呪法解禁!! ハイド&クローサー
以下はWikipediaより引用
要約
『呪法解禁!! ハイド&クローサー』 (じゅほうかいきん!! ハイドアンドクローサー)は、麻生羽呂による日本の漫画作品。
『週刊少年サンデー』(小学館)で2008年4・5合併号から2009年1号まで連載された。その後、発表媒体をウェブに移行し、『ソク読みサンデー』で2008年12月24日から2009年3月4日まで、『クラブサンデー』で2009年3月25日から2009年7月3日まで「第二部」を連載。同じくクラブサンデーで2009年9月1日から2010年3月19日まで『旅行解禁!! ハイド&クローサー』を連載した。単行本は少年サンデーコミックスから全7巻。(「旅行解禁!! ハイド&クローサー」は単行本未収録)
概要
麻生羽呂の初連載作で、呪術師が呪術を使って戦うダーク・ファンタジー作品。呪術の設定は、作者がフェイバリットにあげている『ジョジョの奇妙な冒険』からの影響が強く、呪術名はホラー映画やバイオレンス映画から名付けられている。単行本1巻の帯には藤田和日郎がコメントを寄せた。
北米ではビズメディア、フランスではデルコートが翻訳版を出版。また、台湾の雑誌『漫画少年』でもディレイ連載された。
ストーリー
勉強もスポーツも並以下で、気が弱いだけのごく普通の少年「黒兎春瓶」は、世界中を豪快に駆け回り数年前に姿を消した考古学者の祖父「アルシド・クローサー」のような格好良い人間になれない自分を責める日々を送っていた。
ある日、見知らぬ人間から謎の人形が入った小包が届く。それは呪術師の念がこもった呪術人形で、春瓶を殺そうと襲い掛かってくる。そこで聞かされたのは、考古学者だと知らされていた祖父が実は20世紀最大の呪術師だったこと、「アルシド・クローサーの血を受け継ぐものの心臓を食べれば、アルシド・クローサーの強大な呪力を受け継ぐことができる」という噂が流されているということ。春瓶は逃げようとするが、すぐに追い詰められる。いざこれまでかという瞬間、祖父がかつて誕生日にプレゼントしてくれたクマのヌイグルミ「ハイド」が動き出す。ハイドは祖父の呪術人形で、春瓶のピンチ時に動くように設定されていたのである。否応無しに騒動に巻き込まれた春瓶はハイドともに、次々と襲い掛かってくる呪術師及び呪術人形を撃退、時には敵であったはずの呪術師と親友になっていく。
数多くの闘いの中で、全ての騒動の元である呪術師「窓辺の男」の存在を知る。彼の地上最古の呪具「ルサンチマン」で全人類を呪い殺す計画を阻止するために春瓶と仲間達は、ルサンチマンを封印する呪術「浄化(デトックス)」を手にルサンチマンのあるアフリカの大地に降り立つ。
登場人物
主人公とその仲間達
黒兎 春瓶(くろうさ しゅんぺい)
本作の主人公。中学一年生。勉強もスポーツも並以下で、気が弱いだけのごく普通の少年(ただし、数字の6を左右反対向きに書いてしまう時がある)。ヘタレな性格で、ただ自分の周りの場を合わせるために生きてきた。龍美に恋心を抱いている。
世界的に有名な呪術師のアルシド・クローサーの孫で、「クローサーの血を受け継ぐものの生きた心臓を喰らえばクローサーの呪力を手に入れることが出来る」という根も葉もない噂により、世界中の呪術師から命を狙われる事になる。クローサーの血を受け継いでいるだけのことはあって文房具で結界を作れるなど、呪術の底知れぬ才能とも言える潜在能力を秘めている。短期間で基本の術とはいえ結界を習得し、さらにはそれを応用して相手を閉じ込めてみせるなど日々急成長している。
窓辺の男との戦いで不意をつかれ、ハイドの核を壊されてしまう。今まで精神的に自分を支えてきた存在であるハイドがいなくなったことにより、戦意を喪失。しかし、祖父からの手紙を読み、「じいちゃんのために戦う」と決意。パクワに「悪夢濾過(ドリームキャッチャー)」を借り、自らの呪力を強化させる。そして、ハイドを復活させた。
なお、「黒兎」という苗字は「クローサー」の当て字である。
ハイド
雨竜 龍美(うりゅう たつみ)
神藤 颯介(しんどう そうすけ)
トミコ
アナ・M・モンサルバジュ(アナ・マリア・モンサルバジュ)
