小説

夜は満ちる




以下はWikipediaより引用

要約

『夜は満ちる』(よるはみちる)は、小池真理子による日本のホラー小説。幻想怪奇小説。

単行本は、2004年6月に新潮社より刊行された。文庫版は、2007年3月に新潮文庫より、2017年8月に集英社文庫より刊行された。文芸評論家の池上冬樹は、「強烈などんでん返しもあるが、初期ほど鋭くはない」「肌が粟だつほど怖いが、憧れるほどの高揚感と浮遊感と忘我もある」「官能のすべてを生々しく喚起させる小池真理子の極上の物語が、ここにある」と評している。文芸評論家の東雅夫は、「『水無月の墓』や『ノスタルジア』の流れを汲む、迫真の現代怪談・異界小説集として、出色の一巻」と評している。

あらすじ

やまざくら
涼子は、〈先生〉の妻であるまやの訃報を受け、通夜に出席するために東京に戻ってきた。涼子は、島本病院へ向かいながら、まやの人となりや〈先生〉との間にあった出来事などを思い起こす。
梅雨が始まったころに、〈わたし〉は風邪を引き、1か月ほど経ってもなお、勤めを休んでいる。そうしているうちに、のんちゃんのことを思い出し始める。
坂の上の家
翻訳の仕事をしている〈私〉は、急な坂道を上りつめたところに建つ家に住んでいる。〈私〉は、家の外に人の気配を感じるようになる。しかし、外に出て、家のまわりを観察しても、怪しい人影などはないのだった。
夜は満ちる
〈私〉は、病気を患っている夫と暮らしている。夫はもう、〈私〉を抱かないが、夫と〈私〉は、夜になると1つの布団で一緒に寝る。夫は、ごくたまに、長々と問わず語りをすることがある。ある晩、〈私〉は、ある不思議な光景を目にする。
イツカ逢エル……
ある静かな夜に、多恵子は、湯船に浸かりながら、小窓の外の草むらで鳴いている虫の声をきいている。そして、父のことや母のこと、美津江のことなどを思い返している。
蛍の場所
圭一は、売れない俳優だった。テレビ局と映画制作会社協賛の〈レディス脚本大賞〉を受賞した奈津子は、圭一と付き合っていた。そして今、〈シベール〉と名付けた、自分が経営している喫茶店で、ある人を待っている。
康平の背中
ある雨の日、〈私〉は、〈高砂〉という名の料亭を訪れる。大柄な女将に迎えられ、ほの暗く長い渡り廊下を歩き、鯉のいる池に囲まれた渡り廊下を渡って、離れの個室の戸を開けると、柏木という資産家の姿があった。

登場人物

この節の加筆が望まれています。 (2017年10月)

やまざくら


〈先生〉

外科医。島本病院の院長。
島本まや

〈先生〉の妻。
涼子

島本病院の元院長秘書。
相沢

島本病院の勤務医。



吉崎

建設会社勤務。
〈わたし〉

吉崎の愛人。

坂の上の家


〈私〉

坂の上の家に住む女性。翻訳の仕事をしている。
田沢

編集者。

夜は満ちる


〈私〉

小樽出身の女性。
合田(ごうだ)

マッサージ師。

イツカ逢エル……


多恵子

広告代理店の元社員。
美津江(みつえ)

北海道出身。

蛍の場所


圭一(けいいち)

俳優。故人。
奈津子(なつこ)

喫茶店経営。圭一の親友。
美保

圭一の妻。

康平の背中


〈私〉

獣医の妹。
柏木(かしわぎ)

初老の男。