漫画 アニメ

呪術廻戦


漫画

作者:芥見下々,

出版社:集英社,

掲載誌:週刊少年ジャンプ,

レーベル:ジャンプ コミックス,

発表期間:2018年3月5日 -,

巻数:既刊25巻,

漫画:東京都立呪術高等専門学校

作者:芥見下々,

出版社:集英社,

掲載誌:ジャンプGIGA,

レーベル:ジャンプ コミックス,

巻数:全1巻,

アニメ:呪術廻戦

原作:芥見下々,

監督:朴性厚,

シリーズ構成:瀬古浩司,

キャラクターデザイン:平松禎史,

音楽:照井順政,堤博明,

アニメーション制作:MAPPA,

製作:「呪術廻戦」製作委員会,

放送局:毎日放送,TBS系列,

話数:第1期:全24話第2期:全23話,

映画:劇場版 呪術廻戦 0

原作:芥見下々,

監督:朴性厚,

キャラクターデザイン:平松禎史,

音楽:堤博明,照井順政,桶狭間ありさ,

制作:MAPPA,

製作:「呪術廻戦」製作委員会,

ゲーム:呪術廻戦 ファントムパレード

ゲームジャンル:RPG,

開発・発売元:サムザップ,



以下はWikipediaより引用

要約

『呪術廻戦』(じゅじゅつかいせん)は、芥見下々による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて2018年14号から連載中。人間の負の感情から生まれる化け物・呪霊を呪術を使って祓う呪術師の闘いを描いたダークファンタジー・バトル漫画。略称は「呪術」。本作は『ジャンプGIGA』2017 vol.1から2017 vol.4まで連載されていた『東京都立呪術高等専門学校』をプロトタイプ兼正式な前日譚としている。後に同作は2018年12月4日に『呪術廻戦 0巻 東京都立呪術高等専門学校』として発売された。

2024年1月現在、デジタル版を含めたコミックス累計発行部数は9000万部を突破している。

あらすじ
東京都立呪術高等専門学校(0巻)

2016年11月、高校生の乙骨憂太には婚約者の少女である特級過呪怨霊・祈本里香が取り憑いていた。同級生から執拗な嫌がらせを受けていた乙骨は、里香が彼らに重症を負わせたことで呪術師に拘束されて死刑を宣告される。しかし強大すぎた里香の力に術師側は尻込み、かつ呪術高専の教師・五条悟の勧めもあったことから乙骨は2017年に東京都立呪術高等専門学校に転校する。

他者との関わりを恐れ呪術師になることにも生きることにも消極的だった乙骨だが、個性豊かな同級生と関わる内に生きるための自信を持ち、里香を自分から解呪するために呪術師を目指すようになる。

乙骨の入学から約1年後、かつて一般人を大量虐殺して呪術界を追放された特級呪詛師・夏油傑が突如現れる。非術師を殲滅し呪術師だけの世界を目指す夏油は、乙骨達の前で2017年12月24日に新宿・京都で大勢の呪霊たちによる虐殺「百鬼夜行」を実行すると宣言する。そして百鬼夜行当日、夏油は里香を手に入れるため高専を襲撃する。安全のため高専に残っていた乙骨は激闘の末に夏油を倒し、同時に里香の解呪に成功して物語は幕を閉じる。

呪術廻戦
始まり(1巻1話 - 5話)

2018年6月の宮城県仙台市から物語は始まる。

常人離れした身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁は両親の顔を知らず、祖父に育てられた。祖父が逝去した夜、虎杖の学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、人を襲う化物・呪霊が現れてしまう。虎杖は「呪物」回収のために現れた呪術師の伏黒恵と共に取り残された先輩を救うため校舎へ乗り込む。しかしそこで窮地に追い込まれてしまい、虎杖は力を得るため自ら呪物「宿儺の指」を食べ、特級呪物・両面宿儺が復活する。

その後、虎杖は「宿儺の器」として呪術師に捕らえられ死刑を宣告される。しかし五条の提案により「すべての宿儺の指を食してから死ぬ。」という猶予が与えられる。

かくして虎杖は都立呪術高専に入学し、呪術師としての人生をスタートさせる。

呪胎戴天(じゅたいたいてん)編(1巻6話 - 2巻9話)

6話「呪胎戴天」から9話「呪胎戴天―肆―」まで

2018年7月、西東京市の少年院に特級呪霊の呪胎が出現し、虎杖、伏黒、そして釘崎野薔薇が人命救出のため派遣される。

3人は少年院の内部に入り、完全変態を遂げた特級呪霊と対峙する。虎杖は伏黒と釘崎を脱出させ、肉体の主導権を宿儺に渡して特級呪霊を祓わせる。しかし、今度は宿儺が暴れ始め、虎杖は抵抗した末に宿儺と共に命を落とす。

虎杖死亡後(2巻10話 - 3巻18話)

少年院での事件後、死亡した虎杖は宿儺と契約を結んだことで蘇生し、9月に京都校と行われる「交流会」に向けて、五条のもとで特訓を始める。伏黒と釘崎も、二年生の狗巻棘、禪院真希、パンダのもとで特訓していた。

一方では、かつて「百鬼夜行」を起こした夏油が、人間の殲滅を目論む特級呪霊の漏瑚らと手を組み暗躍していた。夏油達は五条悟封印の計画を立て、実行日の10月31日に向けて、その準備に入る。

幼魚と逆罰(ようぎょとさかばち)編(3巻19話 - 4巻31話)

2018年9月、神奈川県川崎市で変死体が発見され、虎杖と1級呪術師の七海建人が派遣される。

調査の結果、事件の犯人である特級呪霊・真人と、現場で事件の一部始終を見ていた高校生・吉野順平の存在が明らかとなる。順平は自身を虐めた者への復讐の為に真人に接触していたが、その後出会った虎杖と親密な仲になり、その出会いを通して、復讐を辞めようと決心しかける。しかしその後、何者かによって順平の実母が殺され、自身を虐めた者が犯人だと思い込んだ順平は、呪術を用いて学校を襲撃する。その後止めに入った虎杖の必死の説得により順平は改心するが、その直後に真人が現れ、彼に呪殺される。その後真人は、激昂した虎杖と合流した七海との激戦の末、大ダメージを負ってその場を撤退する。

こうして一連の事件はひとまず収束し、物語は呪術高専の交流会に向かう。

交流会編(4巻32話 - 7巻54話)

交流会当日、虎杖は伏黒達と合流する。

1回戦である団体戦では、飛び入り参加の虎杖は、京都校で最強の3年生・東堂葵の相手を担当することになる。一方、京都校は学長の差し金で「宿儺の器」である虎杖の抹殺を目論んでいた。

1回戦が始まり、早速虎杖は東堂と対峙する。最初こそは一方的に虎杖を痛めつけていた東堂だが、突如彼を「親友」とし、徹底的な指導を施す。その途中で他の京都校の生徒が虎杖の抹殺を試みるが、東堂と東京校の妨害で失敗し、そこから東京校と京都校の呪術戦が始まる。しかし、その最中に夏油と手を組む呪霊・呪詛師が高専に侵入し、特級呪霊・花御が生徒達と交戦する。伏黒を始めとする多くの者達が戦闘不能になるが、虎杖・東堂の連携攻撃で花御は瀕死に陥り、最終的に五条が参戦したことで花御は撤退する。そのころ、真人は高専が保管していた特級呪物を奪取し、撤収した。

2回戦は本来の個人戦が急遽野球に変更され、東京校が勝利。結果、2018年の交流会は東京校の優勝で幕を閉じる。

起首雷同(きしゅらいどう)編(7巻55話 - 8巻64話)

交流会終了後、虎杖・伏黒・釘崎は埼玉県さいたま市に訪れる。2018年の6月〜9月にかけて、共通の前兆を伴う呪霊の刺殺事件が3件起きており、被害者3名、加えて伏黒とその姉の津美紀は同じ中学校の卒業生であった。伏黒達が現地で聞き込みをすると、被害者達は自殺の名所である八十八橋でバンジージャンプをしていたことが判明するが、八十八橋に呪霊の気配は全く無かった。さらにその後の調査で、過去に八十八橋へ肝試しに行っていた現地の少女も刺殺事件の前兆に似た不可解な現象に悩まされていたほか、現在寝たきりとなっている津美紀もその場に居合わせていたことが判明した。これらのことから伏黒達は、問題の呪霊は、八十八橋で作った結界の中で息を潜め、マーキングした人間をその内側から呪う個体であると推測し、3人は深夜に八十八橋の下で川を跨ぎ、呪霊の結界に入り込む。しかしそれと同時に、夏油達と手を組んだ呪胎九相図の壊相・血塗が現れ、虎杖達と鉢合わせる。九相図の目的は、一連の刺殺事件の犯人である特級呪霊が取り込んだ宿儺の指の回収であった。

その後、伏黒は結界の内で特級呪霊と、虎杖・釘崎は結界の外に出て壊相・血塗と交戦する。そして両者とも圧勝し、一連の事件は幕を閉じる。さらに事件後、それぞれ一級呪術師である東堂葵と冥冥の名のもとで、虎杖・伏黒・釘崎・真希・パンダの5人が1級呪術師に推薦される。

過去編

この編では、五条と夏油の学生時代が描かれる。

懐玉(かいぎょく)編(8巻65話 - 9巻75話)

2006年、不死の術式を持つ呪術界の要・天元が、本人と適合する人間・星漿体との同化の時期を迎える。同化の2日前、呪術高専2年生の五条と夏油は、星漿体・天内理子の同化当日までの護衛を命じられる。

五条達は天内殺害を目論む呪詛師達を返り討ちにし、同化当日を迎えるが、突如、「術師殺し」の伏黒甚爾が高専を襲撃する。甚爾は盤星教という非術師の宗教団体の依頼で天内の殺害を目論んでいた。最初に甚爾は時間稼ぎを図る五条と交戦し、激戦の末に殺害する。夏油は、天内と共に天元の膝の元に辿り着くが、後から追ってきた甚爾に天内を殺害され、夏油も打ち負かされる。

その後甚爾は天内の遺体を盤星教に引き渡して多額の報酬を得る。しかしその後、自らを反転術式で治癒したことで生還した五条が現れ、甚爾は激戦の末に敗北して絶命した。五条と夏油は盤星教から天内の遺体を引き取りに行くが、そこは盤星教信者の笑顔と拍手で溢れていた。

玉折(ぎょくせつ)編(9巻76話 - 79話)

2007年、呪術高専3年生の五条と夏油は特級呪術師になっていた。五条は「最強」として、その実力をさらに伸ばし続けていた。一方夏油は、星漿体護衛の一件から、それまで掲げていた「呪術は非術師を守るためにある」という信念が揺らぎ始めていた。そんな中、夏油は8月に高専に訪れた特級呪術師の九十九由基と言葉を交わし、その結果「非術師を皆殺しにすれば良い」という考えが生まれ始める。

その後も夏油は後輩・灰原雄の死、さらには9月に任務で訪れた田舎で、住人達に虐待されていた呪術師の少女の惨状を目の当たりにする。遂に夏油は、「猿(非術師)は嫌い」という本音を選び、村の非術師達を虐殺して呪詛師に堕ちた。事件後、夏油は五条に「非術師を抹殺し、呪術師の世界を創る」と宣言し、呪術高専から離反する。

その後、夏油は盤星教を乗っ取り、術師の仲間と共にその活動を始める。一方五条は自身を悔い改め、強い仲間を作ることを決意する。こうして2人の親友は、互いに異なる道を歩む。

宵祭り(よいまつり)編(9巻79話 - 10巻82話)

過去編が終わり、舞台は現在に戻る。

2018年10月19日、呪術高専京都校の2年生・与幸吉が、夏油達の内通者をしていたことが判明する。与は先天的な身体の欠損・不自由の持ち主であり、夏油達に協力する際、「対価として真人の呪術で肉体を治す」という契約を結んでいた。

与は同日、夏油達に内通者を辞退することを告げ、真人に肉体を治させる。その直後に自作の巨大ロボットの装甲傀儡を起動し真人と交戦するが、最終的に敗北して死亡した。

渋谷事変(しぶやじへん)編 (10巻83話 - 16巻136話)

2018年10月31日、渋谷駅周辺に特殊な帳が張られ、一般人が閉じ込められる。

これに対し、高専は五条悟単独での渋谷平定を決定し、同時に4人の一級呪術師の七海、冥冥、禪院直毘人、日下部篤也が、それぞれ昇級査定中の伏黒、釘崎、真希、パンダ、虎杖と共に渋谷に派遣される。

渋谷駅の地下5階に潜入した五条は、漏瑚ら呪霊たちと対峙する。両者は一般人の群衆の中で戦いを始め、最終的に五条は生きた結界・獄門疆によって封印される。また、今まで呪霊と暗躍していた人物は、夏油傑の肉体を奪った何者か(以下、「偽夏油」)であることが判明した。五条の抵抗によって獄門疆を動かせない中、偽夏油一派の中で虎杖の扱いについて意見が分かれ、虎杖をめぐる競争を始める。

そんな中、生前の与が残した傀儡が起動する。傀儡は虎杖達に五条の封印と偽夏油達の存在を伝え、虎杖達は五条奪還に向けて渋谷駅の地下5階を目指す。壊相と血塗の兄・脹相や真人などとの戦いから生還した虎杖であったが、偽夏油の尻尾を掴むことはできず、獄門疆を持った偽夏油は呪術界に目まぐるしい変革が起こることを予言しつつ去った。

渋谷事変 その後(16巻137話 - 17巻147話/18巻153話 - 159話)

葦を啣む編以前

渋谷事変の混乱に乗じて東京都立呪術高専の学長である夜蛾正道が濡れ衣をかぶせられる形で処刑され、虎杖の死刑の猶予も取り消しとなる。虎杖の死刑執行人に乙骨が指名されたが、乙骨はこの命に背き虎杖を殺害しなかった。その後伏黒と合流した際、虎杖は死滅回游の開始を知る。

偽夏油への敵愾心から呪術師と行動を共にすることに決めた脹相の協力もあり天元のもとへ至った虎杖らは、夏油の肉体を乗っ取った呪詛師・羂索と死滅回游の顛末を天元から聞かされ、また死滅回游の泳者(プレイヤー)・来栖華の術式を用いることで獄門疆を解除できる可能性があることを知る。

葦を啣む編以後

呪術高専を停学中の秤金次と星綺羅羅が栃木県内の某駐車場で呪術師同士の格闘技を対象に賭け試合の胴元行為を行っていることを知り、虎杖と伏黒は死滅回游参加の協力を仰ぐため素性を隠して賭け試合に潜入した。伏黒とパンダは星と、虎杖は秤とそれぞれ戦闘に発展するも最終的には打ち解け、条件付きではあるものの死滅回游平定の協力へと漕ぎつけた。

葦を啣む(あしをふくむ)編(17巻148話 - 152話)

禪院家に呪具を獲得すべく赴いた真希は、妹の真依共々父・扇に攻撃される。一時は呪霊が跋扈する部屋に投げ込まれ敗死を覚悟した真希だったが、真依の全身全霊の構築術式によって生成された呪具の刀を得て力を取り戻し、扇を含めた禪院家のほぼ全員を殺害し積年の恨みを晴らした。

死滅回游(しめつかいゆう)編(18巻160話 - 23巻201話/24巻209話 - 212話)

死滅回游平定のため、羂索が全国に10個設定したフィールドである結界(コロニー)に分散して参戦した現役高専生の虎杖、伏黒、乙骨、秤、パンダ、真希、加茂憲紀の視点によってストーリーが進行する。

星と油編以前

羂索は他の泳者を殺すことで得られる得点を100点集めることで死滅回游の総則に新たなルールを追加できると定めていたため、高専生らは平定に必要なルールの設定を目指す。各結界で高専生らは呪霊や現代に再び生を受けたか死滅回游開始後新たに呪術に目覚めた泳者らと戦闘に発展する。

その過程で虎杖と伏黒が参戦した東京第1結界にて来栖と日車寛見と髙羽史彦、秤とパンダが参戦した東京第2結界にて鹿紫雲一がそれぞれ高専生側の協力者となる。この中で来栖と鹿紫雲は過去の時代の術師であり、ともに宿儺と因縁があることが明かされる。

一方では、渋谷事変以前に羂索がアメリカ合衆国大統領と会談し、大統領や長官らに呪力や呪霊の存在を教示していた事実が明かされる。エネルギー源としての呪力のポテンシャルを知った合衆国大統領は、日本の治安維持を名目に軍を結界内に派遣することを決める。

星と油編以後

アメリカ軍の軍人らは重火器などによって泳者を生け捕りにすることを試みるが、呪霊に一方的に危害を加えられたことで多大な損害を出していた。しかしこれは羂索の目論見通りであり、結界内は大勢の軍人が絶命する際に放出した呪力で満たされることとなる。

死滅回游開始時泳者に指定された副作用として津美紀は寝たきりの状態から覚醒し、立つこともできるまでに回復していた。津美紀の死滅回游離脱のために100点を用いてルール改正を行おうとする恵だったが、それを反故にしたことで津美紀の肉体に宿っているのは悪意を持って津美紀になりすましていた何者かであったことが判明する。その直後に宿儺は肉体の主導権を1分間虎杖に明け渡させ、虎杖の指を千切ったものを恵に飲み込ませる。これにより、宿儺の受肉対象は虎杖から恵へと移った。

星と油編(23巻202話 - 208話)

天元を手中に収めるため薨星宮を襲撃した羂索は、天元の護衛のため宮内に詰めていた脹相、九十九と戦闘に発展する。戦闘は羂索が辛勝し、羂索が乗っ取った夏油の肉体に刻まれた生得術式である呪霊操術を利用して天元をコントロール下に置くことに成功したとほのめかす形で終幕する。

呪胎戴天(じゅたいたいてん)編(24巻213話 - )

213話「呪胎戴天―伍―」から

人外魔境新宿決戦(25巻223話 -)
登場人物

声の項はアニメ版の声優。

主要人物

虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)

声 - 榎木淳弥
本作の主人公。都立呪術高専1年生。宮城県仙台市出身。2003年3月20日生まれ。常人離れした身体能力の持ち主。元々は非術師であったが、宿儺の指を口にしたことで呪力を手にし五条の計らいによって都立呪術高専への入学した。宿儺の指の影響により、両目尻の下には開眼したもう一対の目の名残りの溝がある。
快活・素直な性格で、誰に対してもフレンドリーに接している。また祖父の遺言の影響で「正しい死」に強いこだわりがあり、常に仲間や一般人をはじめとする目の前の人間を手の届く範囲で出来る限り救おうと心がけている。
身体能力の高さを生かした肉弾戦をメインに「逕庭拳」という殴打を習得する。初期は呪力をうまくコントロール出来ていなかったが、交流会での東堂の指導により上達し黒閃を経験した。黒閃1日5回記録。また毒の耐性も非常に高く、元来猛毒である宿儺の指を食しても死亡せず宿儺が受肉した後も自我を保った上で宿儺を抑え込むことができており、ゆえに宿儺の封印から1000年間生まれなかったとされる「宿儺の器(すくなのうつわ)」となった。このことにより他の指を探すレーダーの役割を持っているが、宿儺の性格故に都合よく機能していない。また、常に宿儺の魂を宿していることから自然に魂の輪郭を捉えることができ、術式無しで真人に直接ダメージを与えることができる。加えて宿儺の魂によって真人の「無為転変」の影響を完全に受けない。なお、体に生得術式は刻まれていないが五条曰くそのうち宿儺の術式が刻まれるらしい。
また、これとは別に虎杖と対戦した相手の脳内に「過去に虎杖と何らかの良好的な関係を持っていた」という主旨の偽りの記憶を与える現象が生じているが、これは虎杖自身の能力ではない事が作者から語られている。
両親はおらず(生死・行方ともに不明)、祖父に育てられた。両親についての記憶は特にないらしく、祖父から話を切り出された際も一切の興味を示さなかった。
未成年でありながらパチンコを嗜む習慣がある。好みのタイプはジェニファー・ローレンス。
逕庭拳