メキシコからやってきた女性の呪術師。デカいアフロで胸元にタトゥーを入れている。風貌は20代程度の女性だが実は春瓶と同年齢。子供のころは身寄りがなく陰気で、近所の子供達からいじめられていたが、ボッシュと出会い彼女は明るくなった(彼の影響で関西弁を使うようになる)。その彼は他の呪術師によって殺され、仇を討つために呪術王の力を求めて日本にやってきたが、なぜか他の呪術師とは違い、春瓶の足の爪の垢を煎じて飲む事が最強の呪術を手に入れる方法だと勘違いしている。また回りくどいことをするのが嫌いな性格で、レゲエ以外の音楽をラテン音楽と認めない。
始めは正々堂々と春瓶とハイドの前に現れ決闘を申し込むが、メッキーの呪術に必要なCDを忘れてしまったため、戦わず敗北。後に春瓶と再戦したいため、春瓶が通う学校に留学生として転校して彼と再戦するが今度はラジカセを壊されてしまい、春瓶から心臓を食する事を知らされる。彼の周りの友人達を見て、ボッシュを失った自分と重ねないために彼の心臓をあきらめ、以後は春瓶の仲間となった。肉が好物だが、レバーやホルモンといった内臓系は苦手との事。
社長との戦いで入院生活を送っている中で、ボッシュを殺したアスモダイと因縁の再会を果たす。圧倒的な力の差に最初は劣勢だったが、GR.1(グラドウノ)で彼の胃の中の肉を吐き出させ勝利する。トドメを刺そうとするもカザンに説得され、仇討ちを止めた。その際カザンに告白される。
シャカシャカメッキー
アナの呪術人形であり、マンボをこよなく愛するカラベラ人形。だが、好きなラテン音楽のジャンルがアナと違ってしまっているため、彼女から酷い目に会うこともしばしば。アナ同様関西弁で喋る。呪術はラテン音楽を利用し様々な物を操る「墨西歌祭祀(レペゼンアステカ)」。違うラテン音楽で違うものを操る事ができ、「GR.1(グラドウノ)」は虫や小動物、「GR.2(グラドドス)」はメッキーと向かい合った相手を、そして最強の第三段階である「GR.3(グラドトレス)」は天候(主に雷雲と雷)を操る事が出来る(だが第三段階は発動に物凄く時間がかかるのが弱点)。なお、常時の強さは弱いらしく、本人およびアナもそれを自覚している。今までの呪術人形の中では珍しく邪心がない人形で性格も非好戦的。戦いの最中に怖がって泣き出すこともある。
カザン
孤児達を預かっている教会の神父。明らかに神父らしくない姿の上言葉遣いは乱暴だが心優しく、子供達を守らなければならないという意志はかなり強い。実は地元の神父ではなく、協会を狙う地上げ屋の嫌がらせによって当時の神父は雲隠れしてしまい、子供たちが泣いていた時に通りかかった際に「神父の代わりになる」と宣言した。ケンカ無戦敗の記録を持ち、ハイドと素手で戦うほどの実力者でもある。また、他の呪術師達とは違い春瓶の心臓を食べるとクローサーの力が手に入るというウワサは知らなかった。地上げ屋からしょっちゅう嫌がらせをされているため、孤児の一人であるカンナを地上げ屋から助けた春瓶とハイドを地上げ屋の一味と勘違いした。だが、カンナから事情を聞いた後は誤解した事を謝罪し和解する。その後、鐙谷との戦いを終えた後に春瓶の力になると約束し、正式な仲間となった。
スラム街出身で荒んだ生活を送った孤児で、食べ物の強奪等を行っていたが、殺人を犯してしまい死刑執行を言い渡される。執行日が迫る中、牢屋の中で初めて死の恐怖を感じるが、執行当日に被害者の母親がこの人ではないと証言し中止になった。その母親に会うが、彼女は事件のショックで視力を失ってしまい、慈悲でカザンの死刑を中止させており、彼女の恩威で罪滅ぼしを決意した。そのため殺しのない世界を作ろうと夢見ており、アナがボッシュの仇であるアスモダイにトドメを刺そうとした時彼女を説得し仇討ちを思いとどまらせた。その際アナに告白している。
デズモンド
パクワ・スノアリッチ
キーキャラクター
クローサーの力を狙う者たち
窓辺の男の一派
窓辺の男
何もない空間から窓とともに現れることからそう呼ばれるようになった謎の男。アメリカ出身。元々は国際ボランティアを行っていた人間であったが、ある村で活動をしていた時に落雷が落ち、その村の村長の息子が死亡。その際に村の呪術師から「落雷が落ちたのは異国人が足を踏み入れたため」と言われ、妻と子供を生きたまま火炙りにされてしまう。その事がきっかけとなって人類に恨みを持つようになった。「ルサンチマン」を使った全人類の呪殺という途方もない渇望を持ち、その為に邪魔な存在であるアルシド・クローサーをおびき出そうと「春瓶の心臓を喰らえばクローサーの力が得られる」という根も葉もない噂を流した張本人(但し呪術師の力は「思い込み」によって増大するため、本当にそうなる可能性はゼロではない)。また、噂を流すだけではなく、戦う意志のない者を唆すことまでしていた。
