収容所群島
以下はWikipediaより引用
要約
『収容所群島』(しゅうようじょぐんとう、ロシア語: Архипелаг ГУЛАГ, ラテン文字転写: Arkhipelag GULAG)は、ソ連の作家、アレクサンドル・ソルジェニーツィンの記録文学。
旧ソ連における、反革命分子とみなされた人々に対しての強制収容所「グラグ(グラーグ)」への投獄、凄惨な拷問、強制労働、処刑の実態を告発する文学的ルポルタージュである。統制の厳しい本国では出版できず、1973年から1975年にフランスで発売。各国語訳が進められた結果、人権上由々しき問題として大反響を巻き起こした。当然ながらソ連では禁書扱いされた。ソルジェニーツィン自身は、続刊が出版されている最中である1974年に市民権を剥奪されて西ドイツへ国外追放されている。
タイトルの「収容所群島」とは、広大なソ連領内の各地に点在する収容所の分布のありようを、大海中に点在する島々になぞらえた表現である。
内容
各章の題は木村浩訳。
第1部 牢獄産業
1 逮捕
2 わが下水道の歴史
3 審理
4 秘密警察
5 初監房-初恋
6 その年の春
7 機関室のなかで
8 幼児期の法
9 法は成人する
10 法は成熟する
11 死刑
12 禁錮
第2部 永久運動
1 群島の船
2 群島の港
3 奴隷キャラバン
4 島から島へ
第3部 絶滅=労働収容所
1 オーロラの指
2 群島は海から浮び上がる
3 群島は癌腫を転移さす
4 群島は冷酷になる
5 群島の基盤
6 ファシストどもが運ばれてきた!
7 群島住民の生活
8 収容所のなかの女性
9 特権囚
10 政治犯の代りに
11 忠誠派の人びと
12 密告
13 一皮剥がしたら、もう一皮剥がせ!
14 運命を変えること!
15 懲罰
16 社会的近親分子
17 少年囚
18 収容所群島のミューズたち
19 民族としての囚人たち
20 犬の務め
21 収容所周辺の世界
22 われらは建設する
第4部 魂と有刺鉄線
1 向上
2 それとも堕落か?
3 打ちのめされた娑婆
4 若干の運命
第5部 徒刑
1 死を運命づけられた人びと
2 革命のそよ風
3 鎖、また鎖
4 どうして我慢したのか?
5 石の下の詩と真実
6 確信にみちた脱走囚
7 白い仔猫
8 道徳を伴った脱走と高度な技術を伴った脱走
9 自動小銃をかかえた若者たち
10 構内で足下の地面が熱くなるとき
11 手探りで鎖を破る
12 ケンギルの40日
第6部 流刑
1 自由時代初期の流刑
2 百姓の悪疫
3 流刑地は濃密になる
4 諸民族の強制移住
5 刑期を終えて
6 流刑囚のささやかな幸福
7 娑婆へ出た囚人たち
第7部 スターリン死後
1 今になって切り捨てるだなんて
2 為政者たちは変わるが「収容所群島」は残る
3 今日の法律
日本語訳
- ソルジェニーツィン 『収容所群島 1918-1956 文学的考察』各・全6巻、木村浩訳
新潮社、1974年-1977年、新潮文庫、1975-1978年。ブッキングにて復刊、2006年-2007年
新潮社、1974年-1977年、新潮文庫、1975-1978年。ブッキングにて復刊、2006年-2007年
関連文献
- ジョヴァンニ・グラッツィーニ『収容所群島への道 ソルジェニーツィンの愛と苦悩』花野秀男訳、二見書房、1974年。
- 原卓也ほか 著、ロシア手帖の会 編『ソルジェニーツィンを考える』集英社、1975年。
- クロード・ルフォール『余分な人間 『収容所群島』をめぐる考察』宇京頼三訳、未来社〈ポイエーシス叢書 10〉、1991年10月。ISBN 4-624-93210-2。 - 原タイトル:Un homme en trop。
- ナターリヤ・レシェトフスカヤ『私のソルジェニーツィン 前夫人の回想記《時間との論争》』中本信幸訳、サイマル出版、1974年。ISBN 978-4-377-20227-4。
- ジャック・ロッシ、ミシェル・サルド『ラーゲリのフランス人 収容所群島・漂流24年』外川継男訳、恵雅堂出版、2004年9月。ISBN 4-87430-031-6。 - 原タイトル:Jacques, le francais。