双頭の蛇 (栗本薫)
以下はWikipediaより引用
要約
『双頭の蛇』(そうとうのへび)は、栗本薫によるミステリ小説。
概要
今なお封建時代の影響が色濃く残る、閉鎖的な地方都市で起こった殺人事件を巡るミステリ。
講談社が企画した複数の作家による「推理特別書下ろし」シリーズの1作品として、1986年12月10日に単行本(上巻:ISBN 4-06-193951-3、下巻:ISBN 4-06-193952-1)として刊行された。のち、1989年12月15日に講談社文庫版(上巻:ISBN 4-06-184582-9、下巻:ISBN 4-06-184583-7)が刊行されている。表紙は、単行本版、文庫版ともに福田隆義が担当している。
文庫版巻末のあとがきによれば、本書が最初に執筆されたのは、栗本が23、4歳の頃である。当時、栗本が熱心なファンであったロックバンド「紫」のメンバーをモデルとして登場人物の造形をした作品で、当初は『真空都市』というタイトルであった。400字詰め原稿用紙にして600枚程度を書いた時点で執筆は長らく中断していたが、「推理特別書下ろし」企画に参加するにあたって改稿し、さらに200枚程度を追加し、現タイトルに改題して出版された。
本作の舞台となる架空都市「平野」は、伊集院大介シリーズの『早春の少年』、伝奇小説『神州日月変』など、栗本の多くの作品に登場している。この「平野」について栗本は、本書の文庫版あとがきの中で、「エラリー・クイーンの「ライツヴィル」を意識」したものであると述べている。
あらすじ
人口35万人の地方都市・平野。古い城下町であるこの町には、今なお旧弊な封建時代の因襲が残り、保守派と改革派の対立が年々激しくなっていた。
この平野の警察署に、新宿から左遷された刑事・沖竜介が赴任した。沖は地方都市での暮らしに徐々に慣れてはいったものの、頑なに他所者を拒む障壁のようなものも感じざるをえなかった。
そんな折、平野で殺人事件が発生した。殺されたのは平野の新庁舎を巡る派閥争いを取材していた新聞記者だった。事件の捜査を開始した沖に、平野の人々の冷たい視線がまとわりつく。そして事件の波紋は、平野全体を巻き込んでいく。