小説

地下鉄に乗って




以下はWikipediaより引用

要約

『地下鉄に乗って』(メトロにのって)は、浅田次郎の長編小説。1994年(平成6年)に徳間書店から刊行された。

第16回(1995年)吉川英治文学新人賞受賞作。過去と現在を地下鉄を通じて行き来し、家族の過去をたどる男を描いた。

本作は、2000年にミュージカルとして舞台化され、2006年には映画化及び、派生ストーリーがテレビドラマ化された。

あらすじ

主人公の小沼真次は、女性用下着を売り歩くセールスマンだが、真次の父親である小沼佐吉は、世界的に有名な「小沼グループ」の創立者であり、真次はその御曹司であった。真次は父親の母や兄への傲慢な態度に反発し、高校卒業後、家を飛び出していたのだ。

ある夜、永田町駅の地下鉄の階段を上ると、そこには30年前の1964年(昭和39年)の風景が広がっていた。そこで真次は、在りし日の兄を目撃する。

その後真次は、同僚であり、自立した愛人関係でもある軽部みち子と共に、現実と過去を行き来しながら、兄の過去、そして、父の生き方を目撃してゆく。

登場する主な駅(東京地下鉄線のみ)
  • 新中野駅:真次の実家(小沼邸)が近くにあるという設定で、1964年の鍋屋横丁の商店街も描かれている。下記映画での商店街シーン撮影は、伊東市で行われた(出典:映画DVD)。
  • 永田町駅:ここの地下道から、最初のタイムスリップが起こるという展開。
  • 神田駅:真次とみち子の勤務先が地下街にあるという設定。
  • 赤坂見附駅
  • 中野坂上駅
  • 中野富士見町駅:みち子の住居が近くにあり、中野検車区に近接しているという設定。
  • 銀座駅
  • 新橋駅
  • 上野駅
  • 三ノ輪駅
登場する主な昭和関連項目
  • 〜昭和25年頃
  • アール・ヌーボー
  • 千日履き
  • 千人針
  • 満州
  • 闇市
  • メタノール(カストリ)
  • パンパン
  • 昭和39年頃
  • 1964年東京オリンピック
  • オデヲン座
  • アール・ヌーボー
  • 千日履き
  • 千人針
  • 満州
  • 闇市
  • メタノール(カストリ)
  • パンパン
  • 1964年東京オリンピック
  • オデヲン座
書籍
  • 単行本:徳間書店 初版1994年3月 ISBN 4198600813
  • 文庫版:徳間文庫 初版1997年6月 ISBN 419890698X
  • 文庫版:講談社文庫 初版1999年12月 ISBN 4062645971
  • 愛蔵版:徳間書店 初版2006年7月 ISBN 4198621918(作者の書き下ろしエッセイあり)
  • 漫画版:講談社 初版2006年10月 ISBN 4063722120(もりひのと作画)
ミュージカル

2000年に音楽座ミュージカル『メトロに乗って』として石川禅・毬谷友子主演で舞台化された。その後この作品は劇団「Rカンパニー」に引き継がれ、2007年には広田勇二・秋本みな子主演で再演され、この模様を収めた映像は2008年にソニーの配給により日本全国の映画館で上映された。2014年にも広田勇二、美羽あさひによって再演されている。

原作者の浅田次郎は2007年の再演の制作発表に出席しており、再演に寄せて「初演は素晴らしい作品で、日本のミュージカルとしては200%満足していると言ってもいい」とのコメントを残している。

公演概要

公演年 2000年 2007年 2014年
公演名 東京公演 兵庫公演 東京公演 全国公演
期間 10月21日 - 11月8日 11月16日 - 18日 12月21日 - 30日 10月3日 - 12月21日
劇場 ル・テアトル銀座 宝塚バウホール 東京芸術劇場中ホール
上演時間 約2時間45分(途中休憩15分)
制作発表 2000年6月1日 2007年11月6日
スタッフ
脚本・演出 ワームホールプロジェクト
音楽 井上ヨシマサ高田浩
美術 朝倉摂
衣装 原まさみ
照明 笠原敏幸
振り付け 野坂公夫 野坂公夫・畠山龍子