呪力を纏わせた拳で相手を殴り、その直後に呪力がぶつかることで一度の打撃で二度の衝撃を与える技。
これは呪力のコントロールが未熟なうえ、素の力が人間離れしているせいで瞬発力に呪力が追い付けないことで生まれた悪癖。
呪力を留める技術も未熟な影響で軌跡に残り、変則的な流れが生まれることで呪力の流れを読まれにくい。
五条や七海はそれなりに評価しているが、交流会の際に東堂から「特級には通じない」と指摘された。
黒閃を経験した後はコントロールの向上と引き換えに使用できなくなった。
伏黒 恵(ふしぐろ めぐみ)

声 - 内田雄馬藤原夏海(小1)
都立呪術の高専1年生で、虎杖の同級生に当たる2級呪術師。2002年12月22日生まれ。甚爾の息子であり、恵という名前は父から付けられた。御三家・禪院家の血筋であり、その分家出身と見なされている。実の両親は共に亡くなっており、小学1年時から1つ年上の義姉・津美紀と共に暮らしている。さいたま市立浦見東中学校を卒業した後、都立呪術高専に入学した。また、担任である五条とは入学前からの知り合い。
任務で杉沢第三高校の百葉箱に保管されていた宿儺の指の捜索に来た際に虎杖と出会う。虎杖が両面宿儺の指を呑み込んだ際、一度は虎杖を「呪い」として祓おうとするも五条に虎杖の処遇を尋ねられた際には虎杖を救うよう懇願している。反面、無免許運転で子供を撥ねるなどの罪を犯した少年院在院者に対しては「ただでさえ助ける気のない人間を死体になってまで救う気は無い。」と発言するなど自らの善悪の価値判断を重視している。
中学生の時は荒れていたが、津美紀が呪いで寝たきりになったことにより不平等な現実のみが平等に与えられ、幸せになるべき善人が報われないことに疑問を抱き少しでも多くの善人が平等を享受できるよう不平等に人を助けるため呪術師となった。上記の出来事があり、好みのタイプとして津美紀のように「揺るがない人間性」を持つ女性を挙げている。
使用する術式は自身の影を媒介とした十種の式神術「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」であり、御三家・禪院家相伝の術式の一つでもある。手で作った影絵を実体化させる形で式神を呼び出す。並の式神より強力で、完全に破壊されると二度と顕現できないが破壊された式神の遺した術式と力は他の式神に引き継がれる。基本的に一度に二種類顕現されることができ、拡張術式によって二つの式神を合体させることも可能。また、影を呪力の媒介にする特性を利用して自身の影に呪具を収納させることも可能。式神を用いた遠距離攻撃が主流の戦闘スタイルで、複数の式神を連携させるなど攻撃の用途が広い。ただし近接戦闘は苦手で、影絵のために両手を空けておく必要もあり呪具も使い慣れていなかったが、交流会前の真希との練習で呪具を使い慣れてきた。交流会直前にあらゆる呪具を自身の影の中から出し入れ可能なことがわかり、真希の呪具も運搬している。「奥の手」として、八握剣異戒神将魔虚羅という式神を有している。
応用力のある術式や宿儺さえも警戒させる術を持っているが、それらを十分に使いこなせていないようであり宿儺には「宝の持ち腐れ」と評されている。五条には、「奥の手」を出して最悪自分が死ねば全て解決出来ると思っているから本気の出し方を出来ていないと指摘される。その後、埼玉の八十八橋での仮想特級呪霊との戦いで本気を出し、不完全ながら領域展開を取得して仮想特級呪霊を倒した。
渋谷事変では敵の降霊術により蘇った伏黒甚爾と再会するが、父親であることには気づかなかった。その後、満身創痍の状態にあったところを重面春太に襲われ、死を覚悟の上で「奥の手」である八握剣異戒神将魔虚羅を出現させるも駆け付けてきた宿儺によって救出された。渋谷事変終結直後には直毘人の死去に伴い禪院家当主となり、死滅回游に参加する。
好きな食べ物は生姜に合うもの(生姜そのものではないらしい)。嫌いな食べ物はパプリカ。実話系の本を読むことが多い。部屋着はとにかく楽なものを選ぶ。 「玉犬(ぎょくけん)」 犬の式神。2体存在する。 白(しろ) 真っ白な犬の式神。額には道返玉の紋様がある。嗅覚による呪力の探知機能があり戦闘も可能。 英集少年院の任務中に少年院の特級呪霊によって完全に破壊された。 黒(くろ) 真っ黒な犬の式神。額には足玉の紋様がある。能力は「白」と同等で、よく二体同時に呼び出される。 渾(こん) 破壊された「白」の術式と力を「黒」が引き継ぐことで生まれた式神。体の一部が白い巨大な黒犬。額には二種の紋様がある。特級呪霊・花御に傷をつけ、不意打ちとはいえ八十八橋の特級呪霊を一撃で祓う攻撃力を持つ。 「鵺(ぬえ)」 頭半分を覆う骸骨の面をつけた怪鳥の式神。飛行能力があり、移動手段として利用するほか帯電した呪力をまとって体当たりを行うこともできる。対象との狭い間に現すことで防壁にすることも可能。 「大蛇(オロチ)」 巨大な蛇の式神。額に生玉の紋様がある。少年院で宿儺を一瞬だけ拘束したが、彼に完全破壊された。 「蝦蟇(がま)」 大きな蛙の式神。腹部には沖津鏡の紋様がある。長い舌を伸ばすことで遠くにいる仲間を救助したり敵を拘束したりできる。 「不知井底(せいていしらず)」 「鵺」と「蝦蟇」を合体させた拡張術式であり、羽の生えた「蝦蟇」を数体呼び出す。通常の式神と違い完全に破壊されても再度顕現できる。 「満象(ばんしょう)」 象の式神。額には辺津鏡の紋様がある。重量による踏みつけや鼻からの高圧放水を武器とする。ただし、呪力の消費が激しいため単体でしか顕現できない。また、水を具現するために使う呪力を「満象」そのものに使い巨大化させることも出来る。 「脱兎(だっと)」 兎の式神。数十匹の群れで顕現される。攻撃には向いていないが敵を囲うことができる。 「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」 伏黒の生得領域。ただし、まだ不完全であるため屋内など空間に限界のある場所でのみ使用できる。 領域内を液状の影で覆い、その影から式神が多数出現して相手を攻撃をする。自身の分身も作れる。相手の攻撃に対しては自ら影の中に入り避ける。 「八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)」 歴代十種影法術師の中でも誰ひとり調伏できていない最強の式神であり、伏黒の奥の手である。 両手を前に出し、布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)と唱えることで呼び出せる。 後ろに法陣がついており、1回の攻撃で法陣を切り離し仕留めない限り後ろの法陣が回ると9回治癒し、戦闘相手にとって相性の悪い特性に変化する。対呪霊に特化した退魔の剣「八握剣」を装備している。背部の法陣を回転させる度に回復とそれまでに喰らった攻撃への耐性が付与され、よりダメージが通りやすい攻撃タイプにチェンジする能力を持つ。出した本人は八握剣異戒神将魔虚羅に最初に殴られるので、仮死状態になる。呼び出した時点で対象範囲内に存在する術師が式神を倒せたら調伏完了。出来なければ両方死亡する(それ以外の術師が倒すと調伏の儀はなかったことになる。法陣を元の場所へ戻す必要がある。)。
「玉犬(ぎょくけん)」

犬の式神。2体存在する。
白(しろ)

真っ白な犬の式神。額には道返玉の紋様がある。嗅覚による呪力の探知機能があり戦闘も可能。
英集少年院の任務中に少年院の特級呪霊によって完全に破壊された。
黒(くろ)

真っ黒な犬の式神。額には足玉の紋様がある。能力は「白」と同等で、よく二体同時に呼び出される。
渾(こん)

破壊された「白」の術式と力を「黒」が引き継ぐことで生まれた式神。体の一部が白い巨大な黒犬。額には二種の紋様がある。特級呪霊・花御に傷をつけ、不意打ちとはいえ八十八橋の特級呪霊を一撃で祓う攻撃力を持つ。
「鵺(ぬえ)」

頭半分を覆う骸骨の面をつけた怪鳥の式神。飛行能力があり、移動手段として利用するほか帯電した呪力をまとって体当たりを行うこともできる。対象との狭い間に現すことで防壁にすることも可能。
「大蛇(オロチ)」

巨大な蛇の式神。額に生玉の紋様がある。少年院で宿儺を一瞬だけ拘束したが、彼に完全破壊された。
「蝦蟇(がま)」

大きな蛙の式神。腹部には沖津鏡の紋様がある。長い舌を伸ばすことで遠くにいる仲間を救助したり敵を拘束したりできる。
「不知井底(せいていしらず)」

「鵺」と「蝦蟇」を合体させた拡張術式であり、羽の生えた「蝦蟇」を数体呼び出す。通常の式神と違い完全に破壊されても再度顕現できる。
「満象(ばんしょう)」

象の式神。額には辺津鏡の紋様がある。重量による踏みつけや鼻からの高圧放水を武器とする。ただし、呪力の消費が激しいため単体でしか顕現できない。また、水を具現するために使う呪力を「満象」そのものに使い巨大化させることも出来る。
「脱兎(だっと)」

兎の式神。数十匹の群れで顕現される。攻撃には向いていないが敵を囲うことができる。
「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」

伏黒の生得領域。ただし、まだ不完全であるため屋内など空間に限界のある場所でのみ使用できる。
領域内を液状の影で覆い、その影から式神が多数出現して相手を攻撃をする。自身の分身も作れる。相手の攻撃に対しては自ら影の中に入り避ける。
「八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)」

歴代十種影法術師の中でも誰ひとり調伏できていない最強の式神であり、伏黒の奥の手である。
両手を前に出し、布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)と唱えることで呼び出せる。
後ろに法陣がついており、1回の攻撃で法陣を切り離し仕留めない限り後ろの法陣が回ると9回治癒し、戦闘相手にとって相性の悪い特性に変化する。対呪霊に特化した退魔の剣「八握剣」を装備している。背部の法陣を回転させる度に回復とそれまでに喰らった攻撃への耐性が付与され、よりダメージが通りやすい攻撃タイプにチェンジする能力を持つ。出した本人は八握剣異戒神将魔虚羅に最初に殴られるので、仮死状態になる。呼び出した時点で対象範囲内に存在する術師が式神を倒せたら調伏完了。出来なければ両方死亡する(それ以外の術師が倒すと調伏の儀はなかったことになる。法陣を元の場所へ戻す必要がある。)。
釘崎 野薔薇(くぎさき のばら)

声 - 瀬戸麻沙美
本作のヒロイン。都立呪術高専1年生。3級呪術師。本人曰く「盛岡まで4時間かかるクソ田舎」出身。
身長は160cmないくらい。2002年8月7日生まれ。
虎杖と同時期に呪術高専に入学したが、入学自体は以前から決まっていた。東京(都会)に対しての強い憧れを持つ一方で、彼女が小学校1年生の時に東京からの転校生である沙織ちゃんが村人たちの僻みによって追い出されたため、自身の故郷である田舎を嫌っている。
非常にサバサバした気性の持ち主で、口が悪く素人であるにも関わらず「呪いは危ない」と忠告してきた虎杖を蹴り飛ばすなど手が出るのも早い。一方で呪霊に人質に取られた少年を助けるため自ら武器を捨てて丸腰になる、罪人である少年院の在院者を当然のように助けようとするなどの優しさも見せる。自らのアイデンティティーを強くもっており、丸腰の状態で真依に背後を取られていても平然と喧嘩を売るほど度胸がある。
自身の呪力を篭めた釘を打ち込んで相手を攻撃する術式「芻霊呪法(すうれいじゅほう)」の使い手であり、対象から欠損した一部に釘を打ち込むことで対象本体にダメージを与える「共鳴り」(ともなり)や、対象に直接打ち込んで破壊する「簪(かんざし)」などを駆使する。武器として五寸釘・金槌(交流会ではピコピコハンマー)、場合によっては藁人形を使用する。近接戦闘が苦手。
呪術高専に入学して以降は、暇があったら買い物に出るなどそこそこに東京を満喫している。
埼玉で呪胎九相図に遭遇した際、黒閃を経験する。
2018年10月31日の渋谷事変では直毘人と真希の3人で渋谷へ向かうが、伊地知に連絡がつかなくなったので新田明を安全な場所へ避難させる為に別行動をとる。その中で重面春太と交戦し、七海に助けられた。七海から五条が封印された話を聞かされ戦闘区域に入るのを止められるが、新田明を救護に引き渡した後、単独で戦闘区域に戻った。その後、真人の分身と交戦し優位に立っていたところを本物の真人に触れられ、虎杖の目の前で左顔面を吹き飛ばされ倒れる。その後は東堂と共に加勢に来た新田の応急処置を受けるも生死に関しては不明。
五条 悟(ごじょう さとる)

声 - 中村悠一伊瀬茉莉也(幼少期)
都立呪術高専の1年生のクラスを受け持つ特級呪術師で、自他ともに認める最強の呪術師である。1989年12月7日生まれの29歳。御三家・五条家の出身であり、憂太とは非常に遠い親戚に当たる。
細身の白髪の男性で、端正な顔を持つ。六眼(りくがん)と呼ばれる特殊な目を持ち、初見の術式情報の視認や緻密な呪力操作を可能とする。これに関連し、戦闘時以外は常に布やサングラスで目隠しをしているが周囲はサーモグラフィーの様に見えている。また、幼少期はその六眼ゆえに多額の懸賞金がかけられ、粟坂らに命を狙われたが誰も彼を殺せなかった。またこのころから呪術界のパワーバランスが大きく変わり、世界の均衡が崩れたとまで言わしめられ多くの呪詛師・呪霊の活動が制限された。
飄々として掴みどころがなく、いいかげんな言動やふざけたような態度で周囲を振り回す。また基本的に誰に対してもフランクに接し、生徒は全員下の名前で呼ぶ。その性格故に周囲からは「バカ」呼ばわりされ、本人も自身を「性格が悪い」と評している。ただしその実力によって周囲から非常に厚い信頼を得ており、虎杖からは好印象を抱かれている。高専生時代の一人称は「俺」だったが、夏油に「年上に失礼で、年下にも怖がられる。」と注意されたことを機に「僕」にあらためた。頭を回す為に甘い物を食べ続けたらそのまま甘党になり、特に仙台銘菓の喜久福を気に入っている一方、下戸である。
保身に走る現在の呪術界を憂いてその革新を目標に掲げており、保守派筆頭の楽巌寺とは折り合いが悪い。一方で若い呪術師たちには期待を込めて接しており、後進を育成するために教師となった。また、上層部の差金により虎杖が一時命を落としたとしたときには激しい怒りを見せた。
御三家・五条家相伝の術式「無下限呪術(むかげんじゅじゅつ)」の使い手であり、「無限」を現実に作り出し周囲の空間にある物体間の距離を自在に操る。対象を押し潰す・弾き飛ばすといった高威力の攻撃や、対象の移動速度を低下させるといった防御ができる。反転術式や結界術の帳・領域展開「無量空処(むりょうくうしょ)」も習得していることに加え、身体能力も高い。これらの才能と実力から、漏瑚からは「逆に何を持ち合わせていないんだ。」と評された。学生時代から高い実力を持ち親友の夏油と2人で最強だったが、ある事件によって彼は1人でも最強となる。それが皮肉にも彼と夏油の道を分かつ原因の一つとなってしまう。
五条が力を最大限発揮するのは「1人でいるとき」であり、常に周りの人間を自身の攻撃に巻き込まないように気を配っており、必要時に巻き込む際もその被害を最小限に抑えようと心がける。ただし「呪霊による被害」は「ある程度の犠牲」として割り切る冷酷さも兼ね備えている。
呪術師として強大な存在であるがゆえに五条家は彼のワンマンチーム状態であり、高専内でも強い発言力を持つ。また、虎杖をはじめとする彼の融通(ワガママ)で救われた術師やパワーバランスによって活動を制限された呪詛師・呪霊が数多く存在する。
そのため彼の封印は大量の術師の抹消によって内輪が混乱状態にある高専とパワーバランスの崩壊後に活動を始めた数多の呪詛師・呪霊との戦争を意味し、その敗北によって日本国内の人間が殲滅される危険がある。 「無量空処」 五条悟の領域展開で、領域内に引き込んだ相手に無限回の知覚と伝達を強制する。 引き入れた時点で勝ちが確定する領域で、相手は知覚と伝達が終わらないので行動を起こせなくなる。
無下限呪術

五条家相伝の収束する無限級数を現実にする術式。
自身の周囲に術式によって現実化させた無限を作ることで攻撃を防いだり、応用して瞬間移動や空中浮遊なども可能にする。
この術式には原子レベルに緻密な呪力操作が必要で、彼の六眼がそれを可能にしている。その呪力操作と先代のマニュアルを応用して術式対象の自動選別と術式のほぼ常時の発動も可能になっている。
術式順転「蒼」

無下限呪術の本来の術式を強化することで収束を現実に発生させる。
物体を吸い寄せる力で周囲を更地に変えることも可能だが、大きな反応を自分の近くで発生させられない弱点がある。
術式反転「赫」

蒼とは逆に無限を発散させることで対象を吹き飛ばす。
反転の威力は順転の二倍なので、街中などでは使用が制限される。
虚式「茈」

五条家でも一部の人間しか知らない術。
順転と反転の力を衝突させることで生成された仮想の質量を押し出す複合術式。
その威力は姉妹校交流会の舞台となった森を広範囲にわたって地中深くまで抉り取るほど。

呪術師
呪術高専

天元(てんげん)

