十角館の殺人
以下はWikipediaより引用
要約
『十角館の殺人』(じゅっかくかんのさつじん)は、推理作家・綾辻行人のデビュー作品である長編推理小説。
1987年に出版され、「館シリーズ」の第1作となる。2017年7月時点で累計発行部数は100万部を突破している。
日本のミステリー界に大きな影響を与え、新本格ブームを巻き起こしたとされる。『週刊文春』が推理作家や推理小説の愛好者ら約500名のアンケートにより選出した「東西ミステリーベスト100」の2012年版国内編で、8位に選出されている。2023年に『タイム』誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本」オールタイム・ベスト100に選出されている。
「十」は「じっ」と読むのが正しいが、講談社文庫版によれば、「じゅっ」と読む。
2024年にHuluで実写映像化が発表された。
あらすじ
下記のあらすじは、物語で語られる順番ではなく、時系列に沿って記載する。
前年の出来事
中村千織の死亡
四重殺人事件
当日、島を訪れていた庭師の吉川誠一の遺体はなく行方不明であったことから、警察は吉川が4人を殺害して逃亡したのではないかと結論付けた。
推理小説研究会の合宿
プロローグ
一方その頃、本土では、研究会や事件関係者に宛てて、かつて会員であった中村千織の事故死について告発する怪文書が送りつけられていた。怪文書を受け取った1人である江南孝明は、中村千織の唯一の肉親である中村紅次郎を訪ねる。そこで、紅次郎の大学時代の後輩である島田潔と出会った江南は、一緒に事件の真相を探ろうと調査を開始し、ミス研メンバーの守須恭一に話を聞く。
連続殺人の始まり
さらに同日の昼には、全員でコーヒーを飲んでいる時にカーが毒殺されてしまう。その後、青屋敷跡の調査を行ったところ、地下室への階段にテグスが張られていたことや床に掃き清めたかのような痕跡があったことから、外部犯が潜んでいる可能性が濃厚となる。
さらなる被害者
残された3人で過去の事件を推理していったところ、カーの毒殺事件には「1つだけ11角形のカップ」という目印が使われており、内部犯でも容易に犯行可能だったことが判明する。推理が続けられる中で、タバコを吸ったポウが毒殺される。
残された2人は、犯人は中村千織の父親であり、この「十角館」を立てた建築家・中村青司であると推理する。そして、11角形のカップからヒントを得て「11番目の秘密部屋があるのではないか」と考えたエラリイは地下室を見つけだし、そこで白骨化した庭師の吉川と思われる死体を発見する。
事件の真相
メンバー全員が死亡…?
登場人物
推理小説研究会
研究会の主要メンバーは、それぞれ有名な推理作家にちなんだニックネームで呼ばれている。ニックネームはノベルス版では「ポゥ」「エラリィ」「ルルゥ」と表記されていたが、文庫化された際に「ポウ」「エラリイ」「ルルウ」と変えられた。
※内部リンクは、ニックネームの元となった推理作家の項目である。
カー
オルツィ
青屋敷の関係者
本土にいる人物
江南 孝明(かわみなみ たかあき)
書誌情報
- 講談社ノベルス:1987年9月5日、ISBN 4-06-181320-X
- 講談社文庫:1991年9月15日、ISBN 4-06-184979-4
- 講談社文庫《新装改訂版》:2007年10月16日、ISBN 978-4-06-275857-4
綾辻は新装改訂版のあとがきで、「本書をもって『十角館の殺人』の決定版とするつもりでいる」と述べている。
- YA!ENTERTAINMENT:2008年9月30日、ISBN 978-4-06-269400-1
- 限定愛蔵版:2017年9月6日、ISBN 978-4-06-220771-3
- 愛蔵版付録 エッセイ「私の『十角館』」執筆陣:青崎有吾、朝霧カフカ、我孫子武丸、綾崎隼、有栖川有栖、伊坂幸太郎、乾くるみ、井上真偽、太田忠司、恩田陸、喜国雅彦、北村薫、北山猛邦、周木律、白井智之、高田崇史、辻村深月、西澤保彦、似鳥鶏、一肇、法月綸太郎、初野晴、はやみねかおる、東川篤哉、古野まほろ、麻耶雄嵩、道尾秀介、皆川博子、宮内悠介、宮部みゆき、山口雅也、米澤穂信、詠坂雄二
- 愛蔵版付録 エッセイ「私の『十角館』」執筆陣:青崎有吾、朝霧カフカ、我孫子武丸、綾崎隼、有栖川有栖、伊坂幸太郎、乾くるみ、井上真偽、太田忠司、恩田陸、喜国雅彦、北村薫、北山猛邦、周木律、白井智之、高田崇史、辻村深月、西澤保彦、似鳥鶏、一肇、法月綸太郎、初野晴、はやみねかおる、東川篤哉、古野まほろ、麻耶雄嵩、道尾秀介、皆川博子、宮内悠介、宮部みゆき、山口雅也、米澤穂信、詠坂雄二
漫画版
清原紘作画による漫画版が、『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2019年10月号から2022年6月号まで連載。全31話。
コミック
- 清原紘『十角館の殺人』講談社〈アフタヌーンKC〉、全5巻
- 2019年11月22日発売、ISBN 978-4-06-517511-8
- 2020年8月21日発売、ISBN 978-4-06-520225-8
- 2021年3月23日発売、ISBN 978-4-06-522661-2
- 2021年10月21日発売、ISBN 978-4-06-525035-8
- 2022年5月23日発売、ISBN 978-4-06-527854-3