地球最後の男
以下はWikipediaより引用
要約
『地球最後の男』(ちきゅうさいごのおとこ、原題:I Am Legend)は、アメリカの作家リチャード・マシスンによる1954年のホラー小説。ゾンビや吸血鬼文学の近代化に影響を与え、疫病による世界的な黙示録という概念を広めた。この小説は成功を収め、映画『地球最後の男』(1964年)、『地球最後の男オメガマン』(1971年)、『アイ・アム・レジェンド』(2007年)などに映画化された。
日本語版タイトル
"I Am Legend" は1954年に発表された。日本では新たな版が刊行されるたびに異なるタイトルが付けられた。以下にその変遷を示す。
作者名の表記はリチャード・マティスンとなっている。
映画『地球最後の男オメガマン』公開に合わせて再刊された。
文庫化に際して改題された。
映画『アイ・アム・レジェンド』公開に合わせて新訳が刊行された。
本項では便宜上3.を記事名としている。
解説
本作はリチャード・マシスンの長編デビュー作であると共に、全世界の人間が吸血鬼と化し、ただ一人の人間となった主人公に襲い掛かってくるというシチュエーションが、様々なエピゴーネンとオマージュの対象となっている。
- 全世界で生き残った人間が、主人公ただ一人
- 一軒家に立て籠もる主人公を狙って、夜な夜な死者が集まってくる
- 吸血鬼という古典怪談の怪物を現代・都市部の怪物として再生
- オカルト現象を病理学的・科学的に解明しようとする
- ラストで明かされる価値観の逆転
主にこれらの点が、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』などの現代のゾンビ映画のイメージに影響を与え続けている。
現在までにヴィンセント・プライス、チャールトン・ヘストン、ウィル・スミス主演で3度映画化されている。
あらすじ
1970年代、人間を死に追いやった後に吸血鬼として甦らせる吸血ウイルスが、世界中に蔓延した。人類が滅びる中、ただ一人生き残ったロバート・ネヴィルは、夜な夜な自分の家の周囲に集い、騒ぎ立てる吸血鬼たちと孤独感に苦しみながら、昼間は眠る吸血鬼たちを狩り出して杭を打ち込みながら、生活必需品の確保と、吸血鬼退治の方法を研究し続けるのだった。
そんなある日、ネヴィルは太陽の下で活動する女性を発見し、自宅に引きずり込む。ルースと名乗る女はやがて自分がスパイであること、そしてネヴィルにこの場所から逃げるように告げて姿を消すが、ネヴィルは結局自宅に留まり続ける。
そしてある夜、暴走族のような集団がネヴィル邸を襲撃し、周囲に集っていた吸血鬼たちを殺戮し、抵抗するネヴィルを痛めつけて連行する。彼らは吸血ウイルスに冒されながらも生き残り、新たなコミュニティを形成する新人類であった。
そしてネヴィルは、彼らが処刑されようとする自分を見る目に恐怖が宿っていること、そして彼らにとって、自分こそが「人々」が寝静まった頃に街を徘徊し、「人々」を殺戮しまくる伝説の怪物(Legend)であることに気づくのだった。
登場人物等
ベン・コートマン
吸血鬼たち
映画化作品
以下、特にことわりが無ければカラー映画
地球最後の男 (The Last Man on Earth) - 1964年(アメリカ / イタリア)
モノクロ映画。原作者のマシスンも脚本に参加しており、ほぼ原作を踏襲したストーリーとなっている。
地球最後の男オメガマン (The Omega Man) - 1971年(アメリカ)
吸血鬼は、細菌戦争によって生み出されたミュータントのカルト集団に置き換えられている。ネヴィルは生き残りのわずかな人類に血清を作り、英雄的に死ぬという改変がなされている。
アイ・アム・レジェンド (I Am Legend) - 2007年(アメリカ)
吸血鬼は、人為的なウイルスによって生み出された人肉食の生物に置き換えられている。また、ネヴィルの関連人物の設定もかなり変えられているが、ネヴィルについては単独でニューヨークで血清を作り、やはり英雄的に死ぬ展開になっている。セルソフト版に収録された「衝撃の別ラスト版」では、原作と同じ「価値観の逆転」が描かれている。