不死の術式を持つ呪術師で、高専関係者や盤星教信者からは「天元様」と敬称される。
高度な結界術の使い手で、補助監督の帳などの強度を底上げしている呪術界の要。結界術によって高専の呪物などを守っている。ただし、彼の結界術は「守る」ことより「隠す」ことを重視している。また、高専を囲う結界は、植物や呪力を持たないものに機能しない。そのため、花御や甚爾等、限定的な条件下で他者の侵入を許してしまうことがある。結界の運用以外に現に干渉しない。
一定以上の老化を終えると術式が肉体を創り変え、人ではなくなり意思のない高次存在に進化する。その場合は天元としての機能を失い、最悪の場合には、天元は人類の敵になり世界が崩壊する。そのため、500年に一度のペースで天元と適合する人間「星漿体」と「同化」し、肉体の情報を書き換える必要がある。
奈良時代には、社会的少数者としての呪術師の道徳的基盤を説き、それが後の「盤星教」となった。
五条と夏油が学生時代のときに、星漿体であった天内理子が天元との同化前に甚爾に殺害されてしまったことで、高次存在に進化を果たしてしまい、個としての自我が消え今は天地そのものが自我となっているが、結界術のおかげで理性を保てている。
なお、2人の側近は高専内にある忌庫の番人を務めているが、2018年の交流会で真人の「無為転変」で呪殺された。
渋谷事変後に虎杖たちが高専に戻った際に自分のいる薨星宮に接触を図ってきた際、薨星宮への扉を閉じた状態で彼らを迎え入れ、偽夏油こと羂索の正体とその目的を語る。

都立呪術高専

夜蛾 正道(やが まさみち)

声 - 黒田崇矢
都立呪術高専の学長である1級呪術師。47歳。
「気づきを与えるのが教育」という信条のもと、生徒のことを想い、入学時の虎杖を自身の呪骸と闘わせたり、五条に拳骨や絞め技で説教するといった厳しい教育を施す。
呪骸を作り操る「傀儡呪術学(かいらいじゅじゅつがく)」の第一人者で、パンダも彼の手によるものである。呪骸は高い戦闘能力を持つことに加え、人形であるが故に痛覚や恐怖心を持っておらず、殴られても怯むことなく襲ってくる。また、可愛いものを好む一面があり、呪骸のデザインにも影響を与えている。
かつて五条、夏油、家入の担任の教師を務めていたころは自分勝手な三人(特に五条)を叱っていた。その一方で、彼らを内心で大切に思っていたようで、夏油が両親を殺したことなどを五条に話した際はショックを受けていた。渋谷事変編では元教え子の家入を守るなど尽力したものの、渋谷事変発生を教唆したとして死罪に処された。
日下部 篤也(くさかべ あつや)

声 - 三木眞一郎
都立呪術高専2年担任。1級呪術師。
逆だった黒髪を持つ強面の男性。常に棒付きキャンディを舐めている。
シン・陰流の使い手であり、シン・陰流の弱者を守るという信念を持つ。居合「夕月」が使え、「抜刀」もできる。特級を感知出来る。
冥冥曰く「術式無しで1級まで上り詰めた」実力者で、彼以降、同様に昇級した1級術師はいないという。腰には刀を帯びている。
渋谷事変では、パンダとともに渋谷入りし、居合わせた夏油一派の幹部2人ととともに漏瑚と宿儺の戦闘に巻き込まれる。
家入 硝子(いえいり しょうこ)

声 - 遠藤綾
呪術高専の医師。28歳。五条と夏油の同期にあたる。
反転術式による傷の治療が出来る数少ない人物であり、高専卒業後に医師免許を取得した。少年院の出来事で死亡した虎杖の身体を解剖して、彼が猛毒に耐えられた理由を調べることに意欲的な姿勢を見せ、後に虎杖が蘇生した際には「ちょっと残念」と口にするなど、少々エキセントリックな一面を持っている。その一方で、正体を知らなかったとはいえ真人が作った改造人間を殺めてしまった虎杖が気に病まぬよう、「死因は身体を変えられたことによるショック死」とフォローするなど、優しさを垣間見せるときもある。
2006年の時点では呪術高専2年のクラスに在籍しており、この時点から治療術を体得していた。五条と夏油とは同級生であったほか、庵とも親しかった。3年生に進級した2007年、新宿で夏油に遭遇した後、五条に連絡をした。渋谷事変編では夜蛾に守られながら負傷者を回復させている。

2年生は、前日譚「東京都立呪術高等専門学校」における主要人物である。

秤 金次(はかり きんじ)

都立呪術高専3年生。
他の3年生と共に停学となり、交流会に参加できなかった。
術式を含めほとんどの情報が明かされていないが、五条が特級術師の乙骨・宿儺の器の虎杖と併せて「僕と並ぶ術師になる」と評している。保守派の呪術師たちのことは毛嫌いしているものの、五条や夜蛾に対しては感謝の意を示してもいる。
呪術師にファイトマネーを渡して闘わせ、非呪術師を客とした賭博の胴元をすることで金を稼いでいた。当初は敵とみなしていた虎杖らを認め、死滅回游平定に協力する。
星 綺羅羅(ほし きらら)

都立呪術高専3年生。
秤と共に停学中の術師。南十字星の位置関係をモチーフとして指定した物の動きに条件を加え、あるいは互いに引き合わせる術式を用いる。
乙骨 憂太(おっこつ ゆうた)

声 - 緒方恵美
東京都立呪術高等専門学校の主人公。
都立呪術高専2年生。特級呪術師。2001年3月7日生まれ。一般人の家庭出身だが、後に、日本三大怨霊の1人にして御三家・五条家の先祖に当たる超大物呪術師・菅原道真の子孫であり、五条の「超遠縁の親戚」であることが明らかになる。
人の強さや優しさに敏感で、仲間想いな性格。当初は気弱で自己評価が低く、後述の理由で不本意に周囲に危害を加えてしまうことから、人との関わりを極度に避けていた。しかし、高専編入後は、前向きでたくましくなった。
特級過呪怨霊・祈本里香に取り憑かれた「特級被呪者(とっきゅうひじゅしゃ)」。乙骨に危害を加えると里香が顕現し、その人物に危害を加える。当初は里香の制御ができていなかったが、高専編入後の初任務にてできるようになった。左手の婚約指輪は自身と里香をつなぐものであり、里香の制御や呪力の媒介にも使われる。乙骨自身が呪術を習得した際は、「最愛の人の魂を抑留する縛り」により、里香の「底なしの呪力」や「無条件の術式模倣」が使用できた。一方で、パンダからは感知能力の低さを指摘されている。刀に呪力をこめて使う戦法を取る。
小学生の時は宮城県仙台市に住んでおり、肺炎で入院していた里香と病院で出会い、共に同じ小学校に復学する。2人は互いを深く愛し合い、2011年、乙骨は里香から婚約指輪を渡され、彼女の婚約者となった。しかしその後、里香は交通事故で死亡すると同時に怨霊と化し、乙骨に取り憑いた。以降、里香によって周囲に危害を加えるようになってしまい、家族からも離れた。
2016年11月、東京のある学校で乙骨が同級生の4人の男子生徒たちにイジメを受け、里香がその4人をロッカーに詰めたことで呪術師に捕らえられる。その後、里香の危険性から完全秘匿での死刑執行が決定し本人も了承するが、五条の提案より、死刑の保留の上で2017年に1年生として呪術高専に編入する。入学後は、里香の解呪のために呪術師を目指し、同級生の狗巻らとも親しくなる。
2017年12月24日の百鬼夜行では、安全上の理由から呪術高専で待機させられていたところ、仲間たちを襲撃した夏油に対して怒りを爆発させ、里香を完全顕現させただけでなく、呪力の制限解除をして「純愛」による莫大な呪力を夏油に放出したことで勝利を収める。
のちに、里香が乙骨に呪いをかけて怨霊と化したのではなく、乙骨が彼女への執着心から、彼女に呪いをかけたことで怨霊にしていたことが判明し、乙骨が主従制約を破棄したことで解呪が実現した。本来の姿を取り戻した里香は、乙骨に感謝の言葉を述べ、成仏した。
2018年の高専2年時では海外におり、交流会にも参加しなかった。里香の解呪後の戦術は不明だが、階級は1年時と同様に特級である。33話の扉絵やアニメのオープニング映像に、ミゲルと同行している姿が描かれている。
渋谷事変終結後に帰国。上層部から虎杖の処刑執行人に任命され、虎杖の前に姿を現し、心臓を止めると同時に反転術式で治癒した。その後、虎杖達と別ルートで死滅回遊に参加する。仙台結界にて烏鷲亨子(うろ たかこ)、石流龍(いしごおり りゅう)、黒沐死(くろうろし)を倒し得点を獲得。
禪院 真希(ぜんいん まき)

声 - 小松未可子
都立呪術高専2年生。御三家・禪院家の出身だが、苗字で呼ばれることを嫌う。
男勝りで反骨精神が強い上、口調が荒く、やや不遜な言動も目立つが、実際は面倒見が良く仲間想い。釘崎からも「姐さん」として慕われている。また、初対面時の乙骨を毛嫌いしていたが、成長していく彼に徐々に惹かれており、パンダからは「ツンデレ」と指摘されている。
術式を持たない代わりに、人間離れした身体能力を持つ「天与呪縛」という特性を有しており、肉眼や素手で呪霊を見て祓うことが出来ないため、呪霊が見える特殊な眼鏡をかけ、呪具を用いて戦闘を行う。
実力としては2級に相当するが、相伝の術式と最低限の呪力を持たないことから、禪院家からは「落ちこぼれ」として邪険に扱われ、その妨害によって階級も4級止まりである。このため、禪院家の次代当主になって、家の人間を見返すことを目標としている。また、双子の妹である真依とは幼少時は仲が良かったが、真希が出奔してからは憎まれるようになった。しかし、本人は真依を今でも可愛い妹として接している。
渋谷事変では直毘人、七海と行動を共にし漏湖と交戦するが上半身を焼かれる重傷を負い離脱。
その後回復し禪院家を訪れた際に実父の扇に襲撃され瀕死となるが、真依の作り出した刀と引き換えに全呪力を失くし、甚爾と同様に身体能力が劇的に上昇、禪院家を壊滅させた。
狗巻 棘(いぬまき とげ)

声 - 内山昂輝
都立呪術高専2年生。準1級呪術師。狗巻家出身の「呪言師(じゅごんし)」の末裔であり、一族に伝わる高等術式「呪言(じゅごん)」の使い手である。
この術式は、自身の声に呪力をのせて言霊を増幅・強制させることで自身が喋ったことをそのまま実現化するというものであり、たとえば「爆ぜろ」と発言すると相手を爆発させることができ、「捻れろ」と発言すると文字通り相手を捻じることができる。携帯電話を介しての音声も有効で、拡声器で有効範囲を広げることも可能。ただし、連続で使用したり、より強力なものを使用したりするほど身体への負荷がかかるほか、乱用によって自身が呪言そのもののダメージを受けることもある。
術の性質上、意図せず人を呪うことを防ぐため、会話の語彙をおにぎりの具に限定している。作者の芥見は彼の語彙について、「しゃけ」は肯定、「おかか」は否定を意味するなど、一定の法則性があることを示唆している。加えて、口の両端と舌には狗巻家の呪印「『蛇の目』と『牙』」があり、戦闘時以外は常にハイネックで口元を隠している。
その会話の困難性から周囲の人間から怖がられることがしばしばあるが、実際は温厚で心優しく、常に仲間に気を配っている。また、生まれた時から呪言が使えたため、幼少期は意図せず人を呪ってしまっており、呪術高専入学後は(里香によって不本意に周囲を傷つけてしまっていた)乙骨のことを気にかけていた。
また、虎杖や真希のせいで目立たないが、身体能力も高い。
渋谷事変では暴走した虎杖(宿儺)の攻撃に巻き込まれ、左腕を失う重傷を負う。
パンダ

声 - 関智一
都立呪術高専2年生。準2級呪術師。
人語を解すパンダであり、その正体は夜蛾の最高傑作である、感情を持って生まれた「突然変異呪骸(とつぜんへんいじゅがい)」である。
2年生達の中でも最も常識的な言動を取る。常に仲間に気を配り、注意役も担当する。その一方で、真希に乙骨に対するツンデレを指摘してイジったり、釘崎と共に西宮を挑発する等、悪ノリが好きな一面もある。また、葛藤しながらも行動し続ける人間の心情を「自分に無い部分」とし、それを「キモイけど好き」としている。また、交流会でメカ丸に嫉妬と苛立ちを向けられた際は、「俺はオマエの敵じゃない。何か叶えたいことがあるなら手伝うぜ」と素直に述べた。
通常の核と「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」と呼ばれる核を計3つ持ち、メインの核を入れ替えることで、それぞれの「モード」に応じたパワーアップができる。このうち、「お兄ちゃん」は「ゴリラ核」という別名のとおり、通常よりも高いパワーを得られる反面、呪力の消費が激しい。また、怪力の持ち主で体術にも優れており、肉弾戦を主流とする。また、味方のサポートとして、真希の呪具を持ち運びする。
渋谷事変では日下部と行動を共にするが、暴走した虎杖(宿儺)の攻撃に巻き込まれ、通常核を失う(本人曰く、「残機2機」)。

呪術高専 京都校

楽巌寺 嘉伸(がくがんじ よしのぶ)

声 - 麦人
呪術高専京都校の学長。階級は不明だが、準1級呪霊に躾を施すほどの実力者。76歳。
顎髭をはやした禿頭の小柄な老人男性。耳・鼻・口にピアスをし、着物の下にTシャツを着ている。
呪術界の保守派筆頭で、虎杖を断固として処刑対象と考えており、呪術界の改革を目指す五条とは折り合いが悪い。五条の封印に伴い保守派が力を持った際には夜蛾殺害を実行した。
奏でた旋律を増幅させ呪力として撃ち出す術式を使う。自身をアンプとし、V型ボディのエレキギターの音から衝撃波を生成する中距離攻撃を主流とする。
庵 歌姫(いおり うたひめ)

声 - 日笠陽子
呪術高専の京都校で2年生のクラスの担任を務めている準1級呪術師であり、仕事中は巫女装束を着る。左頬から鼻梁を通して右頬中央にまでまたがる幅の広い傷痕がある。
やや勝気・短気な性格。学生時代は後輩の五条や夏油からは弱いとなめられていた上に、本人も五条のことをよく思っていない。その一方、五条は内心で彼女を信頼している。また、同じく後輩の家入とは仲が良く、彼女に禁煙も勧めた。趣味はスポーツ観戦・カラオケ。ビール好き。
2006年の時点では2級術師であり、1級術師の冥冥と任務を請け負ったことがある。また、この時期に顔の傷はなかった。
交流会では京都校の引率として参加する傍ら、五条の依頼で京都校側の内通者を探していた。
渋谷事変では他の京都校の生徒と共に渋谷へと向かう。

東堂 葵(とうどう あおい)

声 - 木村昴和優希(小学3年生)
呪術高専京都校3年生。1級呪術師。非術師の家系出身。
筋骨隆々の巨体を持ち、ドレッドヘアが特徴の強面の男。左頬から額にかけて大きな傷跡がある。
傲慢かつ粗暴な性格をしており、退屈さと他人からの指図を極度に嫌い、自分がつまらないと判断した相手には非常に攻撃的になるため、周囲からも嫌われている。一方で、自身が「親友」とした人物には友人思いの熱い一面を見せ、「親友」もそのペースに自然と合わせてしまう。
また、「性癖にはソイツの全てが反映される」「性癖がつまらない人間はそいつ自体つまらない」という考えの持ち主で、初対面時の男性には必ず女の好みについて尋ねる癖がある。「身長(タッパ)と尻(ケツ)がデカイ女」を好みとタイプとしており、高田ちゃん(声 - 黒沢ともよ)という高身長アイドルに対して結婚したいほどの好意を抱いている。また、身嗜みには気を使っており、全身からは常にいい匂いを発しているが、京都校の女性陣からは不快がられている。
術式範囲内にある「一定以上の呪力を持った2つのモノ」の位置を入れ替える術式「不義遊戯(ブギウギ)」の使い手。術師や呪霊と言った生物だけでなく、呪骸や呪具などの無生物にも有効である。手を叩くことで発動し、これを利用して、手は叩くが術式を発動させないというフェイントもできる。
術師としての実力は、1級呪霊を術式無しで祓えるほど高く、過去には術式を使って特級呪霊を祓っている。肉弾戦を主体とした戦法を取るが、頭脳戦にも長けている。その性格上、他者との連携は基本的にしないが、性癖と戦闘スタイルの相性が良い虎杖とは連携できている。
小学3年の時点で高校生を打ち負かすほどケンカが強く、退屈した日々を送っていたある日、九十九由基に退屈から解放されることを期待して彼女についていき、呪術師の道を歩むきっかけとなった。
東京校との交流会当日、虎杖抹殺を企む京都校の加茂達から離れ、単独行動に入る。1回戦では虎杖と対峙し、当初は彼を一方的に痛めつけるが、途中で「女性の好み」を聞いた際、彼が自身と同じ性癖を持つことを知った東堂は、虎杖と東堂と高田ちゃんは同じ中学校の出身だったという「存在しない記憶」を持ち始め、虎杖を「親友」とする。その後は、呪術師として未熟な虎杖に、より良い呪力操作を指導する。交流会終了後も、未だに虎杖を「親友」としているが、当の本人は、彼に感謝しつつもやや嫌気をさしている。
八十八橋の事件後に冥冥と共に虎杖・伏黒・釘崎・真希・パンダを1級術師に推薦するが、冥冥から昇級査定で推薦者は被推薦者と同行できないことを知らされた際、愕然とした表情を見せた。
渋谷事変では新田新とともに虎杖に加勢。真人の無為転変を顔面に受けた釘崎を目の当たりにして心が折れかけていた虎杖を鼓舞し共に真人と戦うが、右手を切断され、術式が使用できなくなる。
加茂 憲紀(かも のりとし)

声 - 日野聡川井田夏海(幼少期)
呪術高専京都校3年生。準1級呪術師。御三家・加茂家の出身で、表向きは嫡流とされるが、実際は側室(声 - 中村千絵)の息子で、正室が加茂家相伝の術式を継いだ男児を産めなかったため、術式を継いでいた憲紀が6歳の時に嫡男と偽られる形で家に迎え入れられた経緯を持つ。母への強い思いから次代当主としての自覚を持っており、それ故に、宿儺の器・虎杖を即刻処刑すべきと考えている。冷静沈着な性格をしている。
当初、虎杖を東堂を除いた京都校のメンバー全員で殺そうとしたが、東堂の妨害を受ける。その後、伏黒らとともに校内に現れた特級呪霊の花御と戦う。
御三家・加茂家相伝の術式「赤血操術」(せっけつそうじゅつ)の使い手であり、自分の血液もしくは血液がついた物を自在に操ることができるほか、血液パックの血液も有効である。自身の血流の操作による自己強化に加え、排出した血液を操作して相手を攻撃したり、矢に血液をつけておくことで、放った矢の軌道を自在に変えたりできる。武器は弓矢。近接戦闘も可能。
西宮 桃(にしみや もも)

声 - 釘宮理恵
呪術高専京都校3年生で、アメリカ人の父を持つ。2級呪術師。
箒に乗ることで空を飛ぶことができ、索敵を得意とする。また、人ひとり浮かせる程度の呪力の風を放つことで攻撃可能。
小柄でかわいらしい見た目だが、機嫌を損ねた際は口が悪くなる。辛苦を重ねながら呪術師として生きる真依を敬愛しており、真依を蔑む相手には激しい敵対心を燃やす。
女の呪術師の立ち位置の難しさを知り、ルックス・実力ともにある完璧な呪術師でないとナメられると考えている。また、見た目でナメられたくないという理由でピアスをつけ始めた。
禪院 真依(ぜんいん まい)