2014年

公演名 日付 会場
ホームタウン公演 10月3日 町田市民ホール
10月4日
10月5日
新宿区公演 10月9日 新宿文化センター大ホール
10月10日
10月11日
10月12日
目黒区公演 10月29日 めぐろパーシモンホール大ホール
10月30日
大田区公演 12月4日 大田区民ホール大ホール
12月5日
茨城公演 12月7日 常陸大宮市文化センター
愛知公演 12月14日 幸田町民会館さくらホール
大阪公演 12月20日 シアターBRAVA
12月21日

キャスト

公演年 2000年 2007年 2014年
軽部みち子 毬谷友子 秋本みな子 美羽あさひ
小沼真次 石川禅 広田勇二
アムール(小沼佐吉) 沢木順 吉田朋弘 益山武明
お時 福麻むつ美 井田安寿
野平 すまけい 勝部演之
岡村 三谷六九 小林アトム
村松 佐藤伸行
貞子 今津朋子 野田久美子
小沼昭一 照井悠也 関川慶一
その他の出演者 宮内理恵、渋谷玲子、西原純、田澤啓明、浜崎真美、五十嵐進、江部珠代、小野佳寿子、小笠原家光、近藤祐子、小原和彦、川島豊、清水梨央、隅田亜矢、坪井美奈子、中村陽子、俵和也、橋本久美、丹宗立峰、萩原弘雄、森藤規子、安田栄徳、白沢文晴、千代将太 五十嵐進、浜崎真美、野口綾乃、清田和美、新木啓介、安中惇也、渡辺修也、山合大輔、藤田将範、柴崎一輝、鈴木智美大川麻里江、兼崎ひろみ、富永友紀、堀川亜矢、村田麻衣、渡邊りせ、伊沢絵里子、永澄春香、奥津菜々子、冨永波奈、萩原弘雄、藤原岳、黛一亮

※キャスト順は音楽座ミュージカル/Rカンパニー発表によるキャスト表(2007年公演時)に準拠

ミュージカルナンバー

1幕
プロローグ 序曲
なつかしい未来
1場 思わぬ出来事
闇の中
3場 記憶の地下道
5場 兄の記憶
6場 ポジティブシンキング
7場 求めているもの
8場 スーツケースを持った男
9場 ウェルカムトゥディ
お見知りおきを〜マーケット
10場 アムール
11場 ものは相談
GET YOUR DREAM
12場 バラの花びら
13場 夜明け前
2幕
14場 ラッキーチャンス
神様がくれた人
15場 たそがれの街
16場 メトロに乗って
生きて帰ったら
18場 スクランブル
19場 真実
20場 道標
21場 アールヌーボー(ダンスナンバー)
真昼の星
22場 龍神(ダンスナンバー)
23場 みち子
月明かりの中
エピローグ なつかしい未来
 

1幕
プロローグ 序曲
なつかしい未来
1場 思わぬ出来事
闇の中
3場 記憶の地下道
5場 兄の記憶
6場 ポジティブシンキング
7場 求めているもの
8場 スーツケースを持った男
9場 ウェルカムトゥディ
お見知りおきを〜マーケット
10場 アムール
11場 ものは相談
GET YOUR DREAM
12場 バラの花びら
13場 夜明け前

2幕
14場 ラッキーチャンス
神様がくれた人
15場 たそがれの街
16場 メトロに乗って
生きて帰ったら
18場 スクランブル
19場 真実
20場 道標
21場 アールヌーボー(ダンスナンバー)
真昼の星
22場 龍神(ダンスナンバー)
23場 みち子
月明かりの中
エピローグ なつかしい未来

  • 引用出典 『音楽座ミュージカルマガジンR’s(アールズ)特別号vol.5 December2007』
テレビドラマ

『もういちど地下鉄に乗って』(もういちどメトロにのって)のタイトルで2006年にテレビ朝日の土曜ミッドナイトドラマ枠で全4話が放送された。 原作小説の派生作品になっている。