ルサンチマン孵化後、自分自身を核として、呪いを世界中に放った。だが実は彼こそが「浄化」であり、春瓶に説得されて呪いを浄化した。その後の消息は不明。
パンチ
呪術人形であり、パンダのぬいぐるみ。「窓辺の男」のお気に入りの手駒。両腕から無数のロープを生やし、その先端に付いている6本の鋏を振るう。ある呪術師が戦時中にスパイの疑いをかけられて拷問を受けた上に見せしめとして家族を皆殺しにされた結果、自らの心臓を核にして作ったのがパンチ。その後は恨みを晴らすべくイギリスで5人をバラバラにして殺した(後に、切り裂きジャックと言われるようになる)。呪術は6本の鋏を巨大な2本の鋏に変化させる「刺大而殺之鎖鋏(マーダー・ライド・ショー)」。建物を全壊にするほどの威力である。「窓辺の男」の手引きで春瓶達の中学校を襲撃し、校舎を全壊にし神藤・アナの2組を敗れさせる等、圧倒的な力の差を見せる。激闘の末、クローサーの呪力を最大限にまで引き出したハイドに倒された直後、僅かなスキを突いてハイドの核を壊し力尽きた。
ロノウェ
アスモダイ
窓辺の男の腹心の部下の一人で、暴力的な男性。「自分に関係ない事なら何をしても良い」という考えの持ち主で、救急車に無理矢理乗り込む、病院の廊下で小便をするなど、常識では考えられないような行動を普通にする。まだ胎児だった頃に5人の人間を呪い殺したとして生まれた時から「人殺し」のレッテルを貼られていた。呪術人形は自分自身。ボッシュを殺害した張本人であり、アナにとっては宿敵。呪術は、動物の肉を食べる事でその動物の力を使える、「太古百獣王(ナチュラルボーンキラー)」。また、その呪術で、他の呪術師の力を手に入れることも出来る。動物の力でアナたちを苦しめる。さらに自分に逆らったメッキーを食べてしまったが、胃の中で生きていたメッキーの、「GR.1(グラドウノ)」で、アリが胃の中に入って肉を持って行ってしまい、最後はカザンのパンチで敗れた。その後、ルサンチマンとの戦いでロノウェと共に一時的に春瓶達に協力した。その後の動向は不明。
用語解説
呪術
結界(エントリー)
封印(チェイン)
探知(センス)
迷彩(ステルス)
霊言(コーリング)
魅惑(チャーム)
飛空(スカイ)
幽幻(ファントム)
呪具
どんなに一流の呪術師であれ、呪術を使用するには必ず呪術的媒介となる「呪具」を必要とする。呪具は「裏市(アンノウンバザール)」で買う事が出来るが、恐ろしく高い。
呪術人形
MEIFU-606
ルサンチマン
しかし、春瓶たちがついた時にはすでに遅く、ついに卵が羽化してしまった。その正体は、巨大な赤子だった。使用できる呪術は、「天地腐乱論(ランド・オブ・ザ・デッド)」。呪いの巨大樹になる。
その巨大樹から果実を落とし、ルサンチマン本体より少し小さいが、それと同じ赤子を産む。その赤子たちに、全人類を喰い殺させる。また赤子は攻撃を受け、分裂しても、その分裂した部分からまた再生する。それどころか、分裂したそのひとつひとつから再生するため、攻撃をするほど、赤子は増える。
悪夢濾過(ドリームキャッチャー)
旅行解禁!! ハイド&クローサー
概要
続編。「呪法解禁!! ハイド&クローサー」終了後、キャンピングカーで日本一周旅行(2009年7月12日-11月23日)を敢行した作者が主に旅先で執筆した旅行記で、『クラブサンデー』にて2009年9月1日から2010年3月19日まで連載された。全18話。11話まで隔週連載で、12話以降週刊化。
あらすじ
「窓の男」と「ルサンチマン」を巡る一連の事件解決後、春瓶達は日本に帰国する。しかし、祖父のアルシド・クローサーが全ての呪力を使い果たして昏睡(爆睡)状態になってしまった。春塀たちは、バカンスゲージが100になった時に相手の疲労を急速に癒す呪術「休暇(バカンス)」を使えるようになる呪具「楽シーサー」を片手にバカンス、日本一周旅行を始めようとするが、そこに偶然日本一周旅行を始める直前の麻生羽呂が現われた。春瓶とその仲間達は彼のキャンピングカーで共に旅に出る。
草津、碓氷、喜多方、湯沢、青森、ニセコ、羅臼、小樽、千里浜、郡上八幡、大阪、琴平、龍王島、博多、別府、硫黄島をまわって帰宅。アルシド・クローサーの前で呪術「休暇(バカンス)」を使用し、大団円を迎える。