声 - 井上麻里奈
呪術高専の京都校の2年生で、真希の双子の妹にあたる。
3級呪術師。身長170cm。
術式(表向きは持っていないことになっている)の関係で基本的に銃などの武器に呪力を籠めて打ち出すことしか出来ない。呪力を持たない真希のことを見下すと同時に、姉のせいでなりたくなかった呪術師として努力せざるを得ないという恨みも抱いている。また、伏黒や釘崎に向かって死亡した(と思われていた)虎杖をあからさまに侮辱するなど、真希とは対照的に皮肉屋で冷笑的な性格をしている。アニメでは東堂にチケットを渡されて高田ちゃんと握手し、悪くないと感じていた。
無から物体を作る術式「構築術式」を使う。ピストルを愛用していて、リボルバーを使うのは弾数でブラフをはるためであり、弾を全部使ったと思わせておいて構築術式で弾を作り敵の不意をつく戦法を用いる。ただし、この術式は呪力の消費が激しく、体への負担も大きいため、真依では一日に弾丸一発を作るのが限度となっている。
渋谷事変後に禪院家へ行った際父の扇に攻撃されて瀕死の状態に陥り、自らの命と引き換えに作り出した刀を真希に授け絶命した。
三輪 霞(みわ かすみ)

声 - 赤﨑千夏
呪術高専京都校2年生。3級呪術師であり、刀を用いた戦法を取る。
楽巌寺の秘書のようなことをしており、アポなしで楽巌寺の元にやってきた五条に厳しい態度を取る。だが実際は五条のファンらしく、きつい表情の裏では間近で彼を見られたことに大興奮し、一緒に写真を撮っていた。
中学1年生の時にアルバイト先でシン・陰流の最高師範からスカウトを受け、流されるように入学した。
作者によると、三輪の名前の由来はミーハーから。
京都校の生徒の中では常識的であり、虎杖の暗殺にも乗り気ではない。弟が二人いて貧乏な生活をしており、自立するために昇級したいと考えている。
シン・陰流 簡易領域

領域内(半径2.21m)に侵入したものを全自動(フルオート)で迎撃する。
「抜刀(ばっとう)」

刀身を呪力で覆い鞘の中で加速させる、正面の敵に特化したシン・陰流最速の技。
与 幸吉(むた こうきち) / 究極 メカ丸(アルティメット メカまる)

声 - 松岡禎丞
呪術高専京都校2年生。準1級呪術師。通称である「究極メカ丸」は、与が昔観せてもらったロボットアニメに出てくるロボットの名前に由来している。
「天与呪縛」の持ち主で、生まれながらにして右腕と膝からの下の肉体と腰から下の感覚がなく、肌は月明かりでも焼かれるほどもろく、常に全身の毛穴から針を刺されたような痛みがある。その代わり、日本全土に渡る広大な術式範囲と強大な呪力放出能力を有している。傀儡を作り操る術式「傀儡操術(かいらいそうじゅつ)」の使い手であり、普段は人型ロボットの傀儡「究極メカ丸」を遠隔操作して戦闘やコミュニケーションを行っている。この傀儡には刀剣や砲台など様々な兵器が内蔵されており、攻撃から防御にいたるまで幅広い局面で対応できる。また、複数体の傀儡を同時に操作し、相手を袋叩きにすることもできる。
当初は全身に包帯が巻かれた状態である建物の地下室にいたが、真人の術式によって健康な肉体を手にしてからは高専の制服を着ており、左頬には傷がある。
彼の呪術は、本人にとっては望んで手に入れた力ではないため、それと引き換えに健康な肉体になれるなら喜んでそうするとさえ発言している。また、人前に出られない姿と体質故に、周囲と完全に打ち解けることが出来ていないため、もし健康な肉体を手にしたら、仲間の術師達に直接会いたいと思っている。当初、人間で無いにも関わらず、日の下を自由に動くパンダに嫉妬と苛立ちを見せたが、交流会で交戦してからは、やや親密な関係になった。
健康な肉体を手にしてからは、術式範囲は縮小したが、同時に後述の巨大な装甲傀儡から、肉体を縛った年月で得た特級クラスの莫大な呪力を放出できるようになった。
実は、真人の「無為転変」で体を治すことと、京都校の人間には手を出さないことを条件に、偽夏油達の内通者をしていたが、呪霊たちが交流会で京都校の人間を襲撃したことを理由に内通者を辞退する。その後、とある山中のダムにて、偽夏油と真人との戦いの末に敗死する。ただし、自分が死ぬ前に、五条が封印されたら自身の作成した機械が作動するように仕向けており、虎杖らに呪霊側の情報が伝わるきっかけとなった。また、東堂を除く京都校の仲間が渋谷事変当日に東京から離れた僻地での任務に就くよう配慮を施していた。
新田 新(にった あらた)

声 - 浅利遼太
呪術高専京都校1年生。新田明の弟。金髪で三白眼。関西弁を話す。
1年だったため2018年の交流会に参加出来なかった。
傷を止める術式の使い手。傷はそれ以上悪化することは無いが治っては無く、後からつく傷は対象外。渋谷に東堂と一緒に現れ、虎杖と釘崎に術式をともに施し釘崎をつれて離脱した。虎杖のことを東堂の本当の弟と勘違いしている。

補助監督

伊地知 潔高(いじち きよたか)

声 - 岩田光央
呪術高専において、会議の報告・司会進行や術師の任務の割り振り等を担当する、補助監督の中心的な存在に位置する男性。26歳。
良くも悪くも事務的な態度で任務にあたるが、根は常識的で善良であり、子供の術師を危険な現場に送り届けることに対して内心で葛藤している。呪術界の革新を目指す五条と保守派の上層部との板挟みで心労が絶えない。
元々は呪術師志望であり、五条・夏油・家入は彼の2つ上、七海・灰原は1つ上の先輩に当たる。また、補助監督ではあるがそれなりの戦術や耐久力を持っており、頑張れば3級呪霊までは倒せる。渋谷事変では重面春太に背後から3回刺されたものの、一命をとりとめた。
ガイドブックによると名前の由来はアジアン・カンフー・ジェネレーションのドラマー、伊地知潔から。本人にも認知されている。
新田 明(にった あかり)

声 - 徳井青空
呪術高専の補助監督を務める女性で、言葉の語尾に「…っス」とつけてしゃべる。新田新の姉。渋谷事変では釘崎と行動していたが重面に襲われ、駆けつけた七海によって救助される。

その他の呪術師
七海とその関係者

七海 建人(ななみ けんと)

声 - 津田健次郎
1級呪術師。27歳。五条の1つ下の後輩であり、灰原とは同期だった。非術師の家系出身で、母方の祖父がデンマーク人。
薄茶色のスーツを着た、茶髪で七三分けの男性。見られていることに気付くと襲ってくる呪霊がいることから、自身の視線を隠すためにツル部分の無いゴーグルのような眼鏡をしている。常に真顔で、あまり表情を崩さない。冷静沈着で物事を俯瞰的に観ることができる。誰に対しても丁寧に話すものの、基本的に無愛想である。その内心では情に熱く、自身が認めた相手には相応の敬意を示し、仲間を殺した敵には激怒して本気で攻める。自らの立場への責任感は強く、困難と認めた問題に対しては油断せず本気で挑む。先輩である五条からは信頼されている一方、本人は五条に対して信用・信頼はしているが尊敬はしていない。また、当初は虎杖を「子供」と見なし、呪術師として認めてはいなかったが、共に活動をすることで徐々に彼の実力や志しを認め、最終的に1人の「呪術師」と認めた。虎杖からも「ナナミン」という愛称で呼ばれたり、メカ丸から受け取った情報を真っ先に伝えたりと信頼されている。好物はパンで、カスクートを特に気に入っている。
対象の長さを線分した時に7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出す術式「十劃呪法(とおかくじゅほう)」の使い手。弱点を的確に攻撃することができれば、格下であれば峰打ちでも身体を両断し、格上にもそれなりにダメージを与えられる。全長だけでなく、頭部や腕など部分までを対象として指定することが可能。また、「時間」による縛りを自ら課しており、普段は呪力を制限しているが、彼の定めた時間を超えて戦闘をすると呪力が上昇する特性を持ち、本人はこれを時間外労働にたとえている。「時間外労働」の際はネクタイを右手に巻き、術式を併用した右の拳の一撃で建物を破壊するほどの攻撃力と、並の斬撃や一蹴りが一切効かないほどの耐久力を持つ。また、この時は「瓦落瓦落(がらがら)」と呼ばれる、建物の倒壊を利用した拡張術式を用いることができる。
武器は大鉈で、普段は呪符を巻いている。領域展開は習得していないが、黒閃の連続発生記録の保持者であり、4回という記録を残している。
高専1年の時は灰原と共に行動しており、五条に振り回されていた。2年の際に2級呪霊(本当は1級案件)を祓う任務で灰原が死に、そのショックから高専卒業後は逃げるように一般の証券会社に入社した。「自身はやり甲斐とは無縁」と言い聞かせ、金のために重労働を繰り返す日々を過ごしてきたが、行きつけのパン屋の女性(声 - 植田千尋)との出会いをきっかけに、自分が「やり甲斐」を求めていたことに気付き、呪術師の道へと戻った。
渋谷事変では、五条封印後に重面春太を倒した後、禪院班に合流したが、漏瑚の奇襲により上半身を焼かれ、渋谷駅構内にて真人に触られる形で殺される。
猪野 琢真(いの たくま)

声 - 林勇
七海の助手を務める2級呪術師。21歳。
七海の任務を一度手伝って以来、彼のことを非常に尊敬しており、七海からも期待されている。一方で、後輩である虎杖と伏黒に対しては本人なりに先輩としての振る舞いを徹底している。また、「筋」を通すことを重要視し、「尊敬している七海サンから認められずに1級になる訳にいかない」という理由で、彼の推薦で昇級することにこだわりを持つ。単純な性格の持ち主でもあり、七海の口車によく載せられる。
顔を隠すことで自らが霊媒となり四種の瑞獣の能力を降ろす降霊術「来訪瑞獣(らいほうずいじゅう)」の使い手で、術の都合上常に帽子をかぶっている。
渋谷事変の際は七海から虎杖と伏黒を託され、オガミ婆とその孫が帳を降ろしているのを見つけ、戦闘に持ち込む。その際、「禪院甚爾」を降ろされた孫によって、ビルの屋上から落とされるが、伏黒の救助により一命をとりとめた。
一番「獬豸(カイチ)」

1本の角を顕現し、相手を追尾する。人間の肉体を抉る攻撃力を誇る。
二番「霊亀(レイキ)」

体に呪力の水を纏ってクッションとして防御する。足に纏えば滑るような特殊な歩法が可能。
三番「麒麟(キリン)」

脳内麻薬を大量分泌して体の痛感をオフにする。使った後はしばらく動けない。
四番「竜(リュウ)」

詳細不明
灰原 雄(はいばら ゆう)

声 - 梶原岳人
七海と同期であった2級呪術師。非術師の家系出身。呪いが見える妹がおり、彼女には高専に来ないように強く言いつけていた。
七海と対照的に、常に周囲に明るく愛想良く振る舞っている。先輩の夏油を非常に尊敬している。呪術高専2年の時、2級呪霊の討伐任務に失敗して死亡した。

冥冥とその関係者

冥冥(めいめい)

声 - 三石琴乃
1級呪術師。五条や庵の先輩であり、彼らからは「冥さん」と呼ばれる。高専の協力者だが、普段は単独で活動しており、個人から報酬を受け取ることもできる。冥冥は本名ではない。
長い白髪を持ち、戦闘時は前髪を多めに垂らして顔を隠す。
飄々としながらも、金に汚い一方で、真希や虎杖を術師として高く評価したり、弟の憂憂を溺愛するといった情に溢れた一面もある。
烏を操る術式「黒鳥操術(こくちょうそうじゅつ)」の使い手であり、鳥と視界を共有したり、それをモニターに映すこともできる。「命」をかける縛りを使いこなすことで、術式効果を最大限まで高めている。また、鍛錬や呪力で肉体を強化しており、術式無しでも十分戦える。武器は自身の背丈ほどの長さの斧。
黒鳥操術の真骨頂である「神風(バードストライク)」は、烏に自死を強制させる縛りを課すことで、本来微弱である動物(烏)の呪力制限を消し去り、相手へ体当たりさせることができる術式である。
2006年の時点で1級であり、当時2級の庵と任務を請け負ったことがある。
渋谷事変では特級呪霊の疱瘡婆と交戦し勝利。その後夏油に殺されかけたため憂憂の術式でクアラルンプールに移動した。
憂憂(ういうい)

声 - 三瓶由布子
冥冥の弟。とにかく姉への愛が重く、術式も「姉の所有物でありたい」という気持ちが強く姉の許可が無いと使えない縛りをしている。
シン・陰流「簡易領域」の使い手であり、戦闘時は姉に代わって領域対策を行う。生得術式は移動する術式であり、日本からクアラルンプールに移動できるほど範囲が広い。

禪院家

禪院 直毘人(ぜんいん なおびと)

声 - 中田譲治
禪院家26代目当主。特別1級呪術師。71歳。
着物を着た老人男性。
見たり触れたりした対象を二次元フレームに捕縛し、フレームを破壊しつつ対象に攻撃可能な「投射呪法」を使用する。1秒を24分割、自身の視界を画角とする。あらかじめ画角内でつくった動きをトレースする能力。術式の発動中に直毘人の掌で触れられたものにも効果を発動。1/24秒で動きを作れない限り1秒間フリーズしてしまう。作った動きは途中で修正不可能。過度に物理法則や軌道を無視した動きを作れば自らもフリーズする。自由に使いこなすには天性のコマ打ちセンスと時間感覚が必要。右腕を失うとうまく作動しない。陀艮との戦闘で負傷し、漏瑚の隙をついた攻撃により全身を焼かれ、戦線を離脱。重体となり生死の境を彷徨っていたが渋谷事変終結後に息を引き取る。

禪院 直哉(ぜんいん なおや)

直毘人の息子。特別1級術師。27歳。
糸目の男性で関西弁で話す。父と同じ「投射呪法」の使い手。
上昇志向が強く、他の禪院家の親族に対して不遜な態度をとる。「3歩後ろを歩けない女は死ねばいい」など男尊女卑思考を持っており、特に真希の事は毛嫌いしている。反面、生前の甚爾に対しては畏敬の念を抱いていた。
直毘人の死後、自身が次期禪院家当主になると自負していたが、遺言により伏黒恵が次期当主に決定した事に反発。伏黒の行方を聞き抹殺するため虎杖の前に現れる。時を同じくして虎杖を処刑するために現れた乙骨と分け合う形となり、自身は脹相と交戦するも敗れ、計画は途絶した。真希と戦うも敗北し撤退した後、かねてより恨みを買っていた真希の母親に殺される。

禪院 扇(ぜんいん おうぎ)

直毘人の弟で真希・真依の父。特別1級術師。
長髪を後ろに結わえた壮年の男性。真希の攻撃を受け死亡。

禪院 甚壱(ぜんいん じんいち)

特別1級術師。
額に傷、ぼさぼさの髮に無精髭と荒々しい風貌の男性で直哉からは「甚爾くんと逆なら良かったのに」と挑発される。真希と交戦するも死亡。

その他

九十九 由基(つくも ゆき)

声 - 日髙のり子
特級呪術師。
飄々とした陽気な人物で、大声で笑うことがある。初対面時の男性に女の好みと話かけてくる。また、高専関係者でありながら、天元のことを呼び捨てにしている。一人称は「私」。
呪霊を狩るだけの高専の方針を「対処療法」として呪霊被害の根本的解決にはならないと考え、呪霊の発生を防ぐ「原因療法」で呪いの無い世界を作るために世界を回っている。一方で、任務を全く受けず海外を放浪する「ろくでなし」としても知られている。移動の際はバイクに乗る。
過去に当時小学3年生の東堂葵に出会い、彼が呪術師となる大きなきっかけを作った。
2007年に呪術高専を訪問した際、当時3年だった夏油と会話する。その際、非術師を守ることに疑念を感じ始めていた夏油の「(呪いのない世界を作るには)非術師を皆殺しにすればいい」という発言を「それもアリだ」とあっさり肯定した上で、彼に「『非術師を見下す自分』と『それを否定する自分』のどちらを本音にするかは君次第」と述べた。最後は夏油に「星漿体(天内理子)死亡後も、何らかの理由で天元は安定している」と伝え、高専を去った。
渋谷事変終盤、虎杖・偽夏油の前に姿を現し、部下に負傷した呪術師の保護を命じ、自身は偽夏油と交戦。過去に夏油に問うた答えの続きを尋ね問答を繰り広げるも、偽夏油一派の撤退によって決着はつかなかった。
加茂 憲倫(かも のりとし)

「史上最悪の術師」として名を残す御三家の汚点。
明治初期、自らが開いた寺に呪霊との間に生まれた子の亡骸を抱いて駆け込んできた女性に興味を持ち、その女性を利用し、後の特級呪物「呪胎九相図」を生み出した。
菅原道真(すがわらの みちざね)

日本三大怨霊の一人にして、五条家の先祖に当たる超大物呪術師。乙骨憂太も、彼の子孫に当たる。

呪詛師
夏油一派

夏油 傑(げとう すぐる)

