名探偵も楽じゃない
舞台:東京,
以下はWikipediaより引用
要約
『名探偵も楽じゃない』(めいたんていもらくじゃない)は、西村京太郎の長編推理小説(三人称小説)。1973年(昭和48年)12月に講談社から書き下ろしで出版された。
推理小説史に残る有名な4人の名探偵が登場する、パロディミステリ「名探偵シリーズ」4部作の第3作(紹介順に記載)。
あらすじ
日本に、「MMM(Member of Mystery Mania)」という推理小説マニアの同好会があった。定員は10名だが、「原書で読めること」などと参加資格が厳しく、9人しか会員はいなかった。会長の岡部弘毅は名探偵の復古を望んでおり、4人の名探偵を日本に招待する。彼は世界に支店を持つ「ホテル・オカベ」の会長でもあり、資金に不足はなかった。
都内にあるホテル・オカベの32階を会場にし、名探偵たちを迎えた5月20日、左文字京太郎という「名探偵」を自称する青年が飛び入りで参加してくる。「何かが起こる」と主張する左文字だが、MMMのメンバーは相手にしない。しかし、名探偵を歓迎するため、岡部が用意させておいた花束に添えられていたカードは、連続殺人を予告するカードに摩り替わっていた。不安と不快感の入り混じる中、岡部の音頭で乾杯が行われる。そして、彼は急死した。医者が呼ばれたが、「青酸による中毒死」と判明しただけだった。
連続殺人の予告は悪戯ではなかったのか? やがて、第2、第3の事件が起こり、次々に人が死んでいく。老いたる名探偵たちは、若い左文字に推理を任せ、動こうとしない。果たして、その真意は? そして犯人は? 動機は? 最後に名探偵たちが下した決断とは…?
話題性
「名探偵シリーズ」4部作の第3作だが、他の3作が以下の通り話題性に富んでいるのに対し、本作ではその点が地味である。
以上の内、第1作以外は「閉ざされた環境ので事件」(クローズド・サークルもの)である。また、本作と次回作は連続殺人事件を扱っているが、トリックや謎解きにアンフェアなものが含まれている。
若い名探偵への待望論に対し、本書の「解説」で中島河太郎は、「筆者は(中略)皮肉な答えを用意している」と説明している。
登場人物
本作は、ホテル内での連続殺人事件(クローズド・サークルもの)である。最終的に6人が死亡している。
以下、#MMMと左文字京太郎は本作オリジナルのキャラクターであり、#4人の名探偵と吉牟田警部補は原典のあるキャラクターである。
MMMと左文字京太郎
MMM(Member of Mystery Mania)は推理小説の同好会で、毎月10日に会合を持っているが、徹夜に近い状態で2~3日語り込んでいるマニアの集まりである。定員は10名だが、参加資格を厳しくしており、現在は9人しかいない。会費は月に2千円であるが、主な運営費は岡部会長に由来する40万円(1ヶ月当たり)で賄われている(岡部の寄贈した、1億円の定期預金の利息である)。
以下、死亡順と年齢に従って記載する(第3の犠牲者までは、加入順と重なっている)。この他にボーイ、フロント係、医師、花屋の主人、鈴木刑事なども登場し、行きがかり上、ボーイとフロント係は容疑者にリストアップされたが、割愛する。
4人の名探偵と吉牟田警部補
4人の名探偵は「左文字の後見人」、とでもいうべき態度であり、積極的に事件に関わらず、左文字(と、吉牟田警部補率いる警察)に任せている。
各名探偵の詳細については、リンク先の記述を参照。
原典とネタバレ
本作では、一部の原典にネタバレが明記されている。
クイーン関係の事件
Yの悲劇(ドルリー・レーン)。
メグレの事件
男の首
その他の事件
作品名の後に、作者名と探偵名を補足する。
獄門島(横溝正史 / 金田一耕助)
レントン館盗難事件(アーサー・モリスン)