京。民営化された私立国分刑務所に、雑賀力王という右手の甲に六芒星の痣がある若き囚人がいた。彼には霊的な力こそ無いが、超人的な肉体と精神力、そして何事にも決して屈しない正義の信念を持っていた。囚人を使い捨ての消耗品と見なす刑務所幹部は、弱者を助け正義を貫く力王を亡き者にしようと、四天王と呼ばれる最強の囚人たちを差し向けた。四人の刺客たちを必殺の拳で次々と返り討ちにした力王は、刑務所内で芥子が栽培され麻薬密造が莫大な利益を生んでいる事実を突き止めた。孤立無援の力王の闘いは、抑圧された囚人たちを奮い立たせ暴動へと発展した。ついに黒幕の所長と対決した力王は、同じ師に師事した兄弟子の所長を死闘の末に倒し刑務所を脱走した。
拳法の師・張善鬼のもとへ身を寄せた力王は、張老師の言葉を手掛かりに自らの出生の謎を解くため、北の果ての《岬》と呼ばれる地図にも無い辺境地帯へ潜入した。鷲崎という正体不明の軍人が支配する、全土が血も凍るラーゲリ(強制収容所)である《岬》で、力王は双子の弟・那智と十数年ぶりに再会した。右手に鉤十字の痣がある超能力者の那智が人類滅亡を企図する謎の巨大組織に「滅びの子」として利用されていると知った力王は、鷲崎の野望を阻止すべく立ち上がるが「滅びの子」として覚醒した那智により鷲崎は惨殺され、悲痛な兄弟対決の果てに最愛の弟を自らの手で殺した。人類滅亡計画は力王によって阻止されたかに見えたが、直後に《岬》を震源とする巨大地震が日本全土を襲った。
地震で壊滅し廃墟と化した東京へ舞い戻った力王は、育ての親である雑賀夫妻を訪ね出生の秘密を聞き出そうとした。養父の雑賀道臣は謎の巨大組織の手先により致命傷を負いながらも最後の力を振り絞り、第二次大戦下のヨーロッパから中国・上海へ逃れた亡命ユダヤ人少女ハンナが後の力王と那智の母親だと告白し自身の知っている全てを語って力尽きる。力王は養父が死に際に残した「クリス」という言葉を手掛かりに、巨大組織のアジトである《不老宮》へと向かった。
無界の代理人・姉山が君臨する《不老宮》では死んだはずの那智が生首だけの姿で温存され、人類滅亡のための〈クリスタル計画〉に利用されようとしていた。邪悪な姉山は次々と秘策を繰り出し力王を屈服させようとしたが、力王は9歳の少年・芥の協力を得て姉山の魔手をことごとく粉砕した。窮地に追い込まれた姉山は〈クリスタル計画〉を発動させた。しかし兄・力王の愛により全人類への憎悪を愛情へと転化させた那智は自らを消滅させることで〈クリスタル計画〉を挫折させた。《不老宮》は崩壊し、姉山は醜悪な最期を遂げた。
父親の正体を突き止めようとする力王は、南極へ渡り「無界」という謎の人物に会うため人跡未踏の〈到達不能点〉へと飛んだ。そこは南極だというのに花が咲き乱れる暖かな楽園で、力王は地底湖に一頭の鯨と暮らすヨナという老人から「無界」が謎の巨大組織を操っていた事実を知らさせる。ついに「無界」と対面した力王は、彼が人類滅亡後の未来からやってきた人物で、〈神の計画〉のためハンナを凌辱し力王と那智を産ませた父親である事実を明かされた。力王は呪われた血統を断つため自ら命を絶とうとするが、「無界」は人類への贖罪と息子への愛のため自らの首を切り落とし、ハンナの意志が込められた銃剣を胸に受けて消滅した。力王は鯨の背に乗って「無界」の王国を去り、絶望からの輪廻と再生を予感させて物語は終わる。
登場人物
主人公サイド
雑賀 力王(さいが りきおう)
那智(なち)
王 美麗(おう びれい)
力王と那智の実母で、「連続乳児殺人犯」の死刑囚として語られており既に故人である。しかし物語後半でその出自がユダヤ人難民の少女で幼名がハンナである事、当時の雑賀家に養女として引き取られるも無界に狙われ逃亡の末に王美麗と名前を変え、後に日本に渡り「秋山久乃」の日本名を名乗り薬剤師を営んでいた事が判明する。さらに連続乳児殺人犯の汚名は無界が彼女を愛するが故に着せた濡れ衣であり、全くの冤罪であった事が明らかになる。そして無界の手に落ち国分刑務所に幽閉された後、無界の子(力王と那智)を出産するが彼女の愛情は無界ではなく2人の子に注がれた。最期は国分刑務所で自ら死刑台に立ち「自分の肉体は征服できても心までは征服できない事と、いつの日か自分の血を受けた者が無界を倒す時が必ず来る事」を告げ、これに激昂した姉山の手で絞首刑に処され波乱の生涯を閉じた。
国分刑務所編
杉山 徳三(すぎやま とくぞう)
鳴海(なるみ)
北枕(きたまくら)
白神(しらがみ)
黄泉(よみ)
アサ
国分刑務所・所長
岬編
鱶尾 新吉(ふかお しんきち)
鷲崎(わしざき)
オットー・シュタイナー
鷲崎 舞衣(わしざき まい)
水口編
水口 菊矢(みずぐち きくや)
栄作(えいさく)
岩戸 源治(いわと げんじ)
マオ
姉山編
姉山(あねやま)
薔薇木戸(ばらきど)