声 - 櫻井孝宏
「最悪の呪詛師」と称される特級呪詛師。両親は非術師。五条悟のかつての「たった一人の親友」で、互いに下の名前で呼び合った。
五条袈裟を着込んだ、黒い長髪の男性。不敵な笑みを浮かべていることが多い。身長は五条(190cm以上)と同程度。
五条のように飄々として掴みどころがなく、時折相手を挑発する。
学生時代の経験から、「非術師を淘汰し、呪術師だけの世界をつくる」ことを目標に掲げており、仲間の呪術師には「家族」として暖かく接し、特に若い呪術師には、たとえ敵対関係にあっても非常に尊重した態度を示す。その一方で、非術師を「猿」呼ばわりするほど忌み嫌っており、基本的に冷淡な態度で接し(猫を被るように愛想よく接する場合もある)、協力関係にある者ですら、用済みと判断すれば躊躇無く呪殺する。
呪霊を取り込み自在に操る術式「呪霊操術(じゅれいそうじゅつ)」の使い手であり、呪霊を降伏させ球体状の呪力の塊にしたものを飲み込んで取り込む。一度取り込んだ呪霊は、媒介無しに自在に出し入れ可能であり、取り込める呪霊の数に制限は無いが、人間と主従関係がある場合はその人間を殺害する必要がある。呪霊の視界を共有することはできないが、祓われたかを感知することは可能。ただし、本人は呪力の塊を口から取り込む方法に不快感を示している。また、夏油が死亡した場合取り込んだ呪霊がどうなるかは不明で、一気に暴走する可能性がある。式神使いのように呪霊を用いた遠隔攻撃を主流の戦闘スタイルとしているが、体術も強く、近接戦闘にも対応できる。
元都立呪術高専生で、五条悟、家入硝子とは同級生。親友である五条とは高専2年の時点で共に最強として名を馳せていた。学生時代は、五条よりは良識的であり、不遜な言動や無理が絶えなかった彼の注意役でもあった。また、当初は「呪術師は非術師を守るためにある」と考えていた。
懐玉編の高専2年時(当時の階級は1級)、星漿体・天内理子の護衛の任務に五条と取り掛かり、「Q」を初めとする星漿体を狙う呪詛師達を打ち負かした。しかし、任務最終日に高専を襲撃した伏黒甚爾により天内を殺され、夏油も敗北を喫す。その後、盤星教「時の器の会」に天内の遺体を五条と引き取りに行った際、盤星教信者の拍手と笑顔を見て、非術師を守ることに疑問が生じる。
玉折編の高専3年時には特級呪術師になっていた。しかし、呪霊を取り込み続けた苦しみと非術師を守ることに対する疑念から徐々に信念が揺らぎ始め、九十九との会話で、「非術師が全て死ねば呪霊もいなくなる」という考えが生まれ、その後も後輩の灰原の死から更に信念が揺らぐ。そして、任務先の村で虐待を受けていた呪術師の菜々子と美々子と出会い、遂に「猿(非術師)は嫌い」を本音にすることを選ぶ。そして、村の住人112人を皆殺しにし、さらに「実の家族だからと特別扱いするわけにいかない」という理由で、自身の両親も殺害し、これに伴って呪術連から死刑対象に指定されることとなる。
新宿で家入と五条に「呪術師の世界を作る」という「大義」を述べて別れを告げた後、盤星教の仲介人の孔に教団幹部を集めさせ、代表役員の園田を幹部達の目の前で殺害し、盤星教を乗っ取った。その後は設立した宗教団体を呼び水に信者から呪いと金を集め、同時に「家族」と呼ぶ仲間の呪詛師も集めた。
前日譚「東京都立呪術高等専門学校」では、百鬼夜行当日に、かねてより興味を持っていた特級過呪怨霊・祈本里香を入手するために単独で都立呪術高専に侵入し、帳を降ろす。彼女が取りついていた生徒・乙骨との激戦の末に敗れ、最期はかつての親友である五条によってとどめを刺された。しかしその後、何者かが夏油の遺体を盗み出し、その肉体を乗っ取る。なお、乙骨との戦闘で用いた三節棍の特級呪具・游雲(ゆううん)は高専によって保管された。
枷場 菜々子(はさば ななこ)・美々子(みみこ)

声 - 松田利冴(菜々子)、松田颯水(美々子)
夏油一派の幹部である双子の少女で、常に二人で行動する。百鬼夜行の時点で両者とも15歳である。
菜々子は出しゃばった言動が目立つ性格で、美々子は対照的に物静かな性格。
故郷の田舎にて、呪術師であることを理由に住人たちから虐待されていたところを夏油に救われて以来、彼に心酔している。ただし、あくまで重視しているのは夏油の思想よりも夏油の人生であり、夏油を殺した五条に対しては「絶対に許さないが親友であるからそれでもいい」としている。一方で、夏油の肉体を利用している偽夏油については強い殺意を向け、彼を殺害することで夏油を解放しようとしている。
戦闘時、菜々子は自身の携帯電話に呪力を込めて相手を撮り、美々子は縄で相手の首を絞めて吊るす。作中で彼女達の呪術の詳細は明かされていないが、宿儺は菜々子の攻撃を「被写体の状態をどうこうするもの」と推測している。また、劇中で2人は漏瑚の攻撃を回避している場面があるが、これはどちらの術式によるものかは不明。
渋谷事変編では、偽夏油達と渋谷駅に同行する。五条悟封印後、偽夏油に肉体の返上を迫ったが、縛りを設けていなかった(この場合、2人は自身の頭部から脳を取り出されなければならなかった)ことを理由に拒否され、その場を立ち去った。その後、脹相との戦いの後で気絶した虎杖に宿儺の指を1本食べさせ、その後目覚めた宿儺に更なる指1本と引き換えに偽夏油殺害を懇願するが、宿儺に「不愉快」と見なされ、殺害された。
ミゲル

声 - 山寺宏一
夏油一派の幹部。
海外出身の呪術師で、夏油を王にするために彼の下についていた。夏油のことを「夏油」と呼び捨てしている。
戦闘時は、普段は腰に巻いている特殊な縄(本人曰く「母国の術師が1本につき何十年もかけて編んで作る」代物)を使う。縄には珍しい呪いが編み込まれており、五条の「無下限呪術」を乱す効果がある。
百鬼夜行では新宿で五条の足止めを担当した。その後は五条に目を付けられることになり、第33話の扉絵に、海外にいる乙骨と同行している姿が描かれている。
ラルゥ

声 - 速水奨
夏油一派の幹部。
常に上半身が裸で、ハート型のニップルステッカーとカチューシャを身に着け、顔には化粧をしている。オネエ口調で話し、夏油を含める他人を「ちゃん」付けで呼ぶ。
ミゲル同様、夏油を王にするために彼の下についていた。また仲間想いな性格で、仲間の意見を尊重し、逆に仲間(呪術師)同士の傷つけ合いは「夏油が1番望んでいない」として嫌う。
百鬼夜行後は幹部内の揉め合いを仲裁し、「各々好きなようにすればいい」と提案する。結果として一派の分裂を決めることとなったが、それでもなお別々の道を歩む一派の仲間たちを「家族」と呼び一緒に食事をするという望みを語った。
菅田 真奈美(すだ まなみ)

声 - 伊藤静
夏油一派の幹部。
スリムドレスを着た長髪の若い女性で、夏油に対する忠誠心は高く、彼同様に非術師を「汚らわしい」と蔑んでいる。
百鬼夜行では新宿で指揮を取っていた。
百鬼夜行後は、夏油の遺志を継ぐため、他の仲間たちと共に偽夏油に協力する。

羂索一派

作中で羂索が渋谷事変までに手を組んでいた呪詛師たちの一派。

羂索(けんじゃく)

羂索を参照。
裏梅(うらうめ)

裏梅を参照。
組屋 鞣造(くみや じゅうぞう)

声 - 稲田徹
偽夏油達に協力した呪詛師で、人体から道具を作ることができる。
交流会で真人と共に高専に潜入し、区画内への五条悟の侵入を防ぐ嘱託式の帳を降ろす。その後現れた楽巌寺と交戦するが、その途中で帳が解除されたことで駆け付けた五条によって拘束された。その後の尋問では、裏梅との取引の上で襲撃を命令されただけだとしか言わなかった。
なお、偽夏油は、最後まで作戦行動がとれないという理由で彼のことを見捨てている。
重面 春太(しげも はるた)

声 - 羽多野渉
呪霊達に協力する呪詛師。
サイドテールで、華奢な体格の小柄な青年。無邪気な笑みを浮かべている。
「自分が楽しければそれでいい」という理由で相手を一方的に痛めつける下衆な残忍さを持ち、特に女性を痛めつけることを好む。一人称は「俺」。
「奇跡」を貯める術式の使い手。日常の小さな奇跡(デジタル時計のゾロ目等)を重面の記憶から抹消して蓄え、重面の命に関わる局面で放出する。奇跡の多寡は目元の文様で識別出来る。なお、重面自身は自身の術式をよく分かっておらず、目元の文様に対する自覚もない。武器は鞣造が人の手から作った剣の呪具で、背後から相手を刺したり、生物のように操ったりする。本人曰く「非力」であり、その剣からも手を握ってもらっているという。
交流会編では真人らと共に交流会に潜入し、鞣造が降ろした嘱託式の帳の効果の確認を担当した。
渋谷事変編では、味方の数や配置を知らされていない上で、裏梅からの指示で渋谷駅の周辺にいる伊地知を襲撃する。その後、釘崎と新田と対峙し、彼女らを痛めつけて楽しむが、その途中で、犠牲となった伊地知らの姿を見て激怒した七海の襲撃を受ける。その後、蓄積した奇跡を消費する形で復活を果たすが、魔虚羅調伏の儀に巻き込まれた結果、宿儺の斬撃で死亡した。
粟坂 二良(あわさか じろう)

声 - 広田みのる
呪霊達に協力する呪詛師。ダルマを思わせる顔をしており、伏黒からは「ダルマ爺」と呼ばれた。
弱者の蹂躙を好む残忍な性格をしており、パワーバランスで自身を含む呪詛師の活動を制限する五条悟を畏れ恨んでおり、故に「生涯現役」を貫き通そうとしている。また、過去に五条の殺害を試みるが、その六眼故に手を出せずに終わった。
自身が受けた力の強弱を逆転させる術式「あべこべ」を使う。あべこべに出来る上限と下限があることを伏黒に見切られ、伏黒と虎杖に強い力と程々の弱い力の同時攻撃の前に敗北した。
オガミ婆(オガミばば)

声 - 唐沢潤
呪霊達に協力する呪詛師の老婆で、死者に変身する降霊術を使う。数珠を持って長い念仏を唱えた後、霊媒(自他共に有効)に化ける人物の死体の一部(遺骨等)を呑ませ、その者の名前(より出生時に近いもの)を言ってその霊を降ろす。「肉体の情報」と「魂の情報」に分けて降ろすことが可能で、肉体のみを降ろすことで霊媒の自我を保たせることが出来る。戦闘時は、念仏中は孫(声 - 綿貫竜之介)に自身を護衛させた後、彼に霊の肉体を降ろして戦闘させる。
人殺しを厭わない冷酷な人物で、30年ほど前は自身の降霊術を利用した暗殺をこなして金を稼いでおり、五条の暗殺を試みたこともあったが、その六眼ゆえに手を出せずに終わった。幼いころに誘拐して血縁を偽って育てた孫が何人かいる。
渋谷事変では、孫の一人を連れ、粟坂と二人で外側から渋谷駅周辺に術師の侵入を防ぐ嘱託式の帳を降ろす。その後、降霊術で孫に「禪院甚爾」の肉体を降ろして猪野を打ち負かす。しかし、降ろした肉体が魂を上書きしたことで甚爾が完全復活してしまい、オガミ婆は撲殺された。また、自我を奪われた孫も最終的に甚爾の自害に伴って死亡した。

その他の呪詛師

吉野 順平(よしの じゅんぺい)

声 - 山谷祥生
里桜高校2年生で、呪いを見ることができる。
映画が好きで、マイナーなB級映画や古い作品のリメイクものまで幅広く鑑賞している。自宅鑑賞よりも映画館で観ることを好み、学校をサボった際には1人で映画館に足を運んだ。また、高校1年生の時は友人2人と映画研究会を発足するが、伊藤ら不良生徒に部室を占拠されてしまい、反抗したことからいじめられ、不登校になった。そのため、「無関心こそ人間がいきつくべき美徳」と考え、真人に造り替えられ異形と化した人間を見ても顔色をほとんど変えなかったが、内心ではイジめた人間への復讐を望んでいる。一方で、母である凪への愛は非常に深い。頭はそれなりに良いが、視野が狭く、真人に殺される直前まで彼の危険性を見抜くことができなかった。
映画館で出会った真人の手ほどきで、自身の呪力から毒を精製する術式を覚え、さらにその毒を分泌する大型のクラゲの式神「澱月(おりづき)」を使役できるようになった。真人との会話で復讐への思いをより強くし、家の前で会った教師を呪おうとするも虎杖と出会い助けられ、彼と仲良くなる。別れ際の虎杖の言葉を聞いた後母のことを考え、一度は復讐を諦めようとも考えていた。だがその後、偽夏油達の策略で母が殺され、真人にそそのかされる形で伊藤に復讐すべく高校を襲撃する。生徒達を眠らせ、自身の術式の毒と暴力で虐めの主犯である伊藤を死亡寸前に追い込むが、止めに入った虎杖と戦うこととなる。戦いの中彼の必死の説得の末に改心し、虎杖に呪術高専の編入を勧められる。しかしそこに現れた真人により「無為転変」で異形の姿に変えられ、虎杖を追い詰めるための駒として利用された挙句無理な改造が祟り死亡した。なお、事件後の里桜高校では退学扱いとなった。
伏黒 甚爾(ふしぐろ とうじ) / 禪院 甚爾(ぜんいん とうじ)

声 - 子安武人
「術師殺し」の異名を持つ殺し屋で、恵の実父である。
自分が付けた実の息子の名前を忘れ、更に息子を担保に博打の資金を調達するほどに冷淡な人物である。自尊心は捨てたと自称するほど、基本的に面倒事を避ける性格で、危険を察知すると違和感を覚えてその場から逃げる。
極めて特殊な「天与呪縛」の持ち主であり、呪力を完全に持たないにも関わらず、呪縛の強化によって視覚や嗅覚などの五感が呪霊を認識できるまでに鋭くなっており、呪霊を腹に入れる等、呪いへの耐性も獲得しており、戦闘に用いる呪具は、飼いならしている3級呪霊に携帯させている。さらに、跳躍だけで五条の「蒼」の効果範囲から脱出し、「赫」により弾き飛ばされても軽傷で済むなど、常人離れした身体能力を持つ。その反面、素手で呪霊を祓うことは出来ないため、生家である禪院家では酷い扱いを受けていた。やがて家を出て行き、恵の実母となる女性に婿入りして伏黒に改姓し、息子(恵)を授かったことで一時期は丸くなった。しかし、その妻が亡くなり、恵が小学1年生の時に津美紀の母親と付き合うも共に蒸発し、以降は女を転々とするヒモとなった。
懐玉編では、盤星教「時の器の会」から3000万円の報酬で星漿体・天内理子の暗殺の依頼を受ける。最初に、天内の護衛をする五条の神経を削らせるために、同化の2日前から当日まで、闇の匿名掲示板で天内に3000万円の懸賞金をかけ、五条と夏油を賞金目当ての呪詛師達と闘わせた。
同化当日の懸賞金失効後、呪力を持たない自分が高専の結界を突破できることを利用して自ら単身で高専に奇襲し、五条や夏油を退けて天内を殺害する。盤星教に彼女の遺体を引き渡した直後、反転術式で生還した五条に敗れ、2・3年後に自分の息子が禪院家に売られること告げて死亡する。
それから10年以上後、五条が封印された際に、オガミ婆の降霊術によって彼女の孫に「禪院甚爾」の肉体の情報が降ろされるが、降ろされた肉体(禪院甚爾)が霊媒(孫)の魂を上書きしてしまい、結果的に伏黒甚爾が完全に復活してしまう。甚爾は復活直後にオガミ婆を撲殺したが、オガミ婆の死後も降霊術は継続していた。さらに禪院甚爾の特殊性故に終了する契機を失ったため、術式は暴走し、強者ただ狙う殺戮人形と化した。陀艮の領域から脱出しようとした恵達の前に現れ、彼らを圧倒していた陀艮を逆に圧倒する。その後恵と交戦する中で、彼がわが子であると理解し、彼が禅院ではなく伏黒と名乗ったことに笑みを浮かべると、自ら命を絶った。
「Q(キュー)」

天元の暴走による呪術界の転覆を目論む呪詛師集団。構成員は軍服のような服を着ている。
懐玉編で、星蔣体・天内理子の殺害を目論んだが、最高戦力であるバイエルが五条に敗北したことにより、組織は瓦解した。

過去の術師

肉体を渡る術式を持つ羂索や、彼により呪物となって、現代の人間の肉体に受肉した過去の時代の術師。

両面宿儺(りょうめんすくな)

声 - 諏訪部順一
「呪いの王」と称される特級呪物であり、虎杖に受肉する形で登場した。劇中では単に「宿儺」と呼ばれることが多い。
宿儺が肉体の主導権を握ると、全身に文様が浮かび上がり、爪は黒く鋭く伸びる。虎杖の自我を保たせたまま、顔や手に口を出現させて声を出すことも可能とする。虎杖の体内で作った生得領域では、袖の広い女性物の白い和服を着ている。
腕が4本、顔が2つの仮想の鬼神とされるが、正体は1000年以上前に実在した人間である。呪術全盛の時代に術士が総力を挙げて両面宿儺に挑んだが、敵わず敗れたと言われている。その後、計20本の指の屍蝋が特級呪物として残されたが、当時の術師達は封印することしかできず、後に散逸する。
残忍な性格で、女子供を皆殺しにするのを好み、己の快不快のみを生きる指針とする。力以外の序列を嫌い、自身が「強者」と認めた相手には強く興味を持ち、逆に「弱者」とみなした相手は一方的に痛めつけて楽しむ。虎杖を「つまらない」とする一方で、英集少年院での出来事から伏黒(特に彼の「奥の手」)に対して強い興味を抱いている。また、虎杖を言葉遊びで弄んだり、隙を見て自ら宿儺の指を食す等、狡猾な一面もある。
真人の「無為転変」の影響を一切受けないが、本人は真人に魂を触られることを嫌がる。逆に、宿儺が真人の肉体にダメージを与えることが可能である。また、肉体の主導権を握っている間は、心臓を抜き取っても生き続けることが出来る。肉弾戦が主流で、受肉直後から虎杖の肉体を使いこなしている。領域展開や反転術式も使える。
自らの領域「伏魔御厨子」を展開すると厨子のような巨大な建物が出現する。他の領域と異なり、結界で空間を分断しておらず、「相手に逃げ道を与える」という縛りにより、必中効果範囲は最大半径約200mにまで底上げされている。虎杖の体内で作った領域では、肋骨のような巨大な物体の下に水と牛の頭蓋骨が敷き詰められている。
物語当初、虎杖が呪霊を祓う呪力を得るためにその指を食したことで、彼に受肉する形で復活するも、肉体の主導権を完全に奪うことはできず、またその後に現れた五条に圧倒される。これ以降、宿儺は虎杖の体に生得領域である「伏魔御厨子(ふくまみづし)」を作り、普段はそこで息を潜め、時折肉体の主導権を行使する。
英集少年院では、虎杖の意思で一度肉体の主導権を得て少年院の特級呪霊を祓い、それが取り込んでいた指を取り込んだ。しかし、虎杖が縛りを設けていなかったことからすぐに入れ替われず、それをいいことに、虎杖の心臓を抉り取って彼を人質にした上で伏黒と交戦するが、肉体の主導権を取り戻した虎杖によって死亡する。その後、虎杖を自らの領域に引き込み、「宿儺が『契闊』と唱えたら1分間肉体を明け渡す」「(肉体を明け渡す間)宿儺は誰も殺さないし傷つけない」「この契約を(虎杖本人は)忘れる」という契約を結んだ上で蘇生させた。
渋谷事変では、脹相との闘いで気絶した虎杖が合計で11本の指を飲まされたことにより、一時的に体の主導権を握る。美々子、菜々子を殺害し、漏瑚との交戦で、パンダ、日下部、呪詛師等を巻き込んだ後に漏瑚を殺害、瀕死の伏黒を魔虚羅から救出し撃破した後に、重面春太を殺害。家入の救護テント付近に伏黒を運び、虎杖と意識を交代する。
羂索(けんじゃく)

声 - 櫻井孝宏
夏油傑の姿をした正体不明の人物で、真人達からは単に「夏油」と呼ばれている。
詳細は不明だが何かを企んでおり、そのために特級呪霊達と手を組んでいる。
本物の夏油と同様に飄々とした掴み所が無く、常に不敵な笑みを浮かべているほか、大声で笑うことがある。ただし、非術師を「猿」と呼ばない、術師をぞんざいに扱うなど、本物とは異なる言動も見られる。また、呪霊と手を組んでいながら、内心では呪霊を見下しており、逆に本人も漏瑚から軽んじられている。
脳を入れ替えて他人の肉体を乗っ取る術式を使っており、額には脳を入れ替えた際の縫い目がある。縫い目を解いて頭の上部を外すことで脳を露にできる。乗っ取った肉体に刻まれた術式も使えるため、夏油の「呪霊操術」も使っている。
一方で、入れ替え後の羂索の脳には生前の夏油の肉体の記憶が流れている。さらに、五条が夏油本人に向けて言葉を投げかけた際、羂索の意思に反し、あたかも夏油本人が返事をするかのようにその右手が首を強く締めた。これらのことから、真人が「魂は肉体の先に在る」としているのに対し、羂索は「肉体は魂であり魂は肉体である」と考えている。
百鬼夜行後、夏油の呪霊操術と五条との関係に目を付け、夏油の肉体を乗っ取る。本人曰く「五条が家入に遺体の処理をさせなかったおかげで楽に乗っ取れた」とのこと。
虎杖死亡後、呪霊の漏瑚達と手を組み始め、「人間を滅ぼし、呪いの世界を作る」ことを目標に掲げる彼らに、「五条悟の封印」と「両面宿儺の引き入れ」を提言する。その後、2018年10月31日に渋谷で五条を封印する計画(渋谷事変)を立て、その準備に入る。その際、本人は高専関係者から身を隠すため、戦闘や呪術の使用はせず、呪霊や呪詛師の指揮に専念した。渋谷事変当日に特級呪物・獄門疆を用いて五条を封印する。
渋谷事変終盤、虎杖との戦いに敗れ瀕死の真人の術式を抽出し吸収する。その後、反旗を翻した脹相によってその正体が「史上最悪の術師」加茂憲倫である事が看破される。虎杖や九十九たちと交戦を続けた後に獄門疆を持ったまま撤退した。その後は日本の全人類の進化のため、天元と人類の同化を画策し、その前段階として、自分が契約した呪物や術式を与えた者たち同士の殺し合い「死滅回遊」を開始する。
虎杖たちが高専に戻って薨星宮で天元と接触した際に「羂索」という名前と、彼が1000年前から存在している術師であることが明かされた。
夏油の肉体を奪う以前には、虎杖の母親である虎杖香織の肉体に宿っており、彼女の術式である反重力機構(アンチグラビティシステム)も使用できる。この事実から、実質的な虎杖の母親だったことが確実視されている。
裏梅(うらうめ)

声 - 斎賀みつき
羂索達に協力する呪詛師で、鞣造に取引を持ち掛け、交流会の開催期間にある高専の襲撃を命令した。
羂索や宿儺と同様に千年前の術師であり、宿儺の従者かつ専属の料理人を務めていた。宿儺への忠誠心は高く、自分以外の他者を顧みることのない宿儺からも認められるほど有能。渋谷事変編では宿儺と再会し、会話を交わしている。氷を顕現させる術式氷凝呪法(ひこりじゅほう)を用いる。

死滅回遊参加者

日車 寛見(ひぐるま ひろみ)

死滅回遊の参加者。参加結界は東京第二。
術式を覚醒されたタイプ。本業は弁護士。36歳。
ボサボサした頭に三白眼、スーツが特徴。T大出身。法学部受験や法科大学院導入前の旧司法試験といった難関受験を全てストレート通過してきた。59期盛岡修習を経て、現在は岩手弁護士会に所属している。
鹿紫雲 一(かしも はじめ)

死滅回遊の参加者。参加結界は東京第一。
400年前の過去の術師。かなり好戦的な性格。
レジィ・スター

死滅回遊の参加者。参加結界は東京第二。

呪霊
主要な呪霊

作中で登場する呪霊の中でも、主人公達と特に深い関係にある。

祈本 里香(おりもと りか)

声 - 花澤香菜
憂太に取り憑く特級過呪怨霊(とっきゅうかじゅおんりょう)。「呪いの女王」とも称される。
元々は乙骨の同級生で婚約者の少女で、2011年に交通事故で亡くなったが、その後すぐに呪いに転じ、乙骨に取り憑いた。享年11歳。
元は愛らしい少女だったが、呪いと化してからはその面影さえない醜悪かつ凄惨な容貌となり、その性格も、乙骨に危害を加えた人物に躊躇なく制裁を下すほど凶暴になった。制裁の際、乙骨の制止は一切聞いておらず、乙骨を守りながらも、高専に入るまでの彼の制御下にはなかった。嫌いなものは乙骨以外の人間(特に女性と年上男)で、大嫌いなものは祖母の作った茄子の煮浸し。
5歳の時、母親が原因不明で急死した。小学校入学の2日前、父親に登山に連れられ共に行方不明になる。1週間後、山頂近くの避難小屋で里香だけが保護されるも、父親はそのまま失踪し生死不明。検査入院した病院で、肺炎で入院していた憂太と出会い、同じ小学校に復学。その際、母の結婚指輪を盗んで彼に婚約指輪として贈った。里香を引き取った父方の祖母は、自分の息子とその妻は里香によって殺害されたと強く思い込んでいた。生前、憂太の妹とは友好関係を築いていたが、死後怨霊になってからは攻撃的になり、憂太が家族と離れるきっかけになった。
呪いとなってからも真希に嫉妬の矛先を向けるなど、乙骨に激しく執着していたため、当初は呪いに転じたのは彼女の過ぎた愛と執着によるものだとされていた。
乙骨の「最愛の人の魂を抑留する縛り」という縛りから、変幻自在で底なしの呪力を持ち、それにより乙骨の「底なしの呪力」と「無条件の術式模倣」が実現している。乙骨とは彼の婚約指輪で繋がっており、呪力の媒介にも用いられる。五条や、呪術界の上層部からはその強大さを危険視されていた。
2016年12月24日の百鬼夜行では、乙骨と共に夏油と激戦を交え、勝利を収める。戦いの後、里香が乙骨に呪いをかけたのではなく、乙骨が里香への執着心から呪いをかけて彼女を怨霊にしていたことが判明し、呪いをかけた乙骨が主従制約を破棄したことで解呪が実現した。最終的に、彼女は本来の姿を取り戻し、感謝を述べた後は笑顔で成仏した。

呪霊の集団

真人(まひと)

声 - 島﨑信長
人間への恐れから生まれた未登録の特級呪霊で、人語を解す。
髪が長く、身体中継ぎ接ぎだらけの青年のような姿をしている。
子供のような明るさを持ち、時には人間にも親密に接するが、その本性は冷酷非情で、人間を玩具程度にしか考えていない。後述の術式で、人間の魂を見て直接触れることができ、それ故に「魂は肉体の先に在る」(これは彼の術式の大前提でもある)「人間の喜怒哀楽や感情は全て魂の代謝物にすぎず、命に価値や重みは無い」という持論を掲げる。また、「軸や一貫性に捕らわれずに、偽りなく欲求の赴くままに行動するのが呪い」とした上で、「呪いは呪いらしく生きるべき」という考えを持ち、合理的な目標達成の為に、自己犠牲を厭わない漏瑚や感情的に楽しまない花御の思想にやや否定的な態度をみせる。発生してから日が浅く、呪霊としては未熟な面があるものの、成長速度は凄まじい。
生物の魂の形を変えて対象の肉体を自由に変形・改造する術式「無為転変(むいてんぺん)」の使い手。この術式で相手の脳を圧迫して殺害したり、「改造人間」とよばれる化け物じみた姿にして使役することもできる。また、自身の魂の形を正確に把握すれば、自身の肉体を自由に変形させることもできる上、肉体にどれだけ攻撃されても、自身の魂に直接攻撃されない限り呪力さえ残っていれば即座に肉体を再生できる。ただし、発動条件として原型の手で相手に触れる必要がある。また、自身の形を変える直前には呪力のタメがあり、その隙に連撃されるとダメージを受ける。さらに、魂へのダメージが肉体にも反映される上、両面宿儺の様に本人より格上の魂に干渉することは出来ない。その性質上、宿儺の器・虎杖悠仁と相性が悪く、真人にとって虎杖は天敵にあたる。生得領域である「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」を展開すると、術式の必中効果により無為転変の弱点である射程の狭さが解消される一方、領域展開で消費した呪力の回復には10日間かかる。
虎杖死亡後、漏瑚らと共に偽夏油と手を組み始める。幼魚と逆罰編では、自分の術式で生きた人間を生きたままどの程度弄れるか確認する「実験」を繰り返しており、川崎市の映画館で、マナーの悪い高校生を殺害した際、その一部始終を見ていながら敢えて声をかけてきた順平に興味を示した。順平に対し呪術を教えるなど親切に振る舞うが、内心では何ら思い入れが無く、ただの玩具としてしか考えていなかった。その後、母を喪った順平を唆し里桜高校でイジメの主犯格を襲わせた後、虎杖に敗北して改心しようとした順平を術式で殺害する。だが、虎杖との戦いの中で、宿儺の魂に触れたことが本人の癪に障り、撃退される。
高専で交流会が行われる間、校内に保管していた宿儺の指と呪胎九相図1番〜3番を奪取し、受肉させる。その後、彼ら3人のうちの壊相と血塗に、八十八橋にある宿儺の指の回収を言い渡す。その後の渋谷事変編では電車の乗客を改造人間にして五条の元へと向かうが、五条によってすべて破壊される。 改造人間 真人に無為転変で改造・使役化された人間。真人は普段、縮小化したものをストックしている。 呪霊の様に呪力を宿す異形で、真人の指示に従って人間を襲う。元が人間であるため、非術師にも視認される。稀に自我をやや保っている個体も存在し、彼らは苦しみを訴えている。一度改造された人間は二度と戻ることは無く、対峙したら殺すしかない。 また、2体以上の改造人間を融合させる「多重魂(たじゅうこん)」という技を持ち、それによって発生した拒絶反応を利用し、魂の質量を爆発的に高めて相手に放つ「撥体(ばったい)」と呼ばれる技へと発展させることもできる。
改造人間

真人に無為転変で改造・使役化された人間。真人は普段、縮小化したものをストックしている。
呪霊の様に呪力を宿す異形で、真人の指示に従って人間を襲う。元が人間であるため、非術師にも視認される。稀に自我をやや保っている個体も存在し、彼らは苦しみを訴えている。一度改造された人間は二度と戻ることは無く、対峙したら殺すしかない。
また、2体以上の改造人間を融合させる「多重魂(たじゅうこん)」という技を持ち、それによって発生した拒絶反応を利用し、魂の質量を爆発的に高めて相手に放つ「撥体(ばったい)」と呼ばれる技へと発展させることもできる。
漏瑚(じょうご)

声 - 千葉繁
大地への恐れから生まれた未登録の特級呪霊。
1つ目の小柄な男性の人型。頭頂部は火山の様になっており、常に耳栓をしている。人語を解している。
正の感情(建前)を表に出して負の感情(本音)を隠して生きる人間を「紛い物」と呼び、その負の感情から生まれ落ちた呪いこそが真の人間であるという考えの持ち、故に人間を滅ぼすべき存在とみなしている。また、「死すら恐れず目的のために裏表の無い道を歩むことが呪いの真髄」としており、必要とあらば自身を犠牲にすることを厭わない。呪物を蒐集する趣味を持つ。
火炎や火山を生み出し操る術式の使い手である。また、我が強く、非常に短気で激情しやすい性格をしており、感情が昂ると、頭頂部と耳から高熱を噴出する。
虎杖死亡後、花御らと共に偽夏油と手を組みはじめる。だが、偽夏油からの忠告を無視して単身で五条の殺害を試みるも失敗し、首だけの姿にされたところを花御らによって救出される。これ以降は、宿儺が自分達の敵になりうるリスクを踏まえた上で、虎杖に宿儺の指を呑ませて宿儺を復活させることを目論んでいる。
渋谷事変で五条が封印された後、宿儺を復活させるべく、自分が所持していた宿儺の指10本を虎杖に呑ませ、宿儺を目覚めさせる。その後「1発でも当てられたら呪霊の下に着く」という条件の下で宿儺と交戦するが敗北して死亡した。
花御(はなみ)

声 - 田中敦子
森への恐れから生まれた未登録の特級呪霊。人語を解してはいるが、漏瑚や真人と異なり「何を言っているかは分からないのに内容は頭に入る」独自の言語体系を確立しており、漏瑚や伏黒からは気色悪がられている。一人称は「私」で、誰に対しても丁寧口調。五条からの呼び名は「雑草」。
冷静かつ紳士的な性格で、呪霊の中でも理性的な存在。自然を何よりも愛し、星(地球)を守ることを目的としている。そのため、自然に優しい人間の存在を認めつつも「自然と人間の共存は不可能」として、人間を滅ぼさなければならないと考えている。また、当初は戦闘を「目的達成のための手段」としかしておらず、感情的に楽しんでいなかったが、真人の指摘や虎杖・東堂との激戦を経て、楽しめるようになった。
植物を生み出し操る術式の使い手であり、多様な植物を用いて相手を直接攻撃したり、心理戦と併用して相手の不意をつくことを得意とする。耐久力が非常に高い反面、「目」に相当する小さい樹が弱点である。
また、植物に潜り込める特殊な気配を持っているため、五条は「限りなく精霊に近い存在」と推測し、交流会で呪霊・呪詛師が高専の結界を抜けられたのは彼の存在によるものと考えている。
さらに、左肩には「供花」(くげ)と呼ばれる目玉のついた花があり、左腕で周囲の植物の命を呪力に還元することで、開花させたうえで、その呪力を放出することができる。本人はこの技を使うことに消極的であり、本気で戦う場合を除き、左腕は常に布で覆っている。
虎杖死亡後、漏瑚らと共に偽夏油と手を組みはじめる。渋谷事変編では渋谷駅で漏瑚・脹相と共に五条と交戦するも敗死する。
陀艮(だごん)

声 - 三宅健太
海への恐れから生まれた未登録の特級呪霊であり、虎杖死亡後に偽夏油と手を組み始める。
2本の筋肉質の腕を持つタコのような姿をしており、頭から布を被っている。また、「ぶふぅー」と鳴き、言葉をあまり話さない。臆病ながらも仲間想いな性格である。
水を生み出し操る術式の使い手であり、伏黒の式神「満象」を遥かに上回る大量の水を用いて相手を押し流したり、水没させたりできるほか、防壁としても活用できる。非常に高い体力を持ち、並大抵の攻撃では弱まらない。翼を得てからは滞空も可能になった。また、呪胎の時には大量の人間を捕食していた。「蕩蘊平線(たううんへいせん)」という領域を有しており、展開するとビーチのような光景が広がる。また、この領域では、「死累累湧軍(しるるゆうぐん)」という、どう猛な魚の式神を大量に召喚する術式を発動できる。
実は偽夏油と出会った時の姿は呪胎であり、渋谷事変の最中に変態を遂げ、体表が赤く顎髭のような触腕とコウモリのような翼を持つ大柄な人型となった。変態後は性格が勇ましくなっているほか、流暢に人語を話すようになった。「呪霊にも名前がある」として、本名で呼ばれることに拘りを持ち、「呪霊」と端的に呼ばれることを嫌う。
この姿で直毘人、七海、真希の3人を相手に闘っていたところ、伏黒の登場により劣勢に立たされ、次いで現れた禪院甚爾の襲撃を受けて死亡した。
名前はダゴン、容姿はクトゥルフ。

呪胎九相図(じゅたいくそうず)

明治の始め(約150年前)、史上最悪の術師・加茂憲倫が呪霊の子を孕む特異体質の女性に懐妊と堕胎を9回繰り返す形で生み出された存在であり、九相図になぞらえる形で個体名が付けられている。 後に特級呪物として高専で保管されるが、交流会で真人が1番〜3番を奪取し、人間に受肉させたことで脹相・壊相・血塗が復活した。なお、この3名以外にも未受肉の個体が存在する。 彼らは人間に特に恨みは無いが、「呪霊が描く未来の方が自分たちにとって都合がいい」という脹相の考えから、受肉の恩を忘れた上で偽夏油達に協力しているものの、呪霊たちに対する信頼は無い。 九相図は全員母親の記憶は無いが、互いに深い兄弟愛を持っている。また、全員が自身の血液を用いる術式を持ち、さらに呪力を血液に変換できる特異体質であるため、失血死しない。

脹相(ちょうそう)

声 - 浪川大輔
呪胎九相図1番で、長男にあたる。
髪を結い、厚手の和服を着た男性で、鼻筋の部分には横長の黒い長方形の模様がある。兄弟の中で最も人間に近い姿をしている。
基本的に無頓着な表情を見せ表情をほとんど崩さないが、弟達を最優先に考えるほど兄弟愛が深く、壊相・血塗に対しても「俺達は3人で1つだ」と発言している。
御三家・加茂家相伝の術式「赤血操術(せっけつそうじゅつ)」と肉弾戦を併用した戦法を取る。この術式の一つである「苅祓」(かりばらい)は、鼻の黒い部分と手から血液を排出・操作して相手を攻撃するものであり、非術師の身体を容易く切断・貫通するほどの威力を持つ。ただし、通常時に体外操作している血液は凝固反応がない故に水に溶けやすく、逆に血液を凝固させると威力が低くなる上に突発的な血栓症になるリスクもある。一方で、血星磊」(けっせいせき)は、血栓症のリスクを逆手に取る形で、凝固させて水に溶けにくくした血液の塊を用いる技となっている。また、呪霊と人間の混血という特性から、彼の血は呪霊や人間にとっての毒となり、反転術式で傷を治療されても毒によって相手を弱体化できる。さらに術式によって自分の血の繋がった兄弟たちの異変を感じ取ることができ、後述のように虎杖の異変を術式にて感じ取ったことにより、逆説的に虎杖が自分の弟であると確信している。
交流会編で真人に回収され、起首雷同編で人間に受肉した。
八十八橋で壊相と血塗を虎杖・釘崎に殺害されてからは、弟の仇である2人への復讐(殺害)と高専に保管されている他の弟達の回収を目論んでいる。
渋谷事変編では、渋谷駅で漏瑚・花御と共に五条と交戦する。しかし、花御が死亡した後ですら、漏瑚に「協力しなければ貴様から殺す」と怒鳴られるほどにやる気を出さず、五条からも「攻撃の優先順位は低い」と見なされ、領域展開を除く彼の攻撃も一切食らわなかった。
五条悟封印後に虎杖捜索を開始し、駅構内で彼と交戦する。激戦の末に虎杖を気絶させるが、トドメを指そうとした瞬間、虎杖が弟であるという存在しない記憶に戸惑い、逃走する。
その後、偽夏油の正体が自分たちの産み出し弄んだ加茂憲倫である事を看破。同時に自身の術式の特性により血の繋がりを感じた虎杖を加茂憲倫によって産み出された自身の弟であるとみなし、虎杖との戦いに仕向けた偽夏油に激昂し反旗を翻す。渋谷事変終結後は虎杖を守るべく、彼と行動を共にしている。
死滅回遊では、虎杖への刺客として現れた禪院直哉と交戦し彼を撃退。その後乙骨や伏黒と合流した虎杖と共に高専に赴き、さらに合流した九十九由紀と共に天元のいる薨星宮へ赴く。そこで加茂憲倫と呼ばれた術師の正体とその目的を知り、天元の要請に従い九十九と共に天元の護衛として薨星宮に残る。