キャスト
  • 第一話
  • 田波愛:岩田さゆり
  • 田波義彦:橋本さとし
  • 第二話
  • 岩下光:能世あんな
  • 川瀬幸子:真木よう子
  • 第三話
  • 早坂道広:豊原功補
  • 中根翔一:武井証
  • 第四話
  • 山下幸治:浅野和之
  • 山下悦子:浅見れいな
  • 田波愛:岩田さゆり
  • 田波義彦:橋本さとし
  • 岩下光:能世あんな
  • 川瀬幸子:真木よう子
  • 早坂道広:豊原功補
  • 中根翔一:武井証
  • 山下幸治:浅野和之
  • 山下悦子:浅見れいな
スタッフ
  • 脚本:立見千香・谷口純一郎
  • 演出:森田空海・木内麻由美
  • チーフプロデューサー:桑田潔(テレビ朝日)
  • プロデューサー:樽井勝弘・小久保聡(テレビ朝日)、平部隆明
  • 主題歌:Salyu「プラットホーム」
  • 音楽:窪田ミナ
  • 制作:テレビ朝日、ホリプロ

テレビ朝日 土曜ミッドナイトドラマ
前番組 番組名 次番組
もういちど地下鉄に乗って

映画

2006年に篠原哲雄監督により堤真一、岡本綾主演で映画化され、10月21日より、松竹・東急系にて公開。 撮影にあたり、本作が初めて東京地下鉄(東京メトロ)の全面協力を得た。また、喫茶店のシーンを撮影していた時に原作者の浅田が来ていたため、客として映画に出演している。

キャスト
  • 長谷部真次:堤真一

原作と異なり、両親の離婚後、母方の姓を名乗る設定である

  • 軽部みち子:岡本綾
  • 小沼佐吉 / アムール:大沢たかお
  • お時:常盤貴子
  • 野平啓吾(先生):田中泯
  • 岡村会長:笹野高史
  • 小沼昭一:北条隆博
  • 小沼真次:崎本大海(少年時代)
  • 小沼圭三:金井史更(少年時代)→綱島郷太郎(現在)
  • 長谷部節子(真次の妻):中村久美
  • 長谷部民枝:中島ひろ子(若年期)→吉行和子(現在)
  • 斉藤陽一郎、中村靖日、水木薫、山田幸伸、千葉哲也、眞島秀和、遠藤雄弥、市川円香、浅川稚広、高良健吾、小関裕太ほか
スタッフ
  • 監督:篠原哲雄
  • 脚本:石黒尚美
  • 音楽:小林武史
  • 主題歌:Salyu 「プラットホーム」(TOY'S FACTORY)
  • 編集:キム・ソンミン
  • 撮影:上野彰吾
  • 視覚効果:松本肇
  • 美術:金田克美
  • 照明:赤津淳一
  • 録音監督:橋本文雄
  • 助監督:中西健二
  • 音響効果:小島彩
  • 選曲:浅梨なおこ
  • アクションコーディネーター:高瀬将嗣、森聖二
  • ガンエフェクト:パイロテック
  • カースタント:野呂真治
  • 特別協力:東京地下鉄(東京メトロ)
  • 協力:森ビル、伊東市、伊東観光協会
  • 協賛:サントリー
  • 現像:IMAGICA
  • スタジオ:日活撮影所
  • 企画:小滝祥平、三宅澄二、高松宏伸、梅澤道彦
  • プロデュース:鈴木尚、五郎丸弘二、辻畑秀生、森谷晃育
  • 制作プロダクション:デスティニー
  • 配給:ギャガ・コミュニケーションズ + 松竹
  • 製作:ギャガ・コミュニケーションズ、ジェネオンエンタテインメント、テレビ朝日、メ~テレ、松竹、電通、アドギア、LDH、ミコット・エンド・バサラ、IMAGICA、デスティニー
撮影が行われた主な駅
  • 竹橋駅:新中野駅開業当時のシーンの撮影が行われた(下記ラッピング電車が登場)。
  • 永田町駅
  • 神田駅
  • 赤坂見附駅
  • 表参道駅
  • 御茶ノ水駅:ここから淡路町駅への区間がエンドロール前に登場する。
登場する地下鉄電車

(実車のみ)

  • 01系電車
  • 02系電車
  • 08系電車

なお、作中に登場した帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)丸ノ内線の300形電車は1996年に同線での営業運転を終了したため、当時東西線で使用されていた5000系電車(3両)の車体(アルミニウム合金製)全体にラッピングシールを貼って再現している(参考:映画DVD他)。