小日向(こびなた)博士
悪王(あくおう)
芥(あくた)
林 小竜(りん しょうりゅう)
南極編
ハンス・クリューガー
無界編
ヨナ
書誌情報
単行本
- 『力王 RIKI-OH』集英社〈ビジネスジャンプコミックス〉全12巻
- 1988年4月1日発売、ISBN 4-08-863401-2
- 1988年5月1日発売、ISBN 4-08-863402-0
- 1988年9月1日発売、ISBN 4-08-863403-9
- 1988年10月1日発売、ISBN 4-08-863404-7
- 1989年5月1日発売、ISBN 4-08-863405-5
- 1989年6月1日発売、ISBN 4-08-863406-3
- 1989年11月1日発売、ISBN 4-08-863407-1
- 1989年12月1日発売、ISBN 4-08-863408-X
- 1990年4月1日発売、ISBN 4-08-863409-8
- 1990年5月1日発売、ISBN 4-08-863410-1
- 1990年8月1日発売、ISBN 4-08-863411-X
- 1990年9月1日発売、ISBN 4-08-863412-8
文庫本
- 『力王』ホーム社〈ヤングジャンプコミックスセレクション〉全9巻
- 「獣の園」 1995年8月1日発売、ISBN 4-83-422131-8
- 「岬」 1995年9月1日発売、ISBN 4-83-422132-6
- 「檻」 1995年10月1日発売、ISBN 4-83-422133-4
- 「滅びの子」 1995年11月1日発売、ISBN 4-83-422134-2
- 「石の血脈」 1995年12月1日発売、ISBN 4-83-422135-0
- 「水晶の夜」 1996年1月1日発売、ISBN 4-83-422136-9
- 「楼閣」 1996年2月1日発売、ISBN 4-83-422137-7
- 「真の敵」 1996年3月1日発売、ISBN 4-83-422138-5
- 「輪廻」 1996年4月1日発売、ISBN 4-83-422139-3
OVA
力王 RIKI-OH 等括地獄
概要
スタッフ
原作:鷹匠政彦 / 猿渡哲也(集英社『ビジネスジャンプ』連載)
脚本:小出一巳
演出:広川和之
作画監督:瀬尾康博
美術監督:呉暦喚
撮影監督:岡崎英夫
音響監督:清水勝則
絵コンテ:富永恒雄
背景:クローバーアート
音楽:中島優貴
製作:マジックバス
製作販売:集英社 / バンダイ
キャスト
黄泉:速水奨
鳴海:玄田哲章
桑原、井村:大塚明夫
岩田:加賀谷純一
若松:松本保典
坂東:大友龍三郎
杉山徳三:渡部猛
刑務所長、張善鬼:上田敏也
源太郎:稲葉実
医師:福田信昭
蛍子、アサ:こおろぎさとみ
谷本:鈴木勝美
他:古田信幸、子安武人、山口健
備考
力王 RIKI-OH VIOLENCE2 滅びの子
概要
スタッフ
原作:鷹匠政彦 / 猿渡哲也
脚本:小出一巳
絵コンテ:上村修
キャラクターデザイン:杉野昭夫、内田裕
作画監督:中田雅夫
美術監督:石垣努
撮影監督:岡崎英夫
音響監督:清水勝則
製作:マジックバス
製作販売:集英社 / バンダイ
キャスト
那智:池田秀一
鱶尾新吉:小林清志
きよ婆:京田尚子
鷲崎:大友龍三郎
張善鬼:上田敏也
姉山:大滝進矢
与那原、向井:笹岡繁蔵
アトミック・ロボ:西村知道
執事:飯塚昭三
黒騎士:山口健
係員A:小野健一
係員B:古田信幸
母親:伊倉一恵
王美麗:佐々木優子
備考
実写映画
概要
『RIKI-OH/力王』(原題:力王、英題:RIKI-OH)
1991年:香港映画、日本公開:新宿シネパトス、他(同年10月)
本実写映画は、原作の第1話 - 第13話を基に制作されている。OVA版と比較して原作に忠実な内容であるが、以下の特徴がある。
力王が国分刑務所に入所した目的が原作(生き別れになった弟の那智に会うため)とは異なる。
暴力描写・スプラッター表現が生々しく、作画担当の猿渡哲也が試写会で気分を悪くしたほどの内容である。
黄泉は力王との死闘の末、片足を液体窒素のタンクに突っ込んで切断されてしまい、その直後に両手を封じられたが、一命は取り留めた。それを見た白神は恐れをなして逃亡するが、杉山に続き超圧縮ガス爆弾銃の弾丸を身体に受け処刑された。
あらすじ
スタッフ
監督・脚本:ラン・ナイチョイ(藍乃才)
原作:鷹匠政彦 / 猿渡哲也(集英社ビジネスジャンプ刊)
製作総指揮:チュア・ラム(蔡瀾)
製作:チョウ・チュントン(周震東)
撮影:マック・ホイマン(麥海文)
編集:キョン・ツンタク(姜全德)、チョン・イウチョン(張耀宗)
アクション監督:フィリップ・コク(郭振鋒)
音楽:フィリップ・チャン(陳斐烈)
製作:ゴールデンハーベスト
配給:ヒーローコミュニケーションズ