壊相(えそう)

声 - 檜山修之
呪胎九相図2番。次男。
筋肉質でモヒカンの男性で、裸体の上に女性物のボディハーネスを身につけている。背中に不気味な顔があり、そこから発する臭いと相まって、本人のコンプレックスになっている。しかし、隠すと蒸れるので露出しており、背中を見られると、「バチ殺し」と称して見た対象を殺そうとする。
紳士的な振る舞いに加え、兄弟愛が深い。一方で、激怒すると口調が荒くなる。
自身の血液を相手に浴びせて腐蝕させる術式「蝕爛腐術(しょくらんふじゅつ)」の使い手。血液は有毒で、浴びた物体はすぐに腐蝕し、人間の場合、全身に浴びない限りは死ぬことは無いが一部だけでも激痛を伴う。ただし、自身の血液を使う性質上、釘崎の「芻霊呪法」と相性が悪く、腐蝕箇所に「共鳴り」をされると心臓にダメージを負う。また、この術式で三男・血塗と繋がっており、血液を通じての「共鳴り」のダメージは両者とも同時に受ける。
受肉後、真人らに頼まれた「お使い」として、血塗と共に宿儺の指を回収しに八十八橋に出向き、八十八橋の特級呪霊の生得領域を出た虎杖と釘崎と交戦の末に死亡する。
血塗(けちず)

声 - 山口勝平
呪胎九相図3番。三男。
呪霊のような異形。手足が生えた青い肉塊のような姿をしていて、小さい顔の下に大きな口がある。常に顔や大きな口から血を垂らしている。
弱者と遊ぶことを好む。弟として、兄である脹相と壊相のことを慕っている。
「蝕爛腐術」の使い手であり、前述の大きな口から血液を吐いて相手に浴びせるが、壊相のものより毒性は低く、浴びるだけでは腐蝕がおこることはない。なお、壊相同様に「芻霊呪法」とは相性が悪い。また、この術式で次男・壊相と繋がっているため、血液を通じての「共鳴り」のダメージは両者とも同時に受ける。
受肉後、真人らに頼まれた「お使い」として壊相と共に宿儺の指を回収しに八十八橋に出向き、八十八橋の特級呪霊の生得領域を出た虎杖と釘崎と交戦の末に敗死する。

一般人
主要人物の親族・友人

虎杖 倭助(いたどり わすけ)

声 - 千葉繁
悠仁の祖父にして、育ての親にあたる。物語開始時点で入院していたが、見舞いに来た虎杖との会話中に死去する。
虎杖曰く「短気で頑固」な性格で、故に入院中に見舞いに来ていたのは孫の虎杖だけだったらしい。口が悪い上に、虎杖が小学6年生の時には彼に自身の代打ちをさせるほどのろくでなしである一方、見舞いの度に花を買ってくる虎杖に「貯金しろ」と小言を言うなど孫を思いやる一面もあり、虎杖からも慕われていた。
彼が最期に言い残した「オマエは強いから人を助けろ」「大勢に囲まれて死ね」という遺言は、虎杖が「正しい死」について考え、呪いとの戦いに身を投じる覚悟を決めるきっかけとなる。
伏黒 津美紀(ふしぐろ つみき)

声 - 早見沙織
恵の一つ年上の義姉。小学2年の時に恵の父親(甚爾)と津美紀の母親が付き合うも蒸発し、それ以降、恵と2人で暮らしている。
「誰かを呪う暇があったら大切な人のことを考えたい」という考えを持つ。弟想いであり、中学時代に暴力が絶えなかった恵を叱責していた。
高校1年生の時に八十八橋へ肝試しに行ったことで呪われてしまい、それ以降寝たきりの状態である。
沙織ちゃん(さおりちゃん)

声 - 末柄里恵
釘崎の友人。作中に登場。
釘崎曰く「お人形さんみたいに可愛くて聖母みたいに優しかった」少女。釘崎が小学1年生のころ、東京から釘崎が生まれた田舎の村に引っ越すが、村では現地の子供の「田舎者を馬鹿にしている」という被害妄想を理由に虐げられていた。釘崎とは、彼女にお菓子を手作りすると言った親しい仲を築いていたという。釘崎は高専入学後も、彼女を心の拠り所としている。
小沢 優子(おざわ ゆうこ)

声 - 愛美
虎杖の中学時代の同級生。
当時は低身長の肥満体で、虎杖の好みのタイプと違うが、「字と魚の食べ方がきれい」という理由で彼の好きな女子として名前を挙げられており、本人も彼に淡い恋心を抱き、中学の卒業式で虎杖と写真も撮っている。高校入学と共に仙台から東京へ引越し、環境変化のストレスで長身化と減量に成功する。
八十八橋の事件後、偶然釘崎達に出会い、彼女達に恋愛相談をした上で虎杖と再会する。虎杖は痩せて別人のようになっても、彼女を小沢だと認識した。結局虎杖に想いを伝えるには至らなかったが、彼らと分かれる際、釘崎と連絡先を交換した。

杉澤第三高校の関係者

心霊現象研究会(オカルトけんきゅうかい)

虎杖が所属していた部活。通称「オカ研」。部員は虎杖を含めて3人であり、遊んでばかりでろくな活動報告をしていないとして、生徒会長(声:中島ヨシキ)からは煙たがられている。
心霊スポットを探索したり、部室(家庭科準備室)でこっくりさんをしたりしている。
佐々木(ささき)

声 - 伊瀬茉莉也
オカ研の2年生の女子。心霊現象は好きだが怖がりで、虎杖がいないと心霊スポットにはいけない。
物語当初、虎杖から宿儺の指を借り受け、深夜の学校で封印を解いてしまう。そのせいで宿儺の指ごと呪いに取り込まれかけるが、虎杖によって間一髪で救出された。
井口(いぐち)

声 - 鷲見昂大
オカ研の2年生の男子。佐々木と同じく怖がりで虎杖がいないと心霊スポットにはいけない。
物語当初、佐々木と共に、宿儺の指に引き寄せられた呪いに襲われ、頭に食らいつかれてしまう。その後救出され、一命を取り留めた。

高木(たかぎ)

声 - 杉村憲司
杉沢第三高校の陸上部顧問。
虎杖の身体能力に目をつけ、陸上部に入部させるため勝手に入部届を書き換えた。その後、虎杖と砲丸投げで勝負をし14mの記録を出すが、虎杖が30m弱先のサッカーゴールに球を食い込ませるという非常識な実力を見せたため、呆然とすることになる。

里桜高校

吉野 凪(よしの なぎ)

声 - 野田順子
順平の実母。若々しい外見で、愛煙家。高校へ行くことを嫌がる息子を厭わず受け入れるなど懐が深く、順平からの愛情も深い。初対面だった虎杖ともすぐに親交を深め、酔った勢いでモノボケを披露させるなど自由人的な一面を持つ。
幼魚と逆罰編で登場。順平と仲を深めた虎杖を夕食で持て成す。その夜、虎杖達が映画に行っている最中に自宅のリビングに置かれた宿儺の指を発見するが、直後に引き寄せられた呪いによって惨殺される。順平が里桜高校で引き起こした事件が収束した後、拙く防腐処理された遺体が指と共に高専関係者によって発見された。

盤星教「時の器の会」→夏油の宗教団体

園田 茂(そのだ しげる)

声 - 咲野俊介
盤星教の代表役員であり、教団の信者として天元を絶対視しており、天元が暴走して人間社会が立ち行かなくなったとしても、「星と共に堕ちるのならば已む無し」としている。
懐玉編では、伏黒甚爾に3000万円の報酬で星漿体・天内理子の暗殺を依頼し、星漿体の遺体を自身に渡した彼に報酬を渡した。
玉折編で夏油に呪殺され、彼に組織を乗っ取られた。
孔 時雨(コン シウ)

声 - 安元洋貴
盤星教の仲介人である韓国籍の男性。元刑事。
伏黒甚爾とは、彼が婿入りする前からの仲で、過去に彼に何度か仕事を依頼しており、恵のことも知っている。ただし、「ろくでなし」の彼と関わるのは「仕事か地獄でだけ」と決めている。
懐玉編では盤星教と伏黒甚爾の仲介を担当し、闇の匿名掲示板で天内理子に懸賞金をかけたり、彼女の世話人の黒井を拉致したりした。
玉折編では夏油の依頼を受け、盤星教の幹部を収集した。

星漿体の関係者

天内 理子(あまない りこ)

声 - 永瀬アンナ
2006年に呪術高専2年だった五条と夏油が護衛任務を担当した少女。14歳、廉直女学院中等部2年(当時)。
天元と適合する人間「星漿体」であるため、天元との同化阻止を目的とする、呪詛士集団「Q」及び盤星教"時の器の会"に命を狙われていた。
両親は事故で亡くなっており、世話係である黒井美里(声 - 清水理沙)とは家族のような関係にある。
学生時代の五条と夏油と出会った当初は自分と天元を同一視するようなふるまいをしていたが、心のうちでは生きることへの渇望があった。時の器の会の依頼を受けた甚爾により殺害される。

用語
呪い

人間から流れ出た負の感情や、それから生み出されるものの総称。作中で、日本国内での怪死者・行方不明者は年平均1万人を超えており、そのほとんどが呪いによる被害とされている。

呪霊

人間(非術師)から漏出した呪力が澱のように積み重なったことで形を成したモノ。

人間を襲う危険な存在という点では共通しているが、その姿形や習性は個体によって多種多様である。基本的に知性は低いが、人間と変わらぬ知性を持つものも存在する。また、怪談や妖怪など、共通認識のある畏怖のイメージから生まれた呪霊は仮想怨霊(かそうおんりょう)、死後呪いに転じた人間の魂は怨霊と呼ばれている。

学校や病院のような大勢の思い出に残る場所は負の感情の受け皿となり、呪霊が発生しやすい。

呪力をほとんど持たない人間は呪霊を祓うことができず、個人差もあるが基本的に見ること・触ることもできない。また、力の強弱に関わらず、呪力を伴わない攻撃はどれほど受けてもダメージを負わないが、呪力を伴う致命的な攻撃をされると消滅する。ただし、両面宿儺や呪胎九相図のように、呪物化した後に人間に受肉したものは死亡しても消滅しない。

呪術界では、その呪力量や戦闘力に応じ、以下のように4級〜1級・特級に等級分けしている。人口(流れ出る呪力の量)の差により、地方と比較して都会の呪いは狡猾である。呪霊の発生は日本に一極集中しており、日本国外での発生例は極端に少ない。

特級
呪霊の最上位の等級。高専が登録しているもので16体存在するとされる一方、真人のように未登録の特級呪霊も存在する。
特級呪術師になることで初めて対等に闘って祓えるとされるほどの呪力・戦闘力を持ち、個体によっては人間と変わらぬ知性を持つ。呪力が無い通常兵器が呪霊に有効と仮定した場合、その威力は「クラスター弾での絨毯爆撃と同等」とされている。一方で、特級以上の階級が無いため、特級同士で大きな実力差が出ることもある。
1級(準1級)
1級呪術師・準1級呪術師が祓えるとされる等級。呪力が無い通常兵器が呪霊に有効と仮定した場合、「戦車でも心細い」とされている。
人語を操る個体は準1級以上と見積もられる。
2級(準2級)
2級呪術師・準2級呪術師が祓えるとされる等級。呪力が無い通常兵器が呪霊に有効と仮定した場合、「散弾銃でギリギリ倒せそうな程度」とされている。
また、蝗GUYのように、準1級相当の力はあるが術式を持たない個体が2級に等級分けされるケースもある。
3級
3級呪術師が祓えるとされる等級。呪力が無い通常兵器が呪霊に有効と仮定した場合、「拳銃があると心強い」とされている。
4級
呪霊の最下位の等級。
4級呪術師が祓えるとされる。呪力が無い通常兵器が呪霊に有効と仮定した場合、「木製バットで倒せる」とされる。
蝿頭(ようとう)
4級にも満たない低い等級の呪霊で、手のひらや肩に乗る程度のサイズの個体が該当する。

呪術師

呪術を使う人間で、呪霊を祓うために暗躍する。呪術師になれる人間は非常に限られており、社会的にはマイノリティな存在。略称は「術師」。

天与呪縛の例を除き、その全員が呪霊を視認し祓えるほどの呪力を体に宿している。戦術は各々によって多種多様。

術式行使による呪力の消費量や容量の差はあるものの、非術師に比べて呪力の漏出が極端に少なく、その呪力から呪霊が生まれることは無い。ただし例外として、術師自体が死後呪いに転じる場合があり、それを防ぐ為に、術師を殺す際は呪力を伴う攻撃をしなければならないとされる。

秘匿死刑の実行、任務先に関する情報は全て開示される等、様々な越権が許されている一方、原則として非術師(一般人)を呪殺することは禁じられており、破った者は呪術規定9条に基づき「呪詛師(じゅそし)」に指定され、処刑対象となる。

呪霊の中に見られていると気付いた瞬間に襲ってくる個体が存在するため、サングラスや眼鏡等で視線を隠す者が多い。

実力に応じて4級〜1級・特級に階級分けされており、同じ階級の呪霊と比較した際は、呪術師の方が強い(2級呪術師の場合、2級呪霊を祓うことができて当たり前のレベルで、その実力は1級呪霊に近いものとされる)。そのため、高専関係者の呪術師には、基本的には自らの階級以下の呪霊に関する任務が割り振られる(2級以下は2人以上で任務を割り当てられる)。なお、階級はあくまで術師としての実力を表すものであり、階級が高いほど、高専における権力が高いというわけではない。大抵の術師は2級や準1級で頭打ちになるため、1級に辿り着ける者は少なく、危険・機密・俸給も準1級以下よりも1級の方が高い。そのため楽巌寺は、1級を「規格外の特級に変わって他の呪術師・呪術界を牽引していく存在」と考えている。また、2級呪術師は、高専1年でも術師としての単独活動が許される。

昇級するには推薦が必要だが、教師は受け持ちの生徒を推薦出来ない。推薦された後は、現役の1級または1級相当の術師とともに任務を遂行し、適正アリと判断されれば準1級へと昇格する。その後、単独での1級任務に指名され、任務の結果によって正式に1級へと昇級できる。

呪術

呪霊を祓うための戦術であり、使用すると残穢(ざんえ)と呼ばれる呪力の痕跡が残る。呪術師だけでなく、一部の呪霊も使用する。

呪術は多種多様で、術師の数だけ祓い方があると言われる。また、呪術においては、「縛り」(しばり)と呼ばれる制約を設ける必要があり、破った場合は何らかの罰を受ける。縛りの中には、まれに自分の意思とは関係なく先天的に身体に課されるものもあり、このような縛りは天与呪縛(てんよじゅばく)と呼ばれる。天与呪縛の代償は大きい反面、強大な力を得られる。また、利害関係によって他者ととともに縛りを課すこともある。

呪力(じゅりょく)
人間の負の感情から生まれる「負のエネルギー」。呪霊の体も呪力で構成されている。
呪力をほとんど持たない人間は、呪霊を祓うことが出来ず、個人差もあるが基本的に見たり触れることが出来ない。また、呪力の有無はほぼ生まれつきで、後天的な作用はほとんどない(虎杖は呪物である宿儺の指を取り込むことで、例外的に呪力を手に入れた)。呪術師の身体の中では、臍を起点に流れ廻っている。呪力の媒介には、呪符(じゅふ)と呼ばれる札が用いられ、呪物の封印等に使われる。

黒閃(こくせん)
打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生まれる空間の歪み。「黒閃」という呼び方は空間の歪みが生じると呪力が黒く光ることから由来する。
威力は通常の攻撃の2.5乗であるが、狙って出せる術師は存在しない。ただし、一度黒閃を出せば術師はゾーンの状態に入り、その日の内は連続して黒閃を出すことが容易くなる。
黒閃を経験することで、呪力が呼吸のように自然にめぐり、自分中心に立ち回っているかのような感覚を覚え、自らの呪力の性質を真に理解できる。そのため、黒閃を経験した者としていない者には、呪力の核心との距離に大きな差が生じる。

術式

呪力を流して発動する特殊能力であり、生得術式(しょうとくじゅつしき)と結界術(けっかいじゅつ)の2種類がある。 呪力を「電気」に例えると、術式は電気を流して使用する「家電」に当たる。術式の有無や向き不向きは、生まれつきで決まる。作中では、術式に対して「呪術」という単語が用いられることが多く、作中で単に「術式」と言う場合、術師が先天的に持つ生得術式を指す。生得術式のうち、「術式順転」(じゅつしきじゅんてん)は、「負のエネルギー」である通常の呪力を流して発動する。これに対し、「反転術式」(はんてんじゅつしき)は、本来「負のエネルギー」である呪力を掛け合わせることで「正のエネルギー」を生み出す高等な呪力操作であり、名前に「術式」とあるが、術式では無い。この「正のエネルギー」によって、人間を治癒することができる。ただし、習得するのは非常に困難で、治癒の規模にも個人差がある。また、この「正のエネルギー」を流して発動させる術式は、「術式反転」(じゅつしきはんてん)と呼ばれており、「順転」とは逆の効果を生み出す。術式順転と術式反転の複合させることで、「虚式」(きょしき)」と呼ばれる術式が出来上がる。これとは別に、「拡張術式」(かくちょうじゅつしき)と呼ばれる術式も存在する。術式は遺伝することがあるため、一部の術師の家系では、強力な術式を「相伝の術式」(そうでんのじゅつしき)として後世に継いでいる。

式神(しきがみ)は、術師の呪力で構成された化身であり、使い手の指示に従って相手を攻撃し、術式を解除すると消滅する。生得術式を持たない者でも、簡単なものを作ることは可能。

呪力を宿し、自立可能な無生物は「呪骸」(じゅがい)と呼ばれており、自然発生するものは、呪霊のように人間に敵対的な態度をとる。呪骸は心臓となる「核」を持たせたものを人工的に作り出し、式神のように操ることも可能である。呪骸の中でも、使い手の直接的な意思で操作されるタイプのものは、「傀儡」(かいらい、くぐつ)と呼ばれている。

また、生得術式の一種である降霊術(こうれいじゅつ)は、何かしらの霊媒に霊を降ろし、その力を得る。降ろす霊の名前を言う際は、より出生に近い名前を使うことがセオリーとなる。

指定した空間の内と外を分け隔てる「結界」を作る術式。

自分の中に術式を0から構築し、言霊に乗せた呪力を流して発動する。基本的に、呪力が一定量あれば努力次第で習得出来るが、向き不向きが激しく、結界術を習得していない実力者も多い。

「閉じこめる」ことに特化した結界は「領域」と呼ぶ。領域は内からの耐性を上げているため、逆に外からの力に弱く、侵入することが容易い。

結界自体には質量が備わっており、結界と結界の間に閉じ込められると最悪圧死する

帳(とばり)
外から見えなくして呪いをあぶり出す漆黒の結界であり、非術師には認識できない。作中で「結界」という単語は「帳」を指すことが多い。
「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」という詠唱で発動する。生得術式を持たないものでも使用可能。
術師がその効果(指定した人物の侵入を防ぐ等)を設定でき、付与した効果は球形に広がり地面の中にも有効である。結界の効力の足し引きに使える条件は基本的に「呪力にまつわるモノ(人間・呪霊・呪物)」だけである。発動した術師は、帳が破られたことや破損地点を知覚可能。上達すると、視覚効果よりも術式効果を優先することも可能。また、副次的効果として電波が遮断される。
他者の侵入を防ぐバリアとして機能する場合、基本的に発動した術師はその中にいるが、上級的な応用として、術師が外に出ることで発見・撃退されるリスクを上げて、その強度を上げることが出来る。
また、呪力や言霊を他者に託すタイプの帳は嘱託式と呼ばれており、呪符が巻かれた杭を基として用いる。基に呪力を込めて発動するため、基を壊されると帳が解除される。

シン・陰流(シン・かげりゅう)「簡易領域(かんいりょういき)」)
呪術が全盛だった平安時代、芦屋貞綱が自身の門弟を凶悪な呪詛師や呪霊から守るために編み出した、強者の領域から身を守るための弱者の領域。
領域展開のような物質の具現化はされないが、「領域内の相手の術式を中和する」という効果を生み出す。ただし一門相伝であり、この技術を故意に門外に伝えることは「縛り」で禁じられている。

領域展開(りょういきてんかい)
人間や呪霊が持つ心の中「生得領域(しょうとくりょういき)」を、術式を付与して呪力で外部に構築した結界。「呪術の極致」と呼ばれ、これを習得している者は非常に限られている。
「環境要因による術師のステータス上昇」や「必殺の術式を必中必殺に昇華」「引き入れた相手の術式の中和」といった大きなメリットがある。中和効果によって、領域内では「無下限呪術」の使い手・五条悟にも攻撃が当たる。ただし、領域を広げる際は呪力の消費が膨大で、領域を延々と展開するのは不可能。また、使用後は術式が焼き切れて一時的に呪術を使用できなくなる欠点もある。
外観や効果は生得術式によって異なり、術式効果によって、引き入れた時点で使い手の勝利がほぼ確定するものもある。また、術式が付与されていない領域もあり、それらは「未完成の領域」と呼ばれる。
領域への対策としては、相手の呪術を呪術で受けるか、最も有効な手段は対抗する領域の展開である。同時に領域が展開された時はより洗練された術がその場を制する(相性や呪力量も関係する)。また、大抵は無理だが、領域外に逃げるという方法もある。御三家には、秘伝・落花の情という領域対策がある。
領域のうち、「領域展延」(りょういきてんえん)は自分だけを包む液体のような領域をさす。領域にあえて術式を付与しない事で空きを作り、触れた相手の術式をそこに流し込ませて中和することができる。相手の術式だけでなく領域の必中効果も中和できるというメリットがある一方、領域に空きを作るために生得術式との併用はできないというデメリットがある。
秘伝「落花の情(らっかのじょう)」
御三家「禪院家・五条家・加茂家」に伝わる対領域展開術。
簡易領域や領域展延のように領域を展開せず、自身を呪力の膜で覆い、必中の術式が自身に触れた瞬間にカウンターで呪力を解放して身を守るというもの。

呪物

呪いを籠められた物は呪物と呼ばれ、威力・効力によって4級〜1級・特級の等級に分けられている。 物体として現存する呪物は、呪霊が特に発生しやすい学校で魔除けとして使用されている場合もあるが、本質は、より邪悪な呪物で他の呪いを寄せ付けない悪習に過ぎず、経年によって封印が緩み、呪いを呼び寄せ肥えさせる餌に転じたものもある。なお、呪いを宿した武器は 呪具と呼ばれ、呪力を持たない人間にも扱え、呪いを祓うことが出来る。

獄門疆(ごくもんきょう)
偽夏油が五条悟の封印に使用した特級呪物。生きた結界・源信の成れの果てで、封印できないモノは無い。通常時は手のひらサイズの立方体の形をしている。また、未使用時は全体に呪符が貼られている。
使用する際は、「開門」と詠唱して開門させ、内部にある巨大な1つの目で封印する対象を定める。
封印条件は、「開門後、封印有効範囲・半径4m以内に1分間対象を留めなければならない」というもの。なお、この1分は「対象の脳内時間で1分」である。
封印条件を満たすと6つに分かれ、六方から対象を捕縛する。捕縛された対象はその時点で呪力と体の力を奪われ、抵抗不能になる。その後「閉門」と詠唱して対象を中に閉じ込め、元のサイズに戻すことで封印が完了する。
定員は1名で、一度使うと中の人間が自死しない限り使用不可。内部では物理的時間が流れておらず、外部の時間で100年〜1000年といった長い期間封印することが可能。封印された対象を解放する方法は不明。
偽夏油が五条に使用した際は、開門後、五条が自らの手で殺めた親友の姿をした自身がその目の前に現れ、五条の脳内で「3年間の青い夏」を溢れださせることで条件を満たし、封印に成功した。封印後、獄門疆は五条悟という情報を処理しきれず、重量が増加し、移動が困難な状態にある。

組織・家系

呪術高等専門学校
東京と京都に1校ずつ存在する四年制の呪術教育機関。表向きは私立の宗教系学校とされている。略称は「呪術高専」「高専」。
多くの呪術師が卒業後もここを活動拠点としており、教育のみならず任務の斡旋やサポートも行っている呪術界の要。なお、たとえ学生であっても任務に出る以上給料は支払われる。
校舎は天元の結界に囲まれており、高専が登録していない呪力を持つ者が中に入るとアラートが鳴るようになっている。
現在の上層部は、伝統や地位による保守的な方針ばかりに従う保守派揃いであり、五条はその革新を目指している。また、五条が自身の「最強」による発言力を利用した融通(ワガママ)によって救われた術師(虎杖等)も数多く存在する。
このうち、東京の郊外に位置する東京都立呪術高等専門学校(都立呪術高専、単に東京校とも)は、敷地内に数多の寺社・仏閣が建てられており、天元の結界術によって日々配置が替わっている。また、校内には、宿儺の指や呪胎九相図といった危険度の高い呪物を保管する忌庫(きこ)がある。さらに、学校の地下に存在する、天元の膝元に当たる薨星宮(こうせいぐう)は、高専を囲う結界とは別の特殊な結界が張られており、その中には招かれた者しか入ることはできない。
御三家
呪術界のエリート家系であり、自身の影を媒介とした十種の式神術「十種影法術」を持つ禪院家、自身の血液を媒介とした術を持つ「赤血操術」を持つ加茂家、そして、「無限」を操る「無下限呪術」を持つ五条家の三家を指す。
これら三家それぞれの相伝の術式に加え、御三家に伝わる対領域術のカウンター技・秘伝「落花の情」も存在する。一方で、術式や呪力を持たない者は、戦闘力の有無を問わず家系内で冷遇される。
慶長年間には当主同士の御前試合が行われており、当時の五条家当主(無下限呪術+六眼)と禪院家当主(十種影法術)との対戦が行われた際は、禪院家当主が八握剣異戒神将魔虚羅を出して相討ちとなった。

表現技法
テーマ

「呪い」をメインテーマとした本作においては、呪霊と呼ばれる具現化した呪いと呪術師たちとの戦いが描かれる。

キャラクター造形

主人公の高校生・虎杖悠仁は自らの死に対しては達観しており、それは祖父を看取る場面などに現れている。同時に、彼には「正しい死」を望む行動理念があり、天寿を全うする前に人々を殺す呪霊に対しては激しい敵意を向ける。作者の芥見は虎杖のキャラクター造形の経緯について、親近感や頼もしさを感じるような、「近所にいたらいい」というタイプを想定したと、自身が審査員として参加したJUMP新世界漫画賞の連載企画にて、読者の質問に答える形で明らかにしている。同時に、芥見は自身が苦手とする「少年漫画の主人公らしさ」を虎杖に押し付けたとも話しており、当初は彼のことを好きにならないだろうと思っていたが、真人戦から少し好きになったことも明かしている。

呪霊たちは人間の負の感情から生まれたという設定であり、その行動規範や命に対する価値観は人間と大きく異なる。このため、呪霊たちが一般人を殺す場面はあえて軽く描かれている。同時に、人間の死を軽んじる呪霊たちは、虎杖の生き方や信条を侮辱する存在でもあり、対立構造が出来上がっている。たとえば、特級呪霊の一人である真人は、人間の魂に触れて武器や改造人間などに加工する能力を持っている。一方で、芥見の担当編集者の片山は呪霊たちについて、欲求に対して素直な存在として描かれているため、心象を描く場面はあまり必要ないかもしれないとインタビューの中で述べている。さらに、片山は、芥見が彼らを完全な悪として描いているわけではないとも話している。キャラクターの造形にあたり、芥見は高校時代の受験勉強の小論文対策で得た「最初の一行で読み手の心をつかめ」というアドバイスを意識しているほか、読者にとって新しい視点を与えるキャラクターづくりを心掛けていると話している。一方で、キャラクターの設定を固めすぎて自らの思考の切り売りになるのを防ぐため、設定は最小限にしているとも述べている。たとえば、呪術師の一人である七海は「脱サラ」という記号と、大まかな過去や動機と性格だけで構築されており、彼の口から「世の中の大半は善人でも悪人でもない」という言葉が飛び出したときは、彼が他人に見えて安心したと芥見は振り返っている。

他作品からの影響

芥見の担当編集者である片山は芥見本人から聞いた話として、『BLEACH』からの影響が大きいとJUMP j BOOKSとのインタビューの中で明かしている。また、片山は、芥見が漫画だけでなく国内外の映画や小説やテレビドラマを見ており、本作の画風や作風は様々なところから影響を受けているのだろうと推測している。SYOもスピード感あふれる戦闘シーンが他のアニメや海外の映画から影響を受けていると指摘している。一方、テレビアニメ版で主人公・虎杖悠仁を演じる榎木淳弥は原作を読んだ際、ストーリー構造が海外ドラマのようだったとSPICEとのインタビューの中で話している。さわだは、本作から過去のジャンプ作品から影響を感じつつも、むしろ「既視感」から着地点や見せ方をずらしてオリジナリティを生み出していると指摘している。その例として、さわだは4巻第29話における虎杖&七海建人の呪術師タッグと呪霊・真人との戦いを挙げている。同エピソードにおいて真人は、術式で加工した「改造人間」を虎杖らにけしかけており、この場面は罪なき人間を盾にして主人公を追い詰める行為に相当する。他の『ジャンプ』作品では敵に手出しできない主人公がいたぶられながらも自らの正義を全うするのに対し、本作においては虎杖が改造人間から話しかけられて一瞬躊躇するものの抹殺する上、虎杖が殺す場面の代わりに戦闘終了後に虎杖が殺人を犯した旨を告げて人の死について考える場面が挿入される。

書誌情報
コミック
  • 芥見下々 『呪術廻戦』 集英社〈ジャンプ コミックス〉、既刊25巻(2024年1月4日4日現在)
  • 「両面宿儺」2018年7月9日発行(7月4日発売)、ISBN 978-4-08-881516-9
  • 「呪胎戴天」2018年9月9日発行(9月4日発売)、ISBN 978-4-08-881608-1
  • 「幼魚と逆罰」2018年12月9日発行(12月4日発売)、ISBN 978-4-08-881666-1
  • 「殺してやる」2019年3月9日発行(3月4日発売)、ISBN 978-4-08-881756-9
  • 「京都姉妹校交流会」2019年5月7日発行(5月2日発売)、ISBN 978-4-08-881828-3
  • 「黒閃」2019年7月9日発行(7月4日発売)、ISBN 978-4-08-881876-4
  • 「起首雷同」2019年10月9日発行(10月4日発売)、ISBN 978-4-08-882076-7
  • 「懐玉」2020年1月9日発行(1月4日発売)、ISBN 978-4-08-882168-9
  • 「玉折」2020年1月9日発行(1月4日発売)、ISBN 978-4-08-882218-1
  • 「宵祭り」2020年3月9日発行(3月4日発売)、ISBN 978-4-08-882274-7
  • 「渋谷事変-開門-」2020年6月9日発行(6月4日発売)、ISBN 978-4-08-882296-9
  • 「渋谷事変-降霊-」2020年8月9日発行(8月4日発売)、ISBN 978-4-08-882381-2
  • 「渋谷事変-霹靂-」2020年10月7日発行(10月2日発売)、ISBN 978-4-08-882429-1
  • 「渋谷事変-理非-」2021年1月9日発行(1月4日発売)、ISBN 978-4-08-882534-2
  • 「渋谷事変-変身-」2021年3月9日発行(3月4日発売)、ISBN 978-4-08-882581-6
  • 「渋谷事変-閉門-」2021年6月9日発行(6月4日発売)、ISBN 978-4-08-882688-2
  • 「葦を啣む」2021年10月9日発行(10月4日発売)、ISBN 978-4-08-882736-0
  • 「熱」2021年12月30日発行(12月25日発売)、ISBN 978-4-08-882848-0 / ISBN 978-4-08-908413-7(アクリルスタンドカレンダー付き同梱版)
  • 「東京第一結界-怒れる男-」2022年4月9日発行(4月4日発売)、ISBN 978-4-08-883068-1 / ISBN 978-4-08-908414-4(記録──2018年10月“渋谷事変”にて秘匿された物品ならびに現場写真付き同梱版)
  • 「仙台結界-宴半ば-」2022年8月9日発行(8月4日発売)、ISBN 978-4-08-883201-2 / ISBN 978-4-08-908434-2(特製ピンズ20個付き同梱版)
  • 「東京第二結界-豪運-」2022年12月7日発行(12月2日発売)、ISBN 978-4-08-883311-8
  • 「桜島結界-転生-」2023年3月8日発行(3月3日発売)、ISBN 978-4-08-883434-4
  • 「星と油」2023年7月9日発行(7月4日発売)、ISBN 978-4-08-883628-7
  • 「呪胎戴天-再帰-」2023年10月9日発行(10月4日発売)、ISBN 978-4-08-883670-6
  • 「人外魔境新宿決戦」2024年1月9日発行(1月4日発売)、ISBN 978-4-08-883799-4
  • 芥見下々 『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』 集英社〈ジャンプ コミックス〉、全1巻
  • 「眩しい闇」2018年12月4日発売、ISBN 978-4-08-881672-2
小説
  • 芥見下々(原作)、北國ばらっど(小説)、集英社〈JUMP j BOOKS〉
  • 『呪術廻戦 逝く夏と還る秋』 2019年5月1日発売、ISBN 978-4-08-703489-9
  • 『呪術廻戦 夜明けのいばら道』 2020年1月4日発売、ISBN 978-4-08-703492-9
  • 『呪術廻戦 逝く夏と還る秋』 2019年5月1日発売、ISBN 978-4-08-703489-9
  • 『呪術廻戦 夜明けのいばら道』 2020年1月4日発売、ISBN 978-4-08-703492-9
関連書籍
  • 芥見下々 『呪術廻戦 公式ファンブック』 集英社〈ジャンプ コミックス〉、2021年3月4日発売、ISBN 978-4-08-882636-3
反響・評価

単行本 累計発行部数の推移
2019年11月 250万部
2020年5月 450万部
2020年10月2日 850万部
2020年10月29日 1000万部
2020年12月16日 1500万部
2021年1月13日 2000万部
2021年1月26日 2500万部
2021年2月9日 3000万部
2021年3月4日 3600万部
2021年3月31日 4000万部
2021年4月21日 4500万部
2021年6月4日 5000万部
2021年10月4日 5500万部
2021年12月25日 6000万部
2022年4月4日 6500万部
2022年8月4日 7000万部
2023年7月4日 8000万部
2024年1月4日 9000万部

本作の第1巻は2018年7月の発売から間もなく重版がかかり、2巻が発売された同年9月までに2度重版されている。テレビアニメの放送が開始した2020年10月以降は全巻で重版が加速し、2021年3月発売のコミックスはヒットの指標を超える初版150万部、2021年6月4日発売の16巻の初版発行部数は200万部、2021年10月4日発売の17巻の初版発行部数は215万部をそれぞれ記録。2024年1月4日発売の第25巻の発売によって、デジタル版を含めたコミックス累計発行部数は9000万部を突破した。また、小説版の累計発行部数は2021年2月時点で50万部を突破している。

『全国書店員が選んだおすすめコミック2019』では1位、『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019』では大賞をそれぞれ獲得しているなどの受賞歴がある。

アニメ

2020年10月3日から2021年3月27日まで毎日放送・TBS系列『スーパーアニメイズム』枠にて放送された。

また、『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』を原作とする劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』が2021年12月24日に東宝の配給により、IMAX版とともに公開された。

ゲーム

テレビアニメをモチーフにしてゲーム化されている。

舞台
公演リスト
舞台『呪術廻戦』

2022年7月・8月に東京と大阪にて上演された。

2022年7月15日 - 7月31日:東京都・天王洲 銀河劇場
2022年8月7日 - 8月14日:大阪府・メルパルクホール大阪

キャスト(舞台)

虎杖悠仁 - 佐藤流司 伏黒恵 - 泰江和明 釘崎野薔薇 - 豊原江理佳 禪院真希 - 高月彩良 狗巻棘 - 定本楓馬 パンダ - 寺山武志 七海建人 - 和田雅成 伊地知潔高 - 田中穂先 家入硝子 - 石井美絵子 真人 - 太田基裕 吉野順平 - 福澤希空(WATWING) 夏油傑 - 藤田玲 漏瑚 - 山岸門人 花御 - 南誉士広 両面宿儺 - 五十嵐拓人 五条悟 - 三浦涼介

スタッフ(舞台)
  • 原作 - 芥見下々
  • 演出 - 小林顕作
  • 脚本 - 喜安浩平
舞台『呪術廻戦』-京都姉妹校交流会・起首雷同-

2023年12月・2024年1月に東京と兵庫にて上演予定。

2023年12月15日 - 31日:東京都 天王洲 銀河劇場
2024年1月6日 - 14日:兵庫県 AiiA 2.5 Theater Kobe

キャスト(京都姉妹校交流会・起首雷同)

虎杖悠仁 - 佐藤流司 伏黒恵 - 泰江和明→熊沢学 釘崎野薔薇 - 山口乃々華 禪院真希 - 高月彩良 狗巻棘 - 定本楓馬 パンダ - 寺山武志 夜蛾正道 - 南誉士広 冥冥 - 立道梨緒奈 東堂葵 - 小柳心 加茂憲紀 - 梅津瑞樹 西宮桃 - 久家心 禪院真依 - 長谷川愛 三輪霞 - 竹内夢 究極メカ丸 - 塩田康平 庵歌姫 - 平湯樹里 楽巌寺嘉伸 - 陰山泰 組屋鞣造 - 北村海 重面春太 - 益川和久 高田ちゃん - 小貫莉奈 壊相 - 青柳塁斗 五条悟 - 三浦涼介

映像出演

七海建人 - 和田雅成

声の出演

禪院直毘人 - 田中しげ美 伏黒津美紀・九十九由基 - 露詰茉悠 両面宿儺 - 五十嵐拓人 脹相 - 和泉宗兵

スタッフ(京都姉妹校交流会・起首雷同)
  • 原作 - 芥見下々
  • 演出 - 小林顕作
  • 脚本 - 喜安浩平
  • 構成補佐 - 伊藤